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JP2002243503A - 光学式エンコーダ - Google Patents

光学式エンコーダ

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Publication number
JP2002243503A
JP2002243503A JP2001035787A JP2001035787A JP2002243503A JP 2002243503 A JP2002243503 A JP 2002243503A JP 2001035787 A JP2001035787 A JP 2001035787A JP 2001035787 A JP2001035787 A JP 2001035787A JP 2002243503 A JP2002243503 A JP 2002243503A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
scale
optical encoder
grating
movable object
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001035787A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Arai
眞 新井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP2001035787A priority Critical patent/JP2002243503A/ja
Publication of JP2002243503A publication Critical patent/JP2002243503A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電流出力の強度およびコントラストを共に高
く維持することができ、組み立て時の厳密な傾き調整が
不要で、使用時のコントラスト低下も回避できる簡素な
構成の光学式エンコーダを提供する。 【解決手段】 可動物体の移動方向(x方向)に沿って配
列された多数の格子を含むスケール部14,15と該ス
ケール部を照明する光源11とを有し、可動物体の移動
に応じて格子から光を射出する射出手段と、この射出手
段から射出された光を受光する受光手段16とを備え
る。射出手段は、光源からスケール部への照明光を集光
する光学系12,13を有し、照明光がスケール部に達
したときの断面形状を上記の移動方向と直交する方向
(y方向)に関して格子より短く整形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可動物体の位置決
めや速度制御に用いられる光学式エンコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光学式エンコーダ50は、図8
(a),(b)に示すように、光源51からコリメートレン
ズ52を介して射出された平行光L21によって、イン
デックススケール53を全体的に照明する。インデック
ススケール53には光を透過する格子53aが多数設け
られており、これらの格子53aを通過した光によって
メインスケール54が照明される。また、メインスケー
ル54にも同様の格子54aが多数設けられており、こ
れらの格子54aを通過した光が受光素子55に入射す
る。受光素子55では、入射した光を光電変換して電流
信号を出力する。
【0003】上記した光学式エンコーダ50の構成要素
(51〜55)のうち、メインスケール54は可動物体
(不図示)に固定され、その他は互いの位置関係が固定さ
れている。このため、メインスケール54が可動物体
(不図示)と共に移動すると、インデックススケール53
の格子53aとメインスケール54の格子54aとの位
置関係が変化し、受光素子55に入射する光の光量も変
化する。
【0004】受光素子55は入射光量に応じた強度の電
流信号を出力するため、受光素子55から出力される電
流信号の強度の変化に基づいて、メインスケール54お
よび可動物体(不図示)の変位を測定することができる。
なお、図8(a),(b)において、メインスケール54お
よび可動物体(不図示)の移動方向はx方向に平行であ
り、インデックススケール53の格子53aおよびメイ
ンスケール54の格子54aの長手方向はy方向に平行
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の光学式エンコーダ50では、受光素子55から
出力される電流信号の強度を高くするために、インデッ
クススケール53の格子53aおよびメインスケール5
4の格子54aの長さ(y方向)を長くしなければなら
なかった。光学式エンコーダ50では、コリメートレン
ズ52からの平行光L21による照明領域が広いため、
この照明領域内で格子53a,54aを長くすることに
よって受光素子55に多くの光を導くことができ、結果
として、電流信号の強度を高くできる。
【0006】また、従来の光学式エンコーダ50では、
受光素子55から出力される電流信号のコントラスト
(最大強度と最小強度との比)を高く維持するために、
インデックススケール53の格子53aの長手方向とメ
インスケール54の格子54aの長手方向とを出来るだ
け一致させることが望まれる。このような傾き調整は、
光学式エンコーダ50の組み立て時に行われる。
【0007】さらに、上記の傾き調整は、格子53a,
54aの長さ(y方向)が長いものほど、厳密に行うこ
とが要求される。したがって、受光素子55から出力さ
れる電流信号の強度を高くするために格子53a,54
aを長くした光学式エンコーダ50では、電流信号のコ
ントラストを高く維持するために、格子53a,54a
の傾き調整を厳密に行わなければならず、調整時間が増
大するという問題が生じていた。この傾き調整を光学式
エンコーダ50の製造時に行う場合には、調整時間の増
大によって、製造コストも増大してしまう。
【0008】また、光学式エンコーダ50の組み立て時
に格子53a,54aの傾きを厳密に調整しておいて
も、実際の使用時、可動物体(不図示)やメインスケール
54の動きにヨーイング(機械的変動)が生じると、格
子53a,54aが傾いてしまうことがある。格子53
a,54aが傾くと、当然、受光素子55から出力され
る電流信号のコントラストは低下してしまう(信号劣
化)。
【0009】上記の問題は、光学式エンコーダ50の高
分解能化に伴って、格子53a,54aのピッチを狭く
するにつれて、益々顕著になる。本発明の目的は、電流
出力の強度およびコントラストを共に高く維持すること
ができ、組み立て時の厳密な傾き調整が不要で、使用時
のコントラスト低下も回避できる簡素な構成の光学式エ
ンコーダを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の光学式エンコー
ダは、可動物体の移動方向に沿って配列された多数の格
子を含むスケール部と該スケール部を照明する光源とを
有し、可動物体の移動に応じて格子から光を射出する射
出手段と、この射出手段から射出された光を受光する受
光手段とを備えている。また、射出手段は、光源からス
ケール部への照明光を集光する光学系をさらに有してい
る。この光学系によって、照明光がスケール部に達した
ときの断面形状は、上記の直交する方向に関して格子よ
り短く整形される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
形態を詳細に説明する。本発明の実施形態は、請求項1
〜請求項4に対応する。本実施形態の光学式エンコーダ
10は、図1(a),(b)に示すように、光源11と、コ
リメートレンズ12と、シリンドリカルレンズ13と、
インデックススケール14と、メインスケール15と、
受光素子16とで構成されている。
【0012】このうち、光源11,コリメートレンズ1
2,シリンドリカルレンズ13,インデックススケール1
4,受光素子16は、互いの位置関係が固定されてい
る。これに対し、メインスケール15は、可動物体(不
図示)に固定され、可動物体と共に移動する。この光学
式エンコーダ10は、いわゆるスリットシャッタ方式の
エンコーダであり、また、可動物体(不図示)の直線変位
を測定するリニアエンコーダである。ここで、可動物体
(不図示)およびメインスケール15の移動方向をx方向
とする。光学式エンコーダ10の光軸方向をz方向とす
る。上記x方向とz方向とは直交している。さらに、x
方向およびz方向と直交する方向をy方向とする。
【0013】光学式エンコーダ10を構成する光源11
には、例えば発光ダイオード(LED)が用いられる。
コリメートレンズ12は、光源11から発せられた拡散
光L1を平行光L2にする。シリンドリカルレンズ13
は、コリメートレンズ12からの平行光L2を集光光L
3にする(詳細は後述する)。これらコリメートレンズ
12およびシリンドリカルレンズ13は、請求項1の
「光学系」に対応する。
【0014】上記の集光光L3によって照明されるイン
デックススケール14(第2スケール)は、ガラス製ま
たはプラスチック製の透明基板(厚さ1.0〜1.5mm
程度)に多数の格子が刻まれたものである。各々の格子
は、光を透過する透過部であってy方向に細長く、光を
遮断する遮光部を挟んでx方向に配列されている。この
ため、上記の集光光L3のうち、インデックススケール
14の格子を通過した光L4が、インデックススケール
14の後段に位置するメインスケール15に導かれる。
【0015】メインスケール15(第1スケール)は、
インデックススケール14と同様の透明基板に多数の格
子が刻まれたものである。各々の格子は、インデックス
スケール14の格子と同様の透過部であってy方向に細
長く、遮光部を挟んでx方向に配列されている。このた
め、上記の光L4のうち、メインスケール15の格子を
通過した光L5が、メインスケール15の後段に位置す
る受光素子16に導かれる。
【0016】次に、インデックススケール14の格子お
よびメインスケール15の格子について、それぞれ配置
を説明する。インデックススケール14の格子は、メイ
ンスケール15側の面(格子面)に配置されている。メ
インスケール15の格子は、インデックススケール14
側の面(格子面)に配置されている。インデックススケ
ール14の格子面とメインスケール15の格子面との間
隔は、50μm〜数100μm程度である。
【0017】また、インデックススケール14の格子
は、4つの格子群14a,14b,14c,14dに分け
られている。4つの格子群14a,14b,14c,14
dは、x方向に沿って配置されている。メインスケール
15の格子は、1つの格子群15aを構成している。図
2(a)〜(d)に示すように、インデックススケール14
の格子群14a,14b,14c,14dおよびメインス
ケール15の格子群15aにおいて、各々の格子は、ピ
ッチPが等しい(例えば8μm)。図2(a)〜(d)にお
けるハッチング部は遮光部であり、隣り合う遮光部と遮
光部との間が格子(透過部)である。
【0018】また、インデックススケール14の格子群
14a,14b,14c,14dは、メインスケール15
の格子群15aに対して、位相を90°おきにずらして
配置されている。図2(a)〜(d)は、格子群14aと格
子群15aの位相を一致させたとき(位相0°)の状態
を示す図である。この状態において、格子群14bの位
相は格子群15aから90°ずれ(図2(b))、格子群
14cの位相は格子群15aから180ずれ(図2
(c))、格子群14dの位相は格子群15aから270
°ずれている(図2(d))。
【0019】このように、インデックススケール14の
格子群14a,14b,14c,14d各々とメインスケ
ール15の格子群15aとの位相関係を互いにずらして
あるため、メインスケール15から受光素子16に導か
れる光L5(図1(b))は、その光量がx方向の位置に
よって異なる。図2(a)〜(d)に示す状態での光L5の
光量は、格子群14aの位置において最大値となり、格
子群14bの位置において最大値の半分程度となり、格
子群14cの位置において最小値(ほぼ0)となり、格
子群14dの位置において最大値の半分程度となる。
【0020】次に、上記した光L5を受光する受光素子
16(受光手段)について説明する。受光素子16に
は、フォトダイオードなどの光電素子が用いられる。こ
の受光素子16には、x方向に沿って、4つの独立した
受光面16a,16b,16c,16dが配置されてい
る。受光面16a,16b,16c,16dの配置は、イ
ンデックススケール14の格子群14a,14b,14
c,14dの配置に各々対応している。なお、メインス
ケール15と受光素子16との間隔は、1mm程度であ
る。
【0021】また、受光素子16の受光面16a,16
b,16c,16dには、電流電圧変換回路21と波形整
形回路22とが接続されている。電流電圧変換回路21
は、受光素子16の受光面16a,16b,16c,16
dから出力される電流信号を入力し、2つの正弦波電圧
信号を波形整形回路22に出力する。波形整形回路22
は、電流電圧変換回路21からの正弦波電圧信号を入力
し、2値化または内挿を行ったのち、2つの矩形波電圧
信号(位相0°,90°)を外部に出力する。
【0022】ここで、本実施形態の光学式エンコーダ1
0の構成を説明するに当たり、最後に、シリンドリカル
レンズ13についての詳細な説明を行う。シリンドリカ
ルレンズ13は、請求項3の「光学素子」に対応する。
シリンドリカルレンズ13は、母線をx方向に揃えて配
置されているため、x方向とz方向とを含む面内では屈
折作用を持たないが、y方向とz方向とを含む面内にお
いて屈折作用を有している。したがって、上記した集光
光L3は、進行するにつれて、x方向,y方向に平行な
面内での断面形状がx方向に細長く整形されてゆき、イ
ンデックススケール14に達したときにはx方向に細長
い線状の光となる。
【0023】その結果、インデックススケール14は、
x方向に細長い線状の集光光L3によって照明される。
図3は、インデックススケール14が線状の集光光L3
によって照明される領域を図示したものである。図3に
示すように、線状の集光光L3による照明領域10Aは
x方向に細長く、このx方向に関して、インデックスス
ケール14の格子群14a,14b,14c,14dを全
て含んでいる。
【0024】一方、y方向に関して、照明領域10Aの
幅(照明幅)Lは、インデックススケール14の格子お
よびメインスケール15の格子の長さDより短い(例え
ばL=400μm)。
【0025】なお、シリンドリカルレンズ13は、その
焦点がメインスケール15の格子面(格子が配列されて
いる面)に位置するように配置されている。したがっ
て、上記した線状の集光光L3は、メインスケール15
の格子面に集光される(図1(b))。上記のように構成
された光学式エンコーダ10において、光源11からコ
リメートレンズ12とシリンドリカルレンズ13とを介
して得られる線状の集光光L3は、まず、インデックス
スケール14に到達する。そして、インデックススケー
ル14の格子群14a,14b,14c,14dを通過し
た光がメインスケール15に到達し、さらにメインスケ
ール15の格子群15aを通過した光が受光素子16の
受光面16a,16b,16c,16dに入射する。
【0026】受光素子16の受光面16aに入射する光
は、インデックススケール14の格子群14aとメイン
スケール15の格子群15aとを順に通過した光であ
る。同様に、受光面16bに入射する光は、格子群14
bと格子群15aとを順に通過した光である。また、受
光面16cに入射する光は、格子群14cと格子群15
aとを順に通過した光であり、受光面16dに入射する
光は、格子群14dと格子群15aとを順に通過した光
である。
【0027】ここで、可動物体(不図示)が移動すると、
可動物体に固定されたメインスケール15も移動し、メ
インスケール15とインデックススケール14とが相対
移動するため、インデックススケール14の格子群14
a,14b,14c,14dとメインスケール15の格子
群15aとの位置関係(位相関係)が変化する。その結
果、各々の受光面16a,16b,16c,16dに入射
する光の光量は、可動物体の移動に応じて変化する。
【0028】各々の受光面16a,16b,16c,16
dは、入射した光を光電変換し、その光量にほぼ比例し
た電流信号を出力するため、受光面16a,16b,16
c,16dから出力される電流信号も、可動物体の移動
に応じて変化することになる。
【0029】受光素子16の受光面16a,16b,16
c,16dから各々出力される電流信号は、電流電圧変
換回路21を介して2つの正弦波電圧信号となり、さら
に波形整形回路22を介して2つの矩形波電圧信号(位
相0°,90°)となって外部に出力される。したがっ
て、波形整形回路22に接続された外部のコントローラ
(不図示)が矩形波電圧信号のパルス数をカウントするこ
とにより、メインスケール15の変位すなわち可動物体
の変位が測定される。なお、波形整形回路22から外部
には、位相0°,90°の2つの矩形波電圧信号が出力
されるため、可動物体(不図示)の移動方向も判別でき
る。
【0030】また、電流電圧変換回路21において、受
光素子16の受光面16a,16cから出力される2つ
の電流信号によって1つの正弦波電圧信号(位相0°)
を生成し、受光面16b,16dから出力される2つの
電流信号によって1つの正弦波電圧信号(位相90°)
を生成するため、使用環境の温度変化による影響を打ち
消すことができる。
【0031】ところで、上記した光学式エンコーダ10
では、図5に示すように、インデックススケール14の
格子の長手方向とメインスケール15の格子の長手方向
とが一致しないことがある(傾き角θ)。従来の光学式
エンコーダ50(図8)では、インデックススケール5
3の格子とメインスケール54の格子とが少しでも傾い
ていると電流出力のコントラストが大きく低下していた
が、本実施形態の光学式エンコーダ10では、インデッ
クススケール14の格子とメインスケール15の格子と
が多少傾いても電流出力のコントラスト低下を許容範囲
内に留めることができる。
【0032】その理由は、上述したように、x方向に細
長い線状の集光光L3によってインデックススケール1
4を照明することにより、照明領域10A(図3)の照
明幅Lを短くしたからである(例えばL=400μ
m)。
【0033】図6は、格子の傾き角θと電流出力のコン
トラストとの関係についてシミュレーションした結果を
示す図である。横軸は格子の傾き角θ、縦軸は電流出力
のコントラストを示している。縦軸のコントラストは、
傾き角θ=0°のときに得られる電流出力の振幅を
「1」として、任意の傾き角θのときに得られる電流出
力の振幅を規格化した相対量である。図6において、電
流出力のコントラストの許容範囲は、0.7以上であ
る。
【0034】本実施形態の光学式エンコーダ10のよう
に、照明領域10A(図3)の照明幅Lが400μm
で、インデックススケール14の格子およびメインスケ
ール15の格子のピッチPが8μmの場合、ピッチPに
対する照明幅Lの比(L/P)=50となる。この場合
の傾き角θと電流出力のコントラストとの関係は、図6
に黒い三角マークで示されている。これにより、本実施
形態の光学式エンコーダ10では、格子の傾き角θが1
0(min)まで大きくなっても、電流出力のコントラス
トを良好に維持できることが分かる。
【0035】このように、本実施形態の光学式エンコー
ダ10によれば、格子が多少傾いてもコントラストの良
い(信号劣化の少ない)電流出力が得られるため、組み
立て時の厳密な傾き調整が不要となり、調整時間を削減
できる。この傾き調整を光学式エンコーダ10の製造時
に行う場合には、調整時間の削減によって、製造コスト
を低下させることができる。
【0036】さらに、格子が多少傾いてもコントラスト
の良い(信号劣化の少ない)電流出力が得られるため、
実際の使用時、可動物体(不図示)やメインスケール15
の動きにヨーイング(機械的変動)が生じても、電流出
力のコントラスト低下を極めて小さく抑えることがで
き、メインスケール15の変位すなわち可動物体の変位
を精度良く測定できる。
【0037】また、本実施形態の光学式エンコーダ10
では、光源11からインデックススケール14への照明
光を集光し、x方向に細長い線状の集光光L3によって
インデックススケール14を照明するため、従来のよう
に格子の長さ(y方向)を長くしなくても、強度の高い
電流出力が得られる。さらに、本実施形態の光学式エン
コーダ10では、インデックススケール14およびメイ
ンスケール15の格子の長さDを上記照明幅Lの数倍程
度に大きく確保したため、照明領域10Aがy方向に位
置ずれを起こしても、電流出力の強度およびコントラス
トを共に高く維持することができる。
【0038】また、本実施形態の光学式エンコーダ10
では、インデックススケール14を照明するための線状
の集光光L3をシリンドリカルレンズ13によって得る
ため、簡素で安価に構成できる。なお、上記した実施形
態では、照明領域10Aの照明幅L=400μm,格子
のピッチP=8μmの場合を例に説明したが、格子の傾
き角θと電流出力のコントラストとの関係は、ピッチP
に対する照明幅Lの比(L/P)によって決まるため、
照明幅LとピッチPとがL/P=50を満足する組み合
わせであれば、全く同じ効果が得られる。
【0039】さらに、ピッチPに対する照明幅Lの比
(L/P)が他の値でも、同様の効果が得られる。図6
には、L/P=100の場合とL/P=150の場合と
が示されている。L/P=100の場合には格子の傾き
角θが8(min)以内、L/P=150の場合には傾き
角θが5(min)以内であれば、電流出力のコントラス
トを良好に維持できる。
【0040】また、上記した実施形態では、透過型のメ
インスケール15を用いた光学式エンコーダ10を説明
したが、本発明は、反射型のメインスケールを用いた光
学式エンコーダにも適用することができる。図7に示す
光学式エンコーダ30は、光源31と、コリメートレン
ズ32と、シリンドリカルレンズ33と、インデックス
スケール34と、反射型のメインスケール35と、シリ
ンドリカルレンズ36と、受光素子37とで構成されて
いる。
【0041】このうち、インデックススケール34に
は、上記したインデックススケール14の格子と同様、
透過部による格子34aがx方向に沿って配列されてい
る。隣り合う格子34aの間は遮光部になっている。一
方、メインスケール35には、上記したメインスケール
15の格子(透過部)に代えて、光を反射する反射部が
格子35aとして設けられている。隣り合う格子35a
の間は、透過部または光を吸収する吸収部になってい
る。または、凹凸によって格子35aを設けることもで
きる。
【0042】上記の光学式エンコーダ30において、光
源31から発せられた拡散光L11はコリメートレンズ
32を介して平行光L12となり、平行光L12はシリ
ンドリカルレンズ33を介して集光光L13となる。こ
の集光光L13は、上記した集光光L3と同様、インデ
ックススケール34に達したとき、x方向に細長い線状
の光となる。そして、集光光L13による照明領域も、
x方向に細長くなる(図3参照)。一方、y方向に関し
て、集光光L13による照明領域の幅(照明幅)は、イ
ンデックススケール34の格子34aおよびメインスケ
ール35の格子35aの長さより短い。
【0043】そして、インデックススケール34の格子
34aを通過したのち、メインスケール35の格子35
aで反射した光L14は、シリンドリカルレンズ33を
介して平行光L15となる。さらに、この平行光L15
はシリンドリカルレンズ36を介して集光光L16とな
り、受光素子37に入射する。この光学式エンコーダ3
0によれば、x方向に細長い線状の集光光L13によっ
てインデックススケール34を照明するため、インデッ
クススケール34の格子34aとメインスケール35の
格子35aとが多少傾いても電流出力のコントラスト低
下を許容範囲内に留めることができる。
【0044】したがって、組み立て時の厳密な傾き調整
が不要となり、調整時間を削減できる。この傾き調整を
光学式エンコーダ30の製造時に行う場合には、調整時
間の削減によって、製造コストを低下させることができ
る。また、実際の使用時、可動物体(不図示)やメインス
ケール35の動きにヨーイング(機械的変動)が生じて
も、メインスケール35の変位すなわち可動物体の変位
を精度良く測定できる。
【0045】さらに、光源31からインデックススケー
ル34への照明光を集光し、x方向に細長い線状の集光
光L13によってインデックススケール34を照明する
ため、従来のように格子の長さ(y方向)を長くしなく
ても、強度の高い電流出力が得られる。また、インデッ
クススケール34を照明するための線状の集光光L13
をシリンドリカルレンズ33によって得るため、光学式
エンコーダ30を簡素で安価に構成できる。
【0046】さらに、シリンドリカルレンズ36を介し
て集光した光(L16)を受光素子37に入射させるた
め、受光素子37の受光面を小さくすることができ、光
学式エンコーダ30の小型化が可能となる。また、上記
した実施形態では、シリンドリカルレンズ13,33に
よって照明光をメインスケール15,35の格子面に集
光させる(シリンドリカルレンズ13,33の焦点をメ
インスケール15,35の格子面に位置させる)構成を
説明したが、本発明はこれに限らない。
【0047】シリンドリカルレンズ13,33の焦点
は、メインスケール15,35の格子面の近傍でも良
い。その他、インデックススケール14,34の格子面
またはその近傍に位置させる構成や、インデックススケ
ール14,34とメインスケール15,35との間に位置
させる構成が考えられる。インデックススケール14,
34とメインスケール15,35の間(間隔は50μm
〜数100μm)に位置させる場合、ちょうど真ん中に
位置させることが好ましい。インデックススケール1
4,34の格子面での照明幅とメインスケール15,35
での照明幅とを等しくできるからである。
【0048】さらに、シリンドリカルレンズ13,33
の焦点は、メインスケール15,35と受光素子16,3
7の間でも良いし、受光素子16,37の受光面でも良
い。受光素子16,37の受光面に照明光を集光させる
場合、受光素子16,37として受光面の小さなものを
用いることができ、光学式エンコーダ10,30の小型
化が可能となる。
【0049】また、上記した実施形態では、シリンドリ
カルレンズ13によって平行光L2を集光する例を説明
したが、シリンドリカルレンズ13の代わりに、三角プ
リズムやフレネルレンズ、ゾーンプレート、トーリック
レンズ(ラグビーボール型)など、x方向とy方向とで
屈折作用の強さが異なる光学素子なら何でも用いること
ができる。これらの光学素子を光学式エンコーダ10に
組み込むには、屈折作用が弱い方をx方向(メインスケ
ール15の移動方向)に一致させ、屈折作用が強い方を
x方向と直交するy方向に一致させればよい。
【0050】さらに、上記した実施形態では、相対移動
する2枚のスケール(メインスケール,インデックスス
ケール)を備えたスリットシャッタ方式の光学式エンコ
ーダを例に説明したが、本発明は、1枚のスケールを備
えた干渉式の光学式エンコーダにも適用できる。干渉式
の光学式エンコーダでは、スケールの格子より細かい精
度での測定が可能である。
【0051】また、上記した実施形態では、可動物体の
直線変位を測定するリニアエンコーダを例に挙げて説明
したが、本発明は、可動物体の回転方向の変位を測定す
るロータリーエンコーダにもそのまま適用できる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光学式エ
ンコーダによれば、可動物体の移動方向と直交する方向
に関し、スケール部に対する照明領域を格子の長さより
短く限定したため、スケール部の格子が多少傾いても電
流出力のコントラスト低下を許容範囲内に留めることが
できる。したがって、組み立て時の厳密な傾き調整が不
要で、使用時のコントラスト低下も回避できる。
【0053】また、光源からスケール部への照明光を集
光して得られた集光光によってスケール部を照明するた
め、強度の高い電流出力が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光学式エンコーダ10の構成を示す斜視図(a)
および側面図(b)である。
【図2】格子群14a,14b,14c,14d,15aの
位相関係を説明する図である。
【図3】線状の集光光(L3)による照明領域10Aを説
明する図である。
【図4】受光素子16から出力される電流信号を処理す
る回路の一例を示す図である。
【図5】インデックススケール14の格子とメインスケ
ール15の格子とが傾いた状態を説明する図である。
【図6】格子の傾き角θと電流出力のコントラストとの
関係についてシミュレーションした結果を示す図であ
る。
【図7】光学式エンコーダ30の構成を示す側面図であ
る。
【図8】従来の光学式エンコーダ50の斜視図(a)およ
び側面図(b)である。
【符号の説明】
10 光学式エンコーダ 11,31 光源 12,32 コリメートレンズ 13,33,36 シリンドリカルレンズ 14,34 インデックススケール 15,35 メインスケール 16,37 受光素子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可動物体の移動方向に沿って配列された
    多数の格子を含むスケール部と該スケール部を照明する
    光源とを有し、前記可動物体の移動に応じて前記格子か
    ら光を射出する射出手段と、 前記射出手段から射出された光を受光する受光手段とを
    備えた光学式エンコーダであって、 前記射出手段は、前記光源から前記スケール部への照明
    光を集光する光学系をさらに有し、該光学系によって、
    前記照明光が前記スケール部に達したときの断面形状を
    前記移動方向と直交する方向に関して前記格子より短く
    整形することを特徴とする光学式エンコーダ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光学式エンコーダにお
    いて、 前記光学系は、前記照明光を前記スケール部の前記格子
    の近傍または前記格子と前記受光手段との間に集光する
    ことを特徴とする光学式エンコーダ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の光学式
    エンコーダにおいて、 前記光学系は、前記移動方向を含む面内での屈折作用に
    比べて前記直交する方向を含む面内での屈折作用の方が
    強い光学素子を有することを特徴とする光学式エンコー
    ダ。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3の何れか1項に記
    載の光学式エンコーダにおいて、 前記スケール部は、前記可動物体に固定される第1スケ
    ールと、前記光源および前記光学系との位置関係が固定
    された第2スケールとを有し、 前記射出手段は、前記可動物体の移動に応じて光量が変
    化する光を前記格子から射出することを特徴とする光学
    式エンコーダ。
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