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JP2002049225A - 電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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Publication number
JP2002049225A
JP2002049225A JP2000232312A JP2000232312A JP2002049225A JP 2002049225 A JP2002049225 A JP 2002049225A JP 2000232312 A JP2000232312 A JP 2000232312A JP 2000232312 A JP2000232312 A JP 2000232312A JP 2002049225 A JP2002049225 A JP 2002049225A
Authority
JP
Japan
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process cartridge
image forming
charging
forming apparatus
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000232312A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Saito
聖史 齋藤
Masaru Shimura
大 紫村
Hiroshi Takami
洋 高見
Tomohiro Nakamori
知宏 中森
Hiroaki Sakai
宏明 酒井
Takeshi Kawamura
武志 川村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2000232312A priority Critical patent/JP2002049225A/ja
Priority to US09/912,556 priority patent/US6615002B2/en
Publication of JP2002049225A publication Critical patent/JP2002049225A/ja
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
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    • G03G21/1878Electronically readable memory
    • G03G21/1889Electronically readable memory for auto-setting of process parameters, lifetime, usage
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電手段の汚れや電子写真感光体の消耗によ
る、帯電手段と電子写真感光体の間における放電電流の
増減を抑え、長期にわたり安定した画像を形成すること
のできる電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッ
ジを提供する。 【解決手段】 プロセスカートリッジB及び/又は装置
本体100が備えた記憶手段に格納された(a)プロセ
スカートリッジBの使用状況に関する情報と、(b)プ
ロセスカートリッジBの使用状況に応じて予め設定され
た、帯電手段に印加する交流電圧の複数の制御基準値の
情報と、に基づき、予め設定された複数の制御基準値
を、プロセスカートリッジBの使用状況に応じて切り替
え制御する制御手段50を備える構成とされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式にて
画像を形成する電子写真画像形成装置、この画像形成装
置本体に着脱可能なプロセスカートリッジに関する。
【0002】ここで、電子写真画像形成装置としては、
例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えば、
LEDプリンタ、レーザービームプリンタ等)、及び電
子写真ファクシミリ装置、電子写真ワードプロセッサー
等が含まれる。
【0003】又、プロセスカートリッジとは、帯電手
段、現像手段及びクリーニング手段の少なくとも一つ
と、電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化し、こ
のカートリッジを電子写真画像形成装置本体に対して着
脱可能とするものであるか、又は、少なくとも現像手段
と電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化し、この
カートリッジを電子写真画像形成装置本体に対して着脱
可能とするものをいう。
【0004】
【従来の技術】従来、例えば電子写真複写機やレーザー
ビームプリンタなどの電子写真画像形成装置は、周知の
ように、像担持体としての電子写真感光体を帯電手段を
用いて一様に帯電させた後、その表面に画像情報に対応
した光を照射して静電潜像を形成し、この潜像に現像手
段を用いて現像剤を供給して顕像化し、この顕像を記録
媒体へ転写した後、定着装置にて記録媒体上に永久定着
する。こうして像が定着された記録媒体は装置外に排出
し、又、転写後の電子写真感光体をクリーニング手段で
清掃する。
【0005】このような画像形成装置において、電子写
真感光体、現像剤などの消耗品の交換、メンテナンスの
簡便性を図る目的で、電子写真感光体と、電子写真感光
体に作用するプロセス手段としての現像手段、帯電手
段、クリーニング手段、更には現像剤収納容器や、電子
写真感光体から回収された現像剤を収容する廃現像剤容
器などをプロセスカートリッジとして一体化し、画像形
成装置本体に対して着脱可能とするプロセスカートリッ
ジ方式がある。
【0006】このプロセスカートリッジ方式によれば、
装置のメンテナンスをサービスマンによらずにユーザー
自身で行うことができ、装置の操作性を格段に向上させ
ることができるため、電子写真画像形成装置において広
く用いられている。
【0007】上述のように、電子写真画像形成装置にお
ける画像形成プロセスは、例えば回転体として円筒状と
される電子写真感光体(感光体ドラム)の表面を所定の
電位に均一に帯電処理する工程を含んでいる。
【0008】従来、帯電手段の一つとして、感光体ドラ
ムの表面に、回転体としてローラ状の帯電部材(以下、
「帯電ローラ」と呼ぶ。)を当接させ、この帯電ローラ
に直流バイアスに交流バイアスを重畳させた電圧を印加
する方法がある。又、その際、感光体ドラム表面の安定
した帯電を得るために、帯電ローラと感光体ドラムの間
における放電電流量を所定値以上にすると良いことが経
験的に判っている。
【0009】図17は、帯電ローラに印加する交流バイ
アスの電圧と電流の波形を示した図である。図17
(a)に示すような出力電圧、即ち、交流バイアス(V
0)を帯電ローラに印加すると、図17(b)に示すよ
うに、この交流バイアス(V0)と同位相の電流、即ち、
帯電ローラと感光体ドラムの間の抵抗性負荷に流れる抵
抗負荷電流(Izr)と、交流バイアス(V0)より9
0°位相が進んだ電流、即ち、帯電ローラと感光体ドラ
ムの間の容量性負荷に流れる容量負荷電流(Izc)
と、交流高圧(V0)の電圧振幅ピーク時にパルス的に
流れる電流、即ち、帯電ローラと感光体ドラムの間の放
電電流(Is)が流れる。これらを総合すると、図17
(c)に示す波形の電流(I0)が流れる(総出力電
流)。そして、帯電ローラから高圧電源に引き込まれる
交流電流を検出すると、図17(d)に示すような波形
の検出電流波形(Im)が得られる。
【0010】図18は、帯電ローラに印加する交流バイ
アス(出力電圧)の振幅と出力電流の関係を示した図で
ある。出力電圧の振幅を徐々に上げてゆくと、一定電圧
振幅以下では電圧振幅と出力電流はほぼ比例しているの
が分かる。これは、抵抗負荷電流(Izr)と容量負荷
電流(Izc)が電圧振幅に比例し、且つ、電圧振幅が
小さいために放電現象が発生せず、放電電流(Is)が
流れないためである。更に出力電圧の振幅を大きくして
ゆくと、所定電圧振幅(Vs)で放電現象が始まり、総
出力電流(I0)も比例関係から外れ、放電電流(I
s)分だけ多く流れるようになる。
【0011】従来、帯電ローラと感光体ドラムの間にお
ける放電電流量を所定値以上として、安定して感光体ド
ラムの表面を帯電させる目的で、帯電ローラに印加され
る交流電圧に同期した固定位相で、帯電ローラに交流電
圧を印加する高圧電源から出力される電流を検出する電
流検出手段を設け、この電流検出手段による検出電流が
所定の制御基準値となるように高圧電源が帯電手段に印
加する交流電圧を制御する方法がある。つまり、帯電ロ
ーラへ印加する交流バイアス(出力電圧)のピーク時に
検出される、放電電流(Is)と抵抗負荷電流(Iz
r)との加算値である瞬時電流(It)の値が一定とな
るように、帯電ローラに印加する交流バイアスを制御す
る。
【0012】より具体的には、例えば図19に示すよう
に、帯電ローラに電圧を印加する電圧印加手段としての
高圧電源40は、高圧トランスドライブ回路41、高圧
トランス42を有し、又直流高圧発生回路43が接続さ
れる。更に、高圧電源40には、電流検出手段47を構
成する電流検知手段44、位相検出回路45及び比較回
路46などが接続される。高圧電源40は、プリンタ制
御部(図示せず)からのクロックパルスを高圧トランス
ドライブ回路41で受け取り、正弦波を作成する。次い
で、高圧トランス42により交流成分を昇圧し、この交
流高圧と、直流高圧発生回路43から発生される直流高
圧とを共に帯電ローラ20に印加し、感光体ドラム1の
表面を帯電させる。このとき、電流検出手段44により
検出された電流と、位相検出回路45により検出された
位相情報とを比較回路46に入力して、交流電圧の正の
ピーク電圧時又は負のピーク電圧時の瞬時電流(It)
を検出する。そして、検出された瞬時電流(It)の値
が一定となるように、帯電ローラ20に印加する交流バ
イアスを制御する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の制御方法では、以下のような問題があった。
【0014】例えば、プロセスカートリッジ方式の電子
写真画像形成装置では、プロセスカートリッジが画像形
成開始した初期の状態から繰り返し画像形成に供される
ことにより、使用初期からある一定の画像形成枚数に達
するまでは、現像剤であるトナーや紙紛などによる汚れ
が帯電ローラに付着する。又、感光体ドラムは、画像形
成枚数の増加と共に表面の膜厚が減少する。
【0015】主にこの2つの要因により、帯電ローラ及
び感光体ドラムの抵抗負荷電流(Izr)が変化する。
この場合、繰り返し画像が形成されることで、帯電ロー
ラの汚れ及び感体光ドラムの膜厚の減少により、帯電に
寄与する放電電流は、図5に示すように変動する。つま
り、初期の状態(図5(a))から繰り返し画像形成を
行うことで、先ず、帯電ローラにトナーなどの汚れが付
着して抵抗が上昇するため、抵抗負荷電流(Izr)が
小さくなり、放電電流(Is)が上昇する(図5
(b))。一方、帯電ローラの汚れが飽和すると、感光
体ドラムの削れにより表面の膜厚が減少して抵抗が小さ
くなるため、抵抗負荷電流(Izr)が大きくなり、放
電電流(Is)が減少する(図5(c))。
【0016】このように、放電電流が変動(増減)する
ことは好ましくない。つまり、帯電ローラと感光体ドラ
ムの間における放電電流(Is)が増加すると、感光体
ドラムの削れが増大してその表面の膜厚が減少し、感光
体ドラムの寿命を著しく短くすることになる。一方、放
電電流(Is)が減少すると、帯電不良により、所謂、
砂地画像などの画像欠陥が生じる。
【0017】従って、本発明の目的は、帯電手段の汚れ
や電子写真感光体の消耗による、帯電手段と電子写真感
光体の間における放電電流の増減を抑え、長期にわたり
安定した画像を形成することのできる電子写真画像形成
装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【0018】本発明の他の目的は、帯電手段の汚れや環
境などによる、帯電手段と電子写真感光体の間における
放電電流量の変動を抑えることが可能であり、電子写真
感光体の寿命を延ばして、長期にわたり安定した画像品
質を得ることのできる電子写真画像形成装置及びプロセ
スカートリッジを提供することである。
【0019】本発明の他の目的は、帯電手段及び電子写
真感光体の使用初期における、帯電手段と電子写真感光
体の間における放電電流の増加を抑え、且つ、電子写真
感光体の寿命近傍における放電電流の減少を抑えること
のできる電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッ
ジを提供することである。
【0020】又、本発明の他の目的は、装置の電源オン
から所定時間経過するまでの、帯電手段と電子写真感光
体の間の放電電流の増減を抑制することのできる電子写
真画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供するこ
とである。
【0021】更に、本発明の他の目的は、装置本体に装
着された各プロセスカートリッジに応じて帯電手段と電
子写真感光体の間の放電電流の増減を抑制し、各プロセ
スカートリッジの特性に応じて長期にわたり安定した画
像を形成することのできる電子写真画像形成装置及びプ
ロセスカートリッジを提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジにて達
成される。要約すれば、本発明の第1の態様によると、
少なくとも電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯
電処理する帯電手段と、を有するプロセスカートリッジ
を着脱可能であり、前記プロセスカートリッジが装着さ
れた状態で、前記帯電手段に交流電圧を印加する高圧電
源と、前記帯電手段に印加される交流電圧に同期した固
定位相で前記高圧電源から出力される電流を検出する電
流検出手段と、を有し、該電流検出手段による検出電流
が所定の制御基準値となるように前記高圧電源が前記帯
電手段に印加する交流電圧を制御する電子写真画像形成
装置において、前記プロセスカートリッジ及び/又は前
記装置本体が備えた記憶手段にそれぞれ格納された
(a)前記プロセスカートリッジの使用状況に関する情
報と、(b)前記プロセスカートリッジの使用状況に応
じて予め設定された、前記帯電手段に印加する交流電圧
の複数の制御基準値の情報と、に基づき、予め設定され
た前記複数の制御基準値を、前記プロセスカートリッジ
の使用状況に応じて切り替え制御する制御手段を備える
ことを特徴とする電子写真画像形成装置が提供される。
【0023】本発明の第1の態様において、一実施態様
によると、前記(a)情報、(b)情報のうち一つ又は
両方が、前記プロセスカートリッジが備えた記憶手段に
格納されている。
【0024】本発明の第1の態様において、他の実施態
様によると、前記電流検出手段は、前記帯電手段に印加
される交流電圧のピーク時に前記高圧電源から出力され
る電流を検出し、前記制御基準値は、前記帯電手段に印
加される交流電圧のピーク時に前記高圧電源から出力さ
れる電流が所定値となるように前記帯電手段に印加する
交流電圧を制御するための基準値である。
【0025】本発明の第1の態様において、他の実施態
様によると、前記装置本体の電源がオンにされた後、所
定時間異なった制御基準値により前記高圧電源を制御す
る。又、他の実施態様によると、前記プロセスカートリ
ッジが装着された後、所定時間異なった制御基準値によ
り前記高圧電源を制御する。更に、他の実施態様による
と、新品のプロセスカートリッジが装着された後、所定
時間異なった制御基準値により前記高圧電源を制御す
る。これら各態様において、前記所定時間は、画像形成
枚数にて決定することができる。
【0026】本発明の第1の態様において、他の実施態
様によると、前記装置本体は更に、プロセスカートリッ
ジの近傍の装置本体又は前記プロセスカートリッジに温
度検出手段を有し、前記温度検出手段の出力値に応じ
て、前記高圧電源の制御基準値を可変制御する。
【0027】本発明の第1の態様において、他の実施態
様によると、前記プロセスカートリッジ又は前記装置本
体が備えた記憶手段は更に、前記高圧電源の制御基準値
と前記温度検出手段の出力との相関関係を示す情報を記
憶する。
【0028】本発明の第2の態様によると、電子写真感
光体と、前記電子写真感光体を帯電処理する帯電手段
と、を有し、電子写真画像形成装置本体に着脱可能なプ
ロセスカートリッジにおいて、(a)前記プロセスカー
トリッジの使用状況に関する情報と、(b)前記電子写
真画像形成装置本体が備えた高圧電源が前記帯電手段に
印加する交流電圧を制御するための、前記プロセスカー
トリッジの使用状況に応じて予め設定された複数の制御
基準値の情報のうち少なくとも一つを記憶する記憶手段
を有することを特徴とするプロセスカートリッジが提供
される。
【0029】本発明の第2の態様において、一実施態様
によると、前記制御基準値は、前記帯電手段に印加され
る交流電圧に同期した固定位相で前記高圧電源から出力
される電流の検出値が所定値となるように前記帯電手段
に印加される交流電圧を制御するための基準値である。
又、他の実施態様によると、前記制御基準値は、前記帯
電手段に印加される交流電圧のピーク時に前記高圧電源
から出力される電流が所定値となるように前記帯電手段
に印加される交流電圧を制御するための基準値である。
【0030】又、本発明の第2の態様において、他の実
施態様によると、前記記憶手段は更に、前記制御基準値
をプロセスカートリッジの雰囲気温度に応じて可変制御
するための、前記制御基準値と前記雰囲気温度との相関
関係を示す情報を記憶する。
【0031】上記各本発明において、一実施態様による
と、前記プロセスカートリッジの使用状況に関する情報
は、画像形成枚数の積算値である。他の実施態様による
と、前記プロセスカートリッジの使用状況に関する情報
は、前記帯電手段に交流電圧を印加した時間の積算値で
ある。又、他の実施態様によると、前記プロセスカート
リッジの使用状況に関する情報は、回転体とされる前記
電子写真感光体の回転時間の積算値である。
【0032】上記各本発明の一実施態様によると、前記
帯電手段は、前記電子写真感光体に当接する帯電部材を
有する。
【0033】又、上記各本発明の一実施態様によると、
前記プロセスカートリッジは更に、前記電子写真感光体
に現像剤を供給する現像手段、前記電子写真感光体をク
リーニングするクリーニング手段のうち少なくとも一つ
を有する。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電子写真画像
形成装置及びプロセスカートリッジを図面に則して更に
詳しく説明する。
【0035】実施例1 先ず、図1及び図2を参照して、本発明に従って構成さ
れるプロセスカートリッジを装着可能な電子写真画像形
成装置の一実施例について説明する。本実施例にて、電
子写真画像形成装置は、レーザービームプリンタ(プリ
ンタ)Aとされ、ホストコンピュータなどから画像情報
を受け取り、電子写真画像形成プロセスによって記録媒
体、例えば、記録紙、OHPシート、布などに画像を形
成するものである。又、本実施例のプリンタAは、プロ
セスカートリッジBを着脱可能とされている。
【0036】プリンタAは、像担持体として、回転体と
される円筒形状の電子写真感光体、即ち、感光体ドラム
1を、その略中央に有している。感光体ドラム1は矢印
A方向に回転し、詳しくは後述する帯電手段が備える、
回転体としてローラ状に形成された帯電部材、即ち、帯
電ローラ20によって、その表面は一様に帯電される。
その後、一様に帯電された感光体ドラム1の表面は、レ
ーザー発光露光手段3から画像情報に応じて照射される
レーザ光Lによって走査露光され、感光体ドラム1上に
画像情報に応じた静電潜像が形成される。この潜像は、
次いで現像装置10が現像剤を供給することによりトナ
ー像として可視化される。
【0037】本実施例において、現像装置10は現像剤
容器10aに、現像剤として磁性一成分トナー(トナ
ー)Tを収容している。本実施例では、トナーTとし
て、スチレンアクリル樹脂を主成分としてシリカを外添
したものであって、電気抵抗が約1010〜1011Ωの範
囲のものを使用した。現像剤容器10aの開口部には感
光体ドラム1に対向し、且つ、非接触にて回転可能な、
現像剤担持体としての現像ローラ11が設けられてい
る。現像ローラ11の内部には、現像ローラ11の周面
にトナーTを保持し、現像領域に搬送するための磁石1
1aが固定されている。現像剤容器10a内に設けられ
た現像剤攪拌部材16によって、トナーTは攪拌され、
現像ローラ11まで搬送される。現像ローラ11の周面
に保持されたトナーTは、回転する現像ローラ11との
摩擦や、現像ローラ11に当接配置された現像剤層厚規
制部材12との摩擦により所定の帯電量を付与される。
そして、現像バイアス電源14から現像ローラ11に、
現像バイアスとしてACバイアスとDCバイアスの重畳
電圧を供給することによって、現像ローラ11と感光体
ドラム1上の静電潜像との間に電位差をつくり、トナー
Tを現像ローラ11上から静電潜像上に転移させる。こ
うして、感光体ドラム1上に画像情報に応じたトナー像
が形成される。
【0038】一方、記録媒体収容手段としてのカセット
4に収容された記録媒体Pは、記録媒体供給ローラ5、
記録媒体搬送手段としての搬送ローラ6aなどを介して
レジストローラ7まで搬送される。レジストローラ7
は、感光体ドラム1へのトナー像形成に同期して感光体
ドラム1と転写手段である転写ローラ2が対向する転写
位置まで記録媒体Pを搬送する。
【0039】トナーTにより現像された感光体ドラム1
上のトナー画像は、転写ローラ2によって転写位置に搬
送されてきた記録媒体Pに転写される。その後、記録媒
体Pは定着器8に搬送され、ここでトナーTが永久定着
される。定着器8は加熱手段を備えた定着ローラ8aと
駆動ローラ8bとで記録媒体Pを加熱、加圧することに
よって定着作用を成す。画像が定着された記録媒体P
は、更に記録媒体搬送手段としての搬送ローラ6bなど
を介して装置上部に設けられた排出トレイ9に排出され
る。
【0040】トナー像を記録媒体Pに転写した後に感光
体ドラム1上に残留するトナーTは、クリーニング装置
30が備えたブレードなどとされるクリーニング部材3
1によって清掃されて、クリーニング容器32内に蓄積
される。
【0041】本実施例においては、図2に示すように、
感光体ドラム1と、この感光体ドラム1に作用するプロ
セス手段としての、帯電ローラ20、現像装置10及び
クリーニング装置30は、枠体71などにて結合され、
プロセスカートリッジBとして一体的に構成されてい
る。このプロセスカートリッジBは、寿命による交換な
どのために、ユーザーによって画像形成装置本体100
に対して着脱可能となっている。プロセスカートリッジ
Bは、画像形成装置本体100に設けられたカートリッ
ジ装着手段70(図1)を介して取り外し可能に装置本
体100に装着される。
【0042】本実施例のプロセスカートリッジBは、記
憶手段として、読み書き可能な不揮発性メモリ(第1記
憶手段)61を備えている。尚、本実施例では、メモリ
61は、情報の読み書きをメモリ側で制御するためのカ
ートリッジ側情報伝達手段を内蔵しているものとする。
プロセスカートリッジBが画像形成装置本体100に装
着されると、メモリ61のカートリッジ側情報伝達手段
と、画像形成装置本体100側の情報伝達手段(本体側
情報伝達手段)とが通信可能な状態とされ、詳しくは後
述するように、画像形成装置本体100に設けられた制
御手段としてのCPU(中央演算処理装置)50は、メ
モリ61に対して情報の読み書きが可能とされる。又、
本実施例では、CPU50自体、記憶手段としての記憶
部(第2記憶手段)を内蔵している。
【0043】本発明にて使用し得る記憶手段は、特に限
定されるものではなく、不揮発性メモリ、揮発性メモリ
とバックアップ電池を組み合わせたものなど、通常の半
導体による電子的なメモリなどを特に制限なく使用する
ことができる。例えば、プロセスカートリッジBが備え
る記憶手段として、記憶手段と読みだし/書き込みIC
との間のデータ通信を電磁波によって行う非接触メモリ
を使用すれば、カートリッジ側情報伝達手段と、本体側
情報伝達手段の間が非接触であってもよいため、プロセ
スカートリッジBの装着状態による接触不良の可能性が
なくなり、信頼性の高い制御を行うことができる。
【0044】次に、本実施例のプリンタAにて使用する
帯電手段について更に説明する。本実施例において、帯
電ローラ20は、感光体ドラム1に対して所定の押圧力
をもって圧接されており、感光体ドラム1の回転に伴っ
て従動回転する。本実施例にて用いた帯電ローラ20
は、図3に示すように、芯金21と、これを被覆するロ
ール基体を備えている。基材22は、EPDM(エチレ
ン−プロピレン−ジエン三元重合体配合物)に導電剤を
分散した導電性ゴム層とされる。又、抵抗層23とし
て、ヒドリンゴムに導電剤を分散したものを使用して基
材22を被覆し、更に、トレジンに導電剤を分散した保
護層24で表面を保護している。帯電ローラ20は、1
5〜106Ωの抵抗を有し、本実施例の構成では、温度
上昇により抵抗が下がる特徴を有している。
【0045】帯電ローラ20の芯金21には、電圧印加
手段である高圧電源40により、直流バイアスに交流バ
イアスを重畳させた電圧を印加する。そして、感光体ド
ラム1の表面の安定して帯電させるために、帯電ローラ
20と感光体ドラム1の間における放電電流量を所定値
以上にするように制御する。
【0046】つまり、本実施例では、上述した従来例と
概略同様に、出力電圧のピーク時に検出される瞬時電流
(It)の値(図17(d))が所定値にて一定となる
ように制御された交流バイアスと直流バイアスを重畳し
た電圧を、帯電ローラ20の芯金21に印加する。詳し
くは後述するが、本実施例では、従来とは異なり、上述
の瞬時電流(It)の設定値(制御基準値)を、切り替
え可能に二段階有している。
【0047】次に、帯電ローラ20に印加する電圧を制
御する方法について更に詳しく説明する。
【0048】先ず、本実施例のプリンタAの構成におい
て、従来の制御方法を用いて帯電ローラ20に電圧を印
加する場合について説明すると、この場合、画像形成枚
数(t)に対する放電電流(Is)の推移は、図4に示
す特性を有する。これは、図5をも参照すると理解され
るように、初期の状態、即ち、新品のプロセスカートリ
ッジBを使用開始した直後から(図5(a))、繰り返
し画像形成を行なうことで、先ず、帯電ローラ20にト
ナーなどの汚れが付着して抵抗が上昇する。このため、
抗負荷電流(Izr)が小さくなり、放電電流(Is)
が上昇する(図5(b))。一方、帯電ローラ20の汚
れが飽和すると、感光体ドラム1の削れにより膜厚が減
少して抵抗が小さくなるため、抵抗負荷電流(Izr)
が大きくなり、放電電流(Is)が減少する(図5
(c))。
【0049】放電電流(Is)が減少すると、感光体ド
ラム1の帯電不良により、所謂、砂地画像などの画像欠
陥が生じるため、従来一般に、感光体ドラム1の寿命近
傍における放電電流(Is)を、画像不良の発生しない
レベル(Is2)(図4)にするために、初期の放電電
流を高く設定していた(Is0)。
【0050】しかしながら、感光体ドラム1の消耗度
合、即ち、削れ量は、上述の放電電流(Is)によって
影響される。つまり、本実施例では、像担持体としての
感光体ドラム1は、アルミニウム製のドラム基体の外周
面に感光体層として有機光導電体(OPC)層を形成し
て構成される(OPC感光体)。感光体ドラム1の有機
光導電体(OPC)層は、主にCT層(電荷輸送層)と
CG層(電荷発生層)の2層を有する。特に、このよう
なOPC感光体とされる感光体ドラム1では、感光体ド
ラム1の寿命は、一般にCT層の厚みの減少(削れ)に
依存し、この厚みが減少するに伴い、画質が低下してい
が、この感光体ドラム1の削れ量は、帯電処理、特に、
放電電流によって影響され、放電電流(Is)が増加す
ると、感光体ドラム1の削れ量が増大し、感光体ドラム
の寿命を著しく短くすることになる。
【0051】従って、従来、感光体ドラム1の寿命近傍
において放電電流(Is2)を得るために初期の放電電
流(Is0)を予め高く設定することは、一方で、感光
体ドラム1の寿命を短くするという問題を有していた。
更に、画像形成に伴って、放電電流は上述のような(図
4)推移を示すので、画像形成枚数が増加するに伴い、
放電電流(Is)がIs0からIs1まで上昇するた
め、感光体ドラム1の削れが大きくなっていた。
【0052】そこで、本実施例では、プロセスカートリ
ッジBの使用において、早い段階における放電電流量の
増加を抑制し、且つ、後半に画像不良が起こらないよう
に瞬時電流(It)の設定値を切り替える制御を行う。
【0053】図6をも参照して更に説明すると、本実施
例において高圧電源40は、高圧トランスドライブ回路
41、高圧トランス42を有しており、又直流高圧発生
回路43が接続されている。更に、高圧電源40には、
電流検出手段を構成する電流検知手段44、位相検出回
路45及び比較回路46などが接続されている。
【0054】高圧電源40は、プリンタ制御部(図示せ
ず)からのクロックパルスを高圧トランスドライブ回路
41で受け取り、正弦波を作製する。次いで、高圧トラ
ンス42により交流成分を昇圧し、この交流高圧と、直
流高圧発生回路43から発生される直流高圧とを共に帯
電ローラ20に印加する。このとき、帯電ローラ20に
印加される交流電圧に同期した固定位相で、高圧電源4
0から出力される電流を検出する電流検出手段47を設
ける。つまり、電流検出手段47は、電流検出手段44
により検出された電流と、位相検出回路45により検出
された位相情報とを比較回路46に入力して、交流高圧
の正のピーク電圧時又は負のピーク電圧時の瞬時電流
(It)(図17(d))を検出する。
【0055】こうして検出された瞬時電流(It)の値
が所定の制御基準値にて一定となるように帯電電圧を制
御するが、本実施例では、プロセスカートリッジBの使
用状況として積算画像形成枚数(t)を指標として、プ
ロセスカートリッジBの使用状況に応じて、瞬時電流
(It)の設定値(制御基準値)を切り替える制御を行
う。
【0056】本発明者らは、図4に示すような積算画像
形成枚数(t)に対する放電電流(Is)の値の推移を
検討した結果、本実施例のプリンタAでは、下表1に示
す切り替えタイミングで瞬時電流(It)の設定値を切
り替えることによって、プロセスカートリッジBの使用
初期における放電電流(Is)の増加を抑え、且つ、感
光体ドラム1の寿命近傍においても放電電流(Is)を
画像を欠陥が生じないレベルに保てることが分かった。
即ち、本実施例では、初期の放電電流(Is0)を、画
像不良の発生しないレベルの放電電流(Is2)と同等
となるように瞬時電流(It)の設定値を決め(It
0)、画像形成に伴って放電電流(Is)減少してきた
時点で、これを引き上げるように瞬時電流(It)の設
定値を引き上げる(It1)。
【0057】
【表1】
【0058】本実施例では、表1に示す複数の制御基準
値の情報(切り替え条件)、即ち、切り替えタイミング
及び瞬時電流(It)の設定値は、画像形成装置本体1
00のCPU50が内蔵する記憶部(第2記憶手段)に
予め記憶される。
【0059】又、本実施例のプリンタAは、プロセスカ
ートリッジBの使用状況を検出する手段として、画像形
成枚数を積算するカウンタ手段62を有しており、カウ
ンタ手段62は、記録媒体P一枚に画像形成する毎に検
出信号をCPU50に入力する。これにより、CPU5
0はプロセスカートリッジBのメモリ(第1記憶手段)
61に随時画像形成枚数を書き込み更新し、積算画像形
成枚数(t)として記憶させる。
【0060】そして、CPU50は、メモリ61から読
み出した現在の積算画像形成枚数(t)と、瞬時電流
(It)の設定値の切り替えタイミング(切り替え時の
積算画像形成枚数)とを比較することで、予め複数設け
られた瞬時電流(It)の設定値を切り替え制御し、高
圧電源21の交流バイアスの制御基準値として設定す
る。こうして、CPU50は、比較回路46によって検
出された瞬時電流(It)がこの設定値に一定になるよ
うに、高圧電源40から帯電ローラ20へ印加する帯電
バイアスを制御するよう指示する。
【0061】次に、図7のフローチャートを参照して、
本実施例における瞬時電流(It)の設定値の切り替え
手順について説明する。
【0062】先ず、ユーザー(操作者)による画像形成
指示が発生すると(画像形成信号オン)(S101:ス
テップ101)、CPU50は、プロセスカートリッジ
Bに搭載されている記憶手段としての不揮発性メモリ6
1に記憶されている積算画像形成枚数(t)を読み取る
(S102)。
【0063】そこで、CPU50は、表1に示した瞬時
電流(It)の切り替え条件と現在の積算画像形成枚数
(t)を比較して(S103)、積算画像形成枚数
(t)が0枚以上、10000枚未満である場合、CP
U50の記憶部に記憶された瞬時電流(It)の設定値
であるIt0(300μA)を読み出し(S104)、
高圧電源40の交流バイアスの制御基準値として設定し
(S105)、画像形成を開始する(S108)。
【0064】一方、S103にて、積算画像形成枚数
(t)が10000枚以上であると判断された場合、C
PU50に記憶された瞬時電流(It)の設定値である
It1(400μA)を読み出し(S106)、高圧電
源40の交流バイアスの制御基準値として設定し(S1
07)、画像形成を開始する(S108)。
【0065】以上のような構成とすることによって、本
実施例のプリンタAでは、放電電流(Is)の推移は、
図8に実線にて示す通りとなる。尚、図8には、従来の
制御方法によって帯電バイアスを制御した場合の放電電
流(Is)の推移を波線で併記している。
【0066】即ち、図8から明らかなように、本実施例
の制御によれば、感光体ドラム1の寿命に大きく影響す
る帯電ローラ20と感光体ドラム1の間の放電電流(I
s)を、プロセスカートリッジBの使用初期において増
加させることがなく、又、画像形成に伴う放電電流(I
s)の増加も最小限度に抑えることができるので、感光
体ドラム1の寿命に対して優れた延命効果がある。更
に、感光体ドラム1の寿命近傍においても画像不良が発
生しないレベルの放電電流量(It)を得ることができ
るので、長期にわたり安定した画像品質が得られる。本
実施例によると、従来の帯電バイアス制御方法に比べ
て、感光体ドラム1の寿命に関して約1.2倍の延命効
果が得られた。
【0067】又、プロセスカートリッジBの使用状況に
関する情報として、本実施例では積算画像形成枚数をプ
ロセスカートリッジBが備えたメモリ(第1記憶手段)
61に記憶させることによって、使用状況に関する情報
をプロセスカートリッジB自体に保持させることができ
るので、例えば、寿命以前にプロセスカートリッジBを
画像形成装置本体100から取り外して、他のプロセス
カートリッジBと交換して使用するような場合にも、常
に正確に画像形成装置本体100に装着されたプロセス
カートリッジBに固有の使用状況に応じて、瞬時電流
(It)の設定値を切り替えて、帯電ローラ20に印加
する電圧を制御することができる。
【0068】尚、本実施例において、プロセスカートリ
ッジB、より詳しくは、帯電ローラ20及び感体光ドラ
ム1の使用状況を示す指標として積算画像形成枚数を使
用したが、本発明はこれに限定されるものではない。つ
まり、帯電ローラ20と感光体ドラム1の間の放電電流
(Is)の変動と相関のある指標であれば特に制限なく
利用することができる。例えば、帯電ローラ20に交流
バイアスが印加された積算帯電時間、感光体ドラム1の
積算回転時間などを好適に用いることができ、上述の積
算画像形成枚数を利用する場合と同様の効果が得られ
る。この場合、プロセスカートリッジBの使用状況を検
出する手段として、上記積算帯電時間、感光体ドラム1
の積算回転時間を求める手段を設け、瞬時電流(It)
の設定値を切り替えるタイミングを、上述の積算画像形
成枚数に代えてそれぞれ積算帯電時間、積算回転時間に
よって適宜設定することができる。
【0069】又、本発明は、本実施例にて使用した瞬時
電流(It)の切り替えタイミング及び瞬時電流(I
t)の設定値に限定されるものではなく、これら瞬時電
流(It)の設定値の切り替え条件は、本発明を適用す
る装置によって適宜設定し得るものである。従って、本
実施例では、瞬時電流(It)の設定値を二段階に切り
替えるとして説明したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、例えば、更に多段階に瞬時電流(It)の
設定値を設け、放電電流(Is)を、画像不良が発生し
ないレベルの放電電流(Is2)近傍により一定に保つ
ことができる(図9)。これによって、更に感光体ドラ
ム1の寿命に関して延命の効果がある。
【0070】更に、本実施例では、瞬時電流(It)の
設定値を画像形成装置本体100のCPU50の記憶部
(第2記憶手段)に予め記憶させる構成としたが、これ
をプロセスカートリッジBに搭載するメモリ(第1記憶
手段)61に記憶させても良い。こうすることによっ
て、プロセスカートリッジBの出荷時に帯電ローラ20
及び感光体ドラム1の特性に合わせた設定値を記憶させ
ることが可能となり、瞬時電流(It)の切り替え設定
値におけるマージンを切り詰めることが可能となり好ま
しい。又、プロセスカートリッジB、より詳しくは、帯
電ローラ20や感光体ドラム1の若干の設計変更などに
も対応でき好都合である。これによって、装置本体10
0に装着された各プロセスカートリッジBに応じて、常
に正確に放電電流(Is)の増減を抑制することがで
き、各プロセスカートリッジBの特性に応じて、感光体
ドラム1の更なる延命効果を得ることができ、長期にわ
たり安定した画像品質を提供することが可能となる。
【0071】上述のように、プロセスカートリッジBの
使用状況に関する情報(本実施例では積算画像形成枚数
(t))、更には複数の制御基準値(本実施例では瞬時
電流(It)の設定値)の情報はプロセスカートリッジ
Bが備えたメモリ61に記憶させることが好ましいが、
勿論、本発明の原理的には、プロセスカートリッジBの
使用状況に関する情報と、複数の制御基準値の情報と
は、プロセスカートリッジBが備えたメモリ61及び/
又は装置本体100が備えたCPU50の記憶部に、ど
のような組み合わせ態様においても記憶させることがで
きる。
【0072】以上、本発明によれば、画像形成装置は、
画像形成に伴う帯電ローラ20の汚れや、感光体ドラム
1の消耗による放電電流の変動(増減)を抑え、長期に
わたり安定した画像を形成することができる。特に、帯
電ローラ20及び感光体ドラム1の使用初期における放
電電流の増加を抑え、且つ、感光体ドラム1の寿命近傍
における放電電流の減少を抑えることができ、長期にわ
たり安定した画像を形成することができる。
【0073】実施例2 次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例
の画像形成装置は、実施例1のプリンタAと基本的には
同様の構成とされ、帯電手段に印加する電圧の制御方法
が異なる。従って、同一構成、機能を有する要素には同
一符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0074】本実施例では、画像形成装置100の電源
オン直後の放電電流(Is)の上昇を、瞬時電流(I
t)を切り替えることにより低減させる構成とする。
【0075】つまり、プロセスカートリッジBが初期状
態である場合、或いは画像形成装置本体100が長時間
電源オフとされ続け、装置本体100に装着されている
プロセスカートリッジBが室温状態にあり、その後電源
がオンとされた場合、ある一定枚数の画像形成を行うま
で放電電流(Is)が高い状態が続く。
【0076】尚、プロセスカートリッジBが初期状態で
あるとは、本実施例においては、装置本体100の外で
室温状態で放置されていた新品のプロセスカートリッジ
Bを装置本体100に装着した直後に加えて、使用途中
で装置本体100外で室温状態で放置されたプロセスカ
ートリッジを装置本体100に装着した直後をも含む。
【0077】図10は、従来の制御方法で帯電ローラ2
0に印加する電圧を制御した場合に発生する、電源オン
直後から所定枚数経過するまでの放電電流(Is)の変
化を示す。図10中、t1は、画像形成装置本体100
の電源が約12時間オフの状態にあり、その後電源をオ
ンとした状態であり、この時、放電電流(Is)は狙い
の放電電流より高い値を示している。その後、約500
枚の画像形成動作が終了すると(t2)、本来の狙いの
放電電流に近い値で推移する。
【0078】これは、プロセスカートリッジBの初期状
態又は装置本体100の電源オン直後の温度(通常、室
温)から、繰り返し画像形成を行なうことで、帯電ロー
ラ20及び感光体ドラム1の温度上昇が発生するためで
ある。つまり、図11をも参照すると理解されるよう
に、プロセスカートリッジBの初期状態又は電源オン直
後の室温状態では、帯電ローラ20と感光体ドラム1の
間の抵抗が大きいため、抵抗負荷電流(Izr)が小さ
くなり、放電電流(Is)が大きな値となる(図11
(a))。その後、帯電ローラ20及び感光体ドラム1
の温度上昇により、帯電ローラ20と感光体ドラム1の
間の抵抗が減少するため、抵抗負荷電流(Izr)が大
きくなり、放電電流(Is)が減少し(図11
(b))、所定枚数の画像形成を行うと、放電電流(I
s)は所望の値となる。
【0079】このように、プロセスカートリッジBの初
期状態又は電源オンの直後に放電電流(Is)が増加す
ると、感光体ドラム1の表面の削れを促進し、感光体ド
ラム1の寿命にとって好ましくない。
【0080】そこで、本実施例においては、装置本体1
00の電源がオンとされた後、所定時間は異なった瞬時
電流(It)の設定値(制御基準値)により帯電手段に
印加する交流電圧を制御する構成とする。このように、
瞬時電流(It)の設定値を切り替えることにより、上
述のような、装置本体100の電源オン直後の放電電流
(Is)の増加を防ぐ。即ち、本実施例によれば、先
ず、実施例1と同様に、プロセスカートリッジBの使用
状況として積算画像形成枚数(t)を指標として、それ
に応じた瞬時電流(It)の設定値を切り替える構成と
され、更に、装置本体100の電源オン直後からの所定
時間として、装置本体100の電源オンからの積算画像
形成枚数(t’)を指標として、それに応じて瞬時電流
(It)の設定値を切り替える構成とされる。
【0081】本実施例における帯電ローラ20に印加す
る電圧の制御系は、図6に示したものと概略同様とされ
るが、本実施例では更に、装置本体100の電源オン直
後からの積算画像形成枚数(t’)を画像形成装置本体
100のCPU50の記憶部(第2記憶手段)に記憶さ
せる。電源オンからの積算画像形成枚数(t’)は、装
置本体100の電源のオン/オフでリセット可能とされ
ている。電源オンからの積算画像形成枚数(t’)得る
ためのカウンタ手段は、積算画像形成枚数(t)の検出
に用いるカウンタ手段61を兼用しても良いし、個別に
設けても良い。
【0082】本実施例では、積算画像形成枚数(t)及
び電源オンからの積算画像形成枚数(t’)に応じて切
り替える瞬時電流(It)の設定値、及びその切り替え
タイミングは下表2に従う。
【0083】
【表2】
【0084】本実施例では、表2に示す複数の制御基準
値の情報(切り替え条件)、即ち、切り替えタイミング
及び瞬時電流(It)の設定値は、画像形成装置本体1
00のCPU50が内蔵する記憶部(第2記憶手段)に
予め記憶される。
【0085】尚、この設定値は、実施例1と同様に、プ
ロセスカートリッジBに搭載されている記憶手段として
の不揮発性メモリ61に記憶することもでき、これによ
り、上述したように、各プロセスカートリッジBに応じ
た制御を行うことができ好都合である。
【0086】次に、図12のフローチャートを参照し
て、本実施例における瞬時電流(It)の設定値の切り
替え手順について説明する。
【0087】先ず、画像形成装置本体100の電源がオ
ンとされ(S201:ステップ201)、ユーザーによ
る画像形成指示が発生すると(画像形成信号オン)(S
202)、CPU50は、プロセスカートリッジBに搭
載されている記憶手段としての不揮発性メモリ61に記
憶されている積算画像形成枚数(t)を読み取る(S2
03)。
【0088】そこで、CPU50は、積算画像形成枚数
(t)と瞬時電流(It)の切り替え条件とを比較して
(S204)、積算画像形成枚数(t)が0枚以上、1
0000枚未満である場合、次にCPU50の記憶部か
ら、電源オンからの積算画像形成枚数(t’)を読み取
る(S205)。電源オンからの積算画像形成枚数
(t’)が0枚以上、500枚未満である場合(S20
6)、CPU50の記憶部に記憶された瞬時電流(I
t)の設定値であるIt0’(280μA)を読み出し
(S207)、高圧電源40の交流バイアスの制御基準
値として設定し(S208)、画像形成を開始する(S
217)。一方、電源オンからの積算画像形成枚数
(t’)が500枚以上である場合(S206)、CP
U50の記憶部に記憶された瞬時電流(It)の設定値
であるIt0(300μA)を読み出し(S209)、
高圧電源40の交流バイアスの制御基準値として設定し
(S210)、画像形成を開始する(S217)。
【0089】又、S104にて、積算画像形成枚数
(t)が10000枚以上であると判断された場合、次
にCPU50の記憶部から、電源オンからの積算画像形
成枚数(t’)を読み取る(S211)。電源オンから
の積算画像形成枚数(t’)が0枚以上、500枚未満
である場合(S212)、CPU50の記憶部に記憶さ
れた瞬時電流(It)の設定値であるIt1’(380
μA)を読み出し(S213)、高圧電源40の交流バ
イアスの制御基準値として設定し(S214)、画像形
成を開始する(S217)。一方、電源オンからの積算
画像形成枚数(t’)が500枚以上である場合(S2
12)、CPU50の記憶部に記憶された瞬時電流(I
t)の設定値であるIt1(400μA)を読み出し
(S215)、高圧電源40の交流バイアスの制御基準
値として設定し(S216)、画像形成を開始する(S
217)。
【0090】尚、上述の説明では、プロセスカートリッ
ジBの使用状況として、装置本体100の電源オン直後
からの積算画像形成枚数を検出して、その結果に応じて
瞬時電流(It)の設定値を切り替えるとして説明した
が、上述のように、プロセスカートリッジBが初期状態
にある場合にも放電電流の増加が見られる。従って、装
置本体100の電源がオンとされた状態で、室温に放置
されたプロセスカートリッジBが装着されたような場合
には、プロセスカートリッジBが装着されてからの所定
時間として、例えば装着されてからの積算画像形成枚数
(t’’)に応じて瞬時電流(It)を切り替える構成
とすることができる。
【0091】この場合、予め、プロセスカートリッジB
の装着からの積算画像形成枚数(t’’)に応じて切り
替える瞬時電流(It)の設定値を設けておき、上述の
装置本体の電源のオン/オフでリセットされる電源オン
からの積算画像形成枚数(t’)の代わりに、プロセス
カートリッジが装着されてからの積算画像形成枚数
(t’’)を装置本体100に設けられるCPU50の
記憶部に記憶して用いればよい。特に、新品のプロセス
カートリッジBが装着されたことを検出して、新品のプ
ロセスカートリッジBが装着されてからの所定時間(例
えば、積算画像形成枚数)に応じて瞬時電流(It)の
設定値を切り替えることもできる。新品のプロセスカー
トリッジBを検出する手段としては、突起などの物理的
手段、プロセスカートリッジBが備えたメモリ61に所
定の情報を付帯させてそれを認識するなどの手段を用い
ればよい。
【0092】以上のような構成とすることによって、本
実施例のプリンタAは、実施例1と同様の効果を得るこ
とができ、更に、電源オン直後から所定時間、即ち、本
実施例では所定枚数の画像形成を行うまでの間に、或い
はプロセスカートリッジBが初期状態であるときに発生
する、放電電流の増減を抑制することができるので、感
光体ドラム1の寿命に対して更に延命効果があり、長期
にわたり安定した画像品質が得られる。
【0093】実施例3 次に、本発明の更に他の実施例について説明する。本実
施例の画像形成装置は、実施例1のプリンタAと基本的
には同様の構成とされ、帯電手段に印加する電圧の制御
方法が異なる。従って、同一構成、機能を有する要素に
は同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0094】本実施例では、プロセスカートリッジBの
雰囲気温度に応じて瞬時電流(It)を可変制御する構
成とする。
【0095】つまり、上述の実施例2では、装置本体1
00の電源をオンとした状態からの所定時間として、電
源オンからの積算画像形成枚数(t’)に応じて瞬時電
流(It)の設定値を切り替える制御を行なったが、実
施例2の検討を踏まえて更に検討した結果、放電電流
(Is)の増減は、プロセスカートリッジBの雰囲気温
度に大きく影響されていることが分かった。
【0096】そこで、本実施例では、図13に示すよう
に、プロセスカートリッジBの雰囲気温度を検知すべ
く、プロセスカートリッジBの近傍に温度検出手段であ
る温度センサー63を取り付ける。本実施例では、温度
センサー63は、プロセスカートリッジBの近傍の画像
形成装置本体100内に設ける。そして、温度センサー
63の出力は、CPU50に入力され、後述する制御に
利用される。
【0097】尚、温度センサー63をプロセスカートリ
ッジBに設け、プロセスカートリッジBが装置本体10
0に装着された状態で、装置本体100のCPU50と
通信可能とすることも可能である。
【0098】このように、画像形成装置本体100に温
度センサ63を設ける場合、温度センサー63の出力に
合わせた瞬時電流(It)を設定することで、電源オン直
後から所定時間経過するまでの放電電流(Is)の増減
を低減することが可能となる。
【0099】本発明者らの検討により得られた温度セン
サー63の出力(Vt)と放電電流(Is)との関係は
図14に示す通りである。つまり、放電電流(Is)は
プロセスカートリッジBの雰囲気温度、即ち、温度セン
サー63の出力(Vt)に対して直線的に変化する。
【0100】従って、本実施例では、図14のグラフに
示す直線の傾き(Is/Vt=X)を、温度センサー6
3の出力と瞬時電流(It)(制御基準値)との相関関
係、即ち、プロセスカートリッジBの雰囲気温度と制御
基準値との相関関係を示す情報として、予め画像形成装
置本体100のCPU50の記憶部(第2記憶手段)に
記憶させておき、画像形成動作と共に瞬時電流(It)
の設定値をプロセスカートリッジBの雰囲気温度に関し
てリニアに変化させる。
【0101】本実施例では、実施例1と同様にプロセス
カートリッジBの使用状況として、積算画像形成枚数
(t)に応じて瞬時電流(It)の設定値を切り替え、
更に、切り替えた瞬時電流(It)の設定値と、上述の
傾きXと、温度センサー63の出力(Vt)とから、プ
ロセスカートリッジBの雰囲気温度に応じて瞬時電流
(It)の設定値を補正して、温度センサー63の出力
値(Vt)の値に応じて設定値を求める。
【0102】更に説明すると、図15に示すように、高
圧電源40は、プリンタ制御部(図示せず)からのクロ
ックパルスを高圧トランスドライブ回路41で受け取
り、正弦波を作成する。次いで、高圧トランス42によ
り交流成分を昇圧し、この交流高圧と、直流高圧発生回
路43から発生される直流高圧とを共に帯電ローラ20
に印加する。このとき、電流検出手段44により検出さ
れた電流と、位相検出回路45により検出された位相情
報とを比較回路46に入力して、交流電圧の正のピーク
電圧時又は負のピーク電圧時の瞬時電流(It)を検出
する。
【0103】ここで、先ず、実施例1と同様に、積算画
像形成枚数(t)に応じた瞬時電流(It)の設定値と
して、装置本体100が備えたCPU50の記憶部に記
憶されている設定値(It)を読み込む。本実施例で
は、積算画像形成枚数(t)に応じた瞬時電流(It)
の設定値の切り替えは、実施例1における表1に従って
行う。
【0104】そして、CPU50は、読み取った設定値
(It)と、CPU50に記憶されている傾きX情報か
ら制御直線を作成し、温度センサー63の出力値(V
t)の値に応じた設定値を求め、高圧電源40の交流バ
イアスの制御基準値として設定する。そして、CPU5
0は、比較回路46で検出された瞬時電流(It)の値
を、求めた設定値で一定となるように高圧電源40を制
御するよう指示する。
【0105】尚、本実施例では、瞬時電流(It)の設
定値の切り替え条件は、装置本体100に設けられたC
PU50の記憶部に記憶するとしたが、実施例1と同様
に、プロセスカートリッジBに搭載されている記憶手段
としての不揮発性メモリ61に記憶することもでき、こ
れにより、上述したように、各プロセスカートリッジB
に応じた制御を行うことができ好都合である。又、同様
に、傾き情報X(=Is/Vt)もプロセスカートリッ
ジBのメモリ61に記憶することができる。これによっ
て、各プロセスカートリッジBの温度特性に応じた制
御、若干の設計変更に対応した制御を行うことができ好
都合である。
【0106】又、本実施例では、放電電流(Is)とプ
ロセスカートリッジBの雰囲気温度はリニアな関係にあ
るとして説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、リニアな関係にない場合には、上述の傾き情報
(X)の代わりに、その相関関係を表す情報を、例えば
演算式などとして予め求めておけばよい。
【0107】次に、図16のフローチャートを参照し
て、本実施例における瞬時電流(It)の切り替え手順
について説明する。
【0108】先ず、画像形成装置本体100の電源がオ
ンとされ(S301:ステップ301)、ユーザーによ
る画像形成指示が発生すると(画像形成信号オン)(S
302)、CPU50は、プロセスカートリッジBに搭
載されている記憶手段としての不揮発性メモリ61に記
憶されている積算画像形成枚数(t)を読み取る(S3
03)。
【0109】そこで、CPU50は、積算画像形成枚数
(t)と瞬時電流(It)の切り替え条件とを比較して
(S304)、積算画像形成枚数(t)が0枚以上、1
0000枚未満である場合、CPU50の記憶部に記憶
された瞬時電流(It)の設定値であるIt0(300
μA)を読み出す(S305)。次いで、CPU50
は、読み出した設定値(It0)と、CPU50の記憶
部に記憶されている傾き情報X(図14)から、制御直
線を作製する(S306)。その後、CPU50は、温
度センサー63の出力(Vt)を入力して(S30
7)、S306にて求めた制御直線を用いて、その出力
(Vt)の値に応じた設定値(It0’’)を求め(S
308)、高圧電源40の交流バイアスの制御基準値と
して設定して(S309)、画像形成を開始する(S3
15)。
【0110】一方、S304にて、積算画像形成枚数
(t)が10000枚以上であると判断された場合、次
にCPU50の記憶部に記憶された瞬時電流(It)の
設定値であるIt1(400μA)を読み出す(S31
0)。次いで、CPU50は、読み出した設定値(It
1)と、CPU50の記憶部に記憶されている傾き情報
X(図14)から、制御直線を作製する(S311)。
その後、CPU50は、温度センサー63の出力(V
t)を入力して(S312)、S311にて求めた制御
直線を用いて、その出力(Vt)の値に応じた設定値
(It1’’)を求め(S313)、高圧電源40の交
流バイアスの制御基準値として設定して(S314)、
画像形成を開始する(S315)。
【0111】以上のような構成とすることによって、本
実施例のプリンタAは、実施例1と同様の効果を得るこ
とができ、更に、プロセスカートリッジBの初期状態や
電源オン直後から所定時間経過するまでの放電電流の増
加を抑制することができる。本実施例によれば、プロセ
スカートリッジBが初期状態であるのか、或いは装置本
体100の電源オン直後であるかに拘わらず、プロセス
カートリッジBの雰囲気温度に応じて瞬時電流(It)
の設定値を切り替えることが可能であるので、より正確
に各状況に応じて帯電ローラ20に印加する電圧を制御
することができる。従って、本実施例によれば、感光体
ドラム1の寿命に対して更に延命効果があり、長期にわ
たり安定した画像品質が得られる。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電子写真
画像形成装置及びプロセスカートリッジは、少なくとも
電子写真感光体と、電子写真感光体を帯電処理する帯電
手段と、を有するプロセスカートリッジを着脱可能であ
り、プロセスカートリッジが装着された状態で、帯電手
段に交流電圧を印加する高圧電源と、帯電手段に印加さ
れる交流電圧に同期した固定位相で高圧電源から出力さ
れる電流を検出する電流検出手段と、を有し、該電流検
出手段による検出電流が所定の制御基準値となるように
高圧電源が帯電手段に印加する交流電圧を制御する電子
写真画像形成装置において、プロセスカートリッジ及び
/又は装置本体が備えた記憶手段にそれぞれ格納された
(a)プロセスカートリッジの使用状況に関する情報
と、(b)プロセスカートリッジの使用状況に応じて予
め設定された、帯電手段に印加する交流電圧の複数の制
御基準値の情報と、に基づき、予め設定された複数の制
御基準値を、プロセスカートリッジの使用状況に応じて
切り替え制御する制御手段を備える構成とされるので、
(1)帯電手段の汚れや電子写真感光体の消耗による、
帯電手段と電子写真感光体の間における放電電流の増減
を抑え、長期にわたり安定した画像を形成することがで
き、(2)帯電手段の汚れや環境などによる、帯電手段
と電子写真感光体の間における放電電流量の変動を抑え
ることが可能であり、電子写真感光体の寿命を延ばし
て、長期にわたり安定した画像品質を得ることができ、
(3)特に、帯電手段及び電子写真感光体の使用初期に
おける、帯電手段と電子写真感光体の間における放電電
流の増加を抑え、且つ、電子写真感光体の寿命近傍にお
ける放電電流の減少を抑えることができ、(4)装置の
電源オンから所定時間経過するまでの、帯電手段と電子
写真感光体の間の放電電流の増減を抑制することがで
き、又、(5)(a)情報、(b)情報のうち一つ又は
両方が、プロセスカートリッジが備えた記憶手段に格納
されている構成とすることで、装置本体に装着された各
プロセスカートリッジに応じて、帯電手段と電子写真感
光体の間の放電電流の増減を抑制し、各プロセスカート
リッジの特性に応じて長期にわたり安定した画像を形成
することができる。といった効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプロセスカートリッジを着脱可能
な電子写真画像形成装置の一実施例を示す概略断面図で
ある。
【図2】図1の電子写真画像形成装置における、プロセ
スカートリッジ近傍の概略拡大断面図である。
【図3】帯電ローラの構成の一例を示す概略断面図であ
る。
【図4】画像形成に伴う放電電流(Is)量の推移の一
例を説明するためのグラフ図である。
【図5】画像形成に伴う放電電流(Is)量の推移の一
例を説明するためのグラフ図である。
【図6】帯電ローラに印加する電圧の制御回路の一実施
例を説明するための概略構成図である。
【図7】本発明に従った瞬時電流(It)の設定値の切
り替え手順の一実施例を示すフローチャート図である。
【図8】本発明に従って制御した場合の、画像形成に伴
う放電電流(Is)量の推移の一例を説明するためのグ
ラフ図である。
【図9】本発明に従って制御した場合の、画像形成に伴
う帯電ローラと感光体ドラムの間の放電電流量の推移の
他の例を説明するためのグラフ図である。
【図10】プロセスカートリッジの初期状態又は装置の
電源オン直後の、放電電流(Is)の変動を説明するた
めのグラフ図である。
【図11】プロセスカートリッジの初期状態又は装置の
電源オン直後の、放電電流(Is)の変動を説明するた
めのグラフ図である。
【図12】本発明に従った瞬時電流(It)の設定値の
切り替え手順の他の実施例を示すフローチャート図であ
る。
【図13】本発明に係るプロセスカートリッジを着脱可
能な電子写真画像形成装置の他の実施例を示す概略断面
図である。
【図14】雰囲気温度と放電電流(Is)量との関係の
一例を示すグラフ図である。
【図15】帯電ローラに印加する電圧の制御回路の他の
実施例を説明するための概略構成図である。
【図16】本発明に従った瞬時電流(It)の設定値の
切り替え手順の他の実施例を示すフローチャート図であ
る。
【図17】帯電ローラに印加する電圧と、そのとき流れ
る電流とを説明するためのグラフ図である。
【図18】帯電ローラに印加する交流バイアスの振幅
と、そのとき流れる電流との関係の一例を示すグラフ図
である。
【図19】従来の、帯電ローラに印加する電圧の制御回
路を説明するための概略構成図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(電子写真感光体) 2 転写ローラ(転写手段) 3 レーザー発光露光手段 8 定着器 10 現像装置 20 帯電ローラ(帯電手段) 30 クリーニング装置 40 高圧電源 50 CPU(制御手段) 61 メモリ(記憶手段) 62 カウンタ手段 63 温度センサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高見 洋 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中森 知宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 酒井 宏明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 川村 武志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H003 AA01 BB11 CC05 DD06 DD11 2H027 DA01 DA06 DA13 DA14 DA27 DA38 DA39 DA45 EA01 EC06 EE08 EJ08 HB17 2H071 BA03 BA04 BA13 BA20 BA33 BA34 DA06 DA08 DA13 DA15

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも電子写真感光体と、前記電子
    写真感光体を帯電処理する帯電手段と、を有するプロセ
    スカートリッジを着脱可能であり、前記プロセスカート
    リッジが装着された状態で、前記帯電手段に交流電圧を
    印加する高圧電源と、前記帯電手段に印加される交流電
    圧に同期した固定位相で前記高圧電源から出力される電
    流を検出する電流検出手段と、を有し、該電流検出手段
    による検出電流が所定の制御基準値となるように前記高
    圧電源が前記帯電手段に印加する交流電圧を制御する電
    子写真画像形成装置において、 前記プロセスカートリッジ及び/又は前記装置本体が備
    えた記憶手段にそれぞれ格納された(a)前記プロセス
    カートリッジの使用状況に関する情報と、(b)前記プ
    ロセスカートリッジの使用状況に応じて予め設定され
    た、前記帯電手段に印加する交流電圧の複数の制御基準
    値の情報と、に基づき、予め設定された前記複数の制御
    基準値を、前記プロセスカートリッジの使用状況に応じ
    て切り替え制御する制御手段を備えることを特徴とする
    電子写真画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記(a)情報、(b)情報のうち一つ
    又は両方が、前記プロセスカートリッジが備えた記憶手
    段に格納されていることを特徴とする請求項1の電子写
    真画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記電流検出手段は、前記帯電手段に印
    加される交流電圧のピーク時に前記高圧電源から出力さ
    れる電流を検出し、前記制御基準値は、前記帯電手段に
    印加される交流電圧のピーク時に前記高圧電源から出力
    される電流が所定値となるように前記帯電手段に印加す
    る交流電圧を制御するための基準値であることを特徴と
    する請求項1又は2の電子写真画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記プロセスカートリッジの使用状況に
    関する情報は、画像形成枚数の積算値であることを特徴
    とする請求項1、2又は3の電子写真画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記プロセスカートリッジの使用状況に
    関する情報は、前記帯電手段に交流電圧を印加した時間
    の積算値であることを特徴とする請求項1、2又は3の
    電子写真画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記プロセスカートリッジの使用状況に
    関する情報は、回転体とされる前記電子写真感光体の回
    転時間の積算値であることを特徴とする請求項1、2又
    は3の電子写真画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記装置本体の電源がオンにされた後、
    所定時間異なった制御基準値により前記高圧電源を制御
    することを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記
    載の電子写真画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記プロセスカートリッジが装着された
    後、所定時間異なった制御基準値により前記高圧電源を
    制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項
    に記載の電子写真画像形成装置。
  9. 【請求項9】 新品のプロセスカートリッジが装着され
    た後、所定時間異なった制御基準値により前記高圧電源
    を制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれかの
    項に記載の電子写真画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記所定時間は、画像形成枚数にて決
    定することを特徴とする請求項7、8又は9の電子写真
    画像形成装置。
  11. 【請求項11】 更に、プロセスカートリッジの近傍の
    装置本体又は前記プロセスカートリッジに温度検出手段
    を有し、前記温度検出手段の出力値に応じて、前記高圧
    電源の制御基準値を可変制御することを特徴とする請求
    項1〜6のいずれかの項に記載の電子写真画像形成装
    置。
  12. 【請求項12】 前記プロセスカートリッジ又は前記装
    置本体が備えた記憶手段は更に、前記高圧電源の制御基
    準値と前記温度検出手段の出力との相関関係を示す情報
    を記憶することを特徴とする請求項11の電子写真画像
    形成装置。
  13. 【請求項13】 前記帯電手段は、前記電子写真感光体
    に当接する帯電部材を有することを特徴とする請求項1
    〜12のいずれかの項に記載の電子写真画像形成装置。
  14. 【請求項14】 前記プロセスカートリッジは更に、前
    記電子写真感光体に現像剤を供給する現像手段、前記電
    子写真感光体をクリーニングするクリーニング手段のう
    ち少なくとも一つを有することを特徴とする請求項1〜
    13のいずれかの項に記載の電子写真画像形成装置。
  15. 【請求項15】 電子写真感光体と、前記電子写真感光
    体を帯電処理する帯電手段と、を有し、電子写真画像形
    成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおい
    て、(a)前記プロセスカートリッジの使用状況に関す
    る情報と、(b)前記電子写真画像形成装置本体が備え
    た高圧電源が前記帯電手段に印加する交流電圧を制御す
    るための、前記プロセスカートリッジの使用状況に応じ
    て予め設定された複数の制御基準値の情報のうち少なく
    とも一つを記憶する記憶手段を有することを特徴とする
    プロセスカートリッジ。
  16. 【請求項16】 前記制御基準値は、前記帯電手段に印
    加される交流電圧に同期した固定位相で前記高圧電源か
    ら出力される電流が所定値となるように前記帯電手段に
    印加される交流電圧を制御するための基準値であること
    を特徴とする請求項15のプロセスカートリッジ。
  17. 【請求項17】 前記制御基準値は、前記帯電手段に印
    加される交流電圧のピーク時に前記高圧電源から出力さ
    れる電流が所定値となるように前記帯電手段に印加され
    る交流電圧を制御するための基準値であることを特徴と
    する請求項16のプロセスカートリッジ。
  18. 【請求項18】 前記プロセスカートリッジの使用状況
    に関する情報は、画像形成枚数の積算値であることを特
    徴とする請求項15、16又は17のプロセスカートリ
    ッジ。
  19. 【請求項19】 前記プロセスカートリッジの使用状況
    に関する情報は、前記帯電手段に交流電圧が印加された
    時間の積算値であることを特徴とする請求項15、16
    又は17のプロセスカートリッジ。
  20. 【請求項20】 前記プロセスカートリッジの使用状況
    に関する情報は、回転体とされる前記電子写真感光体の
    回転時間の積算値であることを特徴とする請求項15、
    16又は17のプロセスカートリッジ。
  21. 【請求項21】 前記記憶手段は更に、前記制御基準値
    をプロセスカートリッジの雰囲気温度に応じて可変制御
    するための、前記制御基準値と前記雰囲気温度との相関
    関係を示す情報を記憶することを特徴とする請求項15
    〜20のいずれかの項に記載のプロセスカートリッジ。
  22. 【請求項22】 前記帯電手段は、前記電子写真感光体
    に当接する帯電部材を有することを特徴とする請求項1
    5〜21のいずれかの項に記載のプロセスカートリッ
    ジ。
  23. 【請求項23】 更に、前記電子写真感光体に現像剤を
    供給する現像手段、前記電子写真感光体をクリーニング
    するクリーニング手段のうち少なくとも一つを有するこ
    とを特徴とする請求項15〜22のいずれかの項に記載
    のプロセスカートリッジ。
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