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JP2002079089A - 低級脂肪族カルボン酸エステル製造用触媒、該触媒の製造方法、及び該触媒を用いた低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents

低級脂肪族カルボン酸エステル製造用触媒、該触媒の製造方法、及び該触媒を用いた低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法

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Publication number
JP2002079089A
JP2002079089A JP2000271416A JP2000271416A JP2002079089A JP 2002079089 A JP2002079089 A JP 2002079089A JP 2000271416 A JP2000271416 A JP 2000271416A JP 2000271416 A JP2000271416 A JP 2000271416A JP 2002079089 A JP2002079089 A JP 2002079089A
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JP
Japan
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lower aliphatic
aliphatic carboxylic
carboxylic acid
producing
catalyst
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Pending
Application number
JP2000271416A
Other languages
English (en)
Inventor
Etsuko Kadowaki
悦子 門脇
Kosuke Narumi
康介 鳴海
Hiroshi Uchida
博 内田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
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Priority to CN 01815333 priority patent/CN1452511A/zh
Priority to PCT/JP2001/007709 priority patent/WO2002020158A2/en
Priority to BR0113736-0A priority patent/BR0113736A/pt
Priority to AU2001284440A priority patent/AU2001284440A1/en
Priority to US09/958,271 priority patent/US20030054945A1/en
Priority to EP01963448A priority patent/EP1353749A2/en
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Priority to US10/813,167 priority patent/US20040186015A1/en
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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    • C07C67/04Preparation of carboxylic acid esters by reacting carboxylic acids or symmetrical anhydrides onto unsaturated carbon-to-carbon bonds
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J27/00Catalysts comprising the elements or compounds of halogens, sulfur, selenium, tellurium, phosphorus or nitrogen; Catalysts comprising carbon compounds
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    • B01J27/186Phosphorus; Compounds thereof with arsenic, antimony, bismuth, vanadium, niobium, tantalum, polonium, chromium, molybdenum, tungsten, manganese, technetium or rhenium
    • B01J27/188Phosphorus; Compounds thereof with arsenic, antimony, bismuth, vanadium, niobium, tantalum, polonium, chromium, molybdenum, tungsten, manganese, technetium or rhenium with chromium, molybdenum, tungsten or polonium

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い初期活性及び空時収率を有し、且つ工業
的に実施するうえで充分な触媒寿命を持ち、さらに副生
成物質の生成量を充分抑えることが可能な低級脂肪酸エ
ステル製造用触媒、該触媒の製造方法、及び該触媒によ
る低級脂肪酸エステルの製造方法の提供。 【解決手段】 触媒の製造方法において、水、低級脂肪
族モノカルボン酸、及び低級脂肪族アルコールからなる
群の少なくとも一種以上を含む気体と接触させる工程を
含むことを特徴とする低級脂肪酸エステル製造用触媒、
該触媒の製造方法、及び該触媒による低級脂肪酸エステ
ルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低級オレフィンと低
級脂肪族カルボン酸から低級脂肪族カルボン酸エステル
を製造する際に使用する触媒、該触媒の製造方法、及び
該触媒を用いた低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方
法に関する。
【0002】さらに詳しくは、低級脂肪族カルボン酸を
低級オレフィンでエステル化する低級脂肪族カルボン酸
エステルの製造方法に用いる特定のヘテロポリ酸を含む
触媒において、該触媒を反応実施前に水、低級脂肪族カ
ルボン酸、及び低級脂肪族アルコールからなる群の少な
くとも一種以上を含む気体と接触させることを特徴とす
る低級脂肪族カルボン酸エステル製造用触媒、該触媒の
製造方法、及び該触媒を用いた低級脂肪族カルボン酸エ
ステルの製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】低級脂肪族カルボン酸とオレフィン類と
から相当するエステルを製造できることはよく知られて
いる。また、ヘテロポリ酸及び/又はその塩からなる触
媒がこの反応に対して有効に働く触媒であることもよく
知られている。具体的には例えば、工業化学雑誌72巻
9号(1969年)、特開平4−139148号公報、
特開平5−65248号公報、特開平5−294894
号公報、特開平9−118647号公報等を挙げること
ができる。
【0004】これら具体例の中で、工業化学雑誌72巻
9号(1969年)では、シリカ担持ケイタングステン
酸、シリカ担持リンタングステン酸を触媒に用いてエチ
レンと酢酸から酢酸エチルを合成する方法が開示されて
いる。これによると初期活性は高いが、活性低下が大き
く、僅か3時間で活性低下率が10%であることが記さ
れている。また、特開平9−118647号公報に開示
されたケイタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタ
ングステン酸を含む触媒では、初期活性は高いものの、
目的生成物の選択率が低いこと、及び、長時間反応を行
ったときに活性が低下するという課題があった。
【0005】この課題を解決する方法として、特開平4
−139148号公報、特開平4−139149号公
報、特開平5−65248号公報に開示された方法で
は、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンモ
リブデン酸、及びケイモリブデン酸のセシウム塩、ルビ
ジウム塩、タリウム塩、アンモニウム塩、及びカリウム
塩からなる群から選ばれた少なくとも一種を含む触媒を
用いることで、初期活性は高く、空時収率も比較的高
く、目的生成物の選択率を向上することができたが、反
応の進行につれて活性が低下し空時収率も低下するとい
う、工業ベースで使用する場合に解決すべき課題が残さ
れていた。
【0006】この課題を解決するために、特開平5−1
70698号公報では上記の触媒群を反応実施前に水、
有機カルボン酸又は有機カルボン酸エステル類と気相で
接触する方法が提案されている。この方法による前接触
を施した触媒を用いる製造方法によれば、従来の未接触
の触媒を用いる製造方法より、触媒の初期活性が高く且
つ活性低下も起りにくいことが示されている。
【0007】一方で特開平5−294894号公報で開
示されたヘテロポリ酸のリチウム、銅、マグネシウムお
よびガリウムよりなる群から選ばれた少なくとも一種の
ヘテロポリ酸を担体に担持させた触媒では、特開平5−
170698号公報で開示された反応実施前に水や有機
カルボン酸や有機カルボン酸エステル類と気相で接触す
る方法を用いることなく、同等以上の初期活性とその活
性維持が可能であることが示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低級オレフ
ィンと低級脂肪族カルボン酸から低級脂肪族カルボン酸
エステルを製造する際に使用する触媒において、ヘテロ
ポリ酸の塩を用いることなく、高い初期活性及び空時収
率を有し、工業的に実施するうえで充分な触媒寿命を持
ち、且つ、副生成物質の生成量を抑えることが可能な触
媒、該触媒の製造方法、及び該触媒による低級脂肪族カ
ルボン酸エステルの製造方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは低級オレフ
ィンと低級脂肪族カルボン酸を気相中で反応させ、低級
脂肪族カルボン酸エステルを製造する際に、高い初期活
性、十分な触媒寿命を持ち、且つ、副生成物質の生成量
を低減する触媒を探求すべく、鋭意研究を行った。その
結果、触媒としてヘテロポリ酸の中和塩を用いることな
く、ヘテロポリ酸触媒を調製する際に特定の工程を含む
ことにより、活性低下を低く抑えることを見出し、本発
明を完成させた。また、本発明の実施によってブテンや
アルデヒドのような触媒にとって有害な副生物の生成量
を大幅に低減できることも明らかとなり、本発明を完成
させた。
【0010】すなわち、本発明(I)は、低級オレフィ
ンと低級脂肪族カルボン酸とを気相中で反応させて低級
脂肪族カルボン酸エステルを製造する際に用いる触媒に
おいて、該触媒の製造方法が以下の第一工程〜第二工程
を含むことを特徴とする低級脂肪族カルボン酸エステル
製造用触媒である。第一工程 担体に一種以上のヘテロポリ酸を担持してヘテロポリ酸
担持触媒を得る工程第二工程 第一工程で得たヘテロポリ酸担持触媒を、水、低級脂肪
族カルボン酸、及び低級脂肪族アルコールからなる群の
少なくとも一種以上を含む気体と接触させて低級脂肪族
カルボン酸エステル製造用触媒を得る工程
【0011】また、本発明(II)は、低級オレフィン
と低級脂肪族カルボン酸とを気相中で反応させて低級脂
肪族カルボン酸エステルを製造する際に用いる触媒の製
造方法が以下の第一工程〜第二工程を含むことを特徴と
する低級脂肪族カルボン酸エステル製造用触媒の製造方
法である。第一工程 担体に一種以上のヘテロポリ酸を担持してヘテロポリ酸
担持触媒を得る工程第二工程 第一工程で得たヘテロポリ酸担持触媒を、水、低級脂肪
族カルボン酸、及び低級脂肪族アルコールからなる群の
少なくとも一種以上を含む気体と接触させて低級脂肪族
カルボン酸エステル製造用触媒を得る工程
【0012】また、本発明(III)は、本発明(I)
の低級脂肪族カルボン酸エステル製造用触媒の存在下、
低級オレフィンと低級脂肪族カルボン酸とを気相中で反
応させることを特徴とする低級脂肪族カルボン酸エステ
ルの製造方法である。
【0013】さらに本発明(IV)は、低級オレフィン
と低級脂肪族カルボン酸とを気相中で反応させることを
特徴とする低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法に
おいて、該製造方法が以下の第一工程〜第四工程を含む
ことを特徴とする低級脂肪族カルボン酸エステルの製造
方法である。第一工程 担体に一種以上のヘテロポリ酸を担持してヘテロポリ酸
担持触媒を得る工程第二工程 第一工程で得たヘテロポリ酸担持触媒を、低級オレフィ
ンと低級脂肪族カルボン酸とを気相中で反応させる際に
用いる反応器に充填する工程第三工程 反応器に充填したヘテロポリ酸担持触媒を、水、低級脂
肪族カルボン酸、及び低級脂肪族アルコールからなる群
の少なくとも一種以上を含む気体と接触させる工程第四工程 第三工程を経たヘテロポリ酸担持触媒に、低級オレフィ
ンと低級脂肪族カルボン酸とを含んだ気体を通過させて
低級脂肪族カルボン酸エステルを得る工程
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について説明する。
本発明(I)は、低級オレフィンと低級脂肪族カルボン
酸とを気相中で反応させて低級脂肪族カルボン酸エステ
ルを製造する際に用いる触媒において、該触媒の製造方
法が以下の第一工程〜第二工程を含むことを特徴とする
低級脂肪族カルボン酸エステル製造用触媒である。第一工程 担体に一種以上のヘテロポリ酸を担持してヘテロポリ酸
担持触媒を得る工程第二工程 第一工程で得たヘテロポリ酸担持触媒を、水、低級脂肪
族カルボン酸、及び低級脂肪族アルコールからなる群の
少なくとも一種以上を含む気体と接触させて低級脂肪族
カルボン酸エステル製造用触媒を得る工程
【0015】即ち、本発明(I)の低級脂肪族カルボン
酸エステル製造用触媒は、その製造工程に上記の第一工
程及び第二工程を含んだ製造方法で得た触媒である。
【0016】まず、第一工程について説明する。本発明
(I)の低級脂肪族カルボン酸エステル製造用触媒の第
一工程に用いるヘテロポリ酸とは、中心元素及び酸素が
結合した周辺元素からなるものである。中心元素は通常
珪素または燐であるが、元素の周期律表のI〜XVII
族の多種の原子から選ばれた任意の1つからなることが
できる。
【0017】具体的には、例えば第二銅イオン;二価の
ベリリウム、亜鉛、コバルトまたはニッケルイオン;三
価のホウ素、アルミニウム、ガリウム、鉄、セリウム、
ヒ素、アンチモン、燐、ビスマス、クロムまたはロジウ
ムイオン;四価の珪素、ゲルマニウム、錫、チタン、ジ
ルコニウム、バナジウム、硫黄、テルル、マンガン、ニ
ッケル、白金、トリウム、ハフニウム、セリウムイオン
および他の希土類イオン;五価の燐、ヒ素、バナジウ
ム、アンチモンイオン;六価のテルルイオン;および七
価のヨウ素イオン等を挙げることが出来るが、これに限
定されるものではない。また、周辺元素の具体例として
はタングステン、モリブデン、バナジウム、ニオブ、タ
ンタル等を挙げることができるが、これに限定されるも
のではない。
【0018】このようなヘテロポリ酸はまた「ポリオキ
ソアニオン」、「ポリオキソ金属塩」または「酸化金属
クラスター」として知られている。よく知られているア
ニオン類の幾つかの構造には、この分野の研究者本人に
ちなんで名前が付けられ、例えばケギン、ウエルス−ド
ーソンおよびアンダーソン−エバンス−ペアロフ構造と
して知られている。詳しくは「ポリ酸の化学 季刊化学
総説 No.20 1993 日本化学会編」に記載が
ある。ヘテロポリ酸は、通常高分子量、例えば700〜
8500の範囲の分子量を有し、その単量体だけではな
く二量体錯体を含む。
【0019】本発明(I)の低級脂肪族カルボン酸エス
テル製造用触媒におけるヘテロポリ酸の原料として用い
ることができるヘテロポリ酸の具体例としては、 ケイタングステン酸 H4[SiW
1240].xH2O リンタングステン酸 H3[PW1240].
xH2O リンモリブデン酸 H3[PMo
1240].xH2O ケイモリブデン酸 H4[SiMo
1240].xH2O ケイバナドタングステン酸 H4+n[SiVn12-n
40].xH2O リンバナドタングステン酸 H3+n[PVn12-n
40].xH2O リンバナドモリブデン酸 H3+n[PVnMo12-n
40].xH2O ケイバナドモリブデン酸 H4+n[SiVnMo
12-n40].xH2O ケイモリブドタングステン酸 H4[SiMon12-n
40].xH2O リンモリブドタングステン酸 H3[PMon12-n
40].xH2O (ただし、nは1〜11の整数を、xは1以上の整数を
示す。)などを挙げることができるが、これに限定され
るわけではない。好ましくはケイタングステン酸、リン
タングステン酸、リンモリブデン酸、ケイモリブデン
酸、ケイバナドタングステン酸、リンバナドタングステ
ン酸、であり、より好ましくはケイタングステン酸、リ
ンタングステン酸、ケイバナドタングステン酸、リンバ
ナドタングステン酸である。
【0020】このようなヘテロポリ酸の合成方法として
は特に制限はなく、どのような方法を用いたものでよ
い。例えば、モリブデン酸、またはタングステン酸の塩
とヘテロ原子の単純酸素酸またはその塩を含む酸性水溶
液(pH1〜pH2程度)を熱することによって得ること
ができる。生成したヘテロポリ酸水溶液からヘテロポリ
酸化合物を単離するには、金属塩として晶析分離する方
法などがある。それらの具体例としては、「新実験化学
講座8 無機化合物の合成(III) (社団法人 日
本化学会編 丸善株式会社発行 昭和59年8月20日
第3版)」の1413ページに記載されているが、こ
れに限定するわけではない。また、合成したヘテロポリ
酸のケギン構造の確認には、化学分析のほか、X線回
折、UV、IRの測定で行うことができる。
【0021】ヘテロポリ酸は特に、水または他の酸素含
有溶媒のような極性溶媒に対して比較的高い溶解度を有
しており、それらの溶解度は適当な対イオンを選択する
ことにより制御することができる。
【0022】本発明(I)の低級脂肪族カルボン酸エス
テル製造用触媒は、触媒活性成分であるヘテロポリ酸が
担体に担持されているものである。担体として用いるこ
とのできる物質としては、特に制限はなく、一般に担体
として用いられる多孔物質のものであればよい。具体的
には、例えば、シリカ、珪そう土、モンモリロナイト、
チタニア、活性炭、アルミナ及びシリカアルミナ等から
なる物を挙げることができる。好ましくはシリカ又はシ
リカアルミナ、モンモリロナイトである。
【0023】また、その形状についても制限はない。粉
末状、球状、ペレット状その他任意の状態のものを用い
ることができる。好ましくは球状又はペレット状さらに
粒径においても特に制限はない。好ましい粒径としては
反応の形態により異なるが固定床の場合2mm〜10m
mの範囲、より好ましくは3mm〜7mmの範囲であ
る。一方、流動床の場合には粉末から5mmの範囲、よ
り好ましくは粉末から2mmの範囲が望ましい。
【0024】担体としてもっとも好ましくは珪質担体の
球状、またはペレット状の形状のものである。担体に予
め含んでいる元素の元素種やその量はプラズマ発光分光
分析法(以下、「ICP」と略す。)、蛍光X線法、原
子吸光法のような化学分析により測定できる。
【0025】本発明(I)の低級脂肪族カルボン酸エス
テル製造用触媒の第一工程におけるヘテロポリ酸の溶液
または懸濁液を担体に担持する方法としては特に制限は
く、公知の方法で実施できる。具体的には、例えばヘテ
ロポリ酸を使用する担体の吸水液量相当の蒸留水に溶解
させ、その溶液を担体に含浸させることにより調製する
ことが出来る。また、過剰の水溶液を用い、担体をヘテ
ロポリ酸溶液中に適度に動かしながら含浸させ、その後
濾過して過剰の酸を取り除くことにより調製することも
できる。このときの溶液または懸濁液の容積は、用いる
担体やその担持方法により異なる。
【0026】このようにして得られた湿潤触媒は、加熱
オーブン内に数時間置いて乾燥することが適当であり、
その乾燥方法にも特に制限はなく、静置式でもベルトコ
ンベヤーのような方法でも何れでも行うことが出来る。
乾燥後は、吸湿しないようにデシケータ内で周囲温度ま
で冷却することが望ましい。。
【0027】調製したヘテロポリ酸担持触媒におけるヘ
テロポリ酸の担持量は、調製触媒の乾燥後の重量から使
用した担体の重量を差し引くことにより簡易的に計算で
きるし、より正確にはICP、蛍光X線法、原子吸光法
等の化学分析により測定することが出来る。
【0028】ヘテロポリ酸の担持量としては、担体の全
重量に対して10質量%〜150質量%の範囲にあるの
が適当であり、より好ましくは30質量%〜100質量
%の範囲にあるのが好適である。
【0029】ヘテロポリ酸の含有量が10質量%より少
なくなると、触媒中の活性成分の含有量が少なすぎて、
触媒単位重量あたりの活性が低くなる恐れがあり好まし
くない。また、ヘテロポリ酸の含有量が200質量%を
越えると、有効細孔容積が減少し担持量を増やした効果
が現れにくくなると同時に、コーキングも発生しやすく
なり、触媒寿命が著しく短くなる恐れがあり好ましくな
い。
【0030】ついで、第二工程について説明する。
【0031】本発明(I)の低級脂肪族カルボン酸エス
テル製造用触媒の第二工程は、第一工程で得たヘテロポ
リ酸担持触媒を水、低級脂肪族カルボン酸、及び低級脂
肪族アルコールからなる群の少なくとも一種以上を含む
気体と接触させる工程である。
【0032】ここで言う「接触」とは、第一工程で得た
ヘテロポリ酸担持触媒を、水、低級脂肪族カルボン酸、
及び低級脂肪族アルコールからなる群の少なくとも一種
以上を含む気体に接触させることをいう。接触の方法に
は特に制限はない。例えば、
【0033】(a)第一工程で得たヘテロポリ酸担持触
媒を、水、低級脂肪族カルボン酸、及び低級脂肪族アル
コールからなる群の少なくとも一種以上を含む気体の雰
囲気下に置く方法。
【0034】(b)第一工程で得たヘテロポリ酸担持触
媒に、水、低級脂肪族カルボン酸、及び低級脂肪族アル
コールからなる群の少なくとも一種以上を含む気体を通
過させる方法。
【0035】(c)水、低級脂肪族カルボン酸、及び低
級脂肪族アルコールからなる群の少なくとも一種以上を
含む気体の雰囲気下に、第一工程で得たヘテロポリ酸担
持触媒を通過させる方法。等で行うことが出来る。
【0036】より具体的な第二工程の実施の方法として
は、例えば、第一工程で得た担持触媒を容器に充填して
当該気体を接触させる方法や、容器に変えて後に低級脂
肪族カルボン酸エステルの製造方法を実施する反応器に
第一工程で得た担持触媒を充填し、反応原料を供給する
前に当該気体を接触させる方法などを挙げることができ
る。
【0037】また、その際の容器、あるいは反応器の形
状についても縦型、横型など何れの形状でもよく、特に
制限はない。
【0038】触媒の再充填の手間や容器コストの点から
第二工程の好ましい実施形態としては、低級オレフィン
と低級脂肪族カルボン酸とを気相中で反応させて低級脂
肪族カルボン酸エステルを製造する際に使用する反応器
に第一工程で得た担持触媒を容器に充填し、ついで反応
原料を供給する前に水、低級脂肪族カルボン酸、及び低
級脂肪族アルコールからなる群の少なくとも一種以上を
含む気体を接触させる方法を挙げることができる。この
とき、閉鎖循環系でも流通系でもどちらでも実施するこ
とができる。
【0039】第二工程を行う条件としては、水、低級脂
肪族カルボン酸、及び低級脂肪族アルコールからなる群
の少なくとも一種以上を含む気体の露点以上の条件で実
施することが好ましい。当該気体の露点以下の条件の場
合には当該気体の一部が液体になる恐れがあり、その場
合には第一工程で触媒に担持したヘテロポリ酸が溶出し
触媒組成を変えたり、最悪の場合は触媒が失活する等の
恐れがある。このような触媒への悪影響を与える恐れが
なければ、第二工程を行う条件として特に制限はない。
【0040】当該気体の露点以上の条件として好ましい
形態としては、当該気体の組成や実施の際の圧力等の条
件により異なるが、接触温度としては80℃〜300℃
の範囲内であることが好ましく、より好ましくは100
℃〜260℃の範囲である。
【0041】また、接触圧力としては、常圧でも加圧で
も特に制限はない。好ましくは0MPaG(ゲージ圧)
〜3MPaG(ゲージ圧)の範囲であり、より好ましく
は0MPaG(ゲージ圧)〜2MPaG(ゲージ圧)の
範囲である。
【0042】第二工程で用いる、水、低級脂肪族カルボ
ン酸、及び低級脂肪族アルコールからなる群の少なくと
も一種以上を含む気体における低級脂肪族カルボン酸と
しては、炭素数1〜炭素数6の低級脂肪族カルボン酸が
好ましい。具体的には、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、n
−酪酸、イソ酪酸等を挙げることができる。特に好まし
くは酢酸又はプロピオン酸である。
【0043】また、第二工程で用いる、水、低級脂肪族
カルボン酸、及び低級脂肪族アルコールからなる群の少
なくとも一種以上を含む気体における低級脂肪族アルコ
ールとしては、炭素数1〜炭素数6の低級脂肪族アルコ
ールが好ましい。具体的にはメタノール、エタノール、
1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノー
ル、2−ブタノール等を挙げることができる。特に好ま
しくはメタノール、エタノール、又はn−プロパノール
である。
【0044】第二工程で用いる、水、低級脂肪族カルボ
ン酸、及び低級脂肪族アルコールからなる群の少なくと
も一種以上を含む気体の組成としては特に制限はない。
水、低級脂肪族カルボン酸、低級脂肪族アルコールを任
意の割合で混合して用いることが出来る。好ましくはモ
ル比で水:低級脂肪族カルボン酸:低級脂肪族アルコー
ル=1.0:0.1〜10.0:0.1〜5.0の範囲
である。
【0045】当該気体の組成は、接触の最初から最後ま
で一定で行っても良いし、接触時間あるいは接触の段階
に応じて変えて行うこともできる。
【0046】第二工程で用いる、水、低級脂肪族カルボ
ン酸、及び低級脂肪族アルコールからなる群の少なくと
も一種以上を含む気体として、より好ましい形態として
は、水単独や水−酢酸の混合気体を挙げることができ
る。特に好ましくは水−酢酸の混合気体を当該気体とし
て用いると、短時間で効果がある。
【0047】水−酢酸の混合気体を当該気体として用い
る場合の組成としては、特に制限はない。好ましくはモ
ル比で水:酢酸=1.0:0.1〜10.0の範囲であ
り、より好ましくは水:酢酸=1.0:0.5〜5.0
の範囲である。
【0048】第二工程の、水、低級脂肪族カルボン酸、
及び低級脂肪族アルコールからなる群の少なくとも一種
以上を含む気体での接触を行う際の気体の供給速度であ
る当該気体の空間速度(以下、「GHSV」と略す。)
には、特に制限はない。好ましくはGHSVが100h
-1〜7000hr-1の範囲であり、より好ましくは3
00hr-1〜3000hr-1の範囲である。
【0049】GHSVがあまりに大きいと、当該気体の
使用量が増大し、コストの観点より好ましくない。この
観点から、一定量の当該気体を供給した後に、容器内に
封じ込めた状態で接触することもできる。
【0050】接触を行う時間には特に制限はないが、
0.5時間〜200時間の範囲内であることが好まし
く、より好ましくは0.5時間〜100時間の範囲であ
り、もっとも好ましくは0.5時間〜50時間の範囲で
ある。最適な時間は、気体の組成、濃度、接触時の温度
や圧力、触媒成分により異なる。
【0051】一般に、接触する時間が0.5時間より短
いと、第二工程の効果が充分に現れない恐れがある。ま
た、接触する時間を長くすると効果は増大する傾向にあ
るが、時間を200時間より長くしても、それ以上効果
が増大する傾向は見られなくなり、一方で気体を流通状
態で接触している場合は、気体の使用量が多くなり経済
的に好ましくない。
【0052】なお、本発明(I)の低級脂肪族カルボン
酸エステル製造用触媒の第一工程と第二工程は、連続的
に行っても、全く独自に行ってもよい。すなわち、例え
ば第一工程を経たヘテロポリ酸触媒を購入し、次いで第
二工程を経た低級脂肪族カルボン酸エステル製造用触媒
の場合も、本発明(I)の低級脂肪族カルボン酸エステ
ル製造用触媒の範疇に含まれることは言うまでもない。
【0053】次に、本発明(II)について説明する。
本発明(II)は、低級オレフィンと低級脂肪族カルボ
ン酸とを気相中で反応させて低級脂肪族カルボン酸エス
テルを製造する際に用いる触媒の製造方法が以下の第一
工程〜第二工程を含むことを特徴とする低級脂肪族カル
ボン酸エステル製造用触媒の製造方法である。
【0054】第一工程 担体に一種以上のヘテロポリ酸を担持してヘテロポリ酸
担持触媒を得る工程第二工程 第一工程で得たヘテロポリ酸担持触媒を、水、低級脂肪
族カルボン酸、及び低級脂肪族アルコールからなる群の
少なくとも一種以上を含む気体と接触させて低級脂肪族
カルボン酸エステル製造用触媒を得る工程
【0055】第一工程に用いるヘテロポリ酸、担体、並
びに第一工程で行うヘテロポリ酸の担体への担持方法、
ヘテロポリ酸の担持量の測定方法、及び好ましいヘテロ
ポリ酸の担体への担持量等については、本発明(I)と
同様である。
【0056】さらに、第二工程で行う、水、低級脂肪族
カルボン酸、及び低級脂肪族アルコールからなる群の少
なくとも一種以上を含む気体で接触する方法、その温
度、圧力、空間速度、時間等の条件、並びに当該気体に
用いる低級脂肪族カルボン酸及び低級脂肪族アルコー
ル、さらに水を加味した当該気体の組成比等について
も、本発明(I)と同様である。
【0057】本発明(II)の低級脂肪族カルボン酸エ
ステル製造用触媒の製造方法は、以下の第一工程〜第二
工程を含んでいれば、必要に応じて他の工程がその前
後、あるいは工程間に行われてもかまわない。第一工程 担体に一種以上のヘテロポリ酸を担持してヘテロポリ酸
担持触媒を得る工程第二工程 第一工程で得たヘテロポリ酸担持触媒を、水、低級脂肪
族カルボン酸、及び低級脂肪族アルコールからなる群の
少なくとも一種以上を含む気体と接触させて低級脂肪族
カルボン酸エステル製造用触媒を得る工程
【0058】このような必要に応じて行われる工程とし
ては、例えば触媒性能のより一層の向上を目的とした第
三成分の担持工程を挙げることができる。このような場
合、可能であればその担持操作を第一工程のヘテロポリ
酸の担持操作と同時に行ってもよい。
【0059】また、第二工程である水、低級脂肪族カル
ボン酸、及び低級脂肪族アルコールからなる群の少なく
とも一種以上を含む気体での接触後に、さらに他の気体
での接触を行うこともできる。
【0060】次に本発明(III)について説明する。
本発明(III)は、本発明(I)の低級脂肪族カルボ
ン酸エステル製造用触媒の存在下、低級オレフィンと低
級脂肪族カルボン酸とを気相中で反応させることを特徴
とする低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法であ
る。
【0061】本発明(III)の低級脂肪族カルボン酸
エステルの製造方法を実施する気相反応の反応形式には
特に制限はない。固定床、流動床等、何れも形式でも実
施でき、触媒の形状や大きさを左右する担体の形状も、
実施する反応形式に合わせて粉末から数mmの大きさに
成形したものから選ぶことが出来る。
【0062】本発明(III)の低級脂肪族カルボン酸
エステルの製造方法において、使用することができる低
級オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、n−ブ
テン、イソブテンまたはそれらの二種以上の混合物を挙
げることができる。好ましくはエチレン又はプロピレン
であり、より好ましくはエチレンである。
【0063】また、低級脂肪族カルボン酸としては、炭
素数1〜炭素数4のカルボン酸であるのが適当であり、
具体的には蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、アクリル
酸、メタクリル酸またはそれらの二種以上の混合物を挙
げることができる。好ましくは酢酸、プロピオン酸又は
アクリル酸であり、より好ましくは酢酸である。
【0064】本発明(III)の低級脂肪族カルボン酸
エステルの製造方法において、好ましい低級オレフィン
と低級脂肪族カルボン酸の組み合わせの具体例として
は、エチレンと酢酸、エチレンとプロピオン酸、プロピ
レンと酢酸、プロピレンとプロピオン酸等を挙げること
ができる。もっとも好ましいのはエチレンと酢酸の組み
合わせである。
【0065】原料である低級オレフィンと低級脂肪族カ
ルボン酸との使用割合には特に制限はない。低級オレフ
ィンの転化率の点から、低級脂肪族カルボン酸に対して
等モルもしくは過剰量の低級オレフィンを使用すること
が好ましい。具体的には、低級オレフィンと低級脂肪族
カルボン酸とのモル比で、低級オレフィン:低級脂肪族
カルボン酸=1:1〜30:1の範囲にあるのが好まし
く、より好ましくは3:1〜20:1の範囲であり、さ
らに好ましくは5:1〜15:1の範囲である。
【0066】また、原料中の水の添加については、特に
制限はなく、添加しても添加しなくても良い。少量の水
の添加は、触媒活性の維持の観点から好ましい。しか
し、あまりに多量の水を添加すると、アルコール、エー
テル等の副生成物の生成量も増えてくる恐れがあり好ま
しくない。
【0067】本発明(III)の低級脂肪族カルボン酸
エステルの製造方法における好ましい温度及び圧力等の
反応条件は、原料である低級オレフィンと低級脂肪族カ
ルボン酸に何を使うかによって異なってくる。温度及び
圧力等の反応条件の組み合わせが、原料が気体状を保つ
ことが可能であり、且つ反応が充分進行する範囲である
ことが好ましい。
【0068】一般には温度としては120℃〜300℃
の範囲が好ましく、より好ましくは140℃〜250℃
の範囲である。また、圧力としては常圧から3MPaの
範囲が好ましく、より好ましくは常圧から2MPaの範
囲である。
【0069】原料のGHSVとしては特に制限はない
が、あまりに大きいと充分反応が進行しないままに通過
することになり、一方、あまりに小さいと生産性が低く
なる等の問題点が発生する恐れがある。好ましくはGH
SVが100hr-1〜7000hr-1の範囲、より好ま
しくはり300hr-1〜3000hr-1の範囲である。
【0070】また、未反応の低級オレフィン、及び反応
での副生成物であるアルコールやエーテルはそのままリ
サイクルして使用することもできる。
【0071】次に、本発明(IV)について説明する。
本発明(IV)は、低級オレフィンと低級脂肪族カルボ
ン酸とを気相中で反応させることを特徴とする低級脂肪
族カルボン酸エステルの製造方法において、該製造方法
が以下の第一工程〜第四工程を含むことを特徴とする低
級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法である。
【0072】第一工程 担体に一種以上のヘテロポリ酸を担持してヘテロポリ酸
担持触媒を得る工程第二工程 第一工程で得たヘテロポリ酸担持触媒を、低級オレフィ
ンと低級脂肪族カルボン酸とを気相中で反応させる際に
用いる反応器に充填する工程第三工程 反応器に充填したヘテロポリ酸担持触媒に、水、低級脂
肪族カルボン酸、及び低級脂肪族アルコールからなる群
の少なくとも一種以上を含む気体と接触させる工程第四工程 第三工程を経たヘテロポリ酸担持触媒に、低級オレフィ
ンと低級脂肪族カルボン酸とを含んだ混合気体を通過さ
せて低級脂肪族カルボン酸エステルを得る工程
【0073】まず第一工程について説明する。本発明
(IV)の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法の
第一工程は、担体に一種以上のヘテロポリ酸を担持して
ヘテロポリ酸担持触媒を得る工程である。
【0074】第一工程に用いるヘテロポリ酸、担体、並
びに第一工程で行うヘテロポリ酸の担体への担持方法、
ヘテロポリ酸の担持量の測定方法、及び好ましいヘテロ
ポリ酸の担体への担持量等については、本発明(I)と
同様である。
【0075】次に第二工程について説明する。本発明
(IV)の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法の
第二工程は、第一工程で得たヘテロポリ酸担持触媒を、
低級オレフィンと低級脂肪族カルボン酸とを気相中で反
応させる際に用いる反応器に充填する工程である。
【0076】第二工程は、本発明(I)の低級脂肪族カ
ルボン酸エステル製造用触媒の第二工程、又は本発明
(II)の低級脂肪族カルボン酸エステル製造用触媒の
製造方法の第二工程、即ち、第一工程で得たヘテロポリ
酸担持触媒を水、低級脂肪族カルボン酸、及び低級脂肪
族アルコールからなる群の少なくとも一種以上を含む気
体と接触させる工程を、特別な容器を用いることなく、
低級オレフィンと低級脂肪族カルボン酸とを反応させる
際に用いる反応器で行うために、当該ヘテロポリ酸担持
触媒を反応器に充填する工程である。
【0077】第二工程で用いる反応器に特に制限はな
い。好ましくは固定床気相接触型の反応器であり、さら
に好ましくは反応器の形状が多管式及び/又は多層式で
あることを挙げることができる。一般に反応器の形状が
多管式及び/又は多層式の方が反応の成績や熱効率、制
御のしやすさ等の点で優れている。もちろんこれに限定
されるわけではない。
【0078】本発明において「反応器に充填する」と
は、反応器の所定の場所に当該触媒を置くことを意味す
る。設置の場所やその方法、反応器の形式が固定床の場
合の当該触媒の固定の方法は、それぞれの反応器の形態
により異なり、特に制限はない。具体的には、例えば
「化学装置便覧(社団法人 化学工学協会 編、丸善株
式会社 昭和55年2月20日第2版第3刷発行)」
905頁〜906頁に記載の「4)固定触媒気相反応
器」の項の図C・4・43 「メタノール接触気相反応
器」を挙げることができる。
【0079】次に第三工程について説明する。本発明
(IV)の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法の
第三工程は、反応器に充填したヘテロポリ酸担持触媒
に、水、低級脂肪族カルボン酸、及び低級脂肪族アルコ
ールからなる群の少なくとも一種以上を含む気体と接触
させる工程である。
【0080】第三工程で行う、水、低級脂肪族カルボン
酸、及び低級脂肪族アルコールからなる群の少なくとも
一種以上を含む気体と接触させる方法、その温度、圧
力、空間速度、時間等の条件、並びに当該気体に用いる
低級脂肪族カルボン酸及び低級脂肪族アルコール、さら
に水を加味した当該気体の組成比等についても、本発明
(I)の第二工程と同様である。
【0081】当該接触を反応器で行うに当たって、その
条件に特に制限はない。しかし、その特に好ましい条件
は、接触を行う反応器の形式、形状、大きさや材質など
により異なってくると考えられる。一般的には、本発明
(I)の第二工程で示した条件で実施可能である。
【0082】最後に第四工程について説明する。本発明
(IV)の第四工程は、第三工程を経たヘテロポリ酸担
持触媒に、低級オレフィンと低級脂肪族カルボン酸とを
含んだ混合気体を通過させて低級脂肪族カルボン酸エス
テルを得る工程である。
【0083】第四工程で用いる低級オレフィンと低級脂
肪族カルボン酸の具体例、好ましい組み合わせ及びその
量比、並びに第四工程を実施する際の水の添加、温度、
圧力、GHSVなどの条件、さらには未反応の低級オレ
フィンを主とするリサイクルの実施などについては、本
発明(III)の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造
方法と同様である。
【0084】本発明(IV)の第三工程と第四工程と間
には、明確な工程の区別があってもなくてもかまわな
い。即ち、両工程の間に明確に区別がある実施形態とし
ては、例えば第三工程の接触が終わったと判断した後
に、いったん水、低級脂肪族カルボン酸、及び低級脂肪
族アルコールからなる群の少なくとも一種以上を含む気
体の流通を停止したり、あるいはさらに温度を下げたり
して第三工程を終了した後、次に第四工程の反応ガスで
ある低級オレフィンと低級脂肪族カルボン酸とを含む原
料気体を流通し始める場合を挙げることができる。
【0085】これに対して、両工程の間に明確な区別が
ない実施形態としては、例えば第三工程の接触が終わっ
たと判断した後に、いったん水、低級脂肪族カルボン
酸、及び低級脂肪族アルコールからなる群の少なくとも
一種以上を含む気体の流通を停止することなく、あるい
は温度を第四工程に適した範囲に合わせ反応開始の準備
を行った後に、引き続いて第四工程の反応ガスである低
級オレフィンと低級脂肪族カルボン酸とを含む原料気体
を流通し始める場合を挙げることができる。
【0086】例えば、第三工程の接触に用いた低級脂肪
族カルボン酸が、本発明(IV)の低級脂肪族カルボン
酸エステルの製造方法の目的とするエステルに相当する
低級脂肪族カルボン酸である場合、上記にあげた第三工
程と第四工程の間に明確な区別がない実施形態で行うこ
とができる。一方、第三工程の接触に用いた低級脂肪族
カルボン酸が、目的とするエステルに相当する低級脂肪
族カルボン酸ではない場合は、両工程の間に明確な区別
を設けて実施することが好ましい。
【0087】一般には、本発明(IV)の低級脂肪族カ
ルボン酸エステルの製造方法の目的とするエステルに相
当する低級脂肪族カルボン酸を用いて、第三工程の接触
を行うことが好ましい。特に、一例として本発明(I
V)の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法を適用
して、低級脂肪族カルボン酸エステルとして酢酸エチル
の製造を行う場合を挙げると、まず第三工程の接触に水
−酢酸の混合気体を用い、一定時間、一定条件で接触を
行った後に、反応器内の温度、圧力、GHSV等の諸条
件を低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法に適した
設定とし、次いで反応器に導入する気体にエチレンを加
えていく方法が好ましい実施形態の一つとして挙げるこ
とができる。もちろん、本発明(IV)はこれに限定さ
れるわけではないことは言うまでもない。
【0088】本発明をさらに以下の実施例および比較例
を参照して説明するが、これらの実施例は本発明の概要
を示すもので、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0089】
【実施例】担体中の金属分析条件 担体中の金属分析は蛍光X線分析装置(PHILIPS
社製 PW2404)を用いて測定を行った。測定条件
−雰囲気:ヘリウム、有効直径:25.0mm、マトリ
ックス:2 SiO2
【0090】・未凝縮ガス分析条件 分析は絶対検量線法を用い、分析は流出ガスを50ml
採取し、ガスクロに付属した1mlのガスサンプラーに
全量流し、以下の条件で分析を行った。1.エーテル、カルボン酸エステル、アルコール、微量
副生成物 ガスクロマトグラフィー:島津ガスクロマトグラフ用ガ
スサンプラー(MGS−4;計量管1ml)付ガスクロ
マトグラフィー(島津製作所製GC−14B) カラム:パックドカラムSPAN80 15% Shi
nchrom A 60〜80メッシュ(長さ5m) キャリアーガス:窒素(流量25ml/min) 温度条件:検出器及び気化室温度が120℃、カラム温
度は65℃一定の条件 検出器:FID(H2圧60kPa、空気圧100kP
a)2.ブテン ガスクロマトグラフィー:島津ガスクロマトグラフ用ガ
スサンプラー(MGS−4;計量管1ml)付ガスクロ
マトグラフィー(島津製作所製GC−14B) カラム:パックドカラム Unicarbon A−4
00 80/100メッシュ 長さ2m キャリアーガス:ヘリウム(流量23ml/min) 温度条件:検出器及び気化室温度が130℃、カラム温
度は40℃から95℃へ昇温速度40℃/分で昇温した 検出器:FID(H2圧70kPa、空気圧100kP
a)3.エチレン ガスクロマトグラフィー:島津ガスクロマトグラフ用ガ
スサンプラー(MGS−4;計量管1ml)付ガスクロ
マトグラフィー(島津製作所製GC−14B) カラム:パックドカラム Unibeads IS 長
さ3m キャリアーガス:ヘリウム(流量20ml/min) 温度条件:検出器及び気化室温度が120℃、カラム温
度は65℃一定 検出器:TCD(He圧70kPa、Current
90mA、温度120℃)
【0091】・捕集液の分析 分析は内部標準法を用い、反応液10mlに対し、内部
標準として1,4−ジオキサンを1ml添加したものを
分析液として、その内の0.4μlを注入して行った。 ガスクロマトグラフィー:島津製作所(株)製GC−1
4B カラム:キャピラリーカラムTC−WAX(長さ30
m、内径0.25mm、膜厚0.25μm) キャリアーガス:窒素(スプリット比20、カラム流量
1ml/min) 温度条件:検出器及び気化室温度が200℃、カラム温
度は、分析開始から7min間は40℃に保持し、その
後10℃/minの昇温速度で230℃まで昇温し、2
30℃で5min間保持 検出器:FID(H2圧70kPa、空気圧100kP
a)
【0092】<担体> 担体1:合成シリカ(日揮化学(株)社製、N−602
T)(比表面積132m 2/g、細孔容積0.7cm3
g) 担体2:合成シリカ(富士シリシア化学(株)社製、C
ARiACT Q−10)(比表面積219.8m2
g、細孔容積0.660cm3/g) 担体3:シリカゲル(和光純薬工業株式会社製ワコーゲ
ル C−200)(比表面積762m2/g、細孔容積
0.23cm3/g ) 担体の金属分析結果を表1に示す。
【0093】
【表1】
【0094】<触媒1調製法>担体1は予め110℃に
調節した(熱風式)乾燥機で、4Hr予備乾燥を行っ
た。予備乾燥を行った担体1Lを1Lのメスシリンダー
を用いて嵩密度の測定を行った。表1に示す量のケイタ
ングステン酸を秤量し、純水15mlを加え、均一に溶
解させた。さらに含漬液を表1の調製液容量に記載する
液量になるまで純水でメスアップした後、予備乾燥を行
った担体を表2に記載の量秤り取り、含漬液に加え、よ
くかき混ぜ担体に含漬させた。液を含浸させた担体を磁
性皿に移し、1Hr風乾させた後、150℃に調節した
熱風式乾燥機で、5Hr乾燥した。乾燥後、デシケータ
ー内に移し、室温になるまで放冷した。得られた触媒の
重量を測定した。
【0095】
【表2】
【0096】<触媒2〜触媒7調製法>触媒1調製法に
おいて、担体の種類と重量、触媒成分の種類と重量を表
2に記載の量に変えて調製を行った。
【0097】[実施例1]触媒1調製法で得られた触媒
50mlをSUS316Lの耐圧容器に充填し、表3に
記載した接触条件で接触を行った。接触後、室温に戻
し、容器から接触済みの触媒(以下、「接触触媒」と略
す。)を抜き出した。接触触媒40mlを反応管に充填
し、温度165℃、圧力0.8MPaG(ゲージ圧)、
SV1500で、エチレン:酢酸:水蒸気:窒素=7
8.5:8.0:4.5:9.0の容積比の混合ガスを
導入し、反応を行なった。触媒層を通過したガスを所定
時間、氷水で冷却補集し、全量を回収し分析を行った。
(以下、「凝縮液」と略す。)また、凝縮せずに残った
出口ガス(以下、「未凝縮ガス」と略す。)は、凝縮液
と同じ所定時間のガス流量を量り、50mlを取り出し
分析を行った。結果を表3に示す。
【0098】
【表3】
【0099】[実施例2〜実施例11]実施例1と同様
に触媒調製法1で得られた触媒50mlをSUS316
Lの耐圧容器に充填し、表3に記載した接触条件で行っ
た。その後、実施例1と同様抜き出し、反応管に充填し
て同じように反応を行った。結果を表3に示す。
【0100】[比較例1]実施例1と同じ触媒40ml
を反応管に充填し、反応温度165℃、圧力0.8MP
aG(ゲージ圧)、SV1500で、エチレン:酢酸:
水蒸気:窒素=78.5:8.0:4.5:9.0の容
積比の混合ガスを導入し、反応を行った。触媒層通過ガ
スの補集、分析は、実施例1と同様に行った。結果を表
4に示す。
【0101】
【表4】
【0102】[比較例2〜比較例7]比較例1と同様に
表2記載の触媒40mlを反応管に充填し、比較例1と
同様に反応を行った。反応結果を表4に示す。
【0103】
【発明の効果】以上の結果より、ヘテロポリ酸触媒を調
製する際に特定の工程を含むことにより、活性低下を低
く抑え、低級オレフィンと低級脂肪族カルボン酸から低
級脂肪族カルボン酸エステルを製造する際に使用する触
媒において、高い初期活性及び空時収率を有し、工業的
に実施するうえで充分な触媒寿命を持ち、且つ、副生成
物質の生成量を抑えることが可能な触媒を得ることが出
来ることは明かである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 69/14 C07C 69/14 69/24 69/24 69/54 69/54 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 内田 博 大分県大分市大字中の洲2 昭和電工株式 会社大分生産・技術統括部内 Fターム(参考) 4G069 AA01 AA03 AA08 BA02B BB07A BB07B BC54A BC54B BC59A BC60A BC60B BD05A BD05B BD07A BD07B CB75 4H006 AA02 AC47 BA75 BA81 BC13 4H039 CA66 CF10

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低級オレフィンと低級脂肪族カルボン酸
    とを気相中で反応させて低級脂肪族カルボン酸エステル
    を製造する際に用いる触媒において、該触媒の製造方法
    が以下の第一工程〜第二工程を含むことを特徴とする低
    級脂肪族カルボン酸エステル製造用触媒。第一工程 担体に一種以上のヘテロポリ酸を担持してヘテロポリ酸
    担持触媒を得る工程第二工程 第一工程で得たヘテロポリ酸担持触媒を、水、低級脂肪
    族カルボン酸、及び低級脂肪族アルコールからなる群の
    少なくとも一種以上を含む気体と接触させて低級脂肪族
    カルボン酸エステル製造用触媒を得る工程
  2. 【請求項2】 第二工程を、低級オレフィンと低級脂肪
    族カルボン酸とを気相中で反応させる際に用いる反応器
    で行うことを特徴とする請求項1に記載の低級脂肪族カ
    ルボン酸エステル製造用触媒。
  3. 【請求項3】 ヘテロポリ酸が、ケイタングステン酸、
    リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイモリブデ
    ン酸、ケイバナドタングステン酸、リンバナドタングス
    テン酸、リンバナドモリブデン酸、ケイバナドモリブデ
    ン酸、ケイモリブドタングステン酸及びリンモリブドタ
    ングステン酸よりなる群から選ばれた少なくとも一種以
    上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    の低級脂肪族カルボン酸エステル製造用触媒。
  4. 【請求項4】 低級オレフィンと低級脂肪族カルボン酸
    とを気相中で反応させて低級脂肪族カルボン酸エステル
    を製造する際に用いる触媒の製造方法が、以下の第一工
    程〜第二工程を含むことを特徴とする低級脂肪族カルボ
    ン酸エステル製造用触媒の製造方法。第一工程 担体に一種以上のヘテロポリ酸を担持してヘテロポリ酸
    担持触媒を得る工程第二工程 第一工程で得たヘテロポリ酸担持触媒を、水、低級脂肪
    族カルボン酸、及び低級脂肪族アルコールからなる群の
    少なくとも一種以上を含む気体と接触させて低級脂肪族
    カルボン酸エステル製造用触媒を得る工程
  5. 【請求項5】 第二工程を、低級オレフィンと低級脂肪
    族カルボン酸とを気相中で反応させる際に用いる反応器
    で行うことを特徴とする請求項4に記載の低級脂肪族カ
    ルボン酸エステル製造用触媒の製造方法。
  6. 【請求項6】 ヘテロポリ酸が、ケイタングステン酸、
    リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイモリブデ
    ン酸、ケイバナドタングステン酸、リンバナドタングス
    テン酸、リンバナドモリブデン酸、ケイバナドモリブデ
    ン酸、ケイモリブドタングステン酸及びリンモリブドタ
    ングステン酸よりなる群から選ばれた少なくとも一種以
    上であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載
    の低級脂肪族カルボン酸エステル製造用触媒の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 第二工程を行う温度が、80℃〜300
    ℃の範囲であることを特徴とする請求項4〜請求項6の
    いずれかに記載の低級脂肪族カルボン酸エステル製造用
    触媒の製造方法。
  8. 【請求項8】 第二工程を行う圧力が、0MPaG(ゲ
    ージ圧)〜3MPaG(ゲージ圧)の範囲であることを
    特徴とする請求項4〜請求項7いずれかに記載の低級脂
    肪族カルボン酸エステル製造用触媒の製造方法。
  9. 【請求項9】 第二工程を行う際の気体の空間速度(G
    HSV)が、100hr-1〜7000hr-1の範囲であ
    ることを特徴とする請求項4〜請求項8のいずれかに記
    載の低級脂肪族カルボン酸エステル製造用触媒の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 第二工程で用いる水、低級脂肪族カル
    ボン酸、及び低級脂肪族アルコールからなる群の少なく
    とも一種以上を含む気体が、水と酢酸の混合気体である
    ことを特徴とする請求項4〜請求項9のいずれかに記載
    の低級脂肪族カルボン酸エステル製造用触媒の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載
    の低級脂肪族カルボン酸エステル製造用触媒の存在下、
    低級オレフィンと低級脂肪族カルボン酸とを気相中で反
    応させることを特徴とする低級脂肪族カルボン酸エステ
    ルの製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載
    の低級脂肪族カルボン酸エステル製造用触媒の存在下、
    低級オレフィンと低級脂肪族カルボン酸とを水の存在下
    に気相中で反応させることを特徴とする低級脂肪族カル
    ボン酸エステルの製造方法。
  13. 【請求項13】 低級オレフィンが、エチレン、プロピ
    レン、n−ブテン及びイソブテンからなる群から選ばれ
    た少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項1
    1又は請求項12のいずれかに記載の低級脂肪族カルボ
    ン酸エステルの製造方法。
  14. 【請求項14】 低級脂肪族カルボン酸が、蟻酸、酢
    酸、プロピオン酸、酪酸、アクリル酸及びメタクリル酸
    からなる群から選ばれた少なくとも一種以上であること
    を特徴とする請求項11〜請求項13のいずれかに記載
    の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。
  15. 【請求項15】 低級オレフィンがエチレンであり、且
    つ低級脂肪族カルボン酸が酢酸であることを特徴とする
    請求項11〜請求項14のいずれかに記載の低級脂肪族
    カルボン酸エステルの製造方法。
  16. 【請求項16】 低級オレフィンと低級脂肪族カルボン
    酸とを気相中で反応させることを特徴とする低級脂肪族
    カルボン酸エステルの製造方法において、該製造方法が
    以下の第一工程〜第四工程を含むことを特徴とする低級
    脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。第一工程 担体に一種以上のヘテロポリ酸を担持してヘテロポリ酸
    担持触媒を得る工程第二工程 第一工程で得たヘテロポリ酸担持触媒を、低級オレフィ
    ンと低級脂肪族カルボン酸とを気相中で反応させる際に
    用いる反応器に充填する工程第三工程 反応器に充填したヘテロポリ酸担持触媒を、水、低級脂
    肪族カルボン酸、及び低級脂肪族アルコールからなる群
    の少なくとも一種以上を含む気体と接触させる工程第四工程 第三工程を経たヘテロポリ酸担持触媒に、低級オレフィ
    ンと低級脂肪族カルボン酸とを含んだ混合気体を通過さ
    せて低級脂肪族カルボン酸エステルを得る工程
  17. 【請求項17】 ヘテロポリ酸が、ケイタングステン
    酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイモリ
    ブデン酸、ケイバナドタングステン酸、リンバナドタン
    グステン酸、リンバナドモリブデン酸、ケイバナドモリ
    ブデン酸、ケイモリブドタングステン酸及びリンモリブ
    ドタングステン酸よりなる群から選ばれた少なくとも一
    種以上であることを特徴とする請求項16に記載の低級
    脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。
  18. 【請求項18】 第三工程を行う温度が、80℃〜30
    0℃の範囲であることを特徴とする請求項16又は請求
    項17のいずれかに記載の低級脂肪族カルボン酸エステ
    ルの製造方法。
  19. 【請求項19】 第三工程を行う圧力が、0MPaG
    (ゲージ圧)〜3MPaG(ゲージ圧)の範囲であるこ
    とを特徴とする請求項16〜請求項18のいずれかに記
    載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。
  20. 【請求項20】 第三工程を行う際の気体の空間速度
    (GHSV)が、100hr-1〜7000hr-1の範囲
    であることを特徴とする請求項16〜請求項19のいず
    れかに記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方
    法。
  21. 【請求項21】 第三工程で用いる低級脂肪族カルボン
    酸が、低級脂肪族カルボン酸エステルを製造する際の低
    級脂肪族カルボン酸と同じであることを特徴とする請求
    項16〜請求項20のいずれかに記載の低級脂肪族カル
    ボン酸エステルの製造方法。
  22. 【請求項22】 第四工程で用いる低級オレフィンが、
    エチレン、プロピレン、n−ブテン及びイソブテンから
    なる群から選ばれた少なくとも一種以上であることを特
    徴とする請求項16〜請求項21のいずれかに記載の低
    級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。
  23. 【請求項23】 第四工程で用いる低級脂肪族カルボン
    酸が、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、アクリル酸及
    びメタクリル酸からなる群から選ばれた少なくとも一種
    以上であることを特徴とする請求項16〜請求項22の
    いずれかに記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造
    方法。
  24. 【請求項24】 第四工程で用いる低級オレフィンがエ
    チレンであり、且つ第四工程で用いる低級脂肪族カルボ
    ン酸が酢酸であることを特徴とする請求項16〜請求項
    23のいずれかに記載の低級脂肪族カルボン酸エステル
    の製造方法。
  25. 【請求項25】 第四工程で用いる低級オレフィンと低
    級脂肪族カルボン酸とを含んだ混合気体に、水が含有す
    ることを特徴とする請求項16〜請求項24のいずれか
    に記載の低級脂肪族カルボン酸エステルの製造方法。
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