JP2002241467A - エポキシカルボキシレート化合物及びそれを用いた感光性樹脂組成物 - Google Patents
エポキシカルボキシレート化合物及びそれを用いた感光性樹脂組成物Info
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Abstract
筆硬度、耐溶剤性、耐酸性、耐熱性、耐金メッキ性等に
優れた感光性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】分子中に2個以上のエポキシ基を有するエ
ポキシ化合物(a)と分子中にヘテロ環構造を有するモ
ノカルボン酸化合物(b)及び分子中にエチレン性不飽
和二重結合を有するモノカルボン酸化合物(c)とを反
応させて得られることを特徴とするエポキシカルボキシ
レート化合物(A)及びこれを用いる感光性樹脂組成
物。
Description
ルボキシレート化合物及びそれを用いた感光性樹脂組成
物並びにその硬化物に関するものである。更に詳細に
は、プリント配線板用ソルダーレジスト、多層プリント
配線板用層間電気絶縁材料として有用で、その硬化皮膜
が、密着性、半田耐熱性、耐薬品性、耐金メッキ性、フ
レキシブル性等に優れた硬化物を与える感光性樹脂組成
物及びその硬化物に関する。
ト化合物は、環境的、熱的、力学的性質や基材に対する
接着性など種々特性のバランスに優れた化合物である。
このため古くから、塗料・コーティング、接着剤等の分
野で用いられてきた。最近では、電気・電子部品製造用
途やプリント基板製造用途等、広い工業分野で使用さ
れ、ますますその応用範囲が広がりつつあることは良く
知られている。この応用分野の拡大に伴って、エポキシ
カルボキシレート化合物にますます高い機能と新しい機
能の付加が要求されるようになり、電気・電子部品製造
用途やプリント基板製造用途を中心に種々の新たなエポ
キシカルボキシレート化合物の開発が積極的に進められ
ている。
機能を有する新規エポキシカルボキシレート化合物、と
りわけ密着性及び耐熱性とフレキシブル性を併せ持つエ
ポキシカルボキシレート化合物及びそれを用いた感光性
樹脂組成物並びにその硬化物を提供することを目的とす
る。
な特性を有するエポキシカルボキシレート化合物につい
て鋭意研究の結果、本発明を完成するに至った。即ち、
本発明は、(1)分子中に2個以上のエポキシ基を有す
るエポキシ化合物(a)と分子中にヘテロ環構造を有す
るモノカルボン酸化合物(b)及び分子中にエチレン性
不飽和二重結合を有するモノカルボン酸化合物(c)と
を反応させて得られることを特徴とするエポキシカルボ
キシレート化合物(A)、(2)分子中に2個以上のエ
ポキシ基を有するエポキシ化合物(a)のエポキシ当量
が、90〜600g/当量のエポキシ化合物である
(1)に記載のエポキシカルボキシレート化合物
(A)、(3)分子中にヘテロ環構造を有するモノカル
ボン酸化合物(b)が、フラン環構造もしくは、テトラ
ヒドロフラン環構造を有するモノカルボン酸化合物であ
る(1)または(2)のいずれか一項に記載のエポキシ
カルボキシレート化合物(A)、(4)分子中にエチレ
ン性不飽和二重結合を有するモノカルボン酸化合物
(c)が、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸と
ε−カプロラクトンとの反応生成物または桂皮酸の中か
ら選択されたモノカルボン酸である(1)ないし(3)
のいずれか一項に記載のエポキシカルボキシレート化合
物(A)、(5)ヘテロ環構造を有するモノカルボン酸
化合物(b)の反応量が、エポキシ樹脂(a)1当量に
対し、10〜40当量%である(1)ないし(4)のい
ずれか一項に記載のエポキシカルボキシレート化合物
(A)、(6)(1)ないし(5)のいずれか一項に記
載のエポキシカルボキシレート化合物(A)、光重合開
始剤(B)及び任意成分として架橋剤(C)を含有する
ことを特徴とする感光性樹脂組成物、(7)(6)に記
載の感光性樹脂組成物の硬化物、(8)(7)に記載の
硬化物の層を有する基材を提供することにある。
ト化合物(A)は、分子中に2個以上のエポキシ基を有
するエポキシ化合物(a)と分子中にヘテロ環構造を有
するモノカルボン酸化合物(b)及び分子中にエチレン
性不飽和二重結合を有するモノカルボン酸化合物(c)
とを反応させて得られることを特徴とする。
(A)を製造するために用いる分子中に2個以上のエポ
キシ基を有するエポキシ化合物は、この条件を満たすも
のであればすべて用いることができるが、特にエポキシ
当量が、90〜600g/当量のエポキシ化合物(a)
であることが望ましい。エポキシ当量が90未満の場
合、エポキシカルボキシレート化合物(A)の分子量が
小さく成膜が困難となる恐れや、また、エポキシ当量が
600を超える場合、エチレン性不飽和二重結合を有す
るモノカルボン酸(c)の導入率が低くなり感光性が低
くなる恐れがある。
ポキシ化合物の具体例としては、例えば、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ
樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹
脂、ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ル−F型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、
ビスフェノール−Aノボラック型エポキシ樹脂、ナフタ
レン骨格含有エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等が
挙げられる。
ては、例えばエピクロンN−770(大日本インキ化学
工業(株)製)、D.E.N438(ダウ・ケミカル社
製)、エピコート154(油化シェルエポキシ(株)
製)、RE−306(日本化薬(株)製)等が挙げられ
る。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、例
えばエピクロンN−695(大日本インキ化学工業
(株)製)、EOCN−102S、EOCN−103
S、EOCN−104S(日本化薬(株)製)、UVR
−6650(ユニオンカーバイド社製)、ESCN−1
95(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。
シ樹脂としては、例えばEPPN−503、EPPN−
502H、EPPN−501H(日本化薬(株)製)、
TACTIX−742(ダウ・ケミカル社製)、エピコ
ートE1032H60(油化シェルエポキシ(株)製)
等が挙げられる。ジシクロペンタジエンフェノール型エ
ポキシ樹脂としては、例えばエピクロンEXA−720
0(大日本インキ化学工業(株)製)、TACTIX−
556(ダウ・ケミカル社製)等が挙げられる。
例えばエピコート828、エピコート1001(油化シ
ェルエポキシ製)、UVR−6410(ユニオンカーバ
イド社製)、D.E.R−331(ダウ・ケミカル社
製)、YD−8125(東都化成社製)等のビスフェノ
ール−A型エポキシ樹脂、UVR−6490(ユニオン
カーバイド社製)、YDF−8170(東都化成社製)
等のビスフェノール−F型エポキシ樹脂等が挙げられ
る。
えば、NC−3000P、NC−3000S(日本化薬
(株)性)等のビフェノール型エポキシ樹脂、YX−4
000(油化シェルエポキシ(株)製)のビキシレノー
ル型エポキシ樹脂、YL−6121(油化シェルエポキ
シ(株)製)等が挙げられる。ビスフェノールAノボラ
ック型エポキシ樹脂としては、例えばエピクロンN−8
80(大日本インキ化学工業(株)製)、エピコートE
157S75(油化シェルエポキシ(株)製)等が挙げ
られる。
は、例えばNC−7000(日本化薬社製)、EXA−
4750(大日本インキ化学工業(株)製)等が挙げら
れる。脂環式エポキシ樹脂としては、例えばEHPE−
3150(ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられ
る。複素環式エポキシ樹脂としては、例えばTEPI
C,TEPIC−L,TEPIC−H、TEPIC−S
(いずれも日産化学工業(株)製)等が挙げられる。
(A)を製造するために用いる分子中にヘテロ環構造を
有するモノカルボン酸化合物(b)は、この条件を満た
すものであればすべて用いることができるが、特にその
分子中にフラン環構造もしくは、テトラヒドロフラン環
構造を有するモノカルボン酸化合物であることが望まし
い。フラン環、もしくはテトラヒドロフラン環構造は特
に、その構造自身が有する極性のため、金属表面やガラ
ス表面等の基材表面に水素結合され塗膜の密着性を向上
させる効果があることが知られている。
物(b)の具体例としては、例えば、2−フランカルボ
ン酸、3−フランカルボン酸、3−(2−フリル)アク
リル酸、テトラヒドロフラン−2−カルボン酸及びそれ
らの誘導体等が挙げられる。
(A)を製造するために用いる分子中にエチレン性不飽
和二重結合を有するモノカルボン酸化合物(c)として
は、例えばアクリル酸類やクロトン酸、α−シアノ桂皮
酸、桂皮酸、或いは飽和または不飽和二塩基酸と不飽和
基含有モノグリシジル化合物との反応物が挙げられる。
アクリル酸類としては、例えば(メタ)アクリル酸、β
−スチリルアクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、飽
和または不飽和二塩基酸無水物と1分子中に1個の水酸
基を有する(メタ)アクリレート誘導体と当モル反応物
である半エステル類、飽和または不飽和二塩基酸とモノ
グリシジル(メタ)アクリレート誘導体類との当モル反
応物である半エステル類等が挙げられるが、感光性樹脂
組成物としたときの感度の点で(メタ)アクリル酸、
(メタ)アクリル酸とε−カプロラクトンとの反応生成
物または桂皮酸が特に好ましい。
(A)の製造は、前述のエポキシ化合物(a)と分子中
にヘテロ環構造を有するモノカルボン酸化合物(b)及
び分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するモノカル
ボン酸化合物(c)とを反応させて得る。この反応は、
無溶剤もしくはアルコール性水酸基を有さない溶媒、具
体的には例えば、アセトン、エチルメチルケトン、シク
ロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、エ
チレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコー
ルジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチル
エーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、
トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレ
ングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル
類、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブアセテ
ート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ
アセテート、カルビトールアセテート、プロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、グルタル酸ジア
ルキル、コハク酸ジアルキル、アジピン酸ジアルキル等
のエステル類、γ−ブチロラクトン等の環状エステル
類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソル
ベントナフサ等の石油系溶剤、更には後述する架橋剤
(C)等の単独または混合有機溶媒中で反応させること
により得ることができる。
ン酸化合物(b)の反応量(以下xとする)としては、
エポキシ樹脂(a)1当量に対し、10〜40当量%、
分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するモノカルボ
ン酸化合物(c)としては、エポキシ樹脂(a)1当量
に対し、(100−x)当量%であることが望ましい。
xが10当量%未満の場合、塗膜の密着性が不十分にな
る恐れがあり、また、xが40当量%を超える場合、エ
チレン性不飽和二重結合の導入量が低くなり、感光性が
低下する恐れや、架橋密度が低くなる恐れがあるので好
ましくない。
を使用することが好ましく、該触媒の使用量は、反応物
に対して0.1〜10重量%である。その際の反応温度
は好ましくは60〜150℃であり、また反応時間は、
好ましくは5〜60時間である。この反応で使用する触
媒としては、例えばトリエチルアミン、ベンジルジメチ
ルアミン、トリエチルアンモニウムクロライド、ベンジ
ルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメ
チルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルフォスフ
ィン、トリフェニルスチビン、メチルトリフェニルスチ
ビン、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム等が
挙げられる。
キシカルボキシレート化合物(A)、光重合開始剤
(B)及び任意成分として架橋剤(C)を含有すること
を特徴とする。
重合開始剤(B)の具体例としては、例えばベンゾイ
ン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブ
チルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,
2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2
−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−
ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル
−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェ
ノン、1−ヒドロキシンクロヘキシルフェニルケトン、
2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2
−モルホリノプロパン−1−オンなどのアセトフェノン
類;2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチ
ルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−ア
ミルアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4−
ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサン
トン、2−クロロチオキサントンなどのチオキサントン
類;アセトフエノンジメチルケタール、ベンジルジメチ
ルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4−ベ
ンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、4,
4'−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフ
ェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニ
ルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチ
ルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホ
スフィンオキサイド類等が挙げられる。
して使用でき、さらにはトリエタノールアミン、メチル
ジエタノールアミンなどの第3級アミン、N,N−ジメ
チルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチル
アミノ安息香酸イソアミルエステル等の安息香酸誘導体
等の促進剤などと組み合わせて使用することができる。
意成分として架橋剤(C)の具体例としては、例えば、
例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4
−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、カルビト
ール(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、
水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモ
ノ(メタ)アクリレート等)と多カルボン酸化合物の酸
無水物(例えば、無コハク酸、無水マレイン酸、無水フ
タル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水
フタル酸等)の反応物であるハーフエステル,ポリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、グリセ
ンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シビバリン酸ネオペングリコールのε−カプロラクトン
付加物のジ(メタ)アクリレート(例えば、日本化薬
(株)製、KAYARAD HX−220、HX−62
0、等)、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールとε−カプロラクトン
の反応物のポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールポリ(メタ)アクリレート、モノ又はポリグリ
シジル化合物(例えば、ブチルグリシジルエーテル、フ
ェニルグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジ
グリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリ
シジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジ
ルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステ
ル、グリセリンポリグリシジルエーテル、グリセリンポ
リエトキシグリシジルエーテル、トリメチロールプロパ
ンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポ
リエトキシポリグリシジルエーテル等と(メタ)アクリ
ル酸の反応物であるエポキシ(メタ)アクリレート等を
挙げることができる。
(A)、(B)及び(C)成分の量は、感光性樹脂組成
物の不揮発分を100重量%とした場合、(A)成分
は、10〜80重量%、(B)成分は、0.5〜30重
量%が好ましく、(C)成分は、0〜60重量%の任意
の量が好ましい。
層間の絶縁材として、またプリント基板用のソルダーレ
ジスト等のレジストインキ、スルーホールなどの永久穴
埋めインキとして有用である他、卦止剤、塗料、コーテ
ィング剤、接着剤等としても使用できる。
線照射により上記の本発明の感光性樹脂組成物を硬化さ
せたものである。紫外線等のエネルギー線照射による硬
化は常法により行うことができる。例えば紫外線を照射
する場合、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キ
セノン灯、紫外線発光レーザー(エキシマーレーザー
等)等の紫外線発生装置を用いればよい。本発明の感光
性樹脂組成物の硬化物は、例えばソルダーレジストやビ
ルドアップ工法用の層間絶縁材としてプリント基板のよ
うな電気・電子部品に利用される。この硬化物層の膜厚
は0.5〜160μm程度で、1〜60μm程度が好ま
しい。
得ることができる。即ち、液状の樹脂組成物を使用する
場合、プリント配線用基板に、スクリーン印刷法、スプ
レー法、ロールコート法、静電塗装法、カーテンコート
法等の方法により5〜160μmの膜厚で本発明の組成
物を塗布し、塗膜を60〜110℃、好ましくは60〜
100℃の温度で乾燥させることにより、タックフリー
の塗膜が形成できる。その後、紫外線を10〜2000
mJ/cm2程度のエネルギーを照射し、更に必要に応
じて、100〜200℃の温度で熱硬化させることによ
り、密着性、半田耐熱性、耐薬品性、耐金メッキ性、フ
レキシブル性、電気特性等の諸特性を満足する永久保護
膜を有する硬化物が得られる。
圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キ
セノンランプまたはメタルハライドランプなどが適当で
ある。その他、レーザー光線なども露光用活性光源とし
て利用できる。
説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでな
い。
2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)と
して、日本化薬(株)製 NER−7000(多官能ビ
スフェノール−F型エポキシ樹脂、エポキシ当量:30
0.72g/当量)を513.3g、分子中にヘテロ環
構造を有するモノカルボン酸化合物(b)として、2−
フランカルボン酸(分子量:112.08)を38.3
g、分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するモノカ
ルボン酸化合物(c)としてアクリル酸(分子量:7
2.06)を98.4g、反応溶剤として、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート(以下PGM
EAという)を350.0g、熱重合禁止剤として2−
メチルハイドロキノンを0.50g、及び反応触媒とし
てトリフェニルフォスフィンを3.0g仕込み、98℃
の温度で反応液の酸価が、2mg・KOH/g以下にな
るまで反応させ、本発明のエポキシカルボキシレート化
合物 65重量%を含む樹脂液を得た。このときの反応
時間は32時間であった。この樹脂液をA−1とする。
2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)と
して、日本化薬(株)製 EOCN−104S(クレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量:22
0.0g/当量)を467.2g、分子中にヘテロ環構
造を有するモノカルボン酸化合物(b)として、2−フ
ランカルボン酸(分子量:112.08)を83.3
g、分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するモノカ
ルボン酸化合物(c)としてアクリル酸(分子量:7
2.06)を99.5g、反応溶剤兼架橋剤(C)とし
て、トリメチロールプロパントリアクリレートを27
8.6g、熱重合禁止剤として2−メチルハイドロキノ
ンを0.46g、及び反応触媒としてトリフェニルフォ
スフィンを2.8g仕込み、98℃の温度で反応液の酸
価が、2mg・KOH/g以下になるまで反応させ、本
発明のエポキシカルボキシレート化合物 70重量%を
含む樹脂液を得た。このときの反応時間は24時間であ
った。この樹脂液をA−2とする。
2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)と
して、日本化薬(株)製 EPPN−503H(トリス
ヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、エポキシ当
量:182.0g/当量)を442.6g、分子中にヘ
テロ環構造を有するモノカルボン酸化合物(b)とし
て、2−テトラヒドロフランカルボン酸(分子量:11
6.13)を84.7g、分子中にエチレン性不飽和二
重結合を有するモノカルボン酸化合物(c)としてアク
リル酸(分子量:72.06)を122.7g、反応溶
剤として、メチルエチルケトン(以下MEKという)を
278.6g、熱重合禁止剤として2−メチルハイドロ
キノンを0.46g、及び反応触媒としてトリフェニル
フォスフィンを2.8g仕込み、還流温度で反応液の酸
価が、2mg・KOH/g以下になるまで反応させ、本
発明のエポキシカルボキシレート化合物 70重量%を
含む樹脂液を得た。このときの反応時間は48時間であ
った。この樹脂液をA−3とする。
び(A−3)を表1に示す配合割合で混合、必要に応じ
て3本ロールミルで混練し、本発明の感光性樹脂組成物
を得た。これをバーコート法により、15〜25μmの
厚さになるように銅配線ポリイミド基板に塗布し、(A
−2)以外の組成を用いる場合は、塗膜を80℃の熱風
乾燥器で30分乾燥させた。次いで、紫外線露光装置
((株)オーク製作所、型式HMW−680GW)を用
いて、紫外線を照射した。得られた硬化物について、後
述のとおり、光感度、表面光沢、基板そり、密着性、鉛
筆硬度、耐溶剤性、耐酸性、耐熱性、耐金メッキ性の試
験を行なった。それらの結果を表2に示す。なお、試験
方法及び評価方法は次のとおりである。
をのせ、表面に脱脂綿が付着するか観察した。 ○・・・・照射量 1000mJ/cm2 以下 ×・・・・照射量 1000mJ/cm2 以上
を照射した塗膜をエタノールに60秒間浸漬させ、乾燥
後の硬化膜を観察する。下記の基準を使用した。 ○・・・・曇りが全く見られない ×・・・・若干の曇りが見られる
の紫外線を照射露光する。下記の基準を使用した。 ○・・・・基板にそりは見られない ×・・・・基板のそりが見られる
紫外線を照射露光する。JIS K5400に準じて、
試験片に1mmのごばん目を100個作りセロテープ
(登録商標)によりピーリング試験を行った。ごばん目
の剥離状態を観察し、次の基準で評価した。 ○・・・・剥れのないもの ×・・・・剥離するもの
の紫外線を照射露光する。JISK5400に準じて評
価を行った。
を照射した塗膜をイソプロピルアルコールに室温で30
分間浸漬する。外観に異常がないか確認した後、セロテ
ープによるピーリング試験を行い、次の基準で評価し
た。 ○・・・・曇りが全く見られない ×・・・・若干の曇りが見られる
照射した塗膜を10%塩酸水溶液に室温で30分浸漬す
る。外観に異常がないか確認した後、セロテープによる
ピーリング試験を行い、次の基準で評価した。 ○・・・・塗膜外観に異常がなく、フクレや剥離のない
もの ×・・・・塗膜にフクレや剥離があるもの
照射した塗膜にロジン系プラックスを塗布し260℃の
半田槽に5秒間浸漬した。これを1サイクルとし、3サ
イクル繰り返した。室温まで放冷した後、セロテープに
よるピーリング試験を行い、次の基準で評価した。 〇・・・・塗膜外観に異常がなく、フクレや剥離のない
もの ×・・・・塗膜にフクレや剥離のあるもの
外線を照射した塗膜を、30℃の酸性脱脂液(日本マク
ダーミット製、Metex L−5Bの20vol%水
溶液)に3分間浸漬した後、水洗し、次いで、14.4
wt%過硫酸アンモン水溶液に室温で3分間浸漬した
後、水洗し、更に10vol%硫酸水溶液に室温で試験
基板を1分間浸漬した後水洗した。次に、この基板を3
0℃の触媒液(メルテックス製、メタルプレートアクチ
ベーター350の10vol%水溶液)に7分間浸漬
し、水洗し、85℃のニッケルメッキ液(メルテックス
製、メルプレートNi−865Mの20vol%水溶
液、pH4.6)に20分間浸漬し、ニッケルメッキを
行った後、10vol%硫酸水溶液に室温で1分間浸漬
し、水洗した。次いで、試験基板を95℃の金メッキ液
(メルテックス製、オウロレクトロレスUP15vol
%とシアン化金カリウム3vol%の水溶液、pH6)
に10分間浸漬し、無電解金メッキを行った後、水洗
し、更に60℃の温水で3分間浸漬し、水洗し、乾燥し
た。得られた無電解金メッキ評価基板にセロハン粘着テ
ープを付着し、剥離したときの状態を観察した。 ○:全く異常が無いもの。 ×:若干剥がれが観られたもの。
感光性樹脂組成物は高感度であり、その硬化膜も半田耐
熱性、耐薬品性、耐金メッキ性等に優れ、また硬化物表
面にクラックが発生せず、薄膜化された基板を用いた場
合でも基板にそりの無いプリント基板用感光性樹脂組成
物であることは明らかである。
物(A)及びそれを用いた感光性樹脂組成物は、紫外線
により露光硬化することによる塗膜の形成において、光
感度に優れ、得られた硬化物は、密着性、鉛筆硬度、耐
溶剤性、耐酸性、耐熱性、耐金メッキ性等も十分に満足
するものであり、特に、プリント配線板用感光性樹脂組
成物に適している。
Claims (8)
- 【請求項1】分子中に2個以上のエポキシ基を有するエ
ポキシ化合物(a)と分子中にヘテロ環構造を有するモ
ノカルボン酸化合物(b)及び分子中にエチレン性不飽
和二重結合を有するモノカルボン酸化合物(c)とを反
応させて得られることを特徴とするエポキシカルボキシ
レート化合物(A)。 - 【請求項2】分子中に2個以上のエポキシ基を有するエ
ポキシ化合物(a)のエポキシ当量が、90〜600g
/当量のエポキシ化合物である請求項1に記載のエポキ
シカルボキシレート化合物(A)。 - 【請求項3】分子中にヘテロ環構造を有するモノカルボ
ン酸化合物(b)が、フラン環構造もしくは、テトラヒ
ドロフラン環構造を有するモノカルボン酸化合物である
請求項1または請求項2のいずれか一項に記載のエポキ
シカルボキシレート化合物(A)。 - 【請求項4】分子中にエチレン性不飽和二重結合を有す
るモノカルボン酸化合物(c)が、(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリル酸とε−カプロラクトンとの反応
生成物または桂皮酸の中から選択されたモノカルボン酸
である請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の
エポキシカルボキシレート化合物(A)。 - 【請求項5】ヘテロ環構造を有するモノカルボン酸化合
物(b)の反応量が、エポキシ樹脂(a)1当量に対
し、10〜40当量%である請求項1ないし請求項4の
いずれか一項に記載のエポキシカルボキシレート化合物
(A)。 - 【請求項6】請求項1ないし請求項5のいずれか一項に
記載のエポキシカルボキシレート化合物(A)、光重合
開始剤(B)及び任意成分として架橋剤(C)を含有す
ることを特徴とする感光性樹脂組成物。 - 【請求項7】請求項6に記載の感光性樹脂組成物の硬化
物。 - 【請求項8】請求項7に記載の硬化物の層を有する基
材。
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