JP2002189214A - 液晶表示装置と該装置を用いる電子機器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶表示素子に用いるＬＣＤの電気光学特性
などの機能がＵＶ光によって失われないようにすること
及びＵＶカット機能をＬＣＤパネルに付加しつつ、コス
トアップ及び重量の増加をできるだけ抑えること。 【解決手段】 コレステリック液晶またはカイラルネマ
ティック液晶を用いるＬＣＤパネル１の裏面側にコント
ロール回路とドライバ回路を備えた基板３を配置した液
晶表示装置であり、ＬＣＤパネル１の表面側に紫外線成
分をカットする機能を有する透明な筐体４を配置し、Ｌ
ＣＤパネル１とコントロール回路とドライバ回路を備え
た基板３を含めた構成部品をはめ込む固定部材６を前記
筐体４の裏面側の周辺部に設け、ＬＣＤパネル１に透明
な筐体４をワンタッチで着脱自在にするためには筐体４
の裏面にＬＣＤパネル１とコントロール回路とドライバ
回路を備えた基板３を含めた構成部品を圧着固定する爪
７を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、各種の電子機器の
表示パネルなどとして用いられる液晶表示素子（ＬＣＤ
パネル）と該素子を用いる液晶表示装置と該装置を用い
る電子機器に関する。

【０００２】

【従来の技術】コレステリック液晶は棒状分子を多層状
に配置したものであり、多層分子が隣接する層の間で、
その配向方向が少しずつねじれて配置され、全体として
ヘリカル軸を構成し、該ヘリカル軸が液晶基板に垂直方
向に向いた螺旋構造を成している。この多層構造のヘリ
カルピッチは、液晶材料などを選択することで適切な値
にすることができ、このとき、可視光線を選択的に反射
するように設計すると、選択反射波長が赤色、青色、緑
色の各領域にある場合には、それぞれの色の波長を反射
することができる。また、カイラルネマティック液晶で
は、カイラル剤の添加量の調整でヘリカルピッチを有す
る選択反射膜が得られる。

【０００３】上記コレステリック液晶またはカイラルネ
マティック液晶による光の選択反射性を利用した表示素
子では、コレステリック液晶またはカイラルネマティッ
ク液晶の配列の違いによる選択反射の有無で表示状態が
決定されるため、ＴＮ型、ＳＴＮ型又はＴＦＴ型の液晶
で用いられているような偏光板は不要であるとされてき
た。

【０００４】コレステリック液晶またはカイラルネマテ
ィック液晶の表面にＵＶカット用フィルムやコーティン
グを施していない液晶表示装置の例としては、図５〜図
７に示す構造からなるものがある。図５は液晶表示装置
を構成する部品の組立過程を側面から見た図、図６は各
部品組立後の液晶表示装置側面図、図７は各部品組立後
の液晶表示装置の正面図である。

【０００５】図５〜図７に示すように、例えばＬＣＤパ
ネル２０の両側に弾性材からなる額縁状に中央が大きく
開口したスペーサ２１を配置し、一方のスペーサ２１の
外側からはコントロール回路及びドライブ回路を備えた
基板２２を、他方のスペーサ２１の外側からは金属製の
枠体２３をそれぞれ、これにはめ込み、枠体２３の爪２
３ａを内側に折り曲げてＬＣＤパネル２０などを固定し
て組み付けていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】前述の従来のコレステ
リック液晶またはカイラルネマティック液晶は、偏光板
を使用しないため、光の利用効率が高く明るい表示が可
能である。しかしながら、ＵＶ光を遮るものがなくなる
ため、液晶の劣化が起こりやすくなってしまう。

【０００７】そこで、コレステリック液晶またはカイラ
ルネマティック液晶を用いるＬＣＤパネルの表面側に偏
光板を配置すると、前記ＬＣＤパネルは入射光のある一
部の偏光のみを画像表示用に使っているに過ぎない状態
となり、光の利用効率が悪く暗い表示となる。

【０００８】また、コレステリック液晶またはカイラル
ネマティック液晶を用いるＬＣＤパネルの表面にＵＶカ
ットのためのフィルムやコーティングを施すと、製造コ
ストのアップになる。また、前記処理法はフィルムやコ
ーティングにかかる費用のみならず、工程が増えるため
複雑化し、生産性が落ちてしまう。

【０００９】さらに、ＵＶカット機能を持つアクリルや
ポリカーボネイトなどの樹脂をＬＣＤパネルの全面に追
加配置すると、モジュールが重くなり、また部品点数が
増えるため、コストが高くなり、重量も増えることにな
る。

【００１０】本発明の課題は、液晶表示装置に用いるＬ
ＣＤパネルの電気光学特性などの機能がＵＶ光によって
失われないようにすること及びＵＶカット機能をＬＣＤ
パネルに付加しつつ、コストアップ及び重量の増加をで
きるだけ抑えることである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、コ
レステリック液晶またはカイラルネマティック液晶を用
いるＬＣＤパネルの裏面側にコントロール回路とドライ
バ回路を備えた基板を配置した液晶表示装置において、
ＬＣＤパネルの表面側に紫外線成分をカットする機能を
有する透明板を配置し、ＬＣＤパネルとコントロール回
路とドライバ回路を備えた基板を含めた構成部品をはめ
込む固定部材を前記透明板の裏面側の周辺部に設けた液
晶表示装置により解決される。

【００１２】すなわち、本発明はコレステリック液晶ま
たはカイラルネマティック液晶を用いるＬＣＤパネル
（液晶表示素子）に紫外線成分をカットする機能を有す
る透明板を、例えばワンタッチではめ込み、かつ着脱自
在にすることができる液晶表示装置である。

【００１３】本発明の液晶表示装置では、ＬＣＤパネル
に前記透明板をワンタッチではめ込み、かつ着脱できる
ようにするために、コントロール回路とドライバ回路を
備えた基板とＬＣＤパネルを含めた構成部品を圧着固定
する爪を透明板の裏面に備えることが望ましい。

【００１４】また、透明板にはコントロール回路とドラ
イバ回路を備えた基板とＬＣＤパネルとを含めた構成部
品の周辺端部を透明板の表面から見えなくする濃色の枠
帯状の模様を施すことが望ましい。こうすることで、液
晶により各種画像を表示するビューイングエリア外の、
例えばＬＣＤパネルの端部など、表示内容とは関係のな
い部分を透明板の表面側から見えないようにすることが
でき、装飾性が高まる。

【００１５】本発明には、上記液晶表示装置を用いる各
種電子機器も含まれる。

【００１６】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
と共に説明する。図１には本実施の形態の液晶表示装置
を構成する部品の組立過程を側面から見た図を示し、図
２にはその組立後の液晶表示装置の側面図を示し、図３
には図２の円Ａ内の拡大図を示し、図４には組立後の液
晶表示装置の正面図を示す。

【００１７】ＬＣＤパネル１の両側に弾性材からなる額
縁状に中央が大きく開口したスペーサ２を配置し、一方
のスペーサ２の外側からはコントロール回路及びドライ
ブ回路を備えた基板３を、他方のスペーサ２の外側から
はＵＶカット機能付きの透明の合成樹脂製の筐体４（偏
光性を有する筐体など）を組み付ける。

【００１８】ＬＣＤパネル１は図示していないが、良く
知られているようにガラス基板上に透明電極（ＩＴＯ）
膜を形成し、該透明電極膜上にバリアコーティング膜
（ＳｉＯ_２ 電気絶縁膜）、配向膜およびコレステリッ
ク液晶又はカイラルネマティック液晶、配向膜、ＳｉＯ
_２電気絶縁膜、ＩＴＯ膜、ガラス基板が順次積層されて
構成されている。

【００１９】透明の合成樹脂製の筐体４の表側（ＬＣＤ
パネル１の表示面側）の周辺部には枠帯状に濃い着色層
５が印刷などにより施されており、筐体４にその他の液
晶表示装置構成部品を組み付けたときには、スペーサ２
及びＬＣＤパネル１の周辺端部（ビューイングエリアよ
り外側）を印刷により隠すことができ、この部分はパネ
ル表示面側からは見えない。前記印刷には、例えばスク
リーン印刷を用いる。この印刷面は、モジュール外観を
きれいに見せるためのものなので、その他の特殊な機能
は必要としないが、ビューイングエリア外の、例えばＬ
ＣＤパネル１の端部とスペーサ２の圧着部のように、表
示内容とは関係のない部分を表面から見えないようにす
ることで液晶表示装置の装飾性が高まる。

【００２０】ＵＶカット機能付き合成樹脂製筐体４の材
質としては、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリ塩化ビニール樹脂などで、波長４００ｎｍ以下
の紫外線をカットする機能があるものを用いる。また、
それぞれの機器に必要とされる保存温度範囲（例えば−
２０〜８０℃）において性能の低下がないものでなけれ
ばならない。さらには、前記樹脂表面にキズがつきにく
いようにシリコーン被膜などのハードコートを施すこと
が望ましい。

【００２１】また、合成樹脂製の筐体４の裏面側（ＬＣ
Ｄパネル１の取付け側）の平面の四隅にはＬＣＤパネル
固定部材６を筐体４の平面に垂直方向に立てて取付け、
各固定部材６にはＬＣＤパネル１、二枚のスペーサ２、
２及びコントロール回路及びドライブ回路を備えた基板
３の合計の厚みに相当するだけの高さに爪７を取り付け
る。この爪７は図３に明示しているように傾斜面を有し
ており、前記ＬＣＤパネル１、二枚のスペーサ２、２及
びコントロール回路及びドライブ回路を備えた基板３
を、この爪７の抵抗に抗して筐体４の平面に向けて差し
込むことでワンタッチで液晶表示装置が構成できる。固
定部材６に設けた爪７は、一例に過ぎず、固定部材６自
体を弾性変形可能な部材で構成するか、爪７に代わるバ
ネ式等の固定部材６の付属物を設けてワンタッチ式にし
ても良い。

【００２２】また、前記ＬＣＤパネル固定部材６は筐体
４の四隅だけに設けた構成に限定する必要はなく、上下
の二辺、上下左右の四辺等、適宜な箇所に取り付けても
良い。

【００２３】前記筐体にＬＣＤパネル１とコントロール
回路及びドライブ回路を備えた基板３を固定するための
爪７は、筐体４と一体成型されており、前記部材を固定
するための他の部品を必要としないため、組立工数、部
品点数を減らすことができる。

【００２４】なお、筐体４の四隅には液晶表示装置を機
器（図示せず）に組み込むため取付け穴８を設けてい
る。

【００２５】スペーサ２については、その材質は問わな
いが、電気的絶縁性に優れ、筐体４の爪７にはめ込み、
固定するとき及び固定しているときの圧力がＬＣＤパネ
ル１に圧痕を残さないための緩衝材になるものが望まし
い。例えばウレタンフォームなどの材質のものを使用す
ることが望ましい。

【００２６】こうしてＬＣＤパネル１のアクティブエリ
ア９とビューイングエリア（アクティブエリア９の外
側）を透明な筐体４を介して液晶表示装置表面側から見
ることができる。また、ＬＣＤパネル１はＵＶカット機
能付き樹脂からなる筐体４で保護されているため、ＵＶ
光による電光学特性の劣化もなく、また外力による圧痕
も付き難く、液晶表示装置の出荷・輸送作業も簡単に行
える。さらに、ユーザーが本液晶表示装置モジュールを
機器に組み込む際にも圧痕が付くおそれがない。

【００２７】なお、ＬＣＤパネル１の表示領域をアクテ
ィブエリア９といい、ＬＣＤパネル１にはアクティブエ
リア９の外側に斜め前方から表示面を見ることができる
ようにビューイングエリアを設けている。

【００２８】また、ＵＶカット機能付きの合成樹脂製の
筐体４に装飾枠を取り付けるか、又は模様をプリントし
て、組み込むことで機器のデザイン性が高まる。さら
に、この筐体の表面に反射防止処理またはアンチグレア
処理を施すことにより、ＬＣＤパネル１のガラス表面が
むき出しになっている場合よりもガラス基板３または筐
体４の樹脂表面による反射光を減らし、表示内容を読み
取りやすくすることができる。また、筐体４の樹脂表面
の形状を工夫することによりレンズの効果が得られ、実
際のＬＣＤパネル１の表示よりやや拡大して表示部が見
えようにすることが必要な用途などにも利用できる。

【００２９】図５〜図７に示す従来の液晶表示装置の構
成では、本実施の形態の液晶表示装置で設けているＵＶ
カット層がないので、液晶面が傷付き易く、劣化し易い
だけでなく、枠帯状に濃い着色層５を設けることもでき
ない。

【００３０】

【発明の効果】上記本発明の液晶表示装置は、ＵＶ光に
よる液晶の劣化が起こりにくくなり、また、ＵＶカット
機能付きの合成樹脂製の筐体にＵＶカット樹脂を追加設
置しているのではなく、筐体そのものにＵＶカット機能
を付加したため、ＵＶカット機能が付加されても、部品
点数がほとんど増えない。その結果、モジュール組立工
数を減らすことができ、モジュールの重量はあまり変わ
らず、モジュールの大きなコストアップにはならない。

【００３１】また、本発明の液晶表示装置は出荷・輸送
作業中に圧痕がつかない利点もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施の形態の液晶表示装置を構成す
る部品の組立過程を側面から見た図を示す。

【図２】 図１の部品の組立後の液晶表示装置側面図を
示す。

【図３】 図２の円Ａ内の拡大図を示す。

【図４】 図１の部品組立後の液晶表示装置の正面図を
示す。

【図５】 従来の液晶表示装置を構成する部品の組立過
程を側面から見た図を示す。

【図６】 図５の部品の組立後の液晶表示装置側面図を
示す。

【図７】 図５の部品組立後の液晶表示装置の正面図を
示す。

【符号の説明】

１ ＬＣＤパネル ２ スペーサ ３ コントロール回路及びドライブ回路を備えた基板 ４ ＵＶカット機能付きの透明の合成樹脂製の筐体 ５ 枠帯状に濃い着色層 ６ ＬＣＤパ
ネル固定部材 ７ 固定部材の爪 ８ 取付穴

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 2H088 GA02 GA03 JA15 MA02 2H089 HA40 JA10 QA05 QA12 QA13 RA11 TA07 2H091 FA01X FA34X FB02 FD06 FD12 FD13 GA11 HA11 LA03 LA12 LA13 5G435 AA17 BB12 EE34 GG11 GG16 HH02 KK05

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コレステリック液晶またはカイラルネマ
   ティック液晶を用いるＬＣＤパネルの裏面側にコントロ
   ール回路とドライバ回路を備えた基板を配置した液晶表
   示装置において、 ＬＣＤパネルの表面側に紫外線成分をカットする機能を
   有する透明板を配置し、ＬＣＤパネルとコントロール回
   路とドライバ回路を備えた基板を含めた構成部品をはめ
   込む固定部材を前記透明板の裏面側の周辺部に設けたこ
   とを特徴とする液晶表示装置。
2. 【請求項２】 透明板の裏面側の周辺部に設けられる固
   定部材はコントロール回路とドライバ回路を備えた基板
   とＬＣＤパネルとを含めた構成部品を透明板の裏面に圧
   着固定する爪を備えていることを特徴とする請求項１記
   載の液晶表示装置。
3. 【請求項３】 透明板にはコントロール回路とドライバ
   回路を備えた基板とＬＣＤパネルとを含めた構成部品の
   周辺端部を透明板の表面側から見えなくする濃色の枠帯
   状の模様を施していることを特徴とする請求項１記載の
   液晶表示装置。
4. 【請求項４】 請求項１記載の液晶表示装置を用いるこ
   とを特徴とする電子機器。