夏休み・冬休みなどの帰省や旅行でパイオニアのカーナビアプリ『COCCHi』が本領発揮!? オービス情報対応で初めての道も安心ドライブ【高速編】

パイオニアがリリースし、今や70万ダウンロードを超える人気カーナビアプリ『COCCHi』。実際に使って都心の道を走ってみたが、その使い勝手はナビアプリの域を超えてカーナビそのものだった。そして、今度は高速道路も走ってみて、前回では利用できていなかった機能と合わせて、その使い勝手をさらに掘り下げてみたい。
PHOTO:MotorFan.jp/パイオニア

初めての道でも車線選びに迷わない!パイオニアのナビアプリ『COCCHi』を使ってみたら想像以上にカーナビだった!! 【一般道編】

パイオニアがリリースしているスマートフォン用カーナビゲーションアプリ(ナビアプリ)『COCCHi(コッチ)』を使ってみた。carrozzeria(カロッツェリア)ブランドで古くからカーナビを作り続けるパイオニアが手がけたナビアプリの使い勝手は果たしてどのようなものだろうか? PHOTO:MotorFan.jp/パイオニア

COCCHiの使い勝手を条件を変えて試してみた

【一般道編】で『COCCHi』の使い勝手の良さを体感したわけだが、となると高速道路での使用感も気になってくる。やはり高速道路を使用した遠出ともなると、ナビ無しのドライブも不便と不安がつきまとう。
【一般道編】では『COCCHi』+ディスプレイオーディオ(DMH-SF900)という絶好の組み合わせに、350円/月の基本プランを使用した。

『COCCHi』をディスプレイオーディと連動して使用。

今回は高速道路を利用しての使い勝手に加え、無料版と350円/月の基本プランの使用感の違い、【一般道編】で紹介しきれていない機能についても触れてみたい。
なお、車両は純正オプションはおろか後付けのカーナビやディスプレイオーディオも装着されていない1991年式スバル・レガシィ。

内装の樹脂パーツの劣化と破損時の部品欠品が気になる旧車は、スマートフォンホルダーの選定や設置場所にも気を遣う。加えて、ホルダーの設置で雰囲気を損いたくないというオーナーもいることだろう。

端末はiPhone12(車内での画面サイズの参考として)で、スマートフォンホルダーと設置場所の関係で設定時などに外して使用する際以外は横配置で固定している。

高速道路を含むルートを無料版と基本プランで比べてみる

無料版と基本プラン(350円/月)の違いについては【一般道編】でも紹介しているが、実際に走行した際は基本プラン版を使用している。そのため、改めて無料版の使用感を確認しておく。インストール自体はそのほかのアプリと同様だ。インストールすると通知画面にウェルカムメッセージが表示され。そして広告。無料版では仕方のないところではある。

通知センターには都度都度『COCCHi』からの通知が入る。
無料版起動時の一面広告。

起動するとログイン(アカウント設定)画面が表示されるが、アカウント登録なしでも使用できるので、まずは登録せずに使用してみる。
目的地の検索と検索結果からの選択。ルートの提案とその選択については前回でも紹介した通り。「推奨」「一般道優先」が選択できるが「推奨2」や「安い」などは選べない。

目的地の「フリーワード」検索画面。
検索結果。
検索結果から目的地を選択して設定。
ルート選択画面。
「推奨」ルート。
「一般道優先」ルート。
「推奨2」を選択すると有料機能のご案内が表示される。

ルート選定についてはパイオニアが培ってきたナビゲーションに関する知見が活かされており、carrozzereriaらしいルートが提案されるというので、他のナビアプリと使い比べてみるのも面白いかもしれない。

案内スタート。iPhone12をスマートフォンホルダーに固定した状態。

「推奨ルート」を選択してスタートしたが、ナビ画面では広告もなく画面がディスプレイオーディオに比べて小さく、先々の車線案内が表示されない以外は使用感に違いは無さそうだ。

ナビゲーションの情報量としては必要十分。スマートフォンの画面サイズでも画面内の情報は把握しやすい。
行き先案内標識表示時の画面。
高速道路の(スマートインター)入口への案内で、二分割画面に。
上記位置からもう少し(70m)進んだところ。

高速道路に乗ると、降りるインターチェンジ(IC)、途中のインターやサービスエリア/パーキングエリア(SA/PA)が二分割画面で表示されるのも一般的なカーナビと同様。さらに残った地図画面にも料金所などが表示されることがあるが、その際は残った地図エリアがかなり狭くなるのは仕方ないところか。その状況で地図を見ないといけないということもないので問題は無いだろう。

降りるICやルート上のIC、SA/PA、通過する料金所などフルに表示されると地図表示エリアがかなり狭く。
到着時間や残り距離も表示せず、ルート上のICとSA/PAのみ表示している状態。広告が表示された。

さて、肝心な高速道路上の分岐=ジャンクション(JCT)ではどのような表示になるだろうか?結果から言えば、これも二分割画面でイラストが表示され、進行方向が矢印で示されるというカーナビ同様に表示になっていた。

中央道と圏央道がクロスする八王子JCT、その1。
上記画面表示が出ている八王子JCTの手前。
八王子JCTは下り進行方向(西)に対して、分岐が青梅方面(北=右)と厚木方面(南=左)と逆(青梅方面=左、厚木方面=右)になっているのがわかりづらいと感じるドライバーもいるのではないだろうか?
分岐後の目的IC案内。(※目的地を途中で変更している)
目的のICの出口表示。
高尾山ICを降りると国道20号と八王子南バイパスが分岐しているので非常にわかりづらいのだが、『COCCHi』の案内は非常に助かった。
高速を降りてからは目的地(宮ヶ瀬から高尾山口駅に変更)まですんなり到着した。

無料版で高速道路を含むナビゲーションを使用してみたわけだが、無料のスマホナビとして使うのであれば全く問題ないと感じた。確かに広告表示が煩わしいケースはあるが、ナビゲーション画面ではあまり表示されず神経質になるほどではないように思える。では、基本プラン(350円/月)を利用するメリットはどこにあるのだろう?

基本プランを使用してみる……ルートバリエーションの拡充

では、改めて基本プランを利用して走ってみる。インストールしてあれば基本プランへの変更は「メニュー」→「アカウント」→「有料プランご利用状況」→「ご利用プラン変更」→「有料プランのご案内」から設定可能。サブスクの支払いなどは各スマートフォンの設定に従うことになる。

「有料プランご利用状況」から「ご利用プラン変更」を選択。
「有料プランのご案内」画面でプランを選択する。
サブスクの支払いは各スマートフォンの仕様に従う。

今回は「基本プラン(350円/月)」を選択。「仕事オプション」や「住宅地図オプション」も気になるところだが、前回との整合性と基本プランの機能を確認したい。
やはり無料版との大きな違いは「推奨」と「一般道優先」以外のルートが選べるようになることだ。

ルートバリエーションは最新アップデートで拡充された。無料版は「推奨」と「一般道優先」のみが利用可能。

「推奨2」ルートと駐車場検索で空車のみにソートできる点は前回紹介している。「安」「広」などの幅広いルート選択ができるようになったことで、パイオニアのルート検索の妙味がより味わえるだろう。こうしたルートの拡充はユーザーの声を反映したものだそうだ。

無料版では案内はあったが選べたのは「推奨」と「一般道優先」のみだった。
基本プランで「推奨2」なども選べるようになった。
一般道での使用感など、前回のレポートはこちらを参照。

ルート選択については、最新アップデートで「ルート学習探索」機能が追加された。案内とは違うがよく使う道を学習して、ルート検索時にそのルートも考慮される機能。もちろん設定でオン/オフが可能だ。ちなみに、carrozzeria『サイバーナビ』では標準の機能で、ここにもパイオニアの知見が活かされているというわけだ。

「ルート学習探索」機能

今回は繰り返し使用してるわけではないので確かめることはできなかったが、普段から『COCCHi』を使っているのであればありがたい設定だ。ユーザーの声が適宜反映されてアップデートされるのはスマホナビ、『COCCHi』の大きなメリットと言える。

基本プランの魅力は聞き取りやすい音声とオービス情報

今回の基本プラン利用で特に実感したのが、音声の聞き取りやすさとオービス情報、広告非表示だ。
特にオービス情報は最新アップデートで固定式に加え半固定式にも対応するようになった。夏休みや冬休みに帰省やドライブで普段は走らない道をドライブする際にはとても助かる機能ではないだろうか。

中央道上りの固定オービスがルート上にネズミのアイコンで表示されている。
上の画面上のオービスの手前にある注意標識。オービスまでに2つ設置するルールがある。
上画面のオービス本体。下り線にも設置されているが、無料版使用時には表示されていなかった。

またオービスの警告も音声案内があるのだが、これまでは警告音だけだったのを、最新アップデートでよりわかりやすく音声が追加されたとのこと。やはり常時色々な音が鳴っている車内では音だけでは気が付きづらいというユーザーの声を反映したものだそうだ。

半固定式は四角、固定式は丸、一般道は緑、高速は青で表示される。(画像はサンプル)
オービス警告サンプル。

基本プランにすると音声が非常に聞き取りやすくなる。無料版でも不自由するほどではないと感じたが、聴き比べればその差は明らか。ルート案内にせよ、オービスの注意喚起にせよ、スマートフォンのみの小さい画面で使用しているなら音声案内の役割は大きいはずだ。この音声の明瞭化もユーザーの声を反映したものだそうで、オフィシャルサイトでぜひ違いを聴き比べてみてほしい。

オフィシャルサイトの聞き比べコーナー。

基本プランでは渋滞表示の情報元が増える

ルート選定を『COCCHi』に委ねている以上、走行中はさして影響するものではないが、行き先の交通状況を把握して休憩やトイレ、立ち寄り、あるいはルート変更を考える上で渋滞情報は重要になってくる。
無料版でもプローブ情報(※)による渋滞は表示されるが、基本プランではVICS情報(※)が追加され、より詳細な渋滞状況が表示される。

・プローブ情報
走行中の車両の位置や速度などをカーナビやスマートフォンなどのGPS機能と通信ネットワークを通じて収集するデータ(フローティングデータ)をもとに生成される道路交通情報。自動車各社の独自サービスや、野村総研が扱うタクシーなどのがデータの元に鳴っている。

・VICS情報
道路情報交通センターが運用する道路交通情報システムの情報を受信する。渋滞情報ではおなじみ。
渋滞情報を表示した状態。自車位置の上にあるのが渋滞アイコン。実線がプローブ情報、破線がVICS情報となる。VICSの方が表示される渋滞情報が多い。赤とオレンジの線色は一般的にはナビと同様だ。
上の表示ポイントの実際の様子。オレンジなので渋滞というよりは混雑レベル。この時はそれほど大きな渋滞はなかったため、渋滞表示も控えめ。

その他の気になる機能も試してみた

実際に基本プランで高速道路を走ってみた印象は上述の通り、オービスと渋滞表示が大きな違いでルート案内については差は感じなかった(広告非表示は地味にありがたかったが)。これも『COCCHi』のベースとなる機能が非常に優れていることと言えるだろう。そこで、これまで紹介していなかったベースの機能についてもいくつか確認してみた。

『COCCHi』アイコンを押すとメニュー画面が開く。

「駐車場を探す」については前回紹介しているので、「ガソスタを探す」を使用して中継地に設定してみた。カーナビの施設検索では当たり前だし、『COCCHi』の検索画面からもジャンルとして選択できるが、メニューからクイックアクセスで自車周囲のガソリンスタンドを表示してくれるのはありがたい。

周辺のガソリンスタンド一覧。
立ち寄り地に設定。
ルート再設定。

また、長距離ドライブや子供連れのドライブではトイレ事情が重要になってくる。そのため、メニューからトイレ検索もクイックアクセスできるようになっている。概ね、コンビニかガソリンスタンドが候補として表示されるのだが、公園などの公衆トイレも表示される。

トレイ検索で表示された候補地。また、検索は自車中心に加え、地図中心でも検索できるので、ルート上や目的地周辺の検索も可能だ。

ちなみに施設などの検索において、同じ端末にGoogleマップと『COCCHi』が入っていれば、Googleマップの検索結果を『COCCHi』で共有することができる。検索エンジン最大手の検索性がそのまま使えるのは大きな魅力だ。

Googleマップの「共有」に『COCCHi』が追加されている。

「並走道路」に切り替えは現在のルート並走するルートに簡単にルート変更ができるほか、「渋滞情報」表示にもクイックアクセスできるようになっている。渋滞情報は渋滞状況だけでなく、工事などの各種規制もアイコンで表示される。

「渋滞情報を見る」画面。青の線は「順調」。画面上の白の点線は走行軌跡。渋滞や順調、規制、走行軌跡の表示はメニューからそれぞれ設定が可能。
渋滞線や規制情報の設定画面。自車マーク(赤三角印)のサイズ変更も可能。
自車マークは「大」「中」「小」の3段階で設定可能。
自車マーク「小」。自車位置の把握と地図の見やすさに応じて好みに設定できる。
ルート上の一時停止も表示されるので、『COCCHi』とのダブルチェックで見落としを防ごう。
見知らぬ土地や見づらい位置の停止標識は見落としやすいの注意。

他にも表示パターンとして、イラスト表示や拡大表示の二分割画面をキャンセルして、二分割時に見えなくなってしまう情報を表示させることができる。カーナビでは当たり前にできる機能がそのまま使えるのが『COCCHi』のポイントだ。

分岐時には画面が二分割されて、その他の情報が見られない。イラストの右下のアイコンを押すとイラストの縮小が可能。
イラストを縮小表示して、その他の情報を表示。スマートフォン画面では縮小イラストはあまりよく見えなくなるが。

まだまだ試せていない機能がたくさんあるのだが、ぜひ実際に触ってみて確かめてほしい。

クルマを登録しておけばクルマに合わせたルート設定ができたり履歴も残せる

『COCCHi』は車両情報の登録も可能で、登録しておけば車両サイズや区分に応じたルート選択をしてくれたり通行料金を表示してくれたりする。また、レポートとして使用した道路代、燃料代が記録されたり、運転回数、時間や距離、CO2排出量も記録されるようだ。

車両登録はメニュー画面の「ナビ」→「車両情報登録」から行う。
登録は下の「新規登録」から。複数設定できるので、複数所有オーナーや事業者には便利。
登録画面。メーカーや車種などをプルダウンメニューで選択。
これらのデータが車検証のQRコードを読み取れば一括入力される。
サイズや重量、燃料の情報はルート検索、履歴などに反映される。

どちらかといえば事業者向けの機能かもしれないが、クルマの費用管理や走行管理をしたいユーザーにはありがたい機能かもしれない。

有料プランは1ヶ月無料で使用可能!
「仕事オプション」も「住宅地図オプション」もOK

ちなみに有料プランはどのプランでも1ヶ月無料で使用できる。「仕事オプション」や「住宅地図オプション」も含めて、お試しで使ってみるのも面白いが、これらは月額料金も大きいので後々変更を忘れるとお財布が痛い目を見ることになるので注意が必要だ。

なお、プランの変更は「メニュー」→「アカウント」→「有料プランご利用状況」から簡単に行なえるので、1ヶ月のうちに色々試してみてはいかがだろうか?少なくとも、個々人の使用状況次第ではあるがプライベートユースであれば基本プランは外せなくなりそうに思えたし、金額以上の価値はあると思えた。

メニューから「アカウント」を選択。
アカウント画面の「有料プランご利用状況」を選択。
利用状況が表示されるので「ご利用プランの変更」を選択。
下の各利用プランを選択する。

前回も紹介している豊富なルートバリエーションと空き駐車場検索と合わせて、基本プランの機能の充実ぶりが際立った。加えて、ユーザーの声を反映した機能改善や強化が適宜アップデートされ、手間も費用もなく使用可能になっていくことを考えると、これで350円/月はむしろ安いのではないかという思いは前回以上に感じられた。

キーワードで検索する

著者プロフィール

MotorFan編集部 近影

MotorFan編集部