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JP2000263237A - プラズマ加工方法及びその装置 - Google Patents

プラズマ加工方法及びその装置

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Publication number
JP2000263237A
JP2000263237A JP11065522A JP6552299A JP2000263237A JP 2000263237 A JP2000263237 A JP 2000263237A JP 11065522 A JP11065522 A JP 11065522A JP 6552299 A JP6552299 A JP 6552299A JP 2000263237 A JP2000263237 A JP 2000263237A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plasma
corner
torch
plasma torch
work
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11065522A
Other languages
English (en)
Inventor
Munetaka Azuma
宗孝 吾妻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Amada Co Ltd
Original Assignee
Amada Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Amada Co Ltd filed Critical Amada Co Ltd
Priority to JP11065522A priority Critical patent/JP2000263237A/ja
Publication of JP2000263237A publication Critical patent/JP2000263237A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマ加工のアーク遅れによりコーナ部に
R形状が付くことを防止し、またコーナループ部による
歩留まりの低下を減少する。 【解決手段】 プラズマトーチからワークWにプラズマ
アークを発生し、プラズマトーチをワークWに対して相
対的に前後左右方向に軸移動してコーナ部Cを有する形
状にプラズマ加工切断する際に、切断線のコーナ部C又
はコーナループ部CLではプラズマトーチが設定時間と
して一瞬の時間だけ一時停止あるいは速度低下が行われ
るときにアーク遅れが戻されるのでコーナ部CにRが付
かない。コーナループ部CLでは、プラズマトーチの軸
移動が予め設定された設定時間だけ一時停止あるいは速
度低下されるので、アーク遅れが戻されてプラズマアー
クが垂直になり、コーナループ部を小さくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ加工方法
及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラズマトーチからプラズマアー
クを発生するプラズマ加工機を用いてワークWを切断す
る際に、例えば図5に示されているようにワークWにピ
アス点を穴加工した後に、プラズマトーチが矢印方向に
移動されて矩形状をなす製品Gに切断加工される。
【0003】プラズマ加工速度が速い場合にはプラズマ
アークの遅れ(以下、「アーク遅れ」という)のために
切断線のコーナ部Cの裏面側ではプラズマアークがコー
ナ部Cの内側を通過してしまうために製品Gのコーナ部
CがR形状に形成されてしまうという問題点があった。
【0004】なお、プラズマ加工速度によっては、ワー
クWの表面側でも同様にコーナ部CがR形状になってし
まう。ワークWの表面側のコーナ部CにRが付いてしま
う原因としては、上記のアーク遅れによるだけでなく、
プラズマ加工機がNC制御装置で運転されるために生じ
る場合がある。
【0005】この問題を解決するために、図5に示され
ているようにコーナ部Cにループ(以下、「コーナルー
プ部」という)を付けることによって対応している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のプラ
ズマ加工方法においては、上述したように切断線のコー
ナ部Cにコーナループ部CLを付けるために歩留り率の
低下となり、また図5に示されているようにスケルトン
Sの部分が大きくなるために板取り(ネスティング)を
効率良く行うことができないという問題点があった。
【0007】より詳しくは、コーナループ部CLではア
ーク遅れのために図6に示されているようにプラズマト
ーチが実線で移動するときにワークWの表面側のプラズ
マアークの位置が点線で示されているようにプラズマト
ーチの移動軌跡の内側を小さく通過することがある。
【0008】したがって、コーナループ部CLの大きさ
を示す寸法R0が小さい場合は、プラズマトーチがコー
ナループ部CLを移動している間中、プラズマアークの
後端がワークWの表面側のコーナ部Cの付近で集中して
しまうために、コーナ部Cの付近だけが集中的に溶断さ
れて製品Gのコーナ部CがR形状となる。
【0009】一方、コーナループ部CLの寸法R0が大
きい場合は、ワークW内で製品Gと隣の製品Gの間隔が
大きくなるために歩留まりが低下する。
【0010】本発明は上述の課題を解決するためになさ
れたもので、その目的は、プラズマ加工でコーナを有す
る製品形状に切断加工する際に、アーク遅れによりコー
ナ部にR形状が付くことを防止し、またコーナ部にR形
状が付くことを防止する対策としてコーナループ部を付
けるとしても、このコーナループ部による歩留まりの低
下を減少し得るプラズマ加工方法及びその装置を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1によるこの発明のプラズマ加工方法は、プラ
ズマトーチからワークにプラズマアークを発生し、前記
プラズマトーチをワークに対して相対的に前後左右方向
に軸移動してコーナ部を有する形状にプラズマ加工切断
する際に、アーク遅れによる前記コーナ部の切断不良を
避けるべく切断線のコーナループ部でプラズマトーチの
軸移動を一時停止又は速度低下を行うことを特徴とする
ものである。
【0012】したがって、切断線のコーナループ部で
は、プラズマトーチの軸移動が予め設定された設定時間
として例えば0.1〜0.2秒という一瞬の時間だけ一
時停止あるいは速度低下されるので、アーク遅れが戻さ
れてプラズマアークが垂直になる。ワークの表面側を通
過するプラズマアークはプラズマトーチの移動軌跡とほ
ぼ同じ軌跡で通過するのでコーナループ部を小さくでき
る。
【0013】以上の結果として、製品精度が向上すると
共に歩留まり率の向上が図られる。
【0014】請求項2によるこの発明のプラズマ加工方
法は、プラズマトーチからワークにプラズマアークを発
生し、前記プラズマトーチをワークに対して相対的に前
後左右方向に軸移動してコーナ部を有する形状にプラズ
マ加工切断する際に、アーク遅れによる前記コーナ部の
切断不良を避けるべく切断線のコーナ部でプラズマトー
チの軸移動を一時停止又は速度低下を行うことを特徴と
するものである。
【0015】したがって、切断線のコーナ部ではプラズ
マトーチが設定時間として例えば0.1〜0.2秒という一瞬
の時間だけ一時停止あるいは速度低下が行われるときに
アーク遅れが戻されるのでコーナ部にRが付いてしまう
という事態が回避される。
【0016】請求項3によるこの発明のプラズマ加工方
法は、請求項1記載のプラズマ加工方法において、前記
プラズマトーチを切断線のコーナループ部で一時停止せ
しめるときは、切断線のコーナ部からプラズマトーチの
停止位置までの設定距離とプラズマトーチを停止せしめ
る設定時間とを予め設定し、前記設定距離と設定時間に
基づいてプラズマトーチの軸移動を行うことを特徴とす
るものである。
【0017】したがって、コーナループ部が設けられる
場合は、コーナ部からの移動距離が予め設定した設定距
離に位置したときにプラズマトーチの軸移動が予め設定
された設定時間として例えば0.1〜0.2秒という一瞬の時
間だけ一時停止あるいは速度低下するので、アーク遅れ
が戻されてプラズマアークが垂直になる。その結果、ワ
ークの表面側を通過するプラズマアークはプラズマトー
チの移動軌跡とほぼ同じ軌跡で通過するので、設定距離
を小さく設定してもコーナ部にプラズマアークの熱が集
中することがなくなる。
【0018】請求項4によるこの発明のプラズマ加工方
法は、請求項2記載のプラズマ加工方法において、前記
プラズマトーチを切断線のコーナ部で一時停止又は速度
低下を行うときは、ワークの板厚に応じてワークに対し
てプラズマアークの熱影響を与えない範囲で一時停止又
は速度低下を行う時間を予め設定し、この設定された時
間に基づいてプラズマトーチの軸移動を行うことを特徴
とするものである。
【0019】したがって、ワークの板厚によってはプラ
ズマアークの熱影響を受けない範囲で、プラズマトーチ
が切断線のコーナ部で設定時間だけ一時停止あるいは速
度低下が行われる。このときにアーク遅れが戻されるの
でコーナ部にRが付いてしまうという事態が回避され
る。
【0020】請求項5によるこの発明のプラズマ加工装
置は、ワークにプラズマアークを発生してプラズマ加工
を行うプラズマトーチを備えたプラズマ加工装置におい
て、
【0021】前記プラズマトーチをワークに対して相対
的に前後左右方向に移動するトーチ軸移動装置を設け、
前記プラズマトーチのワークに対して相対的な前後左右
方向の位置を検出するトーチ位置検出装置を設け、ワー
クの切断加工条件の加工プログラムを記憶するメモリ
と、このメモリ内の加工プログラムに基づいてワークの
切断線のコーナ部又はコーナループ部で前記プラズマト
ーチの軸移動を予め設定した設定時間だけ一時停止又は
速度低下を行う指令を前記トーチ軸移動装置に与える比
較判断装置とを備えた制御装置を設けてなることを特徴
とするものである。
【0022】したがって、制御装置のメモリに記憶され
た加工プログラムに基づいて比較判断装置からトーチ軸
移動装置にプラズマトーチの軸移動の指令が与えられ
る。切断線のコーナ部ではプラズマトーチが設定時間と
して例えば0.1〜0.2秒という一瞬の時間だけ一時停止あ
るいは速度低下が行われるときにアーク遅れが戻される
のでコーナ部にRが付いてしまうという事態が回避され
る。
【0023】切断線のコーナループ部では、プラズマト
ーチの軸移動が予め設定された設定時間だけ一時停止あ
るいは速度低下するので、アーク遅れが戻されてプラズ
マアークが垂直になる。ワークの表面側を通過するプラ
ズマアークはプラズマトーチの移動軌跡とほぼ同じ軌跡
で通過するのでコーナループ部を小さくできる。
【0024】以上の結果として、製品精度が向上すると
共に歩留まり率の向上が図られる。
【0025】請求項6によるこの発明のプラズマ加工装
置は、請求項5記載のプラズマ加工装置において、前記
比較判断装置が、プラズマトーチを切断線のコーナ部で
一時停止又は速度低下を行うときは、ワークの板厚に応
じてワークに対してプラズマアークの熱影響を与えない
範囲で一時停止又は速度低下を行う時間を予め設定し、
この設定された時間に基づいてプラズマトーチの移動を
行う指令を前記トーチ軸移動装置に与え、前記プラズマ
トーチを切断線のコーナループ部で一時停止せしめると
きは、切断線のコーナ部からプラズマトーチの停止位置
までの設定距離とプラズマトーチを停止せしめる設定時
間とを予め設定し、前記設定距離と設定時間に基づいて
行う指令を前記トーチ軸移動装置に与えることを特徴と
するものである。
【0026】したがって、プラズマトーチが切断線のコ
ーナ部で設定時間だけ一時停止あるいは速度低下が行わ
れるときにアーク遅れが戻されるのでコーナ部にRが付
いてしまうという事態が回避される。
【0027】ワークの板厚によってはプラズマトーチが
コーナ部で一瞬停止されることによってコーナ部でワー
クが溶け込んでしまうためにコーナループ部が設けられ
る場合は、コーナ部からの移動距離が予め設定した設定
距離に位置したときにプラズマトーチの軸移動が予め設
定された設定時間として例えば0.1〜0.2秒という一瞬の
時間だけ一時停止あるいは速度低下するので、アーク遅
れが戻されてプラズマアークが垂直になる。その結果、
ワークの表面側を通過するプラズマアークはプラズマト
ーチの移動軌跡とほぼ同じ軌跡で通過するので、設定距
離を小さく設定してもコーナ部にプラズマアークの熱が
集中することがなくなる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明のプラズマ加工方法
及びその装置の実施の形態について図面を参照して説明
する。
【0029】図2及び図3を参照するに、本実施の形態
に係わるプラズマ加工機1は、ワークWを載置するワー
クテーブル3が床面上に固定されており、このワークテ
ーブル3の下部はプラズマ切断加工時に生じるドロスを
貯留せしめる集塵槽5が備えられている。なお、集塵槽
5は粉塵を吸引する集塵機7にダクトホース9を介して
連通されている。
【0030】ワークテーブル3は上部が開口しており、
この開口(図示省略)にはワークWを載置するための板
状の桟11が適当な間隔で配置されている。
【0031】また、ワークテーブル3の図2において右
側には、キャリア13をX軸方向に走行すべくガイドす
るためのX軸ガイドレール15が床面上に支柱17で支
持されてX軸方向に長く延長されている。キャリア13
は図2において右端側に固定された脚柱部19の車輪2
1を介してX軸ガイドレール15上を走行自在に支持さ
れている。
【0032】ワークテーブル3の図2において左側に
は、プラズマ加工機1のキャリア13を前後方向(X軸
方向で、図2の紙面表裏に対して垂直方向、図3におい
て左右方向)に走行駆動するためのX軸駆動装置23を
内蔵したフレームガイド体25が床面上に支柱27で支
持されてX軸方向に長く延長されている。なお、X軸駆
動装置23は、ワークWにプラズマアークを照射するた
めのプラズマトーチ29を前後左右方向に移動位置決め
せしめるトーチ軸移動装置を一部構成するものである。
【0033】X軸駆動装置23についてより詳しく説明
すると、フレームガイド体25には図2に示されている
ように、X軸方向に長いキャリアガイド体31が上記の
支柱27に支持されており、キャリアガイド体31には
X軸リニアガイド33がX軸方向に長く延長されてい
る。キャリア13の図2において左端側がX軸リニアガ
イド33に沿ってX軸ナット部材35を介して走行自在
に設けられている。
【0034】また、キャリアガイド体31にはX軸リニ
アガイド33に並行してラック37が設けられており、
キャリア13の図2において左端側に設けたX軸駆動モ
ータ39で回転駆動されるピニオン41が前記ラック3
7に噛合されているので、キャリア13はX軸駆動モー
タ39の駆動によりワークテーブル3の上方をX軸方向
に移動位置決め自在に設けられている。なお、ピニオン
41の回転軸にはプラズマトーチ29のX軸方向の位置
を検出するためのX軸トーチ位置検出装置としての例え
ばX軸用エンコーダ43が設けられており、このX軸用
エンコーダ43は制御装置45に電気的に接続されてい
る。なお、上記のX軸用エンコーダ43はプラズマトー
チ29の前後左右方向の位置を検出するためのトーチ位
置検出装置の一部を構成するものである。
【0035】キャリア13には加工ヘッドとしての例え
ばトーチヘッド47が図4に図示されているY軸駆動装
置49を構成するものとして例えば図示せざるY軸駆動
モータに回転駆動されるY軸用ボールねじ(図示省略)
によりY軸方向に移動位置決め可能に走行自在に設けら
れている。なお、Y軸駆動装置49はトーチ軸移動装置
の一部を構成するものであり、制御装置45に電気的に
接続されている。
【0036】なお、上記のY軸用ボールねじの一端には
プラズマトーチ29のY軸方向の位置を検出するための
Y軸トーチ位置検出装置としての例えば図4に示されて
いるY軸用エンコーダ51が設けられており、このY軸
用エンコーダ51は制御装置45に電気的に接続されて
いる。なお、上記のY軸用エンコーダ51はプラズマト
ーチ29の前後左右方向の位置を検出するためのトーチ
位置検出装置の一部を構成するものである。
【0037】また、トーチヘッド47はプラズマアーク
を噴射するプラズマトーチ29が図4に示されているZ
軸駆動装置53により上下方向(Z軸方向)に昇降自在
に設けられている。したがって、プラズマトーチ29は
ワークテーブル3上でX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に
移動位置決め自在である。
【0038】なお、プラズマトーチ29の先端にはプラ
ズマジェット(プラズマアーク)をワークWに向けて照
射するためのノズル55が設けられている。
【0039】より詳しくは、プラズマ加工機1にはプラ
ズマジェットを発生せしめるために直流溶接電源や高周
波発生源(図示省略)が内蔵されている。この直流溶接
電源や高周波発生源によりプラズマトーチ29内で発生
するアーク熱でガスが高温に加熱されてプラズマ状にな
り、このプラズマ状のガスつまりプラズマジェットとし
てのプラズマアークがノズル55から噴射され、所望の
形状に切断するなどのプラズマ加工が行なわれる。
【0040】図4を参照するに、制御装置45では、中
央処理装置としてのCPU57に種々のデータを入力す
るための入力手段としての例えばキーボードのごとき入
力装置59と、種々のデータを表示せしめるCRTごと
き表示装置61が接続されている。
【0041】また、CPU57には入力装置59からワ
ークWの形状、板厚、材質、加工形状、プラズマ加工速
度、プラズマアークの発生出力などの切断加工条件を含
む加工プログラムのデータが入力されて記憶されるメモ
リ63が接続されている。
【0042】また、CPU57には上記の設定時間Tを
予め設定するタイマ65が接続されている。
【0043】また、CPU57にはメモリ63内の加工
プログラムに基づいてワークWの切断線のコーナ部C又
はコーナループ部CL でプラズマトーチ29のX軸方向
及びY軸方向の軸移動を予め設定した設定時間Tだけ一
時停止(インポジッション)又は速度低下を行う指令を
トーチ軸移動装置としてのX軸駆動装置23とY軸駆動
装置49に与える比較判断装置67が接続されている。
【0044】上記構成により、従来で説明したように図
6に図示されているワークWにピアス点を穴加工した後
に、このピアス点を出発点としてプラズマトーチ29が
矢印方向に移動されて矩形状をなす製品Gに切断加工さ
れる場合で、特にコーナ部Cのプラズマ切断加工につい
て説明する。
【0045】制御装置45のメモリ63に記憶された加
工プログラムに基づいて比較判断装置67からトーチ軸
移動装置にプラズマトーチ29の軸移動の指令が与えら
れる。
【0046】コーナループ部CLの大きさがコーナ部C
から離れた距離Rの最大値で表されるものとすると、プ
ラズマトーチ29は加工プログラムの指示に基づいて図
1に示されているように、前記距離Rが予め設定した設
定距離R1あるいはそれ以上移動したとき(R≧R1)
にプラズマトーチ29の軸移動が予め設定された設定時
間Tとしての例えば0.1〜0.2秒という一瞬の時間だけ一
時停止あるいは速度低下するので、アーク遅れが戻され
てプラズマアークが垂直に戻される。
【0047】したがって、プラズマアークがワークWの
表面側を通過する位置は、従来のようにプラズマトーチ
29の移動軌跡の内側に小さくなることが回避されてプ
ラズマトーチ29の移動軌跡とほぼ同じ軌跡で通過する
ので、例えば図1に示されているように従来のコーナル
ープ部CL の距離R0 よりも設定距離R1 を小さく設定
することができる。
【0048】以上の結果、製品Gの精度が向上すると共
に、コーナループ部CL を付けるとしても隣同士の製品
Gとの間隔を小さくすることができるので、図1に示さ
れているスケルトンSの領域が小さくなることから、コ
ーナループ部CL による歩留まりの低下を少なくするこ
とができる。つまり、従来のコーナループ部CL を付け
た場合より歩留まりが向上する。
【0049】なお、上記の加工プログラム63には、コ
ーナ部Cを有する製品Gの形状にプラズマ切断加工が行
われる場合、コーナループ部CL を付けずにコーナ部C
においてプラズマトーチ29の軸移動が予め設定された
設定時間Tだけ一時停止あるいは速度低下せしめる指示
を含めることもできる。この場合は、上記の設定時間T
はワークWの板厚に応じてワークWに対してプラズマア
ークの熱影響が与えられない範囲で予め設定されてい
る。
【0050】したがって、プラズマトーチ29が切断線
のコーナ部Cで設定時間Tとして例えば0.1〜0.2
秒という一瞬の時間だけ一時停止あるいは速度低下が行
われるときにアーク遅れが戻されるので、従来のように
コーナ部CにRが付いてしまうという問題点を解決でき
る。しかし、プラズマトーチ29がコーナ部Cで一瞬停
止されるのでワークWの板厚によってはコーナ部Cでワ
ークWが溶け込む可能性があるので、その場合には前述
したように、図1に示されているようにコーナループ部
L が設けられるように、予め加工プログラム63に設
定することができる。
【0051】以上の結果、製品Gの精度や向上すると共
に、コーナループ部CL を付けなくても済む場合は歩留
まり率の大きな向上となる。
【0052】なお、この発明は前述した実施の形態に限
定されることなく、適宜な変更を行うことによりその他
の態様で実施し得るものである。
【0053】
【発明の効果】以上のごとき発明の実施の形態の説明か
ら理解されるように、請求項1の発明によれば、切断線
のコーナループ部では、予め設定された設定時間だけプ
ラズマトーチの軸移動を一時停止あるいは速度低下する
ことにより、アーク遅れを戻してプラズマアークを垂直
にできる。その結果、ワークの表面側を通過するプラズ
マアークがプラズマトーチの移動軌跡とほぼ同じ軌跡で
通過するのでコーナループ部を小さくできる。したがっ
て、製品精度を向上できると共に歩留まり率の向上を図
れる。
【0054】請求項2の発明によれば、切断線のコーナ
部では設定時間として例えば0.1〜0.2秒という一瞬の時
間だけプラズマトーチを一時停止あるいは速度低下する
ことにより、アーク遅れを戻すことができるのでコーナ
部にRが付いてしまうという事態を回避できる。したが
って、製品精度を向上できると共に歩留まり率の向上を
図れる。
【0055】請求項3の発明によれば、コーナループ部
が設けられる場合は、コーナ部からの移動距離が予め設
定した設定距離に位置したときにプラズマトーチの軸移
動を予め設定された設定時間として例えば0.1〜0.2秒と
いう一瞬の時間だけ一時停止あるいは速度低下すること
により、アーク遅れを戻せるのでプラズマアークを垂直
にできる。その結果、ワークの表面側を通過するプラズ
マアークがプラズマトーチの移動軌跡とほぼ同じ軌跡で
通過するので、設定距離を小さく設定してもプラズマア
ークの熱はコーナ部に集中しなくなる。
【0056】請求項4の発明によれば、ワークの板厚に
よってはプラズマアークの熱影響を受けない範囲で、切
断線のコーナ部で設定時間だけプラズマトーチを一時停
止あるいは速度低下する。このときにアーク遅れを戻せ
るのでコーナ部にRが付いてしまうという事態を回避で
きる。
【0057】請求項5の発明によれば、制御装置のメモ
リに記憶された加工プログラムに基づいて比較判断装置
からトーチ軸移動装置に軸移動の指令が与えられる。切
断線のコーナ部では設定時間として例えば0.1〜0.2秒と
いう一瞬の時間だけプラズマトーチを一時停止あるいは
速度低下することにより、アーク遅れを戻せるのでコー
ナ部にRが付いてしまうという事態を回避できる。
【0058】切断線のコーナループ部では、予め設定さ
れた設定時間だけプラズマトーチの軸移動を一時停止あ
るいは速度低下することにより、アーク遅れを戻してプ
ラズマアークを垂直にできる。その結果、ワークの表面
側を通過するプラズマアークがプラズマトーチの移動軌
跡とほぼ同じ軌跡で通過するのでコーナループ部を小さ
くできる。
【0059】以上の結果として、製品精度を向上できる
と共に歩留まり率の向上を図れる。
【0060】請求項6の発明によれば、切断線のコーナ
部で設定時間だけプラズマトーチを一時停止あるいは速
度低下することによりアーク遅れを戻せるのでコーナ部
にRが付いてしまうという事態を回避できる。
【0061】ワークの板厚によってはプラズマトーチが
コーナ部で一瞬停止されることによってコーナ部でワー
クが溶け込んでしまうためにコーナループ部が設けられ
る場合は、コーナ部からの移動距離が予め設定した設定
距離に位置したときに予め設定された設定時間として例
えば0.1〜0.2秒という一瞬の時間だけプラズマトーチの
軸移動を一時停止あるいは速度低下することにより、ア
ーク遅れを戻してプラズマアークを垂直にできる。その
結果、ワークの表面側を通過するプラズマアークがプラ
ズマトーチの移動軌跡とほぼ同じ軌跡で通過するので、
設定距離を小さく設定してもプラズマアークの熱はコー
ナ部に集中しなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のプラズマ加工による切断
線のコーナループ部の平面図である。
【図2】本発明の実施の形態のプラズマ加工機の正面図
である。
【図3】図1のプラズマ加工機の右側面図である。
【図4】制御装置の構成ブロック図である。
【図5】プラズマ加工による切断線を示すワークの平面
図である。
【図6】従来のプラズマ加工による切断線のコーナルー
プ部の平面図である。
【符号の説明】
1 プラズマ加工機 3 ワークテーブル 13 キャリア 23 X軸駆動装置(トーチ軸移動装置) 29 プラズマトーチ 41 X軸駆動モータ 43 X軸用エンコーダ(X軸トーチ位置検出装置;ト
ーチ位置検出装置) 45 制御装置 47 トーチヘッド(加工ヘッド) 49 Y軸駆動装置(トーチ軸移動装置) 51 Y軸用エンコーダ(Y軸トーチ位置検出装置;ト
ーチ位置検出装置) 53 Z軸駆動装置 57 CPU(中央処理装置) 63 加工プログラム 65 メモリ 67 タイマ 69 比較判断装置 C コーナ部 CL コーナループ部 R0 (従来のコーナループ部の)設定距離 R1 (本願のコーナループ部の)設定距離 S スケルトン

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマトーチからワークにプラズマア
    ークを発生し、前記プラズマトーチをワークに対して相
    対的に前後左右方向に軸移動してコーナ部を有する形状
    にプラズマ加工切断する際に、アーク遅れによる前記コ
    ーナ部の切断不良を避けるべく切断線のコーナループ部
    でプラズマトーチの軸移動を一時停止又は速度低下を行
    うことを特徴とするプラズマ加工方法。
  2. 【請求項2】 プラズマトーチからワークにプラズマア
    ークを発生し、前記プラズマトーチをワークに対して相
    対的に前後左右方向に軸移動してコーナ部を有する形状
    にプラズマ加工切断する際に、アーク遅れによる前記コ
    ーナ部の切断不良を避けるべく切断線のコーナ部でプラ
    ズマトーチの軸移動を一時停止又は速度低下を行うこと
    を特徴とするプラズマ加工方法。
  3. 【請求項3】 前記プラズマトーチを切断線のコーナル
    ープ部で一時停止せしめるときは、切断線のコーナ部か
    らプラズマトーチの停止位置までの設定距離とプラズマ
    トーチを停止せしめる設定時間とを予め設定し、前記設
    定距離と設定時間に基づいてプラズマトーチの軸移動を
    行うことを特徴とする請求項1記載のプラズマ加工方
    法。
  4. 【請求項4】 前記プラズマトーチを切断線のコーナ部
    で一時停止又は速度低下を行うときは、ワークの板厚に
    応じてワークに対してプラズマアークの熱影響を与えな
    い範囲で一時停止又は速度低下を行う時間を予め設定
    し、この設定された時間に基づいてプラズマトーチの軸
    移動を行うことを特徴とする請求項2記載のプラズマ加
    工方法。
  5. 【請求項5】 ワークにプラズマアークを発生してプラ
    ズマ加工を行うプラズマトーチを備えたプラズマ加工装
    置において、 前記プラズマトーチをワークに対して相対的に前後左右
    方向に移動するトーチ軸移動装置を設け、 前記プラズマトーチのワークに対して相対的な前後左右
    方向の位置を検出するトーチ位置検出装置を設け、 ワークの切断加工条件の加工プログラムを記憶するメモ
    リと、このメモリ内の加工プログラムに基づいてワーク
    の切断線のコーナ部又はコーナループ部で前記プラズマ
    トーチの軸移動を予め設定した設定時間だけ一時停止又
    は速度低下を行う指令を前記トーチ軸移動装置に与える
    比較判断装置とを備えた制御装置を設けてなることを特
    徴とするプラズマ加工装置。
  6. 【請求項6】 前記比較判断装置が、プラズマトーチを
    切断線のコーナ部で一時停止又は速度低下を行うとき
    は、ワークの板厚に応じてワークに対してプラズマアー
    クの熱影響を与えない範囲で一時停止又は速度低下を行
    う時間を予め設定し、この設定された時間に基づいてプ
    ラズマトーチの移動を行う指令を前記トーチ軸移動装置
    に与え、前記プラズマトーチを切断線のコーナループ部
    で一時停止せしめるときは、切断線のコーナ部からプラ
    ズマトーチの停止位置までの設定距離とプラズマトーチ
    を停止せしめる設定時間とを予め設定し、前記設定距離
    と設定時間に基づいて行う指令を前記トーチ軸移動装置
    に与えることを特徴とする請求項5記載のプラズマ加工
    装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103433559A (zh) * 2013-08-16 2013-12-11 济南二机床集团有限公司 用于高强度钢制圆形锯片基体的等离子切割方法
JP2015057295A (ja) * 2014-11-04 2015-03-26 トモロジック アーベー カッティングのための制御ルールおよび変数
EP2694241B1 (en) 2011-04-07 2021-10-13 Tomologic AB Method of , system and computer program for machine cutting several parts of a piece of material using controlling rules and variables for cutting

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