JP2002048971A - 対物レンズ及び光学装置 - Google Patents
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Abstract
ズを提供する。 【解決手段】第1の光ディスクの再生時には第1の波長
が用いられ、第2の光ディスクの記録又は再生時には第
2の波長が用いられ、対物レンズの片面には、光軸4を
中心とする輪状の段差部22等を備える位相シフタが設
けられ、この位相シフタは第1の波長の光及び第2の波
長に対して位相差を生じさせる機能を有する。
Description
ディスク)及びDVD(デジタルビデオディスク)等の
光ディスクの記録又は再生に適し、回折限界性能を有す
る対物レンズ及び光学装置に関する。なお、CDとは記
録可能なCD−R(コンパクトディスクレコーダブル)
も含むものとする。
を有するDVDと1.2mmの厚さの透明基板を有する
CDとの両方を再生する対物レンズが提案されている
(特開平10−255305、特開平11−1619
0、特開平11−2759)。
対物レンズの片面には、光軸を中心とする輪帯状に凹部
又は凸部からなる位相シフタが設けられている。対物レ
ンズの基本的形状はDVDを良好に再生できるように最
適化されており、CDを再生するときには、位相シフタ
で位相を補正することにより収差をできるだけ小さく補
正している。その結果、DVD、CDともに、軸上の収
差、特に軸上球面収差については、良好に補正できてい
る。
では、CDの再生時の軸外コマ収差については、良好に
補正できず、軸外のコマ収差が大きいので、光源、対物
レンズ等が光軸から傾いたとき又は軸ずれが生じたとき
の光学性能の劣化が大きく、光学装置を組み立てる際、
対物レンズ等の位置決めに高精度を要求され、生産性が
悪い問題があった。
求されるのでレンズや光源を移動させるための機構(移
動機構)の摩耗等によって、対物レンズの光軸からの傾
き又は軸ずれが生じ、光学性能が経年変化的に劣化する
問題があった。また、軸外コマ収差が大きいので、実際
に光学装置を作動させる際、対物レンズのオートフォー
カス駆動による対物レンズの位置決め、特に軸ずれに対
し許容範囲が狭くなり、そのため、光学性能が劣化する
問題があった。
れたものであり、例えば、DVD、CD等の複数種の光
ディスクを記録又は再生するときに、軸上の収差、軸外
の収差の両者とも、良好に補正できる対物レンズ及び光
学装置の提供を目的とする。
スクの記録又は再生時に、第1の波長の光を第1の光デ
ィスクの情報記録面に集光させて第1の光ディスクの情
報記録面からの反射光を受光素子に受光させ、第2の光
ディスクの記録又は再生時に、第1の波長と異なる第2
の波長の光を第2の光ディスクの情報記録面に集光させ
て第2の光ディスクの情報記録面からの反射光を受光素
子に受光させる光学系に用いる、両面に非球面を有する
対物レンズにおいて、対物レンズの片面又は両面には、
光軸を中心とする輪状の段差部Wを備える位相シフタが
設けられ、この位相シフタは第1の波長の光及び第2の
波長の光に対して位相差を生じさせる機能を有すること
を特徴とする対物レンズを提供する。
に、第1の波長の光を対物レンズを介して第1の光ディ
スクの情報記録面に集光させて第1の光ディスクの情報
記録面からの反射光を受光素子に受光させ、第2の光デ
ィスクの記録又は再生時に、第1の波長と異なる第2の
波長の光を該対物レンズを介して第2の光ディスクの情
報記録面に集光させて第2の光ディスクの情報記録面か
らの反射光を受光素子に受光させる光学装置において、
上記対物レンズとして上記対物レンズを用いることを特
徴とする光学装置を提供する。
実施例の光軸4を通る断面図である。段差部が設けられ
ていない面が第1面(光源側の面)である。図2は光デ
ィスク側から見る場合の、図1の対物レンズの正面図で
ある。
のそれぞれの記録又は再生時に、それぞれの光ディスク
に対して異なる波長の光源からの光をそれぞれの光ディ
スクの情報記録面に集光させ、それぞれの情報記録面か
らの反射光を受光素子に受光させる光学系に用いる。集
光精度を向上させるため、本発明の対物レンズは両面に
非球面を有する。第1の光ディスクの記録又は再生時に
は第1の波長が用いられ、第2の光ディスクの記録又は
再生時には第2の波長が用いられる。
面に非球面を有するが、これだけでは、収差を充分に補
正できないため、対物レンズの片面又は両面には、光軸
を中心とする輪状の段差部を備える位相シフタが設けら
れる。
する輪状の段差部21、22、23、24、25、2
6、27、28、29、210が対物レンズの第2面
(光ディスク側の面)に設けられている。第2面に設け
られている段差部のうち段差部22、23、24、2
5、26、27、28、29、210が第1の波長及び
第2の波長に対して位相シフトする機能を有しており、
段差部Wである。すなわち、第1の波長に対して位相シ
フトする機能を有し、かつ、第2の波長に対して位相シ
フトする機能を有する段差部を段差部Wと称する。
のみ位相シフトする機能を有する段差部Xを対物レンズ
の片面又は両面に設けてもよいし、第2の波長に対して
のみ位相シフトする機能を有する段差部Yを対物レンズ
の片面又は両面に設けてもよい。
けられる複数の段差部のすべてが段差部Wである必要は
なく、対物レンズの片面又は両面に設けられる複数の段
差部の一部の段差部が段差部Wであれば使用できる。す
なわち、複数の段差部のうち少なくとも1つが段差部X
であってもよく、複数の段差部のうち少なくとも1つが
段差部Yであってもよい。なお、段差部の数は図1に限
定されず、任意に変更できる。
光ディスクの記録又は再生時の収差、特に軸上の球面収
差が向上する。第2の波長の光の位相シフトにより第2
の光ディスクの記録又は再生時の収差、特に軸上の球面
収差が向上する。
軸を中心とする輪状の段差部を備える位相シフタが設け
られており、対物レンズの加工のしやすさの点からすれ
ば、対物レンズの片面に段差部を備える位相シフタを設
けることが好ましい。しかし、これに限定されず、対物
レンズの両面に段差部を備える位相シフタが設けられて
いてもよい。
φ25、φ26、φ27、φ28、φ29、φ 210は、それぞれ段
差部21、22、23、24、25、26、27、2
8、29、210の内側の径(直径)、φ211は第2面
の有効径(直径)、φ11は第1面の有効径(直径)であ
る。
レンズの面に設けられる凸部又は凹部によるものであっ
てもよい。段差部は光軸を通る断面図における角度が直
角であるものに限定されず、なだらかな傾斜のものでも
よい。以下の説明において、特に記載のない場合、距
離、間隔、長さ、厚さ等寸法の単位はmmとする。
に対して位相シフトする機能を有するようにするには、
第1の波長の光を位相シフトさせるために、第1の波長
λ1の光について生ずる位相差が距離に換算した場合に
(i−0.1)λ2〜(i+0.1)λ2になるように、
位相シフタの段差部の寸法及び形状が決定されているこ
とが好ましく、かつ、第2の波長の光を位相シフトさせ
るために、第2の波長λ2の光について生ずる位相差が
距離に換算した場合に(j−0.1)λ1〜(j+0.
1)λ1になるように、位相シフタの段差部の寸法及び
形状が決定されていることが好ましい。ただし、jは自
然数、iは自然数である。また、360度の自然数倍の
位相差は位相差でないものとみなす。なお、位相差を波
長の倍数で表す場合には、位相を距離に換算してあるも
のとする。
の段差部が有する落差γと、λ1、λ2と、第1の波長に
おける対物レンズ3の素材の屈折率n1、第2の波長に
おける対物レンズ3の素材の屈折率n2とが以下の式1
を満たすことが好ましく、以下の式2を満たすことがよ
り好ましい。
間、又は有効径付近に輪帯状の非球面が設けられている
場合に、これらの非球面を輪帯状非球面と称すると、落
差とは、輪帯状非球面を後述する式4に従って光軸4に
向かって延長し、その延長線と光軸4との交点と、輪帯
状非球面が設けられている対物レンズの面の頂点との間
隔をいい、例えば、図3におけるγ21(段差部21の落
差)、γ22(段差部22の落差)が該当する。この間隔
は光軸4に沿っている。
の対物レンズの開口数NA1と、第2の光ディスクを記
録又は再生する場合の対物レンズの開口数NA2との間
にNA1>NA2 が成り立つとき、段差部のうちの内側
の径(直径)が最小のもの(図1における21)の落差
(例えば、図3におけるγ21)は、以下の式3を満たす
ことが好ましい。
相差を生じさせる(第2の波長の光の位相シフト)機能
を有する段差部であって、段差部Yである。第2の波長
に対して、範囲の小さいNA2の範囲内で収差補正をし
なければならず、この段差部の落差が式3を満たさない
場合には、第2の光ディスクの記録又は再生が良好にで
きないおそれがある。
の本数NXと、段差部Yの輪の本数N Yとの間に、NW+
NX+NYが8〜13本となる関係があることが好まし
い。ただし、NWは自然数、NXは0(ゼロ)又は自然
数、NYは0(ゼロ)又は自然数である。
正することができないおそれがある。さらに、対物レン
ズの第1面及び第2面の有効径が、通常、5.0mm以
下であることを鑑みると、それぞれ13本超であると製
造することが困難となるおそれがある。より好ましく
は、NW+NX+NYが9〜13本である。
構成図である。図4において、1は第1の光源、2は反
射機能を有する光学媒体、3は対物レンズ、5は補助レ
ンズ、6は第1の光ディスク、6aは第1の光ディスク
6の透明基板(以下、第1の透明基板という)、6bは
第1の光ディスク6の情報記録面(以下、第1の情報記
録面という)、7は第2の光ディスク、7aは第2の光
ディスク7の透明基板(以下、第2の透明基板とい
う)、7bは第2の光ディスク7の情報記録面(以下、
第2の情報記録面という)、9は絞り、10は受光素
子、S1は光源1から補助レンズ5の光源側の面(第1
面)までの光軸上の距離、S2は補助レンズ5の光ディ
スク側の面(第2面)から対物レンズ3の第1面までの
光軸上の距離である。
いて第1の光ディスクの記録又は再生する場合の対物レ
ンズ3の開口数NA1と、第2の波長を用いて第2の光
ディスクの記録又は再生する場合の対物レンズ3の開口
数NA2とが、NA1> NA2を満たす。また、図5は、
図4とは別の実施例を示す構成図である。図5に示す光
学装置では、光源1から光を対物レンズ3のみにより光
ディスクの情報記録面に集光している。
光は、順に光学媒体2、補助レンズ5、対物レンズ3を
介して第1の情報記録面6bに導かれ収束する。図5で
は補助レンズ5が設けられていないので、第1の波長の
光は、順に光学媒体2、対物レンズ3を介して第1の情
報記録面6bに導かれ収束する。
光は、順に光学媒体2、補助レンズ5、対物レンズ3を
介して第2の情報記録面7bに導かれ収束する。図5で
は補助レンズ5が設けられていないので、第1の波長の
光は、順に光学媒体2、対物レンズ3を介して第2の情
報記録面7bに導かれ収束する。
第1の波長の光と、第2の情報記録面7bによって反射
される第2の波長の光とは、ともに来た光路を戻り光学
媒体2により反射されて受光素子10に受光される。
系の光学系を構成している。図4の対物レンズ3は補助
レンズがコリメータレンズである場合には無限系のレン
ズであり、図5の対物レンズ3は有限系のレンズであ
る。光ディスクからみて有限の距離範囲に位置する光源
の光を光ディスクの情報記録面に収束させるためであ
る。対物レンズ3は有限系レンズが使用できる場合であ
っても、有限系対物レンズは無限系として設計され有限
系としても使用できる対物レンズを含むものとする。
記録面7bにはデジタル信号を表すマークが記録されて
いる。このマークにより表される1ピットの寸法が数μ
m以下の場合には精確な記録又は再生を行うために、本
発明の光学装置の光学系は回折限界性能を有する。
れ、第1の光ディスク6がDVD、第2の光ディスク7
がCDと仮定すれば、レーザ光源としては例えばCD用
に波長785nmのレーザ光源、DVD用に波長655
nmのレーザ光源等が挙げられる。なお、光源の波長に
ついては、上述した655nm、785nmに限定され
ない。
6aの厚さt1に対して、第1の波長の光が第1の情報
記録面6bに良好に収束するように補助レンズ5と対物
レンズ3との組合せが最適化されており、かつ、第2の
透明基板7aの厚さt2に対して、第2の波長の光が第
2の情報記録面7bに良好に収束するように補助レンズ
5と対物レンズ3との組合せが最適化されている。
対物レンズ3との組合せは、第1の波長、物像間距離及
び第1の透明基板6aの厚さt1に対して適正に収差が
補正されており、第1の波長の光を使用して第1の光デ
ィスク6の記録又は再生を行う光学系の収差特性は軸
外、軸上ともに最適化されている。
レンズ3との組合せは、第2の波長、物像間距離及び第
2の透明基板7aの厚さt2に対して適正に収差が補正
されており、第2の波長の光を使用して第2の光ディス
ク7の記録又は再生を行う光学系の収差特性は軸外、軸
上ともに最適化されている。補助レンズ5は、対物レン
ズ3と組合せて用いたときに収差が最適になるよう設定
されている。
6aの厚さt1に対して、第1の波長の光が第1の情報
記録面6bに良好に収束するように対物レンズ3が最適
化されており、かつ、第2の透明基板7aの厚さt2に
対して、第2の波長の光が第2の情報記録面7bに良好
に収束するように対物レンズ3が最適化されている。
は、第1の波長、物像間距離及び第1の透明基板6aの
厚さt1に対して適正に収差が補正されており、第1の
波長の光を使用して第1の光ディスク6の記録又は再生
を行う光学系の収差特性は軸外、軸上ともに最適化され
ている。
2の波長、物像間距離及び第2の透明基板7aの厚さt
2に対して適正に収差が補正されており、第2の波長の
光を使用して第2の光ディスク7の記録又は再生を行う
光学系の収差特性は軸外、軸上ともに最適化されてい
る。
の光ディスク6と第2の光ディスク7との記録又は再生
を良好にする。なお、上記収差特性には透明基板の厚さ
のみならず、透明基板の屈折率もわずかながら影響す
る。
な対物レンズを用いる場合には、補助レンズ5と、対物
レンズ3の一方の片面の頂点を含む面の非球面と、対物
レンズ3の他方の片面の頂点を含む面の非球面との組合
せが、第1の光ディスク6の情報記録面のデータを記録
又は再生する場合に軸上球面収差がRMS値で0.08
λ1〜0.25λ1となるように設定されており、かつ、
第2の光ディスク7の情報記録面のデータを記録又は再
生する場合に軸上球面収差がRMS値で0.08λ2〜
0.25λ2となるように設定されていることが好まし
い。
上、かつ、0.08λ2以上であると、軸外コマ収差が
補正できないおそれがなく、0.25λ1以下、かつ、
0.25λ2以下であると、段差部の数が少なくとも収
差補正ができ段差部の数が増加しすぎることがなく、対
物レンズ3の製作が容易となる。
な対物レンズを用いる場合には、対物レンズ3の片面に
設けられている各輪帯状非球面(例えば図1における輪
帯状非球面21a、22a、23a、24a、25a、
26a、27a、28a、29a、210a、211
a)から選ばれる少なくとも1つと、対物レンズ3の各
輪帯状非球面が設けられている反対側の頂点を含む面の
非球面と、補助レンズ5との組合せで構成する光学系
が、第1の波長の光によって第1の光ディスク6の情報
記録面6bのデータを記録又は再生する場合に、像高
0.05mmにおける軸外コマ収差がRMS値で0.0
3λ1以下となるように設定されており、かつ、第2の
波長の光によって第2の光ディスク7の情報記録面7b
のデータを記録又は再生する場合に、像高0.05mm
における軸外コマ収差がRMS値で0.03λ2 以下と
なるように設定されていることが好ましい。
0.03λ以下の場合には0.03λ超の場合と比較し
て、光源、補助レンズ、対物レンズ又は光ディスクの、
光軸からの傾き又は軸ずれに対する許容範囲が0.1%
以上拡大する。像高0.05mmにおける軸外コマ収差
のより好ましい範囲は0.01λ以下であり、この場合
には0.01λ超の場合と比較してこの許容範囲が0.
5%以上拡大する。
な対物レンズを用いる場合には、対物レンズ3の一方の
片面の頂点を含む面の非球面と、対物レンズ3の他方の
片面の頂点を含む面の非球面との組合せが、第1の光デ
ィスク6の情報記録面のデータを記録又は再生する場合
に軸上球面収差がRMS値で0.08λ1〜0.25λ1
となるように設定されており、かつ、第2の光ディスク
7の情報記録面のデータを記録又は再生する場合に軸上
球面収差がRMS値で0.08λ2〜0.25λ2となる
ように設定されていることが好ましい。
上、かつ、0.08λ2以上であると、軸外コマ収差が
補正できないおそれがなく、0.25λ1以下、かつ、
0.25λ2以下であると、段差部の数が少なくとも収
差補正ができ段差部の数が増加しすぎることがなく、対
物レンズ3の製作が容易となる。
な対物レンズを用いる場合には、対物レンズ3の片面に
設けられている各輪帯状非球面(例えば図1における輪
帯状非球面21a、22a、23a、24a、25a、
26a、27a、28a、29a、210a、211
a)から選ばれる少なくとも1つと、対物レンズ3の各
輪帯状非球面が設けられている反対側の頂点を含む面の
非球面との組合せで構成する光学系が、第1の波長の光
によって第1の光ディスク6の情報記録面6bのデータ
を記録又は再生する場合に、像高0.05mmにおける
軸外コマ収差がRMS値で0.03λ1以下となるよう
に設定されており、かつ、第2の波長の光によって第2
の光ディスク7の情報記録面7bのデータを記録又は再
生する場合に、像高0.05mmにおける軸外コマ収差
がRMS値で0.03λ2 以下となるように設定されて
いることが好ましい。
0.03λ以下の場合には0.03λ超の場合と比較し
て、光源、対物レンズ又は光ディスクの、光軸からの傾
き又は軸ずれに対する許容範囲が0.1%以上拡大す
る。像高0.05mmにおける軸外コマ収差のより好ま
しい範囲は0.01λ以下であり、この場合には0.0
1λ超の場合と比較してこの許容範囲が0.5%以上拡
大する。
光と第1の透明基板6aとの組合せに対応する、補助レ
ンズ5と対物レンズ3との組合せの横倍率をβ1 、図5
に示す光学装置における第1の波長の光と第1の透明基
板6aとの組合せに対応する、対物レンズ3との組合せ
の横倍率もβ1と称し、図4に示す光学装置における第
2の波長の光と第2の透明基板7aとの組合せに対応す
る、補助レンズ5と対物レンズ3との組合せの横倍率を
β2 、図5に示す光学装置における第2の波長の光と第
2の透明基板7aとの組合せに対応する、対物レンズ3
との組合せの横倍率もβ2と称すると、下記(A)と下
記(B)との両方の条件を満足することが好ましい。 (A)0.05≦|β1 |≦0.3、 (B)0.05≦|β2 |≦0.3。
β2 |を満足しない場合には、物像間距離が長くなりす
ぎ、光学装置の小型化が困難となり好ましくない。ま
た、|β1 |≦0.3、かつ、|β2 |≦0.3を満足
しない場合には、収差補正が困難となり好ましくない。
1から補助レンズ5の光源1側の面までの光軸上の距離
であるS1について、8mm≦S1≦25mmであること
が好ましい。S1が8mm未満であると収差補正が困難
となるおそれがあり、S1が25mm超であると光学装
置の小型化が困難となるおそれがある。
ームスプリッタ、ハーフミラー、プリズム等が挙げられ
る。光学媒体2は必要に応じて設けられ、図4、5に示
す光学装置において、光学媒体2を設けずに、光源1か
らの光が直接対物レンズ3に照射されるようにしてもよ
い。また、光ディスクの情報記録面のデータを受光素子
に読み込む手段は図4、5に示す手段に限定されない。
を有する。絞り9を設ける理由は、記録又は再生の際、
第1の光ディスク6に使用される開口数と第2の光ディ
スク7に使用される開口数とが異なる場合、絞り9によ
り開口数を調整するためである。第1の光ディスク6に
使用される開口数と第2の光ディスク7に使用される開
口数とが同じである場合には絞り9は通常不要である。
絞り9には、機械的絞り、光学的絞りがあり、特に限定
されない。
口数NA1と、第2の光ディスクに用いる対物レンズの
開口数NA2との間に、NA1>NA2 が成り立つとき、
対物レンズの片面又は両面の光軸を中心とする輪帯状領
域には、第2の波長の光の透過を妨げて開口数NA2に
絞り込むための段差部を設け、絞り9の代わりとしても
よい。
よって構成しているが、これに限定されず、補助レンズ
5をそれぞれ複数個のレンズ群によって構成してもよ
い。以上2種類の光ディスクの記録又は再生について述
べたが、これに限定されず、3種類以上の異なる透明基
板の厚さの光ディスクを記録又は再生の対象としてもよ
い。また、本発明における光ディスクは、DVD、CD
に限定されず、他の種類の光ディスクであってもよい。
1から、第1の波長の光及び第2の波長の光を発光させ
ている。しかし、これに限定されず、第1の波長の光と
第2の波長の光の光源を別々に分けてもよい。
して合成樹脂を通常使用する。しかし、合成樹脂に限定
されず、ガラスを用いてもよい。また、本発明の光学装
置は、対物レンズのオートフォーカス駆動を備えてもよ
い。
0.60mm)を用い、第2の光ディスク7としてCD
(t2=1.20mm)を用いることとし、CD、DV
Dの記録又は再生を前提とした図4に示す光学装置を製
作した。
のレーザ光源、CDの再生又は記録には波長785nm
のレーザ光源を使用した。光学媒体2は厚さ3.00m
m、材料がBK7であるビームスプリッタを用いた。D
VDの透明基板は波長655nmで屈折率1.580を
有するものとして、CDの透明基板は波長785nmで
屈折率1.573を有するものとして、設計した。
輪帯状非球面を含め、下記式4によって決定した。式4
において、iは2,4,6,8,10であり、jは1,
2であり、hは光軸からの高さであり、zj は第j面非
球面の頂点の接平面からその非球面上の高さhの点まで
の距離であり、rj 、kj 、ai,j は第j面の各係数で
ある。
図6に示すような形状とした。CD用、DVD用ともに
軸上の球面収差を補正するようには設計せず、軸外コマ
収差が良好に補正されるように設計を行った。
数値を表1上段に示す。表1上段において、f1は波長
655nmにおける対物レンズ3の焦点距離、f2は波
長785nmにおける対物レンズ3の焦点距離、d1は
対物レンズ3の中心厚、n1は波長655nmにおける
対物レンズ3の屈折率、n2は波長785nmにおける
対物レンズ3の屈折率である。
の各係数を表1中段に示し、例1における対物レンズの
第2面の非球面の各係数を表1下段に示す。以下の表に
おいて、E−1は10-1を意味する。
レンズの有する非球面の形状は式4によって決定した。
補助レンズの非球面の各係数を表2上段に示す。表2上
段において、fC 1は波長655nmにおける焦点距離、
fC 2は波長785nmにおける焦点距離、dCは中心
厚、nC 1は波長655nmにおける屈折率、nC 2は波長
785nmにおける屈折率である。なお、例2〜4にお
いても表2上段に示す補助レンズを用いた。
ズとからなる光学系の仕様は表2下段のとおりである。
表2下段において、P1は波長655nmにおける、対
物レンズの第2面と第1の光ディスク6の対物レンズ側
の面との距離(作動距離)、P2は波長785nmにお
ける、対物レンズの第2面と第2の光ディスク7の対物
レンズ側の面との距離(作動距離)である。
おいて実線はすべての種類の収差を含む波面収差を示
す。また、破線は軸外波面収差のうちの軸外コマ収差の
みを示す。また図8にDVD用光学系の軸外波面収差特
性を示す。実線、破線の意味は図7と同様である。な
お、以下の収差特性図においても実線、破線の意味は図
7と同様とする。各例についての収差特性図及び後述す
る表の収差の値はすべて計算値である。
ンズと補助レンズとを作製し例1の光学装置を製作し
て、当光学装置でDVDとCDとを記録又は再生したと
ころ、両方とも忠実に記録再生できなかった。
9に示すレンズのような形状とし、基本的な仕様である
表1上段の仕様については例1と同様とした。DVD用
の軸上の球面収差を補正するために、対物レンズの第2
面に位相シフタを設けた。対物レンズの第1面の形状は
例1の対物レンズの第1面と同様とした。以下、対物レ
ンズの第2面の非球面について図9の符号を用いて説明
する。
面31aは例1の対物レンズの第2面の頂点を含む面の
非球面と同様とした。図9の対物レンズの第1面と非球
面31aとで、DVD及びCDの記録又は再生の際の軸
外コマ収差を良好に補正している。
32a、33a、34a、35aとで、DVD及びCD
の記録又は再生の際の軸外コマ収差を良好に補正してい
る。輪帯状非球面32aと輪帯状非球面34aとは落差
が同一で、非球面の各係数も同一である。
係数表3左上段に示し、輪帯状非球面33a、35aの
非球面の各係数表3右上段に示す。各落差については表
3中段に示す。また、φ31、φ32、φ33、φ34、φ35に
ついては表3下段に示す。表4上段に示された落差
γ31、落差γ32、落差γ33、落差γ34は、式1におい
て、それぞれ、jを0(ゼロ)として計算しているた
め、CD用の波長785nmのレーザ光については位相
シフトされず、DVD用の波長655nmのレーザ光に
ついてのみ位相シフトされる。したがって、DVDにつ
いては忠実に記録再生できるが、CDについては忠実に
記録再生できない。
図11にDVD用光学系の軸外波面収差特性を示す。プ
ラスチックを射出成形して、例2の形状の対物レンズ3
と補助レンズ5とを作製し、例2の光学装置を製作し
た。DVD、CDについてこの光学装置により記録又は
再生を行ったところ、DVDについては忠実に記録再生
できたが、CDについては忠実に記録再生できなかっ
た。
12に示すレンズのような形状とし、基本的な仕様であ
る表1上段の仕様については例1と同様とした。CD用
の軸上の球面収差を補正するために、図12に示すとお
り対物レンズの第2面に位相シフタを設けた。対物レン
ズの第1面は例1の対物レンズの第1面と同様とした。
以下、対物レンズの第2面の非球面について図12の符
号を用いて説明する。
面41aは例1の対物レンズの第2面の頂点を含む面の
非球面と同様とした。本例の対物レンズの第1面の非球
面と非球面41aとの組合せは、例1の対物レンズと同
様、CD用、DVD用ともに軸上の球面収差を補正する
ようには設計せず、CD用、DVD用ともに軸外コマ収
差が良好に補正されるように設定した。
a、46aの非球面形状は、それぞれ落差を考慮して第
1面の非球面との組合せが、CD用、DVD用ともに軸
外コマ収差が良好に補正されるように設定した。輪帯非
球面47aの非球面形状は、第1面の非球面との組合せ
が、CD用、DVD用ともに軸外コマ収差が良好に補正
されるように設定した。
り、段差42と段差44とは落差が同じである。非球面
41aと輪帯非球面47aとは非球面の各係数が同じで
ある(例1参照)。輪帯非球面42aと輪帯非球面46
aとは非球面の各係数を同じにした。輪帯非球面43a
と輪帯非球面45aとは非球面の各係数が同じである。
球面の各係数を表4左上段に示し、輪帯非球面43aと
輪帯非球面45aの非球面の各係数を表4右上段に示
し、輪帯非球面44aの非球面の各係数を表4左下段に
示す。さらに、各輪状の段差部の落差γについては表5
上段に示す。また、φ41、φ42、φ43、φ44、φ45、φ
46、φ47については表5下段に示す。
落差γ43、落差γ44、落差γ45、落差γ46は、式1にお
いて、それぞれiを0(ゼロ)として計算しているた
め、DVD用の波長655nmのレーザ光については位
相シフトされず、CD用の波長785nmのレーザ光に
ついてのみ位相シフトされる。したがって、CDについ
ては忠実に記録再生できるが、DVDについては忠実に
記録再生できない。
を示す。また図14にDVD用光学系の軸外波面収差特
性を示す。プラスチックを射出成形して、例3の形状の
対物レンズと補助レンズとを作製し、例3の光学装置を
製作した。DVD、CDについてこの光学装置により記
録又は再生を行ったところ、CDについては忠実に記録
再生できたが、DVDについては忠実に記録再生できな
かった。
1に示すレンズのような形状とし、基本的な仕様である
表1上段の仕様については例1と同様とした。対物レン
ズの第1面は例1における対物レンズの第1面と同様と
した。さらに、各輪状の段差部の落差γ及び輪帯非球面
210aの落差については表6上段に示し、各輪状の段
差部の径(直径)については表6左下段に示す。
関係を表6右下段に示す。すなわち、例4の段差の径
と、例2、3との段差の径とが同じものを示しており、
表6下段により例4の段差が、例2の段差と例3との段
差とを合成したものであることを示している。
4a、25a、26a、27a、28a、29a、21
0a、211aの非球面の形状について、表7に示す。
を示す。また図16にDVD用光学系の軸外波面収差特
性を示す。プラスチックを射出成形して、例4の形状の
対物レンズと補助レンズとを作製し、例4の光学装置を
製作した。CD、DVDについてこの光学装置により記
録又は再生を行ったところ、ともに忠実に記録再生でき
た。
面に第1の波長の光及び第2の波長の光に対して位相差
を生じさせる機能を有する位相シフタが設けられている
ため、第1の光ディスク、第2の光ディスクの記録又は
再生に際し、軸上の収差、軸外の収差ともに良好に補正
できる。
変化によって光源や対物レンズが光軸から傾き又は軸ず
れが生じた場合であっても、軸上の収差、軸外の収差と
もに良好であり、高精度化が容易であって、光学性能が
経年変化的に劣化する可能性が少ない。
ズの正面図。
面図。
図。
図。
図。
距離 S2:補助レンズ5の第2面から対物レンズ3までの光
軸上の距離 21、22、23、24、25、26、27、28、2
9、210:光軸を中心とする輪状の段差部 21a、22a、23a、24a、25a、26a、2
7a、28a、29a、210a、211a:輪帯状非
球面 φ21、φ22、φ23、φ24、φ25、φ26、φ27、φ28、φ
29、φ210:それぞれ段差部21、22、23、24、
25、26、27、28、29、210の内側の径(直
径) φ210:第2面の有効径(直径) φ11:第1面の有効径(直径)
Claims (10)
- 【請求項1】第1の光ディスクの記録又は再生時に、第
1の波長の光を第1の光ディスクの情報記録面に集光さ
せて第1の光ディスクの情報記録面からの反射光を受光
素子に受光させ、第2の光ディスクの記録又は再生時
に、第1の波長と異なる第2の波長の光を第2の光ディ
スクの情報記録面に集光させて第2の光ディスクの情報
記録面からの反射光を受光素子に受光させる光学系に用
いる、両面に非球面を有する対物レンズにおいて、 対物レンズの片面又は両面には、光軸を中心とする輪状
の段差部Wを備える位相シフタが設けられ、この位相シ
フタは第1の波長の光及び第2の波長の光に対して位相
差を生じさせる機能を有することを特徴とする対物レン
ズ。 - 【請求項2】対物レンズの片面又は両面には、第1の波
長の光のみに対して位相差を生じさせる機能を有する段
差部Xであって、かつ、光軸を中心とする輪状の段差部
Xが備えられている請求項1に記載の対物レンズ。 - 【請求項3】対物レンズの片面又は両面には、第2の波
長の光のみに対して位相差を生じさせる機能を有する段
差部Yであって、かつ、光軸を中心とする輪状の段差部
Yが備えられている請求項1又は2に記載の対物レン
ズ。 - 【請求項4】対物レンズの片面又は両面に、凸部又は凹
部が設けられることにより、段差部Wの一部又は全部が
構成されている請求項1〜3のいずれかに記載の対物レ
ンズ。 - 【請求項5】第1の波長λ1の光について生ずる位相差
が距離に換算した場合に(i−0.1)λ2〜(i+
0.1)λ2になるように、かつ、第2の波長λ2の光に
ついて生ずる位相差が距離に換算した場合に(j−0.
1)λ1〜(j+0.1)λ1になるように、位相シフタ
が備える上記段差部Wの寸法及び形状が決定されている
請求項1〜5のいずれかに記載の対物レンズ。ただし、
iは自然数、jは自然数である。 - 【請求項6】段差部Wの輪の本数NWと、段差部Xの輪
の本数NXと、段差部Yの輪の本数N Yとの間に、8≦N
W+NX+NY≦13の関係がある請求項1〜5のいずれ
かに記載の対物レンズ。ただし、NWは自然数、NXは0
(ゼロ)又は自然数、NYは0(ゼロ)又は自然数であ
る。 - 【請求項7】対物レンズが、第1の波長λ1の光と第2
の波長の光λ2とがともに、補助レンズ、対物レンズを
介して光ディスクの情報記録面に集光される光学系に用
いられ、 補助レンズと、対物レンズの片面の頂点を含む面の非球
面と、対物レンズの残る片面の頂点を含む面の非球面と
の組合せが、 第1の光ディスクの情報記録面のデータを記録又は再生
する場合に軸上球面収差がRMS値で0.08λ1〜
0.25λ1となるように設定されており、かつ、第2
の光ディスクの情報記録面のデータを記録又は再生する
場合に軸上球面収差がRMS値で0.08λ2〜0.2
5λ2となるように設定されている請求項1〜6のいず
れかに記載の対物レンズ。 - 【請求項8】補助レンズが、コリメータレンズである請
求項7に記載の対物レンズ。 - 【請求項9】第1の波長の光と第2の波長の光とがとも
に、対物レンズを介して光ディスクの情報記録面に集光
され、 対物レンズの一方の片面の頂点を含む面の非球面と、対
物レンズの他方の片面の頂点を含む面の非球面との組合
せが、 第1の光ディスクの情報記録面のデータを記録又は再生
する場合に軸上球面収差がRMS値で0.08λ1〜
0.25λ1となるように設定されており、かつ、第2
の光ディスクの情報記録面のデータを記録又は再生する
場合に軸上球面収差がRMS値で0.08λ2〜0.2
5λ2となるように設定されている請求項1〜6のいず
れかに記載の対物レンズ。 - 【請求項10】第1の光ディスクの記録又は再生時に、
第1の波長の光を対物レンズを介して第1の光ディスク
の情報記録面に集光させて第1の光ディスクの情報記録
面からの反射光を受光素子に受光させ、第2の光ディス
クの記録又は再生時に、第1の波長と異なる第2の波長
の光を該対物レンズを介して第2の光ディスクの情報記
録面に集光させて第2の光ディスクの情報記録面からの
反射光を受光素子に受光させる光学装置において、 上記対物レンズとして請求項1〜9のいずれかに記載の
対物レンズを用いることを特徴とする光学装置。
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