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JP2002250906A - 投射型映像表示装置 - Google Patents

投射型映像表示装置

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JP2002250906A
JP2002250906A JP2001051773A JP2001051773A JP2002250906A JP 2002250906 A JP2002250906 A JP 2002250906A JP 2001051773 A JP2001051773 A JP 2001051773A JP 2001051773 A JP2001051773 A JP 2001051773A JP 2002250906 A JP2002250906 A JP 2002250906A
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JP
Japan
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image
light
illuminance
screen
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JP2001051773A
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Katsumi Asakawa
勝巳 浅川
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 投射型映像表示装置における黒レベル、ダイ
ナミックレンジ及び色再現性を改善する。 【解決手段】 光源手段5に供給される電力に応じた光
量で該光源手段5から出射される光をライトバルブ手段
に入射し、該ライトバルブ手段の画像形成面で形成され
る入力映像信号に応じた画像を、光学系を介しスクリー
ンに投射する投射型映像表示装置において、スクリーン
に投射される映像の面積を算出する第一の演算手段2
と、スクリーンに投射される映像の近傍の照度を測定す
る測光手段1と、第一の演算手段2により算出された映
像の面積と測光手段1により測定された照度とに基づ
き、黒レベル補正値を算出する第二の演算手段3と、該
第二の演算手段3により算出された黒レベル補正値に従
い、光源手段5に供給される電力を制御する光源電力制
御手段4とを備えることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は投射型映像表示装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】図12に、周辺照明光が遮断された暗室
における、投射型映像表示装置における投射映像の照度
と入力信号レベル(無彩色)の一般的な関係を示す。こ
こで、ILxはスクリーン上の黒レベル(無彩色、入力
信号レベル0)の部分の照度である。投射型映像表示装
置にライトバルブとして使用される液晶パネルは入力信
号が0レベルであっても光を完全には遮断できないの
で、このILxは0にはならない。
【0003】投射型映像表示装置を暗室ではなく、周辺
照明光がスクリーンに照射する環境下(例えば、プレゼ
ンテーションにおいて視聴者がメモを取ることができる
ように室内の照明を点灯する場合など)で使用する場合
には、図13に示すように周辺照明光によるスクリーン
上の照度ILyによって、その照度以下の黒レベルが再
現されずにつぶれてしまい、ダイナミックレンジが狭く
なる。逆に薄暗い環境下で投射型映像表示装置を使用す
る場合には、図14に示すように、周辺照明光によるス
クリーン上の照度がILzであれば、ILx−ILzの
値だけ黒レベルが浮いてしまう。
【0004】また、周辺照明光が遮断された暗室におけ
る投射映像の色再現範囲が図15(CIE XYZ表色
系のxy色度図)に示すものである時、例えば白色の周
辺照明光が投射映像に照射すると図16に示すようにそ
の色再現範囲は狭くなる。尚、周辺照明としては通常、
白色光が使用されるが、他の色みが掛かった照明が使用
される場合でも色再現範囲は狭くなり、またその場合に
は色再現範囲の形状も変わる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】投射型映像表示装置
は、通常、ブライトネス調整機能及びコントラスト調整
機能を備え、使用者はスクリーンに投射された映像を見
ながらブライトネス及びコントラストを調整することが
できるが、これらの機能では、上記の黒浮き、黒つぶ
れ、ダイナミックレンジの狭小化、色再現性の低下に十
分に対処することはできない。それに加え、ブライトネ
ス及びコントラストの調整は、一般にディジタル信号に
変換された映像信号の演算処理によって実現されるが、
例えば、ディジタル映像信号が8ビット信号である場
合、演算時のビット長を一時的に10ビットに拡張する
など十分大きくしなければ、演算誤差の蓄積により実質
的なダイナミックレンジを逆に縮める可能性があり、ま
た、この演算誤差の蓄積により投射映像に偽輪郭を生じ
させる可能性もある。
【0006】本発明は、上述の問題を解消するためにな
されたものであり、投射型映像表示装置における、投射
映像の黒レベル、ダイナミックレンジ及び色再現性を改
善することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、光源手段に供給される電力に応じた光量で該光源手
段から出射される光をライトバルブ手段に入射し、該ラ
イトバルブ手段の画像形成面で形成される入力映像信号
に応じた画像を、光学系を介しスクリーンに投射する投
射型映像表示装置において、スクリーンに投射される映
像の面積を算出する第一の演算手段と、スクリーンに投
射される映像の近傍の照度を測定する測光手段と、前記
第一の演算出手段により算出された映像の面積と前記測
光手段により測定された照度とに基づき、黒レベル補正
値を算出する第二の演算手段と、前記第二の演算手段に
より算出された黒レベル補正値に従い、前記光源手段に
供給される電力を制御する光源電力制御手段と、を備え
ることを特徴とする。
【0008】請求項2に記載の発明は、前記投射型映像
表示装置の本体からスクリーンまでの距離を自動的に測
定する測距手段を更に備え、前記第一の演算手段は、前
記光学系の投射レンズユニットに含まれるズームレンズ
の被制御位置と、前記測距手段により測定された距離と
に基づきスクリーンに投射される映像の面積を自動的に
算出することを特徴とする。
【0009】請求項3に記載の発明は、前記光源電力制
御手段により前記光源手段に供給される電力が変更され
たときにリセットされ、該リセット時点からの経過時間
を計時すべくカウントアップを開始する第一の計時手段
を更に備え、前記光源電力制御手段は、該第一の計時手
段のカウント値が所定の値に達するまでは前記光源手段
に供給される電力を変更しないことを特徴とする。
【0010】請求項4に記載の発明は、前記測光手段に
より測定された照度を一定の時間間隔でサンプリングし
て順次記憶する第一の記憶手段と、該第一の記憶手段に
記憶されている照度の平均値を算出する第三の演算手段
とを更に備え、前記第二の演算手段は該第三の演算手段
から供給される照度の平均値に基づき前記黒レベル補正
値を算出することを特徴とする。
【0011】請求項5に記載の発明は、前記光源電力制
御手段が前記光源手段が点灯されてから所定の時間が経
過するまでは前記測光手段により測定された照度の如何
に関らず、前記光源手段に供給される電力を一定に保つ
ことを特徴とする。
【0012】請求項6に記載の発明は、前記測光手段に
より測定された投射映像近傍の照度が、前記光源電力制
御手段の制御限界となる黒レベルよりも明るい場合は、
該投射映像のブライトネス及びコントラストをその差分
に応じて調節すべく入力映像信号を補正する第四の演算
手段を更に備えることを特徴とする。
【0013】請求項7に記載の発明は、前記光源手段が
累積点灯時間の増加に伴い管電圧が変化する放電管を含
み、該光源手段の累積点灯時間を計時する第二の計時手
段と該光源手段の累積点灯時間の増加に伴う管電圧の変
化特性を記憶した第二の記憶手段とを更に備え、前記光
源電力制御手段は、前記第二の計時手段から入力される
累積点灯時間及び前記第二の記憶手段から入力される前
記管電圧の変化特性に基づき、前記管電圧の変化に伴う
前記光源手段の電力変動を補償することを特徴とする。
【0014】請求項8に記載の発明は、光源手段に供給
される電力に応じた光量で該光源手段から出射される光
をライトバルブ手段に入射し、該ライトバルブ手段の画
像形成面で形成される入力映像信号に応じた画像を、光
学系を介しスクリーンに投射する投射型映像表示装置に
おいて、供給される黒レベル補正値に従い、前記光源手
段に供給される電力を制御する光源電力制御手段と、輝
度順に並ぶ複数の領域を含む試験映像をスクリーンに投
射するために試験映像信号を生成する手段と、前記試験
映像がスクリーンに投射された状態で前記光源手段に供
給される前記黒レベル補正値の調整を可能にする調整手
段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を
示す図面に基づいて具体的に説明する。 実施の形態1.図1は本発明の投射型映像表示装置の実
施の形態1の構成を示すブロック図である。同図におい
て、1は測光器、2は第一演算処理回路、3は第二演算
処理回路、4は光源電力制御回路、5は光源ランプであ
る。測光器1は、投射映像領域の近傍であって、スクリ
ーンに照射する周辺照明光の照度を検出するのに適した
場所に設置される。以下に、実施の形態1の動作を説明
する。
【0016】先ず、スクリーンに投射された映像の面積
を求める。これは、例えば、ズームレンズを駆動するス
テッピングモータの回転量からズームレンズの被制御位
置を自動的に検出し、また、映像の投射されるスクリー
ンまでの距離を使用者が装置に入力することによって得
ることができる。即ち、映像の面積は下記(1)式に示
すように投射型映像表示装置の光学系が定まれば、ズー
ムレンズの被制御位置及びスクリーンまでの距離の関数
fとして一義的に算出される。 S=f(zx,d) ……(1) S:投射映像の面積 zx:ズームレンズの被制御位置 d:スクリーンまでの距離
【0017】上記(1)式の関数fが単純な場合は、第
一演算処理回路2で演算させれば良いが、複雑な演算に
なる場合は、入力zx及びdの各値に対応する出力Sを
予め記憶させたメモリを用いれば良い。さらに、このメ
モリの容量を小さくするために一定の間隔のzx及びd
に対応するSだけを記憶させて、線形補間を行って面積
を算出しても良い。
【0018】投射映像の面積S、光源ランプ5から出射
され、投射レンズを通る光束L、及び投射映像の照度I
Lの間の関係は下記(2)式の通りであり、投射映像の
照度ILは投射映像の面積Sに反比例する。 IL=L/S ……(2)
【0019】第一演算処理回路2により算出された投射
映像の面積がSaであり、ランプ電力がWのときの全黒
画面(入力信号レベル0、白0%)での投射レンズを通
る光束がLa(W)であるとき、投射映像の照度ILa
は下記(3)式に従って、第二演算処理回路3で算出さ
れる。尚、このLa(W)の値は予め第二演算処理回路
3に記憶させている。 ILa=La(W)/Sa ……(3)
【0020】測光器1から得られる、周辺照明光による
投射映像領域近傍のスクリーン上の照度をILbとする
とき、該ILbと上記ILaとの間の関係は、下記
(a)〜(c)のいずれかとなる。 (a)ILa=ILb 投射映像の黒レベルは適正 (b)ILa>ILb 投射映像の黒レベルが浮いた状態(暗室など周辺照明光
がスクリーンにほとんど照射しない環境下) (c)ILa<ILb 投射映像の黒レベルがつぶれた状態(明るい周辺照明光
がスクリーンに照射する環境下)
【0021】第二演算処理回路3は、上記の(a)〜
(c)のそれぞれにおいて下記(4)〜(6)式に従い
黒レベル補正値BLoffsetを出力する。 (a)ILa=ILb BLoffset=ILb−ILa=0 ……(4) 黒レベルは適正であり、補正は実施しない(黒レベル補
正値を0とする)。 (b)ILa>ILb BLoffset=ILb−ILa<0 ……(5) 光源ランプ5の電力(ランプの光量)を下げるような、
黒レベル補正値BLoffsetを光源電力制御回路4
に出力する (c)ILa<ILb BLoffset=ILb−ILa>0 ……(6) 光源ランプ5の電力(ランプの光量)を上げるような、
黒レベル補正値BLoffsetを光源電力制御回路4
に出力する。
【0022】光源電力制御回路4は、下記(7)式に従
い、光源ランプ5の電力が、補正前のその時点での光源
ランプ5の電力値Wに上記の黒レベル補正を加えた電力
Wrになるように制御する。(7)式において、kは光
源ランプ5によって定まる係数である。このとき、光源
電力制御回路4は、Wrが光源ランプ5の最大電力Wm
axより大きくならないように、また、Wrが光源ラン
プ5の最小電力Wminより小さくならないようにWr
を下記(8)式及び(9)式に従い制御する。 Wr=W+k×BLoffset ……(7) Wr>Wmaxとなる場合: Wr=Wmax ……(8) Wr<Wminとなる場合: Wr=Wmin ……(9)
【0023】国際照明委員会CIEが1976年に勧告
した心理計測明度L*(心理的明るさ)は、下記(1
0)式で表される。 L*=116(Y/Y0)1/3−16 (Y/Y0>0.008856) ……(10)
【0024】ただし、YはCIEのXYZ表色系の三刺
激値、Y0は基準白色のYの値である。この(10)式
をグラフにしたものが図17であり、このグラフから、
人間の明るさ感覚は、暗い部分の明るさの変化に対して
は敏感であるが、明るくなるほど鈍感になることが分か
る。なお、三刺激値Yは、下記(11)式で表されるよ
うにRGB表色系から線形変換で得られる。 Y=k1×R+k2×G+k3×B ……(11) (11)式で、k1〜k3は係数であり、例えばNTS
C方式ではk1=0.3、k2=0.59、k3=0.
11である。
【0025】図13で述べたように、従来、周辺照明光
の照度よりも低い黒レベルがつぶれてダイナミックレン
ジが狭くなっていたような明るい環境下においても、本
実施形態の装置によれば、上記の光源ランプ電力制御に
より、図2に示すように、人間の視覚特性上、変化が敏
感に知覚される黒レベルが補正され、黒つぶれ及びダイ
ナミックレンジが改善された良好な映像が得られる。同
時に従来、周辺照明光によって薄められていた色も彩度
が改善されるため、色再現範囲の縮小も改善される。ま
た、図14で述べたように、逆に暗室又は薄暗い室内
等、周辺照明光のスクリーン上の照度がかなり低く、従
来黒浮きが生じていた環境下でも、上記の光源ランプ電
力制御により、図3に示すように黒レベルが補正され、
黒浮きが改善された良好な映像が得られる。
【0026】実施の形態1では、黒レベル補正値BLo
ffsetの一次関数を用いて光源ランプの電力を制御
しているが、個々の光源ランプの特性に応じ、二次以上
の高次の関数を用いて光源ランプの電力を制御するよう
にしてもよい。
【0027】また、実施の形態1では、測光器を一つだ
け用いているが、複数の測光器、例えばスクリーンの四
隅に設置された4個の測光器を用い、その平均照度に基
づいて光源ランプの電力制御を行うようにしてもよい。
【0028】また、実施の形態1では、ズームレンズと
フォーカスレンズを有する投射型映像表示装置の例を示
したが、フォーカスレンズだけの単焦点レンズ型の投射
型映像表示装置であっても良い。この場合、(1)式は
下記(12)式のようにスクリーンまでの距離dだけで
算出できる。 S=f‘(d) ……(12)
【0029】以上説明した実施の形態1の投射型映像表
示装置においては、黒レベル補正は、映像信号演算処理
に基づくブライトネス調整、コントラスト調整によって
ではなく、光源ランプの電力制御によって行われるた
め、演算処理が不要であり、そのためディジタル映像信
号のビット長を拡張する必要もない。従って従来のよう
に演算誤差の蓄積が生じないので、演算処理の結果、実
質的にダイナミックレンジが狭められてしまうこともな
くなり、また、演算誤差の蓄積による偽輪郭が発生する
こともなくなる。
【0030】実施の形態2.図4は本発明の投射型映像
表示装置の実施の形態2の構成を示すブロック図であ
る。同図において、図1の要素と同じまたは対応する要
素には同じ符号を付している。実施の形態2は、測距回
路6を有する点で実施の形態1と異なる。測距回路6
は、例えば赤外線を利用して映像の投射されるスクリー
ンまでの距離を自動測定する回路であり、該測距回路6
により測定された距離は第一演算処理回路2に出力され
る。
【0031】前述の実施の形態1では、使用者が映像の
投射されるスクリーンまでの距離を装置に入力する。実
施の形態1では、投射型映像表示装置とスクリーンとが
固定設置される場合には、使用者が距離を一度だけ入力
すればよいが、投射型映像表示装置が移動可能なタイプ
のものである場合には、その移動の度に使用者が距離を
装置に入力する必要がある。実施の形態2では、この使
用者の手間を省くことができる。
【0032】測距回路としては、赤外線を利用したもの
に限定されず、超音波、電磁波等、投射映像に影響を与
えなければ、任意の他の手段を利用することができる。
【0033】実施の形態3.図5は本発明の投射型映像
表示装置の実施の形態3の構成を示すブロック図であ
る。同図において、図1の要素と同じあるいは対応する
要素には同じ符号を付している。実施の形態3は第一計
時カウンタ7を有する点で実施の形態1と異なる。
【0034】実施の形態3では、光源電力制御回路4
は、周辺照明光のスクリーン上の照度に適した光源ラン
プ電力制御を行うと、リセット信号を第一計時カウンタ
7に出力する。第一計時カウンタ7は、このリセット信
号を受け取るとカウント値を0に戻し、カウント値が所
定の値Cctrに達するまで0から再びカウントアップ
していく。カウント値がこのCctrに達するまでの期
間は、光源ランプ電力は固定される。即ちこの期間は、
光源電力制御回路4は、周辺照明光の変動に伴う電力制
御を行わない。この光源ランプ電力制御の固定は、光源
ランプ5が熱的平衡状態に達して、光源ランプ5が安定
点灯期に入ってから行う。
【0035】実施の形態3によれば、周辺照明光の光量
の変動が多い場合に生ずる光源ランプ電力の過変動を抑
えることができ、投射映像のフリッカの抑制や光源ラン
プ5に与えるストレスを低減させることができる。
【0036】実施の形態4.図6は本発明の投射型映像
表示装置の実施の形態4の構成を示すブロック図であ
る。同図において、図1の要素と同じあるいは対応する
要素には同じ符号を付している。実施の形態4は、第一
メモリ8及び第三演算処理回路9を有する点で実施の形
態1と異なる。
【0037】第一メモリ8は、測光器1から得られる照
度を一定の時間(t秒)間隔でサンプリングし、順次記
憶する。この第一メモリ8はFIFO(First In First
Out)型であり、t秒毎に順次入力照度を記憶してい
き、それと同時に最も古く記録されたものから順次消去
していく。ここで、第一メモリ8に記憶されている照度
の個数がn個であり、サンプリングされた照度をIL
[1],IL[2],IL[3],...,IL[n−
1],IL[n]とする。
【0038】第三演算処理回路9は、第一メモリ8から
サンプリングされたn個の照度を得て、下記(13)式
に従い平均照度ILavを算出する。 ILav=ΣIL[i]/n ……(13)
【0039】この平均照度ILavは第二演算処理回路
3に入力され、第二演算処理回路3は、この平均照度I
Lavと第一演算処理回路2から入力される投射映像の
面積Sとから黒レベル補正値を算出する。光源電力制御
回路4はこの黒レベル補正値に基づき、光源ランプ5の
電力を制御する。
【0040】実施の形態4によれば、周辺照明光の光量
の変動が多い場合に生ずる光源ランプ電力の過変動が抑
えられ、投射映像のフリッカの抑制や光源ランプに与え
るストレスが低減される。尚、実施の形態4では、平均
照度として単純平均を用いているが、時間的に新しいサ
ンプリング照度の重みを重くし、時間的に古いサンプリ
ング照度の重みを軽くした、移動平均を用いても良い。
【0041】実施の形態5.本発明の投射型映像表示装
置の実施の形態5の構成は、図1に示した実施の形態1
の構成と同様であるが、光源ランプが熱的平衡状態に達
するまでの期間を考慮して光源ランプの電力制御を行う
ようにした点で実施の形態1と異なる。
【0042】投射型映像表示装置の光源ランプとして一
般にメタルハライドランプ等の放電管が用いられるが、
これらの光源ランプは点灯開始から光源ランプ自体の自
己発熱により抵抗値が変化するので、熱的平衡状態に達
し安定するまでの期間は光源ランプの電力が変動する。
この熱的平衡状態に達するまでの時間は、周囲環境温度
や、光源ランプが十分冷えた状態からの点灯、一度消灯
してからの再点灯等、使用状況により変わる。そのた
め、光源電力制御回路4は、光源ランプ5が十分に冷え
た状態で点灯した時に熱的平衡状態に達するのに要する
時間、即ち安定状態に達する時間の最大値に等しい長さ
の期間は、測光器1から得られる照度に基づく電力制御
を行わず、光源ランプ5を定格電力で点灯させる。その
結果、光源ランプ5に与えるストレスを低減させること
ができる。
【0043】実施の形態5では、一定の時間が経過すれ
ば、光源ランプが熱的平衡状態に達したものとみなし電
力制御を開始するが、光源ランプ5に加わる管電圧及び
ランプ電流の変化を監視し、それらが安定してから光源
電力制御回路4の制御動作を開始するようにしてもよ
く、あるいは、光源ランプ5近傍の温度を監視し、それ
が安定してから光源電力制御回路4の制御動作を開始す
るようにしてもよい。
【0044】実施の形態6.図7は本発明の投射型映像
表示装置の実施の形態6の構成を示すブロック図であ
る。同図において、図1の要素と同じあるいは対応する
要素には同じ符号を付している。実施の形態6は、第四
演算処理回路10を有する点で実施の形態1と異なる。
【0045】実施の形態6は、周辺照明光の照度が高い
場所で投射型映像表示装置を使用する際、実施の形態1
で説明した電力制御により光源ランプ5の電力を最大に
してもなお黒つぶれが生じる場合には、第四演算処理回
路10により映像信号に対しブライトネス及びコントラ
ストの調整を行い、この黒つぶれを補正するように構成
されている。この動作を図8により説明する。
【0046】図8は、入力信号レベルと映像の照度の間
の関係を表しており、細線は電力制御を行わない場合を
示し、点線は電力制御により黒レベルを最大限度まで持
ち上げた場合を示している。周辺照明光によるスクリー
ン上の照度がIL2であるとすると、電力制御により最
大限度まで黒レベルを持ち上げても、映像信号のIL2
からIL1の間の照度に対応する部分はつぶれる。実施
の形態6では、この黒つぶれを補正するため、入力信号
レベルが0の時の投射映像の照度、即ち黒レベルがIL
2に等しくなるように映像のブライトネスを増加させ、
コントラストもそれに合わせて補正する。
【0047】次に、第四演算処理回路10によるブライ
トネス及びコントラスト調整について説明する。映像信
号R(赤)、G(緑)、B(青)のそれぞれに図8にお
けるIL2とIL1の差分に相当するブライトネスBR
を各々加算し、また、映像信号の最大値での照度が変わ
らないようにコントラストの調整を行う。例えば、映像
信号R、G、Bが各々8ビット(0〜255)の場合、
下記(14)〜(16)式に従い補正後の映像信号
R'、G'、B'を算出する。その結果、図8の太線で示
すような黒レベルの改善された良好な投射映像を得るこ
とができる。 R'=(255−BR)×R/255+BR :BR≦255 ……(14 ) G'=(255−BR)×G/255+BR :BR≦255 ……(15 ) B'=(255−BR)×B/255+BR :BR≦255 ……(16 )
【0048】実施の形態7.図9は本発明の投射型映像
表示装置の実施の形態7の構成を示すブロック図であ
る。同図において、図1の要素と同じあるいは対応する
要素には同じ符号を付している。実施の形態7は、第二
メモリ11及び第二計時カウンタ12を有する点で実施
の形態1と異なる。
【0049】第二計時カウンタ12は、光源ランプ5の
累積点灯時間を計測するためのカウンタであり、光源ラ
ンプ5の新規搭載時、又は、寿命が尽きて新しいものに
交換する際にそのカウント値が0にリセットされる。第
二メモリ11は、累積点灯時間Tに応じて変化する光源
ランプ5の管電圧V(T)を記憶している。
【0050】光源ランプ5の電力(安定点灯時)の設定
値Wset、新規搭載された光源ランプ5の安定点灯時
の管電圧V(0)、及び光源ランプ5に流れるランプ電
流Iの間には下記(17)式の関係が成立する。 Wset=V(0)×I ……(17)
【0051】管電圧V(T)は累積点灯時間の増加に伴
い変化(一般には大きくなる傾向)するので、実施の形
態7では、光源ランプ5の電力を設定値Wsetに保つ
ために、光源電力制御回路4により下記(18)式に従
う制御を行う。ただし、光源電力制御回路4は、ランプ
電流Iを所定値に保つ定電流制御を行うものとする。 W‘=V(0)×W/V(T) ……(18)
【0052】この(18)式において、Wは累積点灯時
間の増加に伴う管電圧の変化を補償しないときの電力で
あり、光源電力制御回路4は、管電圧V(T)の値を第
二メモリ11から読み出し、補償後の電力W‘がV
(O)/V(T)×Wとなるように例えばランプ電流を
制御する。
【0053】光源電力制御回路4は、さらに周辺照明光
のスクリーンへの照射の影響を防ぐために、実施の形態
1で説明したものと同様の下記(19)〜(21)式に
従う黒レベル補正を行う。 Wr=W‘+k×BLoffset ……(19) Wr>Wmaxとなる場合: Wr=Wmax ……(20) Wr<Wminとなる場合: Wr=Wmin ……(21) 実施の形態7では、光源ランプ5の累積点灯時間の増加
に伴う管電圧変化が及ぼす電力変動を補償することがで
きる。
【0054】実施の形態8.図10は本発明の投射型映
像表示装置の実施の形態8の構成を示すブロック図であ
る。同図において、図1の要素と同じあるいは対応する
要素には同じ符号を付している。実施の形態8は、測光
器1、第一演算処理回路2、第二演算処理回路3に代え
て、試験映像信号発生回路13、調整器14を備える点
で実施の形態1と異なる。
【0055】実施の形態8では、試験映像信号発生回路
13により、例えば図11に示すような無彩色で明るさ
が段階的に変化する試験映像をスクリーンに投射させ
て、使用者が黒つぶれや黒浮きが生じないように投射映
像を見ながら、リモコンあるいは本体上のボタン等の調
整器14で制御値Wuserの値を調整する。
【0056】光源電力制御回路4は、下記(22)〜
(24)式に従い、ランプ電力Wに制御値Wuserを
加えたWrを光源ランプ5の電力とするように制御す
る。 Wr=W+Wuser ……(22) Wr>Wmaxとなる場合: Wr=Wmax ……(23) Wr<Wminとなる場合: Wr=Wmin ……(24) 実施の形態8では、他の実施の形態に比較し、装置の回
路規模を縮小することができる。
【0057】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に示すような効果を奏する。
【0058】請求項1の発明によれば、周辺照明光の照
度に適応して、投射映像の黒レベル、ダイナミックレン
ジ及び色再現性の改善を行うことが可能となる効果があ
る。
【0059】請求項2の発明によれば、測距回路から得
られる投射型映像表示装置本体からスクリーンまでの距
離と、ズームレンズの被制御位置から一義的に定まるズ
ーム比とからスクリーン設置位置における投射映像の面
積を自動的に算出できるため、その面積に反比例する投
射映像の照度を自動的に算出することが可能となる効果
がある。
【0060】請求項3の発明によれば、周辺照明光の光
量の変動が多い場合に生ずる光源ランプ電力の過変動を
抑えることができ、投射映像のフリッカの抑制や光源ラ
ンプに与えるストレスを低減させることが可能となる効
果がある。
【0061】請求項4の発明によれば、周辺照明光の光
量の変動が多い場合に生ずる光源ランプ電力の過変動を
抑えることができ、投射映像のフリッカの抑制や光源ラ
ンプに与えるストレスを低減させることが可能となる効
果がある。
【0062】請求項5の発明によれば、光源ランプ点灯
開始から光源ランプ自体の自己発熱により抵抗値が変化
して光源ランプの電力が変動する期間は、測光器から得
られる照度に依存せず、光源ランプを一定の電力で点灯
させるように光源電力制御回路を動作させることによ
り、光源ランプに与えるストレスを低減させることが可
能となる効果がある。
【0063】請求項6の発明によれば、光源電力制御手
段による電力制御を行ってもなお周辺光による投射映像
近傍の照度が投射映像の黒レベル部分の照度を超える場
合には、ブライトネス、コントラスト調整により、黒レ
ベルを上げるので、黒つぶれの防止が可能となる効果が
ある。
【0064】請求項7の発明によれば、光源ランプの累
積点灯時間による管電圧変化が及ぼす光源ランプの電力
変動を補償することが可能となる効果がある。
【0065】請求項8の発明によれば、装置の回路規模
を縮小することが可能となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の投射型液晶表示装置の実施の形態1
の構成を示すブロック図である。
【図2】 周辺照明光がスクリーンに照射する明るい環
境下において、光源ランプ電力制御により補正された投
射映像の照度と入力信号レベル(無彩色)の関係を示す
図である。
【図3】 周辺照明光が遮断された暗室又は周辺照明光
によるスクリーン上の照度が低い室内における、光源ラ
ンプ電力制御により補正された投射映像の照度と入力信
号レベル(無彩色)の関係を示す図である。
【図4】 本発明の投射型液晶表示装置の実施の形態2
の構成を示すブロック図である。
【図5】 本発明の投射型液晶表示装置の実施の形態3
の構成を示すブロック図である。
【図6】 本発明の投射型液晶表示装置の実施の形態4
の構成を示すブロック図である。
【図7】 本発明の投射型液晶表示装置の実施の形態6
の構成を示すブロック図である。
【図8】 スクリーンに照射する周辺照明光の照度が明
るく、光源ランプ電力制御だけでは黒レベルの補正がで
きない場合に、映像信号にブライトネス、コントラスト
調整を追加して補正した投射映像の照度と入力信号レベ
ル(無彩色)の関係を示す図である。
【図9】 本発明の投射型液晶表示装置の実施の形態7
の構成を示すブロック図である。
【図10】 本発明の投射型液晶表示装置の実施の形態
8の構成を示すブロック図である。
【図11】 試験映像信号発生回路からの試験映像信号
による試験映像の例を示す図である。
【図12】 周辺照明光が遮断された暗室における投射
映像の照度と入力信号レベル(無彩色)の関係を示す図
である。
【図13】 周辺照明光がスクリーンに照射する明るい
環境下における投射映像の照度と入力信号レベル(無彩
色)の関係を示す図である。
【図14】 周辺照明光が遮断された暗室又は周辺照明
光のスクリーン上の照度が低い室内における、投射映像
の照度と入力信号レベル(無彩色)の関係を示す図であ
る。
【図15】 周辺照明光が遮断された暗室における投射
映像の色再現範囲を示す図である。
【図16】 周辺照明光がスクリーンに照射する明るい
環境下における投射映像の色再現範囲の縮小を示す図で
ある。
【図17】 国際照明委員会CIEが1976年に勧告
した心理計測明度L*を示すグラフである。
【符号の説明】
1 測光器、 2 第一演算処理回路、 3 第二演算
処理回路、 4 光源電力制御回路、 5 光源ラン
プ、 6 測距回路、 7 第一計時カウンタ、8 第
一メモリ、 9 第三演算処理回路、 10 第四演算
処理回路、 11 第二メモリ、 12 第二計時カウ
ンタ、 13 試験映像信号発生回路、14 調整器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09G 3/20 642 G09G 3/20 642P 680 680C 3/34 3/34 J 3/36 3/36 H04N 5/74 H04N 5/74 Z Fターム(参考) 2H088 EA12 MA02 MA06 2H093 NC02 NC56 NC59 NC62 5C006 AA22 AF13 AF54 AF63 BB11 BB29 BF22 BF38 EA01 EC11 FA23 FA54 FA56 5C058 BA05 BA08 BA23 BA29 EA01 EA02 EA26 EA51 5C080 AA10 BB05 CC03 DD03 EE28 JJ02 JJ05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源手段に供給される電力に応じた光量
    で該光源手段から出射される光をライトバルブ手段に入
    射し、該ライトバルブ手段の画像形成面で形成される入
    力映像信号に応じた画像を、光学系を介しスクリーンに
    投射する投射型映像表示装置において、 スクリーンに投射される映像の面積を算出する第一の演
    算手段と、 スクリーンに投射される映像の近傍の照度を測定する測
    光手段と、 前記第一の演算出手段により算出された映像の面積と前
    記測光手段により測定された照度とに基づき、黒レベル
    補正値を算出する第二の演算手段と、 前記第二の演算手段により算出された黒レベル補正値に
    従い、前記光源手段に供給される電力を制御する光源電
    力制御手段と、 を備えることを特徴とする投射型映像表示装置。
  2. 【請求項2】 前記投射型映像表示装置の本体からスク
    リーンまでの距離を自動的に測定する測距手段を更に備
    え、前記第一の演算手段は、前記光学系の投射レンズユ
    ニットに含まれるズームレンズの被制御位置と、前記測
    距手段により測定された距離とに基づきスクリーンに投
    射される映像の面積を自動的に算出することを特徴とす
    る請求項1に記載の投射型映像表示装置。
  3. 【請求項3】 前記光源電力制御手段により前記光源手
    段に供給される電力が変更されたときにリセットされ、
    該リセット時点からの経過時間を計時すべくカウントア
    ップを開始する第一の計時手段を更に備え、前記光源電
    力制御手段は、該第一の計時手段のカウント値が所定の
    値に達するまでは前記光源手段に供給される電力を変更
    しないことを特徴とする請求項1に記載の投射型映像表
    示装置。
  4. 【請求項4】 前記測光手段により測定された照度を一
    定の時間間隔でサンプリングして順次記憶する第一の記
    憶手段と、該第一の記憶手段に記憶されている照度の平
    均値を算出する第三の演算手段とを更に備え、前記第二
    の演算手段は該第三の演算手段から供給される照度の平
    均値に基づき前記黒レベル補正値を算出することを特徴
    とする請求項1に記載の投射型映像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記光源電力制御手段は、前記光源手段
    が点灯されてから所定の時間が経過するまでは前記測光
    手段により測定された照度の如何に関らず、前記光源手
    段に供給される電力を一定に保つことを特徴とする請求
    項1に記載の投射型映像処装置。
  6. 【請求項6】 前記測光手段により測定された投射映像
    近傍の照度が、前記光源電力制御手段の制御限界となる
    黒レベルよりも明るい場合は、該投射映像のブライトネ
    ス及びコントラストをその差分に応じて調節すべく入力
    映像信号を補正する第四の演算手段を更に備えることを
    特徴とする請求項1に記載の投射型映像表示装置。
  7. 【請求項7】 前記光源手段は累積点灯時間の増加に伴
    い管電圧が変化する放電管を含み、該光源手段の累積点
    灯時間を計時する第二の計時手段と該光源手段の累積点
    灯時間の増加に伴う管電圧の変化特性を記憶した第二の
    記憶手段とを更に備え、前記光源電力制御手段は、前記
    第二の計時手段から入力される累積点灯時間及び前記第
    二の記憶手段から入力される前記管電圧の変化特性に基
    づき、前記管電圧の変化に伴う前記光源手段の電力変動
    を補償することを特徴とする請求項1に記載の投射型映
    像表示装置。
  8. 【請求項8】 光源手段に供給される電力に応じた光量
    で該光源手段から出射される光をライトバルブ手段に入
    射し、該ライトバルブ手段の画像形成面で形成される入
    力映像信号に応じた画像を、光学系を介しスクリーンに
    投射する投射型映像表示装置において、 供給される黒レベル補正値に従い、前記光源手段に供給
    される電力を制御する光源電力制御手段と、 輝度順に並ぶ複数の領域を含む試験映像をスクリーンに
    投射するために試験映像信号を生成する手段と、 前記試験映像がスクリーンに投射された状態で前記光源
    手段に供給される前記黒レベル補正値の調整を可能にす
    る調整手段と、 を備えることを特徴とする投射型映像表示装置。
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