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JP2001049119A - 耐熱性樹脂組成物 - Google Patents

耐熱性樹脂組成物

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JP2001049119A
JP2001049119A JP11227814A JP22781499A JP2001049119A JP 2001049119 A JP2001049119 A JP 2001049119A JP 11227814 A JP11227814 A JP 11227814A JP 22781499 A JP22781499 A JP 22781499A JP 2001049119 A JP2001049119 A JP 2001049119A
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heat
bis
organic group
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JP11227814A
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Ryoji Okuda
良治 奥田
Masao Tomikawa
真佐夫 富川
Yoji Fujita
陽二 藤田
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板との接着性に優れた耐熱性樹脂組成物を提
供する。 【解決手段】a)耐熱性樹脂およびその前駆体、b)溶
媒、c)シリコーンジアミンを必須成分とし、シリコー
ンジアミンの含有量が耐熱性樹脂に対して1〜10重量
%であることを特徴とする耐熱性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体分野におい
て層間絶縁膜、表面保護層などに用いられる耐熱性樹脂
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】耐熱性樹脂は半導体分野において、層間
絶縁膜、表面保護膜(バッファーコート膜、アルファー
線遮蔽膜)などの形成、また回路基板などに利用されて
いる。半導体や回路基板は高温高湿下でも高い信頼性を
必要とし、耐熱性樹脂の基板との接着性も信頼性にとっ
て重要な因子の一つである。
【0003】接着性を維持、向上した耐熱性樹脂はさま
ざまなものが知られている。具体的には、(1)耐熱性
樹脂自体の接着性を改良したもの、(2)耐接着改良剤
を添加したもの、(3)表面処理を施す、などである。
【0004】例えばポリイミドの場合、ポリイミド自体
の接着性を改良するために、ポリイミドの主鎖にシロキ
サン結合を導入することが広く行われている。シロキサ
ン結合を導入する方法としては、ジアミノシリコーンを
用いる方(特開平8−41199号公報)と、シロキサ
ン化合物の酸二無水物誘導体を用いる方法(特開昭64
−85220号公報)が挙げられる。また大阪府立産業
技術総合試験所の浅尾等は、エーテル結合を有するジア
ミンと3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物から接着性に優れたポリイミドを開発し
ている。さらに特開平8−41200号公報にはポリイ
ミド主鎖にシリコーンの末端が付加したポリイミドシリ
コーンが記載されている。従来のポリイミド主鎖にシロ
キサン結合を導入したものは、導入していないものに比
べて耐熱性や耐溶剤性がやや低下する傾向があったが、
このポリイミドシリコーンではこのような低下がなく、
接着性、耐熱性、耐溶剤性に優れたものである。
【0005】また、シラン系カップリング剤を添加した
ものや、アルミニウムキレート化合物で表面処理する方
法も知られている。
【0006】その他、例えば、ポリイミド表面にサンド
ブラスト処理、プラズマ処理、アルカリ処理、酸処理な
どを施して、銅やクロムなどの金属との接着性を高める
方法も数多く報告されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】耐熱性樹脂自身の接着
性を改良したものは、ポリイミドのように接着性を向上
させる成分であるジアミノシリコーンを共重合させるこ
とによって得られ、基板との接着性は飛躍的に向上す
る。しかし、ジアミノシリコーンを共重合させる方法は
耐熱性樹脂の種類によっては困難であり、この方法によ
り接着性を改良できる耐熱性樹脂は限られる。
【0008】接着改良剤を添加する方法は、原理的にあ
らゆる耐熱性樹脂に簡単に適用できる利点がある。しか
し、シラン系カップリング剤を添加したものは、ジアミ
ノシリコーンを共重合させたものに比べて接着性が小さ
く、ポリマーの保存安定性も劣る。
【0009】表面処理を施す方法は、耐熱性樹脂の物性
に対する影響が小さく接着改良効果が大きい場合もある
が、一般に工程が複雑で、簡単に行うのは難しいという
問題がある。
【0010】本発明はかかる従来技術の諸欠点に鑑み創
案されたもので、本発明の目的は、樹脂の物性や保存安
定性に影響を与えることなく、簡便に接着性を改良した
耐熱性樹脂を与えることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、a)耐熱性樹
脂およびその前駆体、b)溶媒、c)シリコーンジアミ
ンを必須成分とし、シリコーンジアミンの含有量が耐熱
性樹脂に対して1〜10重量%であることを特徴とする
耐熱性樹脂組成物である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における耐熱性とは、300℃以上の高温で連続
して使用に耐えることを表している。
【0013】本発明の耐熱性樹脂組成物としては、ポリ
イミドおよびその前駆体であるポリアミド酸、ポリベン
ゾオキサゾールおよびその前駆体であるポリヒドロキシ
アミド、ポリベンゾチアゾールおよびその前駆体である
ポリチオヒドロキシアミド、ポリベンゾイミダゾールお
よびその前駆体であるポリアミノアミドイミド環、オキ
サゾール環、その他の環状構造を有するポリマーとなり
得るものが挙げられるが、これらに限定されない。好ま
しくは上記に挙げた一般式(1)で表されるポリマーが
用いられる。
【0014】本発明に用いられる溶媒とは、N−メチル
−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメ
チルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
ジメチルスルホキシドなどの極性の非プロトン性溶媒、
テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、ア
セトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトンなど
のケトン類、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート、乳酸エチルなどのエステル
類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類などの
溶剤を単独、または混合して使用することができる。
【0015】本発明におけるシリコーンジアミンは、耐
熱性樹脂の重合反応が終了していれば、いつ添加しても
構わない。すなわち、重合反応によって得られたポリマ
ー溶液をそのまま用いる場合は、ポリマー溶液(耐熱性
樹脂)にシリコーンジアミン、必要に応じて感光剤、増
感剤、光酸発生剤、溶解調整剤、界面活性剤などを順不
同に添加してもよいし、一部または全部を同時に添加し
てもよい。ポリマー溶液に溶解しにくい時は、適当な溶
媒に溶解させてからポリマー溶液に添加してもよい。ま
た、重合後に沈殿精製などによってポリマーを一旦析出
させる場合は、溶媒、ポリマー、シリコーンジアミン、
必要に応じて感光剤、増感剤、光酸発生剤、溶解調整
剤、界面活性剤などを順不同で添加してもよいし、一部
または全部を同時に添加してもよい。例えば、耐熱性樹
脂を溶媒に溶解させ、シリコーンジアミンを添加、溶解
させた後、必要に応じて感光剤、増感剤、光酸発生剤、
溶解調整剤、界面活性剤などを添加しても良いし、また
耐熱性樹脂と感光剤、増感剤、光酸発生剤、溶解調整
剤、界面活性剤などを溶媒に溶解させた後、シリコーン
ジアミンを添加、溶解させても良い。また耐熱性樹脂
(ポリマー溶液)の骨格にケイ素原子を含んでいても、
含んでいなくてもそのいずれでも構わないが、本発明で
は合成が終了した耐熱性樹脂にシリコーンジアミンを含
有させることが肝要である。
【0016】本発明で用いられるシリコーンジアミンと
は、シロキサン構造を有するジアミン化合物を表す。例
えば、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロ
キサン、ビス(3−アミノブチル)テトラメチルジシロ
キサン、ビス(3−アミノプロピル)テトラフェニルジ
シロキサン、ビス(3−アミノブチル)テトラフェニル
ジシロキサン、ビス(4−アミノフェニル)テトラメチ
ルジシロキサン、ビス(4−アミノ−3−メチルフェニ
ル)テトラメチルジシロキサン、ビス(4−アミノフェ
ニル)テトラフェニルジシロキサン等が挙げられるが、
これらに限定されない。好ましくは、ビス(3−アミノ
プロピル)テトラメチルジシロキサンが用いられる。
【0017】本発明ではシリコーンジアミンはポリマー
に対して1〜10重量%の範囲で添加するのが好まし
い。より好ましくは、1〜5重量%である。1重量%よ
り少ないと接着性向上の効果が充分に得られず、10重
量%よりも多いとポリマーの保存安定性が悪くなる。こ
れらのシリコーンジアミンは、単独あるいは2種以上混
合して用いることができる。
【0018】また、本発明で使用するシリコーンジアミ
ンは、保護基によってアミノ基を保護することによって
用いることが好ましい。保護される範囲はアミノ基の一
部、もしくは全部のいずれであっても構わない。保護基
としては、アセチル基、ホルミル基、ベンゾイル基、ト
リフルオロアセチル基、ベンジルオキシカルボニル基、
メトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、フ
タロイル基、ベンジル基、トシル基、アミド基、イミド
基などが挙げられるが、これらに限定されない。好まし
くは、アセチル基、トシル基、アミド基が用いられる。
【0019】本発明で用いられる保護基は公知の方法に
よって導入される。すなわち、アセチル基は酢酸エチル
などの溶媒中でN−アセチルイミダゾールと反応させる
ことで、ホルミル基はギ酸と無水酢酸とで低温下処理す
ることで、ベンゾイル基はピリジン中塩化ベンゾイルあ
るいは無水安息香酸と処理することで、トリフルオロア
セチル基はピリジンあるいはトリエチルアミン存在下で
無水トリフルオロ酢酸と反応させることで、ベンジルオ
キシカルボニルは塩基(例えば、炭酸ナトリウム、重炭
酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、トリエチルアミンな
ど)存在下でベンジルオキシカルボニルクロリドと処理
することで、メトキシカルボニル基は塩基(例えば、炭
酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、
トリエチルアミンなど)存在下メトキシカルボニルクロ
リドと処理することで、t−ブトキシカルボニル基は低
温下t−ブトキシカルボニルクロリドと反応させること
で、フタロイル基は炭酸ナトリウム存在下N−カルベト
キシフタルイミドと処理することで、トシル基はピリジ
ン中塩化トシルと反応させることで、シリコーンジアミ
ンに導入することができる。
【0020】さらに基板との接着性を高めるために、シ
ランカップリング剤、チタンキレート剤などをシリコー
ンジアミンと併用することもできる。これら接着助剤は
シリコーンジアミンと同様に添加する。メチルメタクリ
ロキシジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメト
キシシランなどのシランカップリング剤、チタンキレー
ト剤、アルミキレート剤をポリマーに対して0.5から
10重量部添加することが好ましい。
【0021】基板を処理することによって、さらに接着
性を向上できることがある。上記で述べたカップリング
剤をイソプロパノール、エタノール、メタノール、水、
テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチル
エーテル、乳酸エチル、アジピン酸ジエチルなどの溶媒
に0.5から20重量部溶解させた溶液をスピンコー
ト、浸漬、スプレー塗布、蒸気処理などで表面処理をす
る。場合によっては、その後50℃から300℃までの
温度をかけることで、基板と上記カップリング剤との反
応を進行させる。
【0022】本発明における基板の材質は、例えば、金
属、ガラス、半導体、金属酸化絶縁膜、窒化ケイ素など
が挙げられる。好ましくは、シリコンウエハが用いられ
るまた、必要に応じて本発明組成物と基板との塗れ性を
向上させる目的で界面活性剤、乳酸エチルやプロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステ
ル類、エタノールなどのアルコール類、シクロヘキサノ
ン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類を混合しても
よい。また、二酸化ケイ素、二酸化チタンなどの無機粒
子、あるいはポリイミドの粉末などを添加することもで
きる。
【0023】本発明において、一般式(1)で表される
ポリマーは、加熱あるいは適当な触媒により、イミド
環、オキサゾール環、その他の環状構造を有するポリマ
ーとなり得るものである。環構造となることで、耐熱
性、耐溶剤性が飛躍的に向上する。 一般式(1)中、
1を構成する残基は酸の構造成分を表しており、少な
くとも2個以上の炭素原子を有する2価から8価の有機
基である。本発明におけるポリマーの耐熱性の点から、
1は芳香環または芳香族複素環を含有し、かつ炭素数
6〜30の2価から8価の有機基が好ましい。
【0024】一般式(1)中、R2を構成する残基はジ
アミンの構造成分を表しており、少なくとも2個以上の
炭素原子を有する2価から6価の有機基である。本発明
におけるポリマーの耐熱性の点から、R2は芳香環また
は芳香族複素環を含有し、かつ炭素数6〜30の2価か
ら6価の有機基が好ましい。
【0025】一般式(1)のR3は水素、アルカリ金属
イオン、アンモニウムイオンまたは炭素数1から20ま
での有機基を示す。このときnが2の場合、R3は各々
同じでも異なっていてもよい。
【0026】本発明の耐熱性樹脂組成物は、一般式
(1)で表される構造単位のみからなるものであっても
良いし、他の構造単位との共重合体あるいはブレンド体
であってもよい。その際、一般式(1)で表される構造
単位を90モル%以上含有していることが好ましい。共
重合あるいはブレンドに用いられる構造単位の種類およ
び量は、最終加熱処理によって得られるポリマーの耐熱
性を損なわない範囲で選択することが好ましい。
【0027】一般式(1)で表される構造単位を主成分
とするポリマーは公知の方法によって合成される。すな
わち、R3が水素である場合は、テトラカルボン酸二無
水物とジアミンとを選択的に組み合わせ、これらをN−
メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、ヘキサメチルホスホロトリアミドなどを主成分と
する極性溶媒や、γ−ブチロラクトンを主成分とする溶
媒中で反応させるなど、公知の方法によって合成され
る。
【0028】R3がアルキル基である場合は、テトラカ
ルボン酸二無水物とアルコール化合物を反応させた後、
塩化チオニル等を用いて酸塩化物を合成した後に適当な
ジアミンと選択的に組み合わせるか、またはジシクロへ
キシルカルボジイミド等の適当な脱水剤を用いてジアミ
ンと選択的に組み合わせ、これらをN−メチル−2−ピ
ロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメ
チルホスホロトリアミド等を主成分とする極性溶媒や、
γ−ブチロラクトンを主成分とする溶媒中で反応させる
など、公知の方法によって合成される。
【0029】また本発明の効果は、一般式(1)に該当
するポリマーであればいずれでも得られるが、なかでも
下記に示すようなポリマーが好ましい。とくに、感光
剤、増感剤、光酸発生剤、溶解調整剤、界面活性剤など
を添加することによって、あるいは熱処理温度が最適温
度からはずれているなど、基板との密着性が低下するよ
うな場合に好ましく用いられる。
【0030】
【化2】
【0031】(R4は少なくとも2個以上の炭素原子を
有する4価の有機基、R5は少なくとも2個以上の炭素
原子を有する2価の有機基、R6およびR7は水素、アル
カリ金属イオン、アンモニウムイオン、または、炭素数
1〜30の有機基を表す。R6、R7は同じでも異なって
いても良い。)
【0032】
【化3】
【0033】(R8は少なくとも2個以上の炭素原子を
有する3価から8価の有機基、R9は、少なくとも2個
以上の炭素原子を有する2価から6価の有機基、R10
水素、または炭素数1から10までの有機基を示す。m
は3から100000までの整数、tは1または2、
r、sは0から4までの整数、かつr+s>0であ
る。)
【0034】
【化4】
【0035】(R11は少なくとも2個以上の炭素原子を
有する2価の有機基、R12は少なくとも2個以上の炭素
原子を有する4価の有機基を示す。mは3から1000
00までの整数。) 上記一般式(2)において、R4は少なくとも2個以上
の炭素原子を有する4価の有機基を示す。本発明におけ
るポリマーの耐熱性から、R4は芳香族または芳香族複
素環を含有し、かつ炭素数6〜30の4価の有機基が好
ましい。R4の好ましい具体例としては、3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,
4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、3,
3’,4,4’−ジフェニルヘキサフルオロプロパンテ
トラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノン
テトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルス
ルホンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、ブタンテト
ラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸などの
残基が挙げられるが、これらに限定されない。また、R
7はこれらのうち1種から構成されていても良いし、2
種以上から構成される共重合体であっても構わない。
【0036】一般式(2)において、R5は少なくとも
2個以上の炭素原子を有する2価の有機基である。本発
明におけるポリマーの耐熱性から、R5は芳香族または
芳香族複素環を含有し、かつ炭素数6〜30の2価の有
機基が好ましい。R5の好ましい具体例としては、パラ
フェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、メチル
パラフェニレンジアミン、メチルメタフェニレンジアミ
ン、ジメチルパラフェニレンジアミン、ジメチルメタフ
ェニレンジアミン、トリメチルパラフェニレンジアミ
ン、トリメチルメタフェニレンジアミン、テトラメチル
パラフェニレンジアミン、テトラメチルメタフェニレン
ジアミン、トリフルオロメチルパラフェニレンジアミ
ン、トリフルオロメチルメタフェニレンジアミン、ビス
(トリフルオロ)メチルパラフェニレンジアミン、ビス
(トリフルオロ)メチルメタフェニレンジアミン、メト
キシパラフェニレンジアミン、メトキシメタフェニレン
ジアミン、トリフルオロメトキシパラフェニレンジアミ
ン、トリフルオロメトキシメタフェニレンジアミン、フ
ルオロパラフェニレンジアミン、フルオロメタフェニレ
ンジアミン、クロロパラフェニレンジアミン、クロロメ
タフェニレンジアミン、ブロモパラフェニレンジアミ
ン、ブロモメタフェニレンジアミン、カルボキシパラフ
ェニレンジアミン、カルボキシメタフェニレンジアミ
ン、メトキシカルボニルパラフェニレンジアミン、メト
キシカルボニルメタフェニレンジアミン、ジアミノジフ
ェニルメタン、ビス(アミノメチルフェニル)メタン、
ビス(アミノトリフルオロメチルフェニル)メタン、ビ
ス(アミノエチルフェニル)メタン、ビス(アミノクロ
ロフェニル)メタン、ビス(アミノジメチルフェニル)
メタン、ビス(アミノジエチルフェニル)メタン、ジア
ミノジフェニルプロパン、ビス(アミノメチルフェニ
ル)プロパン、ビス(アミノトリフルオロメチルフェニ
ル)プロパン、ビス(アミノエチルフェニル)プロパ
ン、ビス(アミノクロロフェニル)プロパン、ビス(ア
ミノジメチルフェニル)プロパン、ビス(アミノジエチ
ルフェニル)プロパン、ジアミノジフェニルヘキサフル
オロプロパン、ビス(アミノメチルフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、ビス(アミノトリフルオロメチルフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(アミノエチルフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(アミノクロロ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(アミノジメ
チルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(アミノ
ジエチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ジアミノ
ジフェニルスルホン、ビス(アミノメチルフェニル)ス
ルホン、ビス(アミノエチルフェニル)スルホン、ビス
(アミノトリフルオロメチルフェニル)スルホン、ビス
(アミノジメチルフェニル)スルホン、ビス(アミノジ
エチルフェニル)スルホン、ジアミノジフェニルエーテ
ル、ビス(アミノメチルフェニル)エーテル、ビス(ア
ミノトリフルオロメチルフェニル)エーテル、ビス(ア
ミノエチルフェニル)エーテル、ビス(アミノジメチル
フェニル)エーテル、ビス(アミノジエチルフェニル)
エーテル、ジメチルベンジジン、ビス(トリフルオロメ
チル)ベンジジン、ジクロロベンジジン、ビス(アミノ
フェノキシ)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシフェニ
ル)プロパン、ビス(アミノフェノキシフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン、ビス(アミノフェノキシフェニ
ル)エーテル、ビス(アミノフェノキシフェニル)メタ
ン、ビス(アミノフェノキシフェニル)スルホンなどの
化合物の残基及びその水添加化合物の残基などが挙げら
れるが、これらに限定されない。また、R5はこれらの
うち1種から構成されていても良いし、2種以上から構
成される共重合体であっても構わない。
【0037】上記一般式(2)において、R6およびR7
は水素、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、ま
たは、炭素数1〜30の有機基を表す。炭素数1〜30
の有機基としては脂肪族有機基が好ましく、含有される
有機基としては、炭化水素基、水酸基、カルボニル基、
カルボキシル基、ウレタン基、ウレア基、アミド基など
が挙げられるがこれらに限定されない。好ましい具体例
としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、t−ブチル基、メタクリル酸エチル基、アクリル
酸エチル基、メタクリル酸プロピル基、アクリル酸プロ
ピル基、エチルメタクリルアミド基、プロピルメタクリ
ルアミド基、エチルアクリルアミド基、プロピルアクリ
ルアミド基などが挙げられるがこれらに限定されない。
また、脱離が容易でポリイミドへの転化が速やかである
点で、R6およびR7は水素、アルカリ金属イオン、アン
モニウムイオンであることがより好ましく、水素が最も
好ましい。
【0038】上記R6およびR7は単独種であってもよい
し、2種以上の混合であってもよい。さらにR6および
7は同じであっても、異なっても良い。
【0039】一般式(2)で表される構造単位を主成分
とするポリマーに感光性を付与するために、R6および
7成分にメタクリル酸エチル基、アクリル酸エチル
基、メタクリル酸プロピル基、アクリル酸プロピル基、
エチルメタクリルアミド基、プロピルメタクリルアミド
基、エチルアクリルアミド基、プロピルアクリルアミド
基などを用いる、および/または、新たにエチレン性不
飽和二重結合及びアミノ基を含む一般式(5)で表され
る化合物を含有することも可能である。
【0040】
【化5】
【0041】(R13、R14、R15は炭素数1〜30の有
機基を示し、うち、少なくとも1つはエチレン性不飽和
二重結合を含む。) 上記一般式(5)中、R13、R14、R15は炭素数1〜3
0の有機基を表す。有機基としては脂肪族有機基が好ま
しく、含有される有機基としては、炭化水素基、水酸
基、カルボニル基、カルボキシル基、ウレタン基、ウレ
ア基、アミド基などが挙げられるが、これらに限定され
ない。さらに、感光性能向上のため、R13、R14、R15
のうち少なくとも1つはエチレン性不飽和二重結合を含
んでいることが好ましい。
【0042】一般式(5)の好ましい具体例として、ジ
メチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエ
チルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミ
ノプロピルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピル
メタクリレート、ジエチルアミノプロピルメタクリレー
ト、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルア
ミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノプロピルメ
タクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミ
ド、ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチル
アミノエチルメタクリルアミド、ジエチルアミノエチル
メタクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミ
ド、ジエチルアミノエチルアクリルアミドなどが挙げら
れるがこれらに限定されない。また、一般式(5)で表
される化合物は単独種であってもよいし、2種以上の混
合であってもよい。
【0043】一般式(3)で表される構造単位を主成分
とするポリマーは、水酸基を有していても有していなく
ても良いが、水酸基を有していることが好ましい。水酸
基を有する場合、水酸基の存在のために、アルカリ水溶
液に対する溶解性が水酸基を有さないポリアミド酸より
も良好になる。特に、水酸基の中でもフェノール性の水
酸基がアルカリ水溶液に対する溶解性の観点より好まし
い。
【0044】一般式(3)中、R8を構成する残基は酸
の構造成分を表しており、この酸成分は芳香族環を含有
し、かつ、水酸基を1個から4個有した、炭素数2〜6
0の3価から8価の有機基が好ましい。R8が水酸基を
含まない場合、R9成分が水酸基を1個から4個含むこ
とが望ましい。さらに、水酸基はアミド結合と隣り合っ
た位置にあることが好ましい。このような例として、下
記に示すような構造のものがあげられるが、本発明はこ
れに限定されない。
【0045】
【化6】
【0046】また、R8を含む残基として、水酸基を有
していないテトラカルボン酸、トリカルボン酸、ジカル
ボン酸を使用することもできる。これらの例としては、
ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビ
フェニルテトラカルボン酸、ジフェニルエーテルテトラ
カルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸など
の芳香族テトラカルボン酸やそのカルボキシル基2個を
メチル基やエチル基にしたジエステル化合物、ブタンテ
トラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸など
の脂肪族のテトラカルボン酸やそのカルボキシル基2個
をメチル基やエチル基にしたジエステル化合物、トリメ
リット酸、トリメシン酸、ナフタレントリカルボン酸な
どの芳香族トリカルボン酸などを挙げることができる。
【0047】一般式(3)中、R9を構成する残基はジ
アミンの構造成分を表している。この中で、R9の好ま
しい例としては、得られるポリマーの耐熱性より芳香族
を有し、かつ、水酸基を1個から4個有するものが好ま
しい。R9が水酸基を含まない場合、R8成分が水酸基を
1個から4個含むことが望ましい。さらに、水酸基はア
ミド結合と隣り合った位置にあることが好ましい。
【0048】具体的な例としてはビス(アミノヒドロキ
シフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ジアミノジヒド
ロキシピリミジン、ジアミノジヒドロキシピリジン、ヒ
ドロキシジアミノピリミジン、ジアミノフェノール、ジ
ヒドロキシベンゼンなどの化合物や下記に示すような構
造のものがあげられる。
【0049】
【化7】
【0050】また、一般式(3)のR9を含む残基とし
て水酸基を含まないジアミンを使用することもできる。
このような例として、フェニレンジアミン、ジアミノジ
フェニルエーテル、アミノフェノキシベンゼン、ジアミ
ノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ビ
ス(トリフルオロメチル)ベンチジン、ビス(アミノフ
ェノキシフェニル)プロパン、ビス(アミノフェノキシ
フェニル)スルホンあるいはこれらの芳香族環にアルキ
ル基やハロゲン原子で置換した化合物など、脂肪族のシ
クロヘキシルジアミン、メチレンビスシクロヘキシルア
ミンなどが挙げられる。これらのジアミン化合物は、単
独又は2種以上を組み合わせて使用される。これらは、
ジアミン成分の40モル%以下の使用が好ましい。40
モル%以上共重合すると得られるポリマーの耐熱性が低
下する。
【0051】一般式(3)のR10は水素、あるいは炭素
数1〜10の有機基を表している。R10の炭素数が20
を越えるとアルカリ水溶液に溶解しなくなる。得られる
感光性樹脂溶液の安定性からR10は有機基が好ましい
が、アルカリ水溶液に対する溶解性からみると水素が好
ましい。つまり、R10はすべて水素であることやすべて
有機基であることは好ましくない。このR10の水素と有
機基の量を制御することで、アルカリ水溶液に対する溶
解速度が変化するので、この調整により適度な溶解速度
を有した感光性樹脂組成物を得ることができる。mは3
から100000までの整数であり、tは1または2、
r、sは0から4までの整数であり、かつr+s>0で
ある。rが5以上になると、得られる耐熱性樹脂被膜の
特性が低下する。
【0052】また、カルボキシル基の一部をイミド化す
ることによって、残存カルボキシル基の量を調節するこ
とも可能である。イミド化の方法としては、イミド化で
きれば公知の方法を用いても構わない。このときのイミ
ド化の割合は1%以上50%以下が好ましい。イミド化
率が50%を超えると露光に使用する化学線に対するポ
リマーの吸収が大きくなり、感度が低下する。
【0053】一般式(3)で表されるポリマーは露光す
る化学線に対してできるだけ透明であることが望まし
い。そのため、365nmにおけるポリマーの吸光度は
1μmあたり0.1以下であることが好ましい。より好
ましくは0.08以下である。0.1を超えると365
nmの化学線での露光に対する感度が低下する。
【0054】本発明の耐熱性樹脂組成物は、一般式
(3)で表される構造単位のみからなるものであっても
良いし、他の構造単位との共重合体あるいはブレンド体
であってもよい。その際、一般式(3)で表される構造
単位を90モル%以上含有していることが好ましい。共
重合あるいはブレンドに用いられる構造単位の種類およ
び量は、最終加熱処理膜によって得られるポリマーの耐
熱性を損なわない範囲で選択することが好ましい。
【0055】一般式(4)において、R11は少なくとも
2個以上の炭素原子を有する2価の有機基を示す。本発
明におけるポリマーの耐熱性から、R11は芳香族または
芳香族複素環を含有し、かつ炭素数6〜30の2価の有
機基であることが好ましい。R11の好ましい具体例とし
ては、ジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸、
ジフェニルエーテル−3,4’−ジカルボン酸、ジフェ
ニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、イソフタル
酸、ベンゾフェノン−3,3’−ジカルボン酸、ベンゾ
フェノン−3,4’−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−
4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−3,
3’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−3,4’−
ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカル
ボン酸などの残基が挙げられるが、これらに限定されな
い。また、R11はこれらのうち1種から構成されていて
も良いし、2種以上から構成される共重合体であっても
構わない。
【0056】一般式(4)において、R12は少なくとも
2個以上の炭素原子を有する4価の有機基を示す。本発
明におけるポリマーの耐熱性から、R12は芳香族または
芳香族複素環を含有し、かつ炭素数6〜30の4価の有
機基であることが好ましい。R12の好ましい具体例とし
ては、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジ
ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノ−
3,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルなどの残基
が挙げられるが、これらに限定されない。また、R12
これらのうち1種から構成されていても良いし、2種以
上から構成される共重合体であっても構わない。
【0057】一般式(4)で表されるポリベンゾオキサ
ゾール前駆体は公知の方法によって合成される。すなわ
ち、ジヒドロキシジアミンとハロゲン化ジカルボン酸と
の縮合、あるいはジヒドロキシジアミンとジカルボン酸
をジシクロヘキシルカルボジイミドなどの脱水縮合剤の
存在下での縮合などの方法によって得ることができる。
【0058】一般式(1)で表される構造単位を主成分
とするポリマーは、光酸発生剤を添加することで感光性
を付与することができる。とくに、一般式(3)、一般
式(4)で表される構造単位を主成分とするポリマーに
おいて好ましく用いられる。本発明で用いる光酸発生剤
としては、ジアゾニウム塩、ジアゾキノンスルホン酸ア
ミド、ジアゾキノンスルホン酸エステル、ジアゾキノン
スルホン酸塩、ニトロベンジルエステル、オニウム塩、
ハロゲン化物、ハロゲン化イソシアネート、ハロゲン化
トリアジン、ビスアリールスルホニルジアゾメタン、ジ
スルホン等の光照射により分解し酸を発生する化合物が
あげられる。特にo−キノンジアジド化合物は未露光部
の水溶性を抑制する効果を有するために望ましい。この
ような化合物としては、1,2−ベンゾキノン−2−ア
ジド−4−スルホン酸エステル又はスルホン酸アミド、
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸
エステル又はスルホン酸アミド、1,2−ナフトキノン
−2−ジアジド−4−スルホン酸エステル又はスルホン
酸アミド等がある。これらは、例えば、1,2−ベンゾ
キノン−2−アジド−4−スルホニルクロリド、1,2
−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリ
ド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホ
ニルクロリド等のo−キノンジアジドスルホニルクロリ
ド類とポリヒドロキシ化合物又はポリアミノ化合物を脱
塩酸触媒の存在下で縮合反応することによって得ること
ができる。
【0059】ポリヒドロキシ化合物としては、ヒドロキ
ノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノール
A、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,
3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,
2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、ト
リス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−
トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1−[1−
(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−
[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベ
ンゼン、没食子酸メチル、没食子酸エチル等が挙げられ
る。
【0060】ポリアミノ化合物としては、1,4−フェ
ニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、4,
4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミ
ノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルス
ルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド等が
挙げられる。
【0061】また、ポリヒドロキシポリアミノ化合物と
しては、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジヒドロ
キシベンジジン等が挙げられる。
【0062】o−キノンジアジド化合物は、一般式
(1)で表されるポリマー100重量部に対して好まし
くは5から100重量部、より好ましくは5から40重
量部の範囲で配合される。配合量が5重量部未満では十
分な感度が得られず、また、100重量部を超えると樹
脂組成物の耐熱性が低下する可能性がある。
【0063】本発明で用いるo−キノンジアジド化合物
は、一般式(1)で表されるポリマーに添加したとき
に、400nmにおける吸光度が膜厚1μmあたり0.
25〜0.35であることが好ましい。この値が0.2
5よりも小さいと、感度が低下してしまう。0.35よ
りも大きいと、パターン底部に露光する化学線が充分に
届かず、パターン端に溶け残りが生じる。また、o−キ
ノンジアジド化合物を過剰に加えると膜の機械特性が低
下する。したがって、o−キノンジアジド化合物の添加
量は必要最小限であることが好ましい。
【0064】さらに、一般式(1)、一般式(2)、一
般式(3)、一般式(4)で表される構造単位を主成分
とするポリマーは、光開始剤または光増感剤、さらには
光開始剤と光増感剤を併用することも可能である。
【0065】本発明に適した光開始剤としては、N−フ
ェニルジエタノールアミン、N−フェニルグリシンなど
の芳香族アミン類、ミヒラーズケトンなどの芳香族ケト
ン類、3−フェニル−5−イソオキサゾロンに代表され
る環状オキシム化合物、1−フェニルプロパンジオン−
2−(o−エトキシカルボニル)オキシムに代表される
鎖状オキシム化合物、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル
安息香酸メチル、ジベンジルケトン、フルオレノンなど
のベンゾフェノン誘導体、チオキサントン、2−メチル
チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなど
のチオキサントン誘導体などが挙げられるがこれらに限
定されない。
【0066】本発明に適した増感剤としては、アジドア
ントラキノン、アジドベンザルアセトフェノンなどの芳
香族モノアジド、7−ジエチルアミノベンゾイルクマリ
ン、3,3’−カルボニルビス(ジエチルアミノクマリ
ン)などのアミノクマリン類、ベンズアントロン、フェ
ナントレンキノンなどの芳香族ケトン類など、一般に光
硬化性樹脂に使用されるようなもの、その他電子写真感
光体の電荷移動剤として使用されるものであれば好まし
く使用できることもある。
【0067】光開始剤や増感剤は本発明におけるポリマ
ーに対して0.01〜30重量%、さらに好ましくは
0.1〜20重量%添加するのが好ましい。この範囲を
外れると感光性が低下したり、ポリマーの機械特性が低
下したりするので注意を要する。これらの光開始剤や増
感剤は、単独で、あるいは2種以上混合して用いること
ができる。
【0068】本発明組成物の感光性能を上げるために、
適宜、光反応性モノマーを用いることもできる。光反応
性モノマーとしては、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレートエチレングリコ
ールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタク
リレートトリエチレングリコールジメタクリレート、テ
トラエチレングリコールジメタクリレート、プロピレン
グリコールジメタクリレート、メチレンビスメタクリル
アミド、メチレンビスアクリルアミドなどが挙げられる
が、これらに限定されない 光反応性モノマーはポリマ
ーに対して1〜30重量%の範囲で添加するのが好まし
い。この範囲を外れると感光性が低下したり、ポリマー
の機械特性が低下したりするので注意を要する。これら
の光反応性モノマーは、単独であるいは2種以上混合し
て用いることができる。
【0069】本発明における耐熱性樹脂組成物の接着性
を評価する方法について述べる。本発明における耐熱性
樹脂前駆体を基板に塗布する。塗布方法としては、スピ
ンナを用いた回転塗布、スプレー塗布、ロールコーティ
ングなどの方法がある。また塗布膜厚は、塗布方法、組
成物の固形分濃度、粘度によって調整することができる
が、通常乾燥後の膜厚が0.1〜150μmになるよう
に塗布される。より好ましくは、1〜20μmである。
【0070】続いて。耐熱性樹脂前駆体を塗布した基板
を乾燥して、耐熱性樹脂前駆体皮膜を得る。乾燥はオー
ブン、ホットプレート、赤外線などを使用し、50℃〜
180℃の範囲で行うのが好ましく、60℃〜150℃
の範囲で行うのがより好ましい。乾燥時間は1分〜数時
間行うのが好ましい。
【0071】つぎに、200℃から500℃の温度を加
えて耐熱性樹脂皮膜に変換する。この加熱処理は 温度
を選択して段階的に昇温するか、ある温度範囲を選択し
て連続的に昇温しながら5分から5時間実施する。一例
としては、130℃、200℃、350℃で各30分づ
つ熱処理する。あるいは室温より400℃まで2時間か
けて直線的に昇温するなどの方法が挙げられる。
【0072】得られた耐熱性樹脂皮膜の基板に対する接
着性は、JIS−K−5400の碁盤目テープ法に準じ
て評価される。すなわち、耐熱性樹脂皮膜を貫通して基
板に達する切り傷を碁盤目状に付け、この碁盤目の上に
粘着テープをはり、はがした後の塗膜の付着状態を目視
によって観察する。この際、並行して耐熱性樹脂皮膜を
120℃、100%RH、2気圧の条件下に暴露して、
暴露時間と接着性の関係を求める。この処理をする前、
50時間処理後、200時間処理後、400時間処理後
の4回を、同一サンプルについて接着性試験を行う。試
験結果は、剥離せずに基板に接着している割合を10段
階で記す。
【0073】本発明による耐熱性樹脂組成物により形成
した耐熱性樹脂皮膜は、半導体のパッシベーション膜、
半導体素子の保護膜、高密度実装用多層配線の層間絶縁
膜などの用途に用いられる。
【0074】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明するために、実施
例で説明する。 <接着性の評価方法>JIS−K−5400の碁盤目テ
ープ法に準ずる。熱処理後の耐熱性樹脂皮膜に、カッタ
ーナイフを用いて1mmのすきま間隔で100個のます
目の碁盤目状切り傷を付ける。切り傷は、皮膜を貫通し
て基板に届くようにする。碁盤目の上に接着部分の長さ
が約50mmになるように、幅18mmのセロハン粘着
テープ(JIS−Z−1522)をはり付け、消しゴム
でこすって皮膜にテープを完全に付着させる。テープを
付着させてから1〜2分後に、テープの一方の端を持っ
て、皮膜に対して垂直になるように瞬間的に引き剥が
す。評価は、剥離せずに基板に接着している割合を表
す。つまり、全く剥離していないときは「10」、すべ
て剥離した場合は「0」となる。
【0075】上記接着試験をプレッシャークッカー(P
CT)試験機(平山工業(株)社製)で、120℃、1
00%RH、2気圧の条件下に暴露して、暴露時間と接
着性の関係を求める。
【0076】合成例1 乾燥窒素気流下、1lの4つ口フラスコに4,4’−ジ
アミノジフェニルエーテル19.0g(0.095mo
l)と1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチ
ルジシロキサン1.2g(0.005mol)をN−メ
チル−2−ピロリドン(NMP)100gに入れ溶解さ
せた。ここに、無水ピロメリット酸10.9g(0.0
5mol)と3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物15.0g(0.047mol)
を加え、室温で6時間反応を行いポリアミド酸を得た。
ここに、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリルアミ
ド26g(0.18mol)、N−フェニルグリシン
2.5g、エチレングリコールジメタクリレート5g、
3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリ
ン)0.2g、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチ
ルジシロキサン0.9g(3.6mmol)を加え、感
光性耐熱性樹脂前駆体のワニスAを得た。
【0077】合成例2 乾燥空気気流下、500mlの4つ口フラスコに無水ピ
ロメリット酸10.9g(0.05mol)をγ−ブチ
ロラクトン(GBL)100gに分散させた。ここに、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート13g(0.1m
ol)、ピリジン7gを加えて50℃で2時間反応を行
った。この溶液を氷冷し、ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド21g(0.1mol)をγ−ブチロラクトン25
gに溶解した溶液を15分かけて滴下した。さらに、
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル10g(0.0
5mol)をγ−ブチロラクトン25gに分散させた溶
液を10分かけて滴下した。この溶液を氷冷下、3時間
反応させ、ついで50℃で1時間反応させた。反応終了
後、析出した尿素化合物をろ過で除いた。ろ液を3lの
水に投入してポリアミド酸エステルの沈殿を生成した。
この沈殿を集めて、水とメタノールで洗浄の後に真空乾
燥機で50℃、24時間乾燥した。このポリアミド酸エ
ステルの粉体15gとメルカプトベンズイミダゾール
0.75g、トリメチロールプロパントリアクリレート
1g、エチレングリコールジメタクリレート2g、p−
t−ブチルカテコール0.5g、ミヒラーケトン0.5
g、3−メタクリロキシプロピルジメトキシシラン0.
5g、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−
(o−ベンゾイル)オキシム0.5g、ビス(3−アミ
ノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.4g(5.
6mmol)を加えた感光性耐熱性樹脂前駆体のワニス
Bを得た。
【0078】合成例3 乾燥窒素気流下、1lの4つ口フラスコに3,5−ジア
ミノ安息香酸−2−ヒドロキシエチルメタクリレートエ
ステル(川崎化研製 BEM−S)25.5g(0.0
95mol)と1,3−ビス(3−アミノプロピル)テ
トラメチルジシロキサン1.2g(0.005mol)
をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)100gに入
れ溶解させた。ここに、無水ピロメリット酸21.6g
(0.099mol)を加え、室温で6時間反応を行い
ポリアミド酸を得た。ここに、N−フェニルジエタノー
ルアミン1.25g、N−フェニルグリシン1.25
g、エチレングリコールジメタクリレート10g、ビス
(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.
1g(5.4mmol)を加え感光性耐熱性樹脂前駆体
のワニスCを得た。
【0079】合成例4 合成例1の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルのか
わりに2,2−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン
30.4g(0.095mol)を用い、NMP150
gを用いて溶解させた。上記以外は合成例1と同様に作
製した。ここに、3,3’,4,4’−ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物29.4g(0.1mol)を加
え、室温で6時間反応を行い、ポリイミド前駆体を得
た。この溶液にニフェジピン30g、ビス(3−アミノ
プロピル)テトラメチルジシロキサン1.3g(5.2
mmol)、NMP50gをともに加え、室温で2時間
攪拌し、感光性耐熱性樹脂前駆体ワニスDを得た。
【0080】合成例5 ヒドロキシル基含有酸無水物の
合成 乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒド
ロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAHF)
18.3g(0.05モル)とアリルグリシジルエーテ
ル34.2g(0.3mol)を酢酸エチル100gに
溶解させ、−15℃に冷却した。ここに酢酸エチル50
gに溶解させた無水トリメリット酸クロリド22.1g
(0.11mol)を反応液の温度が0℃を越えないよ
うに滴下した。滴下終了後、0℃で4時間反応させた。
【0081】この溶液をロータリーエバポレーターで濃
縮して、トルエン1lに投入して酸無水物を得た。これ
を下記に示す。得られた物質は350℃までに明確な融
点が見られなかった。
【0082】
【化8】
【0083】合成例6 ヒドロキシル基含有ジアミン化
合物の合成 BAHF18.3g(0.05mol)をアセトン10
0ml、プロピレンオキシド17.4g(0.3mo
l)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここに3−ニト
ロベンゾイルクロリド20.4g(0.11mol)を
アセトン100mlに溶解させた溶液を滴下した。滴下
終了後、−15℃で4時間反応させ、その後室温に戻し
た。溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、得られ
た固体をテトラヒドロフランとエタノールの溶液で再結
晶した。
【0084】再結晶して集めた固体をエタノール100
mlとテトラヒドロフラン300mlに溶解させて、5
%パラジウム−炭素を2g加えて、激しく攪拌させた。
ここに水素を風船で導入して、還元反応を室温で行っ
た。約4時間後、風船がこれ以上しぼまないことを確認
して反応を終了させた。反応終了後、ろ過して触媒であ
るパラジウム化合物を除き、ロータリーエバポレーター
で濃縮し、ジアミン化合物を得た。これを下記に示す。
得られた固体をそのまま反応に使用した。
【0085】
【化9】
【0086】合成例7 乾燥窒素気流下、BAHF18.3g(0.05mo
l)をN,N−ジメチルアセトアミド100ml中に溶
解させ、−5℃に冷却した。ここに、グリシジルメチル
エーテル26.4g(0.3mol)を加えて、無水ト
リメリット酸クロリド21.1g(0.1mol)をア
セトン50gに溶解させた溶液を反応溶液の温度が0℃
を越えないように滴下した。滴下終了後、10℃まで溶
液の温度を上げて1時間攪拌を続け、その後、20℃で
1時間攪拌させた。この後、ジアミノジフェニルエーテ
ル9.01g(0.04mol)と1,3−ビス(3−
アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン2.5g
(0.01mol)を加えて、20℃で6時間攪拌を続
けた。攪拌終了後、溶液を10lの水に投入してポリヒ
ドロキシアミドアミド酸の沈殿を得た。この沈殿をろ過
で集め、その後60℃の真空乾燥機で20時間乾燥させ
た。この乾燥させたポリヒドロキシアミドアミド酸(ポ
リイミドオキサゾール前駆体)の固体10g、オルトナ
フトキノンジアジドスルホン酸エステルとして4NT−
300(2,3,4,4’−テトラヒドロキシビンゾフ
ェノン1molに対して1,2−ナフトキノン−2−ジ
アジド−5−スルホニルクロリド3molを反応させて
得られたエステル:東洋合成工業(株)製)2g、およ
びビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサ
ン0.5g(2.0mmol)をGBL20gに溶解さ
せ、感光性耐熱性樹脂前駆体のワニスEを得た。
【0087】合成例8 BAHF18.3g(0.05mol)をエタノール1
50ml中に溶解させ5℃に冷却した。ここに、カリウ
ム−t−ブトキシド11.2g(0.1mol)を徐々
に加えた。さらに、二炭酸−t−ブチル21.8g
(0.1mol)を徐々に加えて2時間攪拌を続け、B
AHFの水酸基がt−ブトキシカルボニル基で保護され
たジアミン化合物を得た。この溶液を水1lに投入し
て、沈殿を得た。この沈殿をろ過で集め、30℃の真空
乾燥機で20時間乾燥した。
【0088】乾燥窒素気流下、BAHF27.5g
(0.075mol)と上記で合成したBAHFの水酸
基をt−ブトキシカルボニル基で保護したジアミン1
3.4g(0.25mol)をN,N−ジメチルアセト
アミド150ml中に溶解させ、−5℃に冷却した。こ
こに、グリシジルメチルエーテル52.8g(0.6m
ol)を加えて、イソフタル酸ジクロリド20.3g
(0.1mol)をアセトン100gに溶解させた溶液
を反応溶液の温度が0℃を越えないように滴下した。滴
下終了後、10℃にまで溶液の温度を上げて1時間攪拌
を続け、その後、20℃で6時間攪拌させた。攪拌終了
後、溶液を10lの水に投入してポリヒドロキシアミド
の沈殿を得た。この沈殿をろ過で集め、その後60℃の
真空乾燥機で20時間乾燥させた。この乾燥させたポリ
ヒドロキシアミド(ポリベンゾオキサゾール前駆体)の
固体10g、光酸発生剤としてNAI−105(みどり
化学(株)製)1g、およびビス(3−アミノプロピ
ル)テトラメチルジシロキサン1.4g(5.6mmo
l)をGBL20gに溶解させ、感光性耐熱性樹脂前駆
体のワニスFを得た。
【0089】合成例9 乾燥窒素気流下、1lの4つ口フラスコに4,4’−ジ
アミノジフェニルエーテル20.0g(100mmo
l)をGBL350gに溶解させた。ここに、合成例5
で合成した酸無水物71.4g(100mmol)をG
BL40gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、
次いで50℃で4時間反応させた。さらにN,N−ジメ
チルホルムアミドジメチルアセタール23.8g(20
0mmol)を加え、50℃で5時間撹拌し、部分エス
テル化したポリマー溶液を得た。得られた溶液100g
に合成例7で用いたo−キノンジアジド化合物4NT−
300を5.5g、およびビス(3−アミノプロピル)
テトラメチルジシロキサン2.7g(10.8mmo
l)を加えて感光性耐熱性樹脂前駆体のワニスGを得
た。
【0090】合成例10 乾燥窒素気流下、1lの4つ口フラスコに合成例6で合
成したジアミン化合物24.2g(40mmol)をN
MP100gに溶解させ、3,3’,4,4’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物11.8g(40mmo
l)を加えて80℃で3時間撹拌した。さらにN,N−
ジメチルホルムアミドジエチルアセタール8.8g(6
0mmol)を加え、80℃で2時間撹拌し、部分エス
テル化したポリマー溶液を得た。
【0091】このポリマー溶液100gに合成例7で用
いたo−キノンジアジド化合物4NT−300を3.5
g、およびビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジ
シロキサン0.7g(2.8mmol)混合して感光性
耐熱性樹脂前駆体のワニスHを得た。
【0092】合成例11〜18 合成例1〜4および合成例7〜10において、ポリマー
重合後にビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシ
ロキサンを添加しないワニスを調整した。各ワニスの対
応は表1のようになっている。同じ行の合成例(例え
ば、合成例1と合成例11)が対応し、ベースポリマー
が同じである。
【0093】
【表1】
【0094】合成例19(シリコーンジアミンのアセチ
ル化) 300mlの3ツ口フラスコ中で、酢酸エチル50ml
にビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサ
ン(信越化学工業(株)製)9.03g(36.3mm
ol)を溶解させた。酢酸エチル150mlに溶解させ
たN−アセチルイミダゾール(東京化成(株)製)8.
80g(79.9mmol)をゆっくりと滴下した。滴
下終了後、30℃で2時間攪拌した。得られた反応液を
200mlの水で3回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥さ
せた。硫酸ナトリウムを濾取して除き、濾液の溶媒を留
去すると白色固体が得られた。
【0095】合成例20(シリコーンジアミンのトシル
化) 200mlの3ツ口フラスコ中で、ピリジン50mlに
ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン
(信越化学工業(株)製)9.50g(38.2mmo
l)を溶解させた。アセトン50mlに溶解させたp−
トルエンスルホニルクロライド(東京化成(株)製)1
6.02g(84.0mmol)をゆっくりと滴下し
た。滴下終了後、30℃で2時間攪拌した。得られた反
応液を500mlの水にゆっくりと注いで沈殿精製し
た。沈殿物を濾取し、減圧加熱乾燥させた。
【0096】合成例21(シリコーンジアミンのアミド
化) 200mlの3ツ口フラスコ中で、酢酸エチル50ml
にビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサ
ン(信越化学工業(株)製)8.00g(32.2mm
ol)を溶解させた。無水マレイン酸(和光純薬(株)
製)6.94g(70.8mmol)を加え、50℃で
2時間攪拌した。得られた反応液を100mlの水で3
回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。硫酸ナトリウ
ムを濾取して除き、濾液の溶媒を留去すると白色固体が
得られた。
【0097】合成例22 合成例10のビス(3−アミノプロピル)テトラメチル
ジシロキサンの代わりに、等モル量の合成例19で得ら
れた化合物を用いた以外は、合成例10と同様にして感
光性耐熱性樹脂前駆体のワニスQを得た。
【0098】合成例23 合成例10のビス(3−アミノプロピル)テトラメチル
ジシロキサンの代わりに、等モル量の合成例20で得ら
れた化合物を用いた以外は、合成例10と同様にして感
光性耐熱性樹脂前駆体のワニスRを得た。
【0099】合成例24 合成例10のビス(3−アミノプロピル)テトラメチル
ジシロキサンの代わりに、等モル量の合成例21で得ら
れた化合物を用いた以外は、合成例10と同様にして感
光性耐熱性樹脂前駆体のワニスSを得た。
【0100】実施例1〜11、比較例1〜8 6インチのシリコンウエハ上に、ワニスA(実施例1)
とワニスI(比較例1)をそれぞれプリベーク後の膜厚
が16μmとなるように、コーターディベロッパーSK
W−636(大日本スクリーン(株)製)を用いて、ス
ピンコートした。ついで、SKW−636の真空吸着式
ホットプレートを用いて、80℃で3分、120℃で3
分乾燥を行った。
【0101】つぎに、イナートオーブン(西山製作所
製)を用いて熱処理を行った。熱処理条件は窒素気流下
(酸素濃度が約20ppm)で200℃を30分間、3
50℃を1時間とした。JIS−K−5400の碁盤目
テープ法に準じて、シリコンウエハに対する得られた樹
脂被膜の接着性を評価した。ワニスAがプレッシャーク
ッカー試験機(PCT)で400時間処理後も剥離が全
く見られなかった(評価結果が「10」)なのに対し
て、ワニスIではPCT50時間処理後にすべて剥離
(評価結果が「0」)してしまった。したがって、ジア
ミノシリコーンを添加したことにより接着性が向上し
た。
【0102】実施例2〜11、比較例2〜8については
それぞれ表2、表3に示した。なお、表中、剥離試験の
評価結果は、セロテープで剥離後に残っている膜の割合
を示したものである。すべて残っている場合が「1
0」、すべて剥離した場合が「0」で、この値が大きい
ほど接着性が高いことを示す。
【0103】
【表2】
【0104】
【表3】
【0105】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性樹脂作製後に1
〜10重量%のシリコーンジアミンを添加することで、
接着性の優れた耐熱性樹脂組成物を得ることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA10 AA14 AB15 AB16 AC01 AD01 AD03 BC32 BC42 BE00 CA01 CA27 CB25 CB26 CC03 CC06 CC20 FA03 FA14 FA29 4J002 CL071 CM021 CM041 CN061 EA056 EE036 EH036 EH056 EL066 EL106 EP016 EU026 EV206 EX077 FD207 GJ02 GQ01 GQ05 5F058 AA08 AA10 AC03 AF04 AG01 AH01 AH02 AH03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)耐熱性樹脂およびその前駆体、b)溶
    媒、c)シリコーンジアミンを必須成分とし、シリコー
    ンジアミンの含有量が耐熱性樹脂に対して1〜10重量
    %であることを特徴とする耐熱性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記シリコーンジアミンのアミノ基の一部
    または全部が、保護基により保護されている請求項1記
    載の耐熱性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】上記耐熱性樹脂およびその前駆体が一般式
    (1)で表される構造単位を主成分とするポリマーであ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の耐熱性樹脂
    組成物。 【化1】 (R1は少なくとも2個以上の炭素原子を有する2価か
    ら8価の有機基、R2は、少なくとも2個以上の炭素原
    子を有する2価から6価の有機基、R3は水素、アルカ
    リ金属イオン、アンモニウムイオンまたは炭素数1から
    20までの有機基を示す。mは3から100000まで
    の整数、nは0から2までの整数を示し、nが2の場合
    のR3は同じでも異なっていてもよい。p、qは0から
    4までの整数を示す。)
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