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JP2002170685A - 導電性液晶素子及びこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

導電性液晶素子及びこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子

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JP2002170685A
JP2002170685A JP2000362115A JP2000362115A JP2002170685A JP 2002170685 A JP2002170685 A JP 2002170685A JP 2000362115 A JP2000362115 A JP 2000362115A JP 2000362115 A JP2000362115 A JP 2000362115A JP 2002170685 A JP2002170685 A JP 2002170685A
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JP
Japan
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liquid crystal
phase
layer
smectic
organic
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Withdrawn
Application number
JP2000362115A
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English (en)
Inventor
Akira Tsuboyama
明 坪山
Shinjiro Okada
伸二郎 岡田
Takao Takiguchi
隆雄 滝口
Takashi Moriyama
孝志 森山
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上下ショートがなく、発光効率の高い有機エ
レクトロルミネッセンス素子を構成する。 【解決手段】 キャリア輸送層或いは発光層として、ネ
マチック相とスメクチック相を呈する温度領域を有する
液晶を用い、温度制御と電圧印加によって、スメクチッ
ク相における配向方向を制御し、該配向方向によるキャ
リアの移動度の異方性によって同一素子内の所望の領域
に選択的に高導電部と低導電部を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶の高キャリア
移動度を利用した導電性液晶素子、及び該液晶素子を用
いて構成した有機エレクトロルミネッセンス素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶の光学的特性を利用した各種
装置への利用開発が活発に行われている。その一つであ
る、棒状液晶の応用研究は、表示素子を中心に精力的に
行われている。
【0003】最近、液晶が有する自己組織性や配列構造
を利用して、液晶を電子或いは正孔のキャリア輸送層に
用いるなど、液晶に導電性を持たせる研究が行われてい
る。棒状液晶であるスメクチック液晶のキャリア輸送層
への応用としては、半那等の報告がある〔特開平10−
312711号公報、特開平9−316442号公報、
「応用物理」第68巻、第1号(1999)〕。それに
よれば、スメクチック液晶のキャリア移動度は高いもの
で10-2cm2/Vsec程度まで達し、これは分子結
晶を除く有機化合物中で最も高い値であり、また、アモ
ルファスシリコンに匹敵するものである。また、一般に
言われるように、ポリドメインからなる結晶の場合に
は、ドメインバウンダリーが深いトラップ順位となり、
キャリア輸送を阻害するが、液晶の場合には、このドメ
インバウンダリーがトラップにならず、キャリア輸送を
妨げないことが確認されるなど、液晶化合物特有の性質
を持っている。
【0004】ここに用いられている液晶化合物の代表例
を下記に示す。これらはいずれも10-3cm2/Vse
c程度のキャリア移動度を示している。
【0005】
【化1】 Cry.:結晶相、SmB:スメクチックB相、Sm
A:スメクチックA相、Iso.:等方相
【0006】一方、1987年にT.W.タンらにより
蛍光性金属キレート錯体とジアミン系分子の薄膜を積層
した構造を利用して、低電圧DC駆動で高輝度な発光が
得られることが実証されて以来、高速応答性や高効率の
発光素子として有機エレクトロルミネッセンス素子(以
下、「有機EL素子」と記す)の応用研究が精力的に行
われている。
【0007】有機EL素子は、発光層に到達した電子と
正孔が再結合する際に生じる発光を利用した、キャリア
注入型の自発光デバイスである。図1及び図2に一般的
な有機EL素子の構成を模式的に示す。図中、10は有
機化合物層、11は透明基板、12は透明電極、13は
正孔輸送層、14は発光層、15は金属電極、21は電
子輸送層である。
【0008】一般に、陽極には発光した光を取り出すた
めに透明電極12を用い、陰極には金属電極15を用い
る。透明電極11にはインジウム錫酸化物(ITO)等
の仕事関数の大きな導電性材料が用いられ、金属電極1
5にはアルミニウムやアルミニウム・リチウム合金、マ
グネシウム・銀合金などの仕事関数の大きな金属が用い
られる。
【0009】透明電極12、金属電極15間に有機化合
物層10が挟持されている。有機化合物層10を構成す
る各層の膜厚は数百Å程度であり、図1に示すように、
発光層14と正孔輸送層13からなる2層構造、或い
は、図2に示すように電子輸送層21、発光層14、正
孔輸送層13の3層からなる構造が一般的である。ここ
で、正孔輸送層13は透明電極12からの正孔を効率よ
く発光層14に注入させるため、電子輸送層21は金属
電極15からの電子を効率よく発光層14に注入させる
ために用いられる。また、同時に正孔輸送層13は電子
を、電子輸送層21は正孔を発光層14に閉じ込める
(キャリアブロック)機能を有し、発光効率を高める効
果がある。
【0010】これらキャリア輸送層(正孔輸送層13、
電子輸送層21)に関して、重要な特性と考えられるの
が電荷輸送能、特にキャリア移動度である。一般的にア
モルファス状態の有機化合物のキャリア移動度は10-5
cm2/Vsec程度であり、輸送特性は十分なものと
は言えない。キャリア輸送層の移動度を上げることがで
きれば、より多くのキャリアを発光層に注入させること
ができ、発光効率が高まると考えられており、同時に高
移動度が達成されれば、一般的に数百Å程度の膜厚であ
るキャリア輸送層の膜厚を厚く(〜1μm)することが
できるため、上下ショートを防止し、生産性も向上する
ことが期待できる。現在、有機EL素子の高効率化を達
成するためのキャリア輸送層の化合物材料開発が活発に
行われている。このような状況で、キャリア輸送層を形
成する有機化合物に液晶性を付与することで高移動度を
達成しようとする動きがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、液晶
の高キャリア移動度を利用した液晶素子を構成し、発光
効率が高く信頼性の高い有機EL素子を歩留まり良く提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、2枚の
対向する電極間に、少なくとも、一方の電極に接して液
晶層を有し、該液晶が等方相、ネマチック相、スメクチ
ック相を示す温度領域を有し、該液晶の配向方向を変化
させることによって、該液晶層のキャリア移動度を制御
することを特徴とする導電性液晶素子である。
【0013】本発明の第二は、2枚の対向する電極間
に、少なくとも、一方の電極に接して液晶層を有し、該
液晶が等方相、ネマチック相、スメクチック相を示す温
度領域を有し、該液晶の配向方向を変化させることによ
って、該液晶層のキャリア移動度を制御することを特徴
とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0014】上記本発明の導電性液晶素子及び有機エレ
クトロルミネッセンス素子においては、上記液晶の誘電
異方性が正或いは負のいずれでも好ましく用いることが
できる。
【0015】また、上記本発明の有機エレクトロルミネ
ッセンス素子においては、上記液晶層をキャリア輸送層
或いは発光層のいずれにも好ましく用いることができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、液晶の配向の可動性と
キャリアの伝導特性の異方性という液晶特有の性質を利
用し、積極的に液晶の配向を変化させて導電性を制御し
たことに特徴を有する導電性液晶素子及び有機エレクト
ロルミネッセンス素子(有機EL素子)である。
【0017】本発明にかかる液晶の作用について、図面
を参照しながら説明する。
【0018】スメクチック液晶はスメクチック層構造を
有し、キャリア(電子或いは正孔)の移動度は該スメク
チック層に平行の場合と垂直の場合とで3桁程度異な
り、層に平行な成分の方が大きい。これは、液晶の伝導
性機構によるもので、それが液晶分子間のπ電子重なり
をチャネルとしたホッピング伝導によるものだからであ
る。
【0019】液晶は、液晶ディスプレイで用いられてい
るように、外部電場によってその配向を変化させること
ができる。配向変化のトルクは、例えばネマチック液晶
では液晶の誘電異方性に起因するものであり、あるしき
い値以上の電圧印加により誘電異方性(Δε)が正(Δ
ε>0)のものは分子長軸が電場に平行に配列し、誘電
異方性が負(Δε<0)のものは分子長軸が電場に垂直
に配列する。この様子を図3に模式的に示す。図4にお
いて、31、32は電極、33は液晶分子である。例え
ば、図3に示したように、Δε>0の液晶を電極31、
32間に挟持する。ここで、電極31、32をITOで
形成した場合、ITOと液晶の表面張力の関係から、図
3(a)に示したように一般に電極31、32に対して
液晶分子33の分子長軸が平行に配列する。この状態で
電極31、32間にしきい値(V th)以上の電圧を印加
すると、図3(b)に示すように電極31、32に対し
て直交する方向に分子配列が起こる。Δε<0の液晶の
場合は、この逆の方向に配列する。
【0020】本発明は、このようなネマチック相の再配
列効果と、それ以下の温度のスメクチック相における高
導電性を利用したものである。即ち、本発明において
は、結晶相と等方相の間に、スメクチック相とネマチッ
ク相とを呈する温度領域を有している。
【0021】図4に、ネマチック相の配向と、該液晶相
から冷却して得られるスメクチック相の配列構造の模式
図を示した。図中、41はスメクチック層であり、図3
と同じ部材には同じ符号を付した。
【0022】図4(a)は、電場或いは初期配向におい
て電極31、32に垂直配向したネマチック相を冷却し
て、スメクチック相温度にした場合を示している。ネマ
チック相において液晶分子33が電極31、32に垂直
に配向している場合、スメクチック相においても液晶分
子33の長軸が電極31、32に垂直方向を保つため、
スメクチック層41は電極31、32に平行或いは略平
行になる。また、図4(b)に示すように、液晶分子3
3が水平配向している場合には、冷却して得られるスメ
クチック層は電極31、32に対して垂直或いは略垂直
に立った構造となる。
【0023】この二つのスメクチック配向状態(垂直配
向と水平配向)において、両電極31、32間に電圧を
印加して電圧−電流特性を調べると、ある電圧値で2桁
以上電流値に差があった。これは、キャリア移動度が3
桁以上異なる移動度異方性と電極界面から液晶層への電
子や正孔の注入のされ方に異方性があるためと考えられ
る。そこで、上記二つの構造を一つの素子内に作り込め
ば、高導電部と低導電部とを作ることができ、様々な応
用が考えられる。この様子を図5に模式的に示す。図
中、51は低導電部、52は高導電部であり、図3、図
4と同じ部材には同じ符号を付した。
【0024】図5(a)は、液晶分子が水平配向したス
メクチック相の高導電部52と垂直配向した低導電部5
1からなる。これは、例えば以下のステップで形成する
ことができる。
【0025】(1)誘電異方性が正(Δε>0)の液晶
材料を電極31、32間に挟持し、スメクチック相温度
に設定する。液晶は水平配向するため全体が高導電性と
なる。
【0026】(2)上記スメクチック相の液晶に電極3
1、32間に所定の電圧を印加する。この状態ではスメ
クチック相における粘性がネマチック相に比べて非常に
高いため、配向変化は起こらない。
【0027】(3)低導電性にしたい部分をネマチック
相になるまで加熱する。電圧は液晶がネマチック相に配
列変化するしきい値以上に設定しておく。これにより、
ネマチック相の液晶分子は電極31、32に対して垂直
に配列する。
【0028】(4)全体をスメクチック相温度まで冷却
すると、上記(3)でネマチック相となった部分が垂直
配向の状態でスメクチック相に転移する。この状態は電
界印加されても保持されるメモリー機能を有する。
【0029】上記(3)における部分加熱には、例え
ば、電極に通電するジュール熱や光吸収体に光或いはレ
ーザ照射する方法などが考えられる。また、所望の領域
に電界を印加して素子全体をネマチック相温度とスメク
チック相温度の間で昇降温する部分電圧印加する方法も
可能である。また、図5(a)のように低導電部51が
完全に垂直配向ではなく、図5(b)に示したように不
完全な垂直配向や、ランダムな配向でも低伝導部とする
ことが可能である。また、高導電部52に対しては、完
全な水平配向ではなくおおよその水平配向であれば、高
導電性が達成される場合が多い。液晶の流動性、柔軟性
が不完全な構造であっても、導電性に大きな影響を与え
ないものと考えられる。また、電極面を平面的に見た時
の液晶の平面的な秩序度に均一性はなくても良い。基本
的に電界の方向とスメクチック層41とが平行になって
いれば、導電性は良好である。
【0030】上記のようにして、素子内の所望の領域の
導電性を電圧印加と昇降温で制御することが可能とな
り、熱書き込み発光素子や、レーザ書き込み表示素子、
メモリー素子などのデバイスへの応用が可能となる。
【0031】本発明の導電性液晶素子は、一対の電極間
に上記したネマチック相とスメクチック相を呈する温度
領域を有する液晶を挟持していれば良く、構成するデバ
イスに応じた基板上に一方の電極を形成すればよい。ま
た電極の素材や製法については、一般のデバイス技術を
用いることができる。また、本発明の有機EL素子は、
該液晶層を発光層或いはキャリア輸送層として用いてい
ればよく、例えば、図1における発光層14、正孔輸送
層13、或いは図2における正孔輸送層13、電子輸送
層21のいずれかを上記特定の液晶を用いて構成すれば
よい。また、必要に応じて図1に示した透明基板11等
の基板を用いて構成しても良い。よって、本発明の有機
EL素子の電極の素材や製法は、従来の有機EL素子の
技術をそのまま用いることができる。
【0032】本発明に用いうる液晶材料としては、等方
相と結晶相との間にネマチック相及びスメクチック相を
示す温度範囲を有していればよく、例えば、以下に示す
液晶化合物1〜4が好ましく用いられる。
【0033】
【化2】
【0034】N:ネマチック相、SmX:スメクチック
相ではあるが、詳細構造が特定されていない。SmC:
スメクチックC相、SmF:スメクチックF相、Sm
G:スメクチックG相、SmH:スメクチックH相、S
mE:スメクチックE相
【0035】上記液晶化合物の誘電異方性は、ネマチッ
ク相において電圧を印加し、偏光顕微鏡により観察する
ことで容易に判定することができる。上記液晶化合物1
〜3の誘電異方性は正、4の誘電異方性は負である。
【0036】
【実施例】(実施例1)厚さ70nmのITO電極を形
成したガラス基板と厚さ70nmのAl電極を形成した
ガラス基板を相対向するように1μmの間隙を介して貼
り合わせ、セルを形成した。ITO電極は2領域に個別
に電圧を印加できるように2分割したパターンとした。
【0037】前記液晶化合物1に発光材料であるキナク
リドン(下記に構造を示す)を1mol%の割合で混入
し、液晶組成物を調製した。この液晶組成物の相転移系
列は液晶化合物1と変わらず、相転移温度も±2℃で一
致していた。この液晶組成物を等方相まで昇温し、上記
セルに注入し、有機EL素子を作製した。
【0038】
【化3】
【0039】この素子を温度制御装置で制御しながら電
圧印加して配向性を観察した。先ず、ITO電極の一方
をAl電極と同電位にし、他方には1kHzで±50V
の電圧を印加した。この素子を電界を印加しながら12
4℃まで昇温した。その結果、電圧印加部だけが垂直配
向或いは垂直配向に近い配向であることが明らかになっ
た。この状態で電圧印加しながら100℃まで降温する
と、ネマチック相でほぼ垂直配向した部分がネマチック
配向の履歴を持ち越して、スメクチック相においても垂
直配向に近い配向状態であることが確認された。
【0040】さらに上記素子をスメクチック相温度範囲
である100℃で、ITO電極を陽極として電流−電圧
特性を調べた結果が図6である。図6において、電流値
は任意の値を示す。本素子は、水平配向部において垂直
配向部の50〜100倍の電流が流れ、キナクリドンか
らの発光は電流値の大小を反映して、80V印加時で水
平配向部の方が垂直配向部よりも30倍明るい輝度が得
られた。
【0041】(実施例2)ITO電極の一方の下方に絶
縁膜を介して加熱用のITO電極を配置した以外は実施
例1と同じ構成の有機EL素子を作製した。
【0042】この素子のITO電極の両方に同じネマチ
ック相のしきい値以上の電圧±50Vを印加し、素子全
体を120℃に加熱して、上記加熱用ITO電極に通電
した。すると、該加熱用ITO電極のジュール熱によっ
て、該電極に対応する領域の液晶がネマチック相に転移
した。素子全体にネマチック相のしきい値以上の電圧が
印加されているため、上記加熱部分は垂直配向状態とな
った。
【0043】次いで、電圧を印加しながら加熱用ITO
電極の電流を切り、素子全体の温度を均一に100℃に
冷却した。その結果、実施例1と同様、垂直配向部と水
平配向部とが同一素子内に形成され、同一素子内に電圧
−電流特性と電圧−輝度特性の異なる部位を形成するこ
とができた。
【0044】(実施例3)実施例1と同様に、ガラス基
板上に2分割した厚さ70nmのITO電極を形成し、
その上に、低分子アモルファス材料であるαNPDとA
lq3をそれぞれ50nmと20nmの厚さで真空蒸着
して積層した。真空蒸着は1.33×10 -3Paの真空
度で0.5nm/secの蒸着速度で成膜した。αNP
DとAlq3の構造を下記に示す。
【0045】
【化4】
【0046】αNPDは一般に有機EL素子に広く用い
られる市販の正孔輸送材料であり、またAlq3は電子
輸送性の発光層に用いられる市販の材料である。このI
TO電極基板に、厚さ70nmのAl電極を形成したも
う1枚のガラス基板を1μmの間隙を介して貼り合わ
せ、セルを形成した。このセルに液晶化合物1を等方相
で注入し、有機EL素子を作製した。当該構成では、α
NPDが正孔輸送層、Alq3が発光層、液晶化合物1
が電子輸送層である。
【0047】実施例1と同様に、本素子のITO電極の
一方に電圧を印加し、ネマチック相まで昇温すること
で、一方のITO電極の電圧印加部のみ略垂直配向が得
られ、スメクチック相温度まで冷却すると、垂直に近い
がランダムな配向が得られた。αNPDのガラス転移点
が98℃であり、輸送能劣化が心配されたが、昇温時間
が短時間であったため問題はなかった。
【0048】本素子において、ランダム配向部と水平配
向部では、実施例1と同様な電流特性の違いが得られ、
ランダム配向部の電流値は水平配向部の1/50程度と
低く(80V印加時)、発光輝度も1/60程度であっ
た。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の導電性液
晶素子は、加熱と電圧印加を組み合わせることによっ
て、液晶の配向状態を制御し、該配向状態の違いによる
導電性の異方性により、同一素子内の所望の領域に選択
的に高導電部と低導電部を形成することができ、種々の
デバイスへの応用が可能である。特に、有機EL素子に
おいては、液晶の高いキャリア移動度を利用して、発光
効率が高く、また有機化合物層が厚膜で上下ショートの
ない信頼性の高い発光素子を歩留まり良く提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機EL素子の基本構成の一例を示す断面模式
図である。
【図2】有機EL素子の基本構成の他の例を示す断面模
式図である。
【図3】本発明にかかる液晶のネマチック相における配
向状態を示す説明図である。
【図4】本発明にかかる液晶のネマチック相及びスメク
チック相における配向状態を示す説明図である。
【図5】本発明において、スメクチック層と高導電部及
び低導電部との関係を示す図である。
【図6】本発明の実施例1の有機EL素子の電圧−電流
特性を示す図である。
【符号の説明】
10 有機化合物層 11 透明基板 12 透明電極 13 正孔輸送層 14 発光層 15 金属電極 21 電子輸送層 31、32 電極 33 液晶分子 41 スメクチック層 51 低導電部 52 高導電部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/137 G02F 1/137 H05B 33/14 H05B 33/14 B (72)発明者 滝口 隆雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 森山 孝志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H088 EA61 GA02 GA04 HA28 JA04 KA26 KA27 3K007 AB03 AB05 AB18 CA01 CB01 DA00 DB03 EB00 FA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の対向する電極間に、少なくとも、
    一方の電極に接して液晶層を有し、該液晶が等方相、ネ
    マチック相、スメクチック相を示す温度領域を有し、該
    液晶の配向方向を変化させることによって、該液晶層の
    キャリア移動度を制御することを特徴とする導電性液晶
    素子。
  2. 【請求項2】 上記液晶の誘電異方性が正である請求項
    1に記載の導電性液晶素子。
  3. 【請求項3】 上記液晶の誘電異方性が負である請求項
    1に記載の導電性液晶素子。
  4. 【請求項4】 2枚の対向する電極間に、少なくとも、
    一方の電極に接して液晶層を有し、該液晶が等方相、ネ
    マチック相、スメクチック相を示す温度領域を有し、該
    液晶の配向方向を変化させることによって、該液晶層の
    キャリア移動度を制御することを特徴とする有機エレク
    トロルミネッセンス素子。
  5. 【請求項5】 上記液晶の誘電異方性が正である請求項
    4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 【請求項6】 上記液晶の誘電異方性が負である請求項
    4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 【請求項7】 上記液晶層がキャリア輸送層である請求
    項4〜6のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセ
    ンス素子。
  8. 【請求項8】 上記液晶層が発光層である請求項4〜6
    のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素
    子。
JP2000362115A 2000-11-29 2000-11-29 導電性液晶素子及びこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 Withdrawn JP2002170685A (ja)

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Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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