JP2001246020A - ゴルフボール - Google Patents
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Abstract
が生かされつつ、特定の大円が最速部分と一致したとき
のディンプル効果の低減が抑制されたゴルフボールの提
供。 【解決手段】 内接する正八面体の辺が投影されること
により形成された3本の大円状の区画線Lによって、ゴ
ルフボール表面が8個の球面正三角形T1−T8に区画
されている。このゴルフボール表面にはディンプル1が
配置されており、また、ディンプル1と交差しない大円
である大円帯は全く存在していない。3本の区画線L
は、いずれも赤道線Eと一致していない。赤道線Eは、
球面正三角形T1−T8の辺の中点を結ぶことによって
得られる大円と一致している。赤道線Eと交差する全て
のディンプル1は、この赤道線Eと中心交差していな
い。
Description
るものであり、特にゴルフボールのディンプル配置に関
するものである。
550個程度のディンプルを備えている。ディンプルの
役割は、ゴルフボール飛行時にゴルフボール周りの空気
の流れを乱すことによって境界層の乱流遷移を促進し、
乱流剥離を起こさせることにある(以下「ディンプル効
果」とも称される)。乱流遷移の促進により空気のゴル
フボールからの剥離点が後方に下がり、圧力抵抗が小さ
くなってゴルフボールの飛距離が増大する。また、乱流
遷移の促進により、バックスピンに起因するゴルフボー
ルの上側と下側とにおける剥離点の差が助長され、ゴル
フボールに作用する揚力が高められる。従って、乱流遷
移を促進しやすいディンプル配置、すなわち空気の流れ
をよりよく乱すことができるディンプル配置ほど、空力
的に優れたものであるといえる。
多面体(以下併せて「多面体」とも称される)が用いら
れることが多い。すなわち、球に内接する多面体が想定
され、球中心から球面に放射される光線によって多面体
の辺が球面に投影されて稜線が形成され、この稜線によ
って球面が区画されてディンプルが配置される。用いら
れる多面体としては、正六面体、正八面体、正十二面
体、正二十面体、立方八面体、20・12面体等が挙げ
られる。
ィンプルが整然と並んで美しいという理由により、一般
的なゴルフボールに古くから賞揚されてきた。正八面体
の辺が投影された稜線は、大円状の3本の区画線を形成
する。これらの区画線は、互いに直交する。区画線によ
って球面は8個の球面正三角形に区画される。各球面正
三角形には、完全に等価に、又は略等価にディンプルが
配置される。このようなディンプル配置方法は、正八面
体配置と称されている。
ャビティを備えた上型及び下型から成形される。成形さ
れたゴルフボール表面の、上型と下型との合わせ目に相
当する部分(パーティングライン)には、バリが発生す
る。このバリは、砥石等で研削・除去される。除去の容
易のため、パーティングライン上にはディンプルが形成
されないことが多い。通常の正八面体配置では、3本の
区画線上にディンプルが全く存在せず、この区画線のう
ちの1本がパーティングラインと一致している。このよ
うなゴルフボールは、例えば特開昭60−11665号
公報等に開示されている。
はパーティングライン上にディンプルが存在しないの
で、このパーティングライン(区画線でもある)がバッ
クスピンの周速が最も早い部分(以下「最速部分」とも
称される)と一致したときのディンプル効果が不十分と
なりやすい。また、前述のようにパーティングライン上
のバリは研削によって除去されるが、除去時にゴルフボ
ール表面のパーティングライン近傍が一緒に研削され、
ディンプルが変形してディンプル効果が減じられてしま
うおそれもある。さらに、パーティングライン左右のデ
ィンプル配置は同等であり、またパーティングラインに
沿って同等のディンプル配置が繰り返されるので、これ
に起因してパーティングラインが最速部分と一致したと
きのディンプル効果が不十分となりやすい。すなわち、
このような正八面体配置のゴルフボールでは、(1)デ
ィンプルが存在しない大円帯である、(2)切削により
周囲のディンプルが変形するおそれがある及び(3)回
転によって出現するディンプル配置が単調であるという
3点の悪条件全てが、パーティングライン上で実現され
てしまっているのである。
線上にディンプルが存在する正八面体配置のゴルフボー
ルが開示されている。このゴルフボールでは、パーティ
ングライン又はその近傍が最速部分と一致したときのデ
ィンプル効果が、区画線上に存在するディンプルにより
高められる。すなわち、上記(1)の不都合は解消され
る。しかしながら、区画線のうちの1本が上記(2)及
び(3)の悪条件を依然としてともに満たすことに変わ
りはない。
題に鑑みてなされたものであり、整然として美しいとい
う正八面体配置の長所が生かされつつ、特定の大円が最
速部分と一致したときのディンプル効果の低減が抑制さ
れたゴルフボールの提供を目的とするものである。
めになされた発明は、内接する正八面体の辺が投影され
ることにより形成された3本の大円状の区画線によって
区画された8個の球面正三角形に等価に又は略等価にデ
ィンプルが配置されており、ディンプルと交差しない大
円である大円帯が全く存在しないゴルフボールであっ
て、この3本の区画線がいずれも赤道線と一致していな
いことを特徴とするゴルフボール、である。
一致していないので、切削によりディンプルが変形する
おそれのある部分(赤道線の近傍)と、回転によって出
現するディンプル配置が単純である部分(区画線の近
傍)とが一致しない。従って、上記(2)及び(3)の
悪条件を同時に満たす大円、すなわち最速部分と一致し
たときのディンプル効果の低減が極端に大きい大円が存
在しない。しかも、このゴルフボールには、大円帯(デ
ィンプルと交差しない大円)が存在しない。このため、
このゴルフボールは飛距離に優れ、また、空力的対称性
にも優れる。また、このゴルフボールでは8個の球面正
三角形に等価に又は略等価にディンプルが配置されてい
るので、ディンプルが整然と並んで美しい。
されるゴルフボールが地球儀と想定され、上型キャビテ
ィの最上部が北極点とされ、下型キャビティの最下点が
南極点とされたときの、ゼロ度の緯線に相当する線であ
る。なお、上型及び下型がともに完全な半球状キャビテ
ィを備える場合は、赤道線はパーティングライン(金型
を分割する線)と一致する。
が存在しないので、赤道線もディンプルと交差する。好
ましくは、赤道線と交差する全てのディンプルはこの赤
道線と中心交差しない。中心交差とは、ディンプルの中
心(円形でないディンプルの場合は重心)を線が通過す
るようにディンプルと線とが交差することを意味する。
赤道線と交差するディンプルが赤道線と中心交差しない
ので、このディンプルと赤道線との交差代(ディンプル
に接してかつ赤道線に平行な線のうち赤道線に近いもの
と赤道線との距離)は、そのディンプル直径の1/2未
満となる。大円帯が存在しないゴルフボールは通常パー
ティングラインが凹凸状である金型から成形されるが、
交差代がディンプル直径の1/2未満であれば、パーテ
ィングラインが赤道線からさほど離される必要が無く、
凹凸の程度が少なくてすむ。従って、金型の作製やゴル
フボールの成形にさほどの困難が伴わない。
の個数は12個以上24個以下である。これにより、赤
道線が最速部分と一致したときのディンプル効果の低減
抑制とゴルフボール製造の容易性とが両立される。ま
た、好ましくは、赤道線と交差する全てのディンプルで
の交差代はそのディンプル直径の1/4未満である。こ
れによりパーティングラインの凹凸の程度がさらに小さ
くなる。
6個以上のディンプルと中心交差する。これにより、区
画線が最速部分と一致したときのディンプル効果の低減
が抑制される。
中点を結ぶことによって得られる大円と一致する。これ
により、赤道線に沿ってゴルフボールが一回転したと
き、赤道線の左右それぞれに、3個の球面二等辺三角形
と3個の球面台形とが交互に出現する。従って、回転に
よって出現するディンプル配置が単調でなく、赤道線が
最速部分と一致したときのディンプル効果の低減が抑制
される。
本発明の実施形態が説明される。
フボールが示された正面図である。また、図2は、図1
のゴルフボールの平面図である。また、図3は、図1の
ゴルフボールの斜め上方からの斜視図である。このゴル
フボールの直径は、通常42.67mmから43.00
mm程度である。このゴルフボールは、表面に多数のデ
ィンプル1を備えている。図1に例示されるように、デ
ィンプル1には、その直径が大きなものから順にAディ
ンプル、Bディンプル、Cディンプル及びDディンプル
の4種が存在する。
体配置である。すなわち、球面に内接する正八面体が想
定され、この正八面体の12本の辺が投影された12本
の稜線によって球面が球面正三角形に区画されている。
4本の稜線が連続することで大円状の区画線Lが形成さ
れている。図1に示されるように、区画線Lは3本存在
する。区画線Lは、球面正三角形の頂点にて他の区画線
Lと直交している。図1から図3において符号T1から
T8で示されるように、球面正三角形は8個存在してい
る。各球面正三角形T1−T8には、ほぼ等価にディン
プル1が配置されている。なお、後に詳説されるよう
に、各球面正三角形T1−T8のディンプル1配置は、
完全に等価ではない。
のディンプル配置は、ほぼ線対称である。また、区画線
Lが最速部分と一致する場合、ゴルフボールが一回転す
る間に、この区画線Lの左右にはそれぞれ球面正三角形
が4回ずつ出現する。この出現は単調であるので、区画
線Lが最速部分と一致する場合はディンプル効果がやや
低減する。
は、赤道線である。また、球面のうち赤道線Eから最も
遠い位置が、ポールPである。ポールPは、上下で2カ
所存在する。図1から明らかなように、赤道線Eはディ
ンプル1と交差する。このゴルフボールには、大円帯は
存在しない。
大部分図である。この図では、赤道線Eとともにパーテ
ィングラインPLが画かれている。パーティングライン
PLは直線部分と曲線部分とからなり、直線部分は赤道
線Eと一致している。パーティングラインPLは、上型
と下型との合わせ目である。図4から明らかなように、
パーティングラインPLはディンプル1を避けて存在し
ている。これによりディンプル1の中にバリが発生する
ことが防止され、バリの研削・除去が容易となる。
PLの近傍が切削されてディンプル1が変形することが
ある。ディンプル1の変形により、赤道線Eが最速部分
と一致したときのディンプル効果が低減することがあ
る。このゴルフボールでは、赤道線Eは区画線Lとは一
致していない。すなわち、ディンプル1の変形によって
ディンプル効果が低減するおそれがある箇所(赤道線
E)と、回転によって出現するディンプル配置が単調で
あることによってディンプル効果が低減するおそれがあ
る箇所(区画線L)とが一致していない。従って、両者
の相乗効果によって極端にディンプル効果が低減してし
まう箇所が存在しない。ディンプル効果の低減抑制の観
点から、両者はなるべく離れているのが好ましい。具体
的には、ある一つの区画線Lを含む平面と赤道線Eを含
む平面とがなす球の中心角度は20度(deg)以上が
好ましく、30度以上が特に好ましい。そして、このよ
うな赤道線Eとの関係が、全ての区画線Lにおいて達成
されるのが好ましい。両者が最も離れた場合の中心角度
は90度である。なお、図1から図4に示されたゴルフ
ボールでは、この中心角度は35.26度である。
プル1と中心交差しない。従って、赤道線Eと、この赤
道線Eと交差するディンプル1との交差代(図4におい
て両矢印Iで示される)は、このディンプル1の直径の
1/2未満である。これにより、パーティングラインP
Lのうち赤道線Eから最も離れた部分と赤道線Eとの距
離(図4において両矢印Wで示される)が小さくされう
る。すなわち、パーティングラインPLの凹凸の程度が
少なく、従って金型の作製やゴルフボールの成形が容易
である。交差代Iは当該ディンプル1の直径の1/4未
満が好ましく、また、このような赤道線Eとの関係が赤
道線Eと交差する全てのディンプル1において達成され
るのが好ましい。なお、図4では、赤道線Eと交差する
ディンプル1の直径は4.00mmであり、交差代Iは
0.25mmである。従って、交差代Iはディンプル1
直径の約6.25%である。
インPLはディンプル1のエッジからやや離れて(すな
わち図4では上方に)形成されているが、パーティング
ラインPLがディンプル1のエッジと一致してもよい。
これにより、パーティングラインPLのうち赤道線Eか
ら最も離れた部分と赤道線Eとの距離Wがより小さくさ
れる。
12個以上24個以下が好ましく、16個以上20個以
下が特に好ましい。個数が上記範囲未満であると、赤道
線Eが最速部分と一致したときのディンプル効果が低減
してしまうことがある。逆に、個数が上記範囲を超える
と、金型の作製やゴルフボールの成形が困難となってし
まうことがある。前述のように、金型作成の都合等の理
由からは交差代Iは小さい方が好ましいが、あまりに小
さすぎると赤道線Eが最速部分と一致したときのディン
プル効果が低減してしまうことがある。この観点から、
少なくとも12個以上のディンプル1が、0.15mm
以上の交差代で赤道線Eと交差するのが好ましい。な
お、図1から図4に示されたゴルフボールでは、赤道線
Eと交差するディンプル1の個数は18個である。
ンプル1と中心交差している。前述のように区画線Lに
沿ってゴルフボールが回転したときに出現するディンプ
ル配置は単調であるが、区画線Lがディンプル1と中心
交差することにより、ディンプル効果の低減が抑制され
る。この観点から、1本の区画線Lと中心交差するディ
ンプル1の個数は16個以上が好ましく、18個以上が
特に好ましい。そして、この範囲内の中心交差数が全て
の区画線Lにおいて達成されるのが好ましい。なお、図
1から図4に示されたゴルフボールでは、1本の区画線
Lと中心交差するディンプル1の個数は20個である。
面正三角形T1−T8の隣り合う辺の中点(例えば、球
面正三角形T7では点b及び点c)同士が結ばれること
によって形成されている。赤道線Eは、球面正三角形T
1−T8を球面二等辺三角形(点a、点b及び点cが結
ばれることによって得られる)と、球面台形(点b、点
d、点e及び点cが結ばれることによって得られる)と
に区分する。赤道線Eに沿ってゴルフボールが一回転し
たとき、赤道線Eの左右それぞれに、3個の球面二等辺
三角形と3個の球面台形とが交互に出現する。従って、
回転によって出現するディンプル配置が単調でなく、赤
道線Eが最速部分と一致したときのディンプル効果の低
減が抑制される。
ールのディンプル配置手法が詳説される。この手法で
は、まず図5に示されるように、球面正三角形Tのなか
に直径の異なる4種類のディンプル1が配置される。こ
のディンプル配置は、三重回転対称である。すなわち、
球面正三角形Tの重心を通過する軸Oの回りに120度
回転されることにより、元の配置となる。この球面正三
角形Tの配置が8個の球面正三角形(T1からT8)に
展開され、球面全体にディンプル1が配置される。この
際、球面正三角形T1、T3、T5及びT7には、図5
の球面正三角形Tのディンプル配置がそのまま展開され
る。一方、球面正三角形T2、T4、T6及びT8に
は、図5の球面正三角形Tのディンプル配置がミラー反
転されたディンプル配置が展開される。このミラー反転
されたディンプル配置は、元の球面正三角形Tのディン
プル配置と線対称である。すなわち、全体にディンプル
1が配置された球面では、8個の球面正三角形は全て等
価である。なお、本明細書でディンプル配置が等価であ
るとは、ディンプル配置同士が同一であるか、又はディ
ンプル配置同士が線対称である状態を意味する。
ンプルは、直径が最小であるDディンプルである。ま
た、符号x及び符号yで示されるディンプルは、直径が
2番目に大きなBディンプルである。球面正三角形T2
からT7において、符号zで示されるディンプルのうち
の1個は、赤道線Eと中心交差する(図1において点線
で示されたディンプルzを参照)。このように赤道線E
と中心交差するディンプルが存在すると、金型の作製や
ゴルフボールの成形が困難となる。そこで、図1では1
個のディンプルzが削除されている。また、ディンプル
zの削除によって広面積のランド部(ディンプルでない
領域)が形成されてしまうことを防止する目的で、図5
におけるディンプルx及びディンプルyの直径が大きく
され、Aディンプルとされる(図1において符号x’及
び符号y’で示される)。また、削除されたディンプル
zの回りのディンプルの位置が、微調整される。
なわせないという理由から、削除されるディンプル1の
個数は、全ディンプル個数(削除前の個数)の5%以
下、特には2%以下が好ましい。また、ゴルフボール全
体での対称性を大幅には損なわせないという理由及び外
観上目立ちにくいという理由から、削除されるディンプ
ル1は直径が最も小さなDディンプルであるのが好まし
い。図1から図4に示されたゴルフボールでは、T2か
らT7の6個の球面正三角形において1個ずつの、すな
わちゴルフボール全体では6個のディンプルzが削除さ
れている。
なわせないという理由から、直径の変更又は位置の移動
が行われるディンプル1の個数は、全ディンプル個数
(削除前の個数)の25%以下、特には20%以下が好
ましい。図1から図4に示されたゴルフボールでは、T
2からT7の6個の球面正三角形において2個ずつの、
すなわちゴルフボール全体では12個のディンプル1
が、直径変更されている。また、図1から図4に示され
たゴルフボールでは、T2からT7の6個の球面正三角
形において10個ずつのディンプル1が、位置移動され
ている。この10個には、上記直径変更がなされかつ位
置移動がなされた2個のディンプル1と、位置移動のみ
がなされた8個のディンプル1とが含まれる。ゴルフボ
ール全体で位置移動がなされたディンプル1の個数は6
0個である。従って、直径変更又は位置移動が行われた
ディンプル1の個数は、60個となる。
角形T3、T5及びT7のディンプル配置は、球面正三
角形T1のディンプル配置から、ディンプルzの削除、
ディンプル1の直径変更及びディンプル1の位置移動の
微調整が行われたものである。また、球面正三角形T
2、T4及びT6のディンプル配置は、球面正三角形T
8のディンプル配置から、ディンプルzの削除、ディン
プル1の直径変更及びディンプル1の位置移動の微調整
が行われたものである。そして、球面正三角形T3、T
5及びT7のそれぞれのディンプル配置は、球面正三角
形T2のディンプル配置(T4及びT6のディンプル配
置でもある)と線対称である。
又は線対称)なディンプル配置を有する2個の球面正三
角形の一方又は両方において、前述のような、対称性が
大幅には損なわれない範囲でディンプル1の削除、直径
の変更、位置の移動等が行われた場合、両者の関係は、
本明細書では「略等価」と称される。そして、全ての球
面正三角形T1−T8が互いに等価又は略等価であるデ
ィンプル配置が、本明細書では「正八面体配置」と称さ
れる。
径の異なるAからDの4種類のディンプル1が設けられ
ている。空気の流れがよりよく乱されるという理由か
ら、ディンプル1の種類は2以上、特には4以上が好ま
しい。また、同様の理由から、ゴルフボール仮想球の表
面積に対するディンプル面積の総和の比率は、60%以
上90%以下が好ましい。
かにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限
定的に解釈されるべきではないことはもちろんである。
周りにアイオノマー樹脂組成物を射出成形してカバー層
を形成し、ディンプル配置が図1から図3に示された正
八面体配置である実施例のゴルフボールを得た。このゴ
ルフボールは、下記の表1に示されるように、直径が
4.00mmのAディンプルを192個、直径が3.7
5mmのBディンプルを108個、直径が3.30mm
のCディンプルを60個、そして直径が2.40mmの
Dディンプルを30個備えており、ディンプル総数は3
90個である。このゴルフボールでは大円帯は存在して
おらず、また、区画線と赤道線は一致していない。この
ゴルフボールには赤道線と交差するディンプルが18個
存在し、従ってパーティングラインは凹凸状である。こ
のゴルフボールの外径は42.70mm±0.03mm
であり、コンプレッションは90±2の範囲内であっ
た。また、ディンプル容積(ディンプルエッジを含む平
面とディンプル表面との間の容積)の総和は、320m
m3であった。
図が図7に示されるようなディンプル配置とした他は実
施例と同様にして、比較例1のゴルフボールを得た。こ
のゴルフボールは、下記の表1に示されるように、直径
が4.50mmのAディンプルを168個、そして直径
が3.40mmのBディンプルを168個備えており、
ディンプル総数は336個である。このゴルフボールは
正八面体配置であり、3本の区画線はディンプルと交差
しない大円帯である。区画線のうちの1本は赤道線と一
致しており、従って赤道線はディンプルと交差しない。
このため、パーティングラインは凹凸状とされる必要が
ない。
図が図9に示されるようなディンプル配置とした他は実
施例と同様にして、比較例2のゴルフボールを得た。こ
のゴルフボールは、下記の表1に示されるように、直径
が4.00mmのAディンプルを192個、直径が3.
75mmのBディンプルを108個、直径が3.30m
mのCディンプルを60個、そして直径が2.40mm
のDディンプルを30個備えており、ディンプル総数は
390個である。このゴルフボールは実施例のゴルフボ
ールのディンプル位置を微小に移動させて、赤道線がデ
ィンプルと交差しないようにしたものである。従って、
このゴルフボールには大円帯が1本存在し、また、区画
線と赤道線とは一致していない。また、パーティングラ
インは凹凸状とされる必要がない。
ルフボールを40個ずつ用意した。一方、ツルテンパー
社製のスイングロボットにメタルヘッド製のドライバー
(W1)を取り付け、ヘッド速度が49m/sとなるよ
うにマシン条件を調整した。そして、各ゴルフボールを
打撃し、キャリー(発射地点から落下地点までの距離)
を測定した。打撃に際しては、ポール打ちとシーム打ち
とを交互に行った。なお、ポール打ちとは、両ポールを
結ぶ直線とゴルフボールの中心で直交する直線がバック
スピンの回転軸となるようなゴルフボールの打撃の仕方
である。また、シーム打ちとは、両ポールを結ぶ直線が
バックスピンの回転軸となるようなゴルフボールの打撃
の仕方である。この結果が、下記の表2に示されてい
る。
較例1のゴルフボールに比べてポール打ちとシーム打ち
との差が少ない。これは、実施例のゴルフボールでは赤
道線(切削により周囲のディンプルが変形するおそれが
ある箇所)と区画線(回転によって出現するディンプル
配置が単調である箇所)とが一致しておらず、しかも赤
道線は大円帯でないため、バックスピンの周速が最も速
い部分が赤道線となるシーム打ちの際のディンプル効果
の低減が防止されることによる。また、表2において、
比較例1のゴルフボールよりも実施例のゴルフボールの
方が飛距離が大きい。これは、実施例のゴルフボールの
方が、ディンプル効果を減じる大円帯が少ないためであ
る。
ルフボールを20個ずつ用意した。一方、前述のドライ
バーをスイングロボットに取り付け、ヘッド速度が45
m/s、打ち出し角度が10度、バックスピン速度が3
000rpmとなるようにマシン条件を調整した。そし
て、各ゴルフボールを打撃し、トータル飛距離(発射地
点からゴルフボール静止地点までの距離)を測定した。
この結果が、下記の表3に示されている。
較例2のゴルフボールに比べて飛距離が大きい。これ
は、実施例のゴルフボールでは赤道線がディンプルと交
差しており、従って表面に大円帯が存在していないため
である。これらの評価結果より、本発明の優位性が確認
された。
ボールでは、特定の大円が最速部分と一致したときのデ
ィンプル効果の低減が抑制される。従ってこのゴルフボ
ールは、空力的対称性に優れかつ飛距離に優れる。ま
た、このゴルフボールのディンプルは正八面体配置であ
り整然としているので、見る者に美観を与える。
ールが示された正面図である。
である。
方からの斜視図である。
分図である。
プル配置方法を説明するための正面図である。
面図である。
面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 内接する正八面体の辺が投影されること
により形成された3本の大円状の区画線によって区画さ
れた8個の球面正三角形に等価に又は略等価にディンプ
ルが配置されており、ディンプルと交差しない大円であ
る大円帯が全く存在しないゴルフボールであって、 この3本の区画線がいずれも赤道線と一致していないこ
とを特徴とするゴルフボール。 - 【請求項2】 赤道線と交差する全てのディンプルがこ
の赤道線と中心交差しない請求項1に記載のゴルフボー
ル。 - 【請求項3】 上記赤道線と交差するディンプルの個数
が12個以上24個以下であり、この赤道線と交差する
全てのディンプルでは交差代がそのディンプル直径の1
/4未満である請求項1又は請求項2に記載のゴルフボ
ール。 - 【請求項4】 上記3本の区画線のそれぞれが16個以
上のディンプルと中心交差する請求項1から請求項3の
いずれか1項に記載のゴルフボール。 - 【請求項5】 上記赤道線が球面正三角形の辺の中点を
結ぶことによって得られる大円と一致している請求項1
から請求項4のいずれか1項に記載のゴルフボール。
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