JP2002284672A - クレンジング化粧料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】クレンジング効果、使用感（使用時のなめらか
さ、使用後の保湿感、使用後のべたつき感のなさ）に優
れたクレンジング化粧料を提供すること。 【解決手段】（Ａ）水溶性多価アルコール２０〜７０質
量％、（Ｂ）ＨＬＢ７以上１２未満のノニオン性界面活
性剤０．１〜１０質量％、（Ｃ）ＨＬＢ１２以上のノニ
オン性界面活性剤０．１〜１０質量％、（Ｄ）アクリル
酸・メタクリル酸アルキル共重合体０．０１〜３質量％
を必須成分として含有することを特徴とするクレンジン
グ化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はクレンジング化粧料
に関し、さらに詳細には、クレンジング効果に優れ、か
つ使用中及び使用後の感触が良好なクレンジング化粧料
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、皮膚上の皮脂の汚れやメイクアッ
プ化粧料を除去するためのクレンジング化粧料として
は、液状油等を主成分とする油性クレンジング化粧料、
また油性成分を界面活性剤で乳化し、クリーム状や乳液
状にした乳化タイプのクレンジング化粧料、さらに界面
活性剤を水性成分中や水溶性高分子で固めたゲルの中へ
溶解したタイプの水性クレンジング化粧料等が用いられ
てきた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、油性ク
レンジング化粧料や乳化タイプのクレンジング化粧料
は、油性成分を多量に含有するため油汚れとのなじみが
良く、クレンジング効果に優れる反面、拭き取り後又は
洗い流し後に油性成分が肌に残存してべたつき感を生
じ、さっぱりした使用感を得ることができない場合があ
った。

【０００４】一方、水性クレンジング化粧料は、油性成
分の含有量が少ないため、使用中の感触がみずみずし
く、さっぱりした使用感を有するが、油汚れとのなじみ
が悪く、クレンジング効果が充分でない場合があった。
このためクレンジング成分として、洗浄力のあるアニオ
ン性界面活性剤や両性界面活性剤を配合してクレンジン
グ効果を高めることが行われてきた。しかしながら、こ
の場合クレンジング効果は向上するが、洗い流し後の肌
のしっとり感が不足し、つっぱり感を感じる場合があっ
た。従って、優れたクレンジング効果を有し、使用後も
べたつき感がなく、保湿感に優れるクレンジング化粧料
の開発が望まれていた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このような事情に鑑み、
本発明者は上記欠点を克服すべく鋭意研究を行った結
果、水溶性多価アルコール、ＨＬＢ７以上１２未満のノ
ニオン性界面活性剤、ＨＬＢ１２以上のノニオン性界面
活性剤、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体を
必須成分として特定量を含有することにより、優れたク
レンジング効果、良好な使用中の感触、使用後もべたつ
き感がなく、保湿感に優れることを見出し、本発明を完
成するに至った。

【０００６】すなわち、本発明は、（Ａ）水溶性多価ア
ルコール２０〜７０質量％、（Ｂ）ＨＬＢ７以上１２未
満のノニオン性界面活性剤０．１〜１０質量％、（Ｃ）
ＨＬＢ１２以上のノニオン性界面活性剤０．１〜１０質
量％、（Ｄ）アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合
体０．０１〜３質量％を必須成分として含有することを
特徴とするクレンジング化粧料である。また好ましく
は、成分（Ａ）の水溶性多価アルコールがグリセリンで
あるクレンジング化粧料である。更に好ましくは成分
（Ｅ）として低級アルコールを含有するクレンジング化
粧料である。

【０００７】以下、本発明について詳述する。本発明に
用いられる成分（Ａ）の水溶性多価アルコールは、クレ
ンジング化粧料として使用時に厚みのあるなめらかな感
触、及び使用後のしっとりとした保湿感を付与する目的
で含有されるものである。

【０００８】本発明に用いられる成分（Ａ）の水溶性多
価アルコールについては特に制限されないが、具体的に
例示するのであれば、分子内に２個以上の水酸基を有す
る水溶性多価アルコールであり、例えば、プロピレング
リコール、１，３−ブチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、エチレングリコール等のグリコール類、グ
リセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、ソルビ
トール、マルチトール等を挙げることができる。これら
は必要に応じて一種または二種以上を適宜選択して用い
ることができる。これらの中でも使用時に厚みのあるな
めらかな感触、及び使用後のしっとりとした保湿感をよ
り得るためには、グリセリンが好ましい。

【０００９】本発明において、成分（Ａ）の水溶性多価
アルコールは、全組成中２０〜７０質量％（以下、単に
「％」と記す）であればよく、さらに３０〜６０％であ
れば、使用時に厚みのあるなめらかな感触、及び使用後
のしっとりとした保湿感を得るためにより好ましい。２
０％未満では使用時に厚みのある滑らかな使用感が得ら
れず、また７０％を超えて配合するとべたつき感を生
じ、クレンジング効果も悪くなるため好ましくない。

【００１０】本発明に用いられる成分（Ｂ）のＨＬＢ７
以上１２未満のノニオン性界面活性剤は、優れたクレン
ジング効果を付与する目的で含有されるものである。Ｈ
ＬＢ７以上１２未満のノニオン性界面活性剤は油汚れに
対するクレンジング効果が高く、本発明ではＨＬＢ１２
以上のノニオン性界面活性剤と組合せて配合することで
クレンジング効果を相乗的に向上させることができる。

【００１１】本発明に用いられる成分（Ｂ）のＨＬＢ７
以上１２未満のノニオン性界面活性剤は、特に制限され
ないが、具体的に例示するのであれば、グリセリン脂肪
酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリ
グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコー
ル付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそ
のアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エス
テル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトー
ルの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加
物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂
肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテ
ル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒ
マシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、高級
脂肪酸エタノールアミド、ポリオキシアルキレンアルキ
ル共変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が
挙げられる。これらは必要に応じて一種または二種以上
を適宜選択して組み合わせて用いることができる。これ
らの中でもＨＬＢ７以上１２未満のノニオン性界面活性
剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオ
キシエチレンソルビット脂肪酸エステル、トリイソステ
アリン酸ポリオキシエチレングリセリルが優れたクレン
ジング効果を得るために好ましい。

【００１２】本発明において、成分（Ｂ）のＨＬＢ７以
上１２未満のノニオン性界面活性剤は、全組成中０．１
〜１０％であればよく、さらに０．５〜５％であれば、
優れたクレンジング効果を得るためにより好ましい。
０．１％未満では良好なクレンジング効果が得られず、
また、１０％を超えて含有すると洗浄効果が強すぎて使
用後の保湿感が充分でない場合があり好ましくない。

【００１３】本発明に用いられる成分（Ｃ）のＨＬＢ１
２以上のノニオン性界面活性剤は、優れたクレンジング
効果を付与し、使用後のべたつき感を減らす目的で含有
されるものである。ＨＬＢ１２以上のノニオン性界面活
性剤は油汚れ以外の水系成分などに対するクレンジング
効果が高く、本発明ではＨＬＢ７以上１２未満のノニオ
ン性界面活性剤と組合せて配合することでクレンジング
効果を相乗的に向上させることができる。

【００１４】本発明に用いられる成分（Ｃ）のＨＬＢ１
２以上のノニオン性界面活性剤は、特に制限されない
が、具体的に例示するのであれば、グリセリン脂肪酸エ
ステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリ
セリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付
加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのア
ルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル
及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの
脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、
ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸
エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グ
リセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ
油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、高級脂肪
酸エタノールアミド、ポリオキシアルキレンアルキル共
変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げ
られる。これらは必要に応じて一種または二種以上を適
宜選択して組み合わせて用いることができる。これらの
中でもＨＬＢ１２以上のノニオン性界面活性剤としては
高級脂肪酸エタノールアミドが優れたクレンジング効果
及び使用後のべたつきの無い感触を得るためにより好ま
しい。高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン
酸、ヤシ油脂肪酸等が挙げられ、モノエタノールアミ
ド、ジエタノールアミドのいずれをも使用することがで
きる。また、ポリオキシエチレンが付加している高級脂
肪酸エタノールアミドでも良い。

【００１５】本発明において、成分（Ｃ）のＨＬＢ１２
以上のノニオン性界面活性剤は、全組成中０．１〜１０
％であればよく、さらに０．５〜５％であれば、優れた
クレンジング効果を得るためにより好ましい。０．１％
未満では良好なクレンジング効果が得られず、また、１
０％を超えて含有すると洗浄効果が強すぎて使用後の保
湿感が充分でない場合があり好ましくない。

【００１６】本発明において、成分（Ｂ）のＨＬＢ７以
上１２未満のノニオン性界面活性剤と成分（Ｃ）のＨＬ
Ｂ１２以上のノニオン性界面活性剤の配合割合が、ＨＬ
Ｂ７以上１２未満のノニオン性界面活性剤：ＨＬＢ１２
以上のノニオン性界面活性剤＝２０：１〜１：２０の範
囲にあるとより優れたクレンジング効果を得るために好
ましく、更に５：１〜１：５の範囲であるとより好まし
い。

【００１７】本発明に用いられる成分（Ｄ）のアクリル
酸・メタクリル酸アルキル共重合体は、クレンジング化
粧料の増粘剤及び使用時のなめらかな感触を付与する目
的で含有されるものである。

【００１８】本発明に用いられる成分（Ｄ）のアクリル
酸・メタクリル酸アルキル共重合体は、特に制限されな
いが、具体的に例示するのであれば、アクリル酸とアル
キル（Ｃ１０〜Ｃ３０）アクリル酸エステルの架橋型共
重合体などが挙げられ、更に詳しく例示するとカーボポ
ール１３４２、ペミュレンＴＲ−１、ペミュレンＴＲ−
２（以上、Ｂ．Ｆ．グッドリッチ社製）等の市販品を使
用することができる。これらは必要に応じて一種、又は
二種以上を組み合わせて用いることができる。

【００１９】本発明に用いられる成分（Ｄ）のアクリル
酸・メタクリル酸アルキル共重合体は、全組成中０．０
１〜３％であればよく、さらに０．０５〜１．５％であ
れば、使用時のなめらかな感触を得るためにより好まし
い。０．０１％未満では良好な使用時のなめらかな感触
を得られず、また、３％を超えて含有すると粘度が高す
ぎて、肌に塗布する際に伸びが悪くなったり、べたつき
感を生じたりして良好な使用感が得られない。

【００２０】本発明には、更なる使用感向上を目的とし
て成分（Ｅ）の低級アルコールを含有することも可能で
ある。低級アルコールは、使用後のべたつき感を抑えさ
っぱりとした使用感を付与し、クレンジング化粧料とし
ての使用感を更に向上させる。

【００２１】本発明に用いられる成分（Ｅ）の低級アル
コールとしては、エチルアルコール、イソプロピルアル
コールなどが挙げられる。これらは必要に応じて一種、
又は二種以上を組み合わせて用いることができる。

【００２２】本発明において、成分（Ｅ）の低級アルコ
ールの含有量は特に限定されないが、使用後のさっぱり
感をより向上させるためには、全組成中０．１〜３０％
が好ましく、より好ましくは３〜１５％である。

【００２３】本発明のクレンジング化粧料は、液状、乳
液状、ゲル状、クリーム状いずれでも良く、マッサージ
料、メイクアップ除去料等に適用することができる。ま
た、使用方法としては、拭き取り使用、洗い流し使用の
いずれであっても好適である。

【００２４】本発明のクレンジング化粧料においては、
上記必須成分に加え、一般に化粧料に配合される成分を
本発明の効果を損なわない範囲で配合することができ
る。例えば、ＨＬＢの範囲が上述した以外のノニオン性
界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活
性剤、両性界面活性剤、カルボキシビニルポリマー、メ
チルセルロース、ポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レン共重合体等の水溶性高分子化合物、ワックス、油
剤、シリコーン、脂肪酸、美容成分、無機粉体、有機粉
体、アルカリ剤、香料、色素、酸化防止剤、殺菌剤、防
腐剤等を本発明の効果を損なわない範囲で配合すること
ができる。

【００２５】

【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を更に説明す
る。なお、これらは本発明を何ら限定するものではな
い。

【００２６】実施例１〜８及び比較例１〜８：クレンジ
ング料 下記表１及び表２に示す組成のクレンジング料を調製し
た。得られたクレンジング料を（１）クレンジング効
果、（２）使用感（使用時のなめらかさ）、（３）使用
感（使用後の保湿感）、（４）使用感（使用後のべたつ
きのなさ）について下記の方法により評価し、結果を併
せて表１及び表２に示した。

【００２７】

【表１】

【００２８】

【表２】

【００２９】（製造方法） Ａ：成分（１）〜（３）、（９）を均一に混合する。 Ｂ：成分（４）〜（８）を均一に混合して、Ａに添加混
合してクレンジング料を得た。

【００３０】（１）〜（４）官能評価試験 女性評価パネル２０名により、上記クレンジング料を適
量手に取り、ファンデーションを塗布した顔面に良くな
じませた後、コットンにて拭き取り、（１）クレンジン
グ効果、（２）使用感（使用時のなめらかさ）、（３）
使用感（使用後の保湿感）、（４）使用感（使用後のべ
たつきのなさ）のそれぞれの評価項目について下記
（イ）絶対評価基準を用いて７段階評価をしてもらっ
た。その後、各試料の評点の平均値を（ロ）４段階判定
基準を用いて判定した。

【００３１】評価項目 〈１〉クレンジング効果 〈２〉使用感（使用時のなめらかさ） 〈３〉使用感（使用後の保湿感） 〈４〉使用感（使用後のべたつきのなさ） （イ）絶対評価基準 （評点） （評価） ６ ： 非常に良い ５ ： 良い ４ ： やや良い ３ ： 普通 ２ ： やや悪い １ ： 悪い ０ ： 非常に悪い （ロ）４段階判定基準 （評点の平均値） （判定） ５．０を超えるもの ： ◎ ３．０を超えて、５．０迄のもの ： ○ １．０を超えて、３．０迄のもの ： △ １．０以下のもの ： ×

【００３２】表１及び表２の結果から明らかなように本
発明の実施例１〜８のクレンジング料は比較例１〜８と
比較して、クレンジング効果、使用時のなめらかさ、使
用後の保湿感、使用後のべたつき感のなさに優れたクレ
ンジング料であった。

【００３３】 注１：ペミュレンＴＲ−１（Ｂ．Ｆ．グッドリッチ社
製）

【００３４】（製造方法） Ａ：成分（１）〜（５）を均一に混合する。 Ｂ：成分（６）〜（１３）を均一に混合して、Ａに添加
混合してクレンジング化粧料を得た。

【００３５】実施例９のクレンジング化粧料は、クレン
ジング効果、使用時のなめらかさ、使用後の保湿感、使
用後のべたつき感のなさに優れたクレンジング化粧料で
あった。

【００３６】 実施例１０：（スクラブ剤入りクレンジング化粧料） （成分） （％） （１）ジプロピレングリコール １０．０ （２）グリセリン ３０．０ （３）アクリル酸・メタクリル酸アルキ ０．６ ル共重合体 注１ （４）水酸化ナトリウム ０．１２ （５）精製水 残量 （６）ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 １．５ （３０Ｅ．Ｏ．）（ＨＬＢ＝１１） （７）ポリオキシエチレントリイソステア ０．５ リン酸グリセリル（３０Ｅ．Ｏ．） （ＨＬＢ＝１０） （８）ミリスチン酸ジエタノールアミド ２．０ （ＨＬＢ＝１２） （９）ポリエチレンパウダー １．０ （１０）エタノール ８．０ （１１）防腐剤 適量 （１２）香料 適量 注１：ペミュレンＴＲ−２（Ｂ．Ｆ．グッドリッチ 社製）

【００３７】（製造方法） Ａ：成分（１）〜（５）を均一に混合する。 Ｂ：成分（６）〜（１２）を均一に混合して、Ａに添加
混合してスクラブ剤入りクレンジング化粧料を得た。

【００３８】実施例１０のスクラブ剤入りクレンジング
化粧料は、クレンジング効果、使用時のなめらかさ、使
用後の保湿感、使用後のべたつき感のなさに優れたクレ
ンジング化粧料であった。

【００３９】

【発明の効果】以上述べたように、本発明のクレンジン
グ化粧料は、優れたクレンジング効果、優れた使用感
（使用時のなめらかさ、使用後の保湿感、使用後のべた
つき感のなさ）が得られ、優れた品質を有するものであ
る。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】次の成分（Ａ）〜（Ｄ）、 （Ａ）水溶性多価アルコール２０〜７０質量％ （Ｂ）ＨＬＢ７以上１２未満のノニオン性界面活性剤
   ０．１〜１０質量％ （Ｃ）ＨＬＢ１２以上のノニオン性界面活性剤０．１〜
   １０質量％ （Ｄ）アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体０．
   ０１〜３質量％ を必須成分として含有することを特徴とするクレンジン
   グ化粧料。
2. 【請求項２】成分（Ａ）がグリセリンであることを特徴
   とする請求項１記載のクレンジング化粧料。
3. 【請求項３】さらに成分（Ｅ）として低級アルコールを
   含有することを特徴とする請求項１又は２のいずれかに
   記載のクレンジング化粧料。