毎日のデスクワークや家事、子育て、スマートフォンでの動画視聴といった日常生活の中で、知らない間に溜まっていく身体のコリ。解消したいと思いつつ、忙しくてなかなかケアできてないという人も多いのではないだろうか。そんな時に役立ちそうなのが、家事や仕事中に肩コリや腰コリを“ながらケア”できるパナソニックの高周波治療器「コリコラン」。首や肩のコリやだるさに悩んでいた編集部スタッフが使用し、その効果を確かめてみた。
そもそも体に起こるコリとは、緊張して硬くなった筋肉が血管を圧迫して血行不良を引き起こし、疲労物質の乳酸が蓄積される状態のことである。コリコランは、そんなコリを装着するだけで改善するという、肩コリと腰コリ専用の治療器。約9MHz(1秒間に約900万回)の高周波を用いて患部にアプローチし、血流が滞っている部分の血行を促進して治療する仕組みとなっている。なお、高周波は体への刺激がないため、低周波治療器のようなピリピリとした刺激感が苦手な人にも使いやすいのも特徴だ。
コリコランには2個入りの「EW-RA500」と4個入りの「EW-RA518」がラインアップ。今回は2個入りを使用する
使い方は、コリコラン本体を患部に装着するだけ。本体への充電が必要だがコードレス仕様なので使いやすく、小型・軽量なので長時間使用していても違和感が少ない。また、運転音もしないため、コリコランを装着したまま過ごしても気付かれにくい。つまり、普通に生活しながら肩コリや腰コリの治療ができるというわけだ。
本体のサイズは約33(直径)×8.5(高さ)mmで、重量は約6g。肩に使用する場合、右肩と左肩にそれぞれひとつずつ計2個装着することになるが、負担や違和感を覚えるほどの重さではないだろう
使用するには、充電が必要。充電器に本体をセットし、充電する
付属のACアダプターを接続してコンセントから充電するだけではなく、単4形アルカリ乾電池4本を使って充電することも可能。屋外や、出張先などに充電器を持っていきたくない時に便利だ
充電時間は、連続使用時間に応じて2パターンを用意。本体の動作確認ランプが消灯するまで約3時間充電すると約24時間使用でき、充電器の充電表示ランプが消灯するまで約9時間充電すると約48時間使用できる。ちなみに、1日3時間毎日充電しても、電気代は約2円(税込)
ちなみに、充電する際に使用する充電器はケースにもなる。この状態でサイズは約117(幅)×105(奥行)×38.5(高さ)mmで、コリコラン本体を含めた重量は約152g。持ち運びも用意にできるサイズ感と重さだ
持ち運びしやすいよう収納ポーチも付属。収納ポーチには、ACアダプターなどの付属品を分けて収納できるように区切りが付いている
では、コリコランを実際に使ってみよう。仕事を始める朝9時から帰宅して入浴するまで、1日12時間コリコランを貼って生活する。肩コリの症状が変化するかを1週間使って試してみた。
まず、コリコランを装着するところからスタート。装着方法は、身体に直接貼るか、ストラップや肌着などに取り付けて装着するかの2パターンから選択できるが、初めての体験なので肌に直接貼り付けることにした。
コリコランを体に直接貼り付ける時には、粘着テープを使用する。EW-RA500には粘着テープ「EW-9R01」が32枚(本体1個に対して1枚使用)付属しているので、購入後、すぐに使用可能。肌の角質がはがれにくく、かぶれにくい仕様だという。なお、付属の粘着テープよりも粘着力が強めの「EW-9R02」も別売されている
台紙からはがした粘着テープをコリコラン本体の裏面に貼り付け、保護紙をはがせば準備完了。中央にあるブロンズゴールドの部分から高周波が出る
あとは、患部に貼り付ける。セロハンテープのような強い粘着力ではなく、肌に密着するようなやさしい付け心地だ
コリコランを2つ装着しても重量は計12g。重さが気になることもなく、また、使用中に刺激もないため、付けているのを忘れるほど違和感がない。また、コリコラン本体は500円玉硬貨より少し大きいくらいのサイズ感なので、コリコランが隠れるような服を上に着用していれば、ほかの人に気づかれることはなかった。
はじめのうちは肌に触れている感覚があったが、時間が経過するにつれてまったく気にならなくなった
使い始めて2日間は特に変化は感じられなかったが、3日目の起床時から肩の気だるさを感じなくなり、スッキリとした感覚で1日をスタートできるようになった。棚の上にあるものをラクに取れるようになるなど、肩の可動域が広がったような印象も。仕事終わりにも、身体が硬くなった感覚や疲労感が少なくなったような気がする。
腰もだるさや痛みを感じていたので、コリコランを腰に貼り付けてみることにした。
腰に貼り付けた時も、コリコランが透けない生地の服を着れば、周囲の人にコリコランを装着していることはバレない
腰への装着中の違和感は肩よりもさらに少なかったが、気付かないうちにはがれ落ちていることがあった。椅子に座ったり立ったり、体をひねったりと、腰は肩よりも無意識に動かしていることが多いのでコリコランがはがれやすいのかもしれない。付属の粘着テープよりも粘着力が強い「EW-9R02」(別売)を使ったり、別売の腰アタッチメント「EW-9R10」で装着するほうが安定しそうだ。
腰アタッチメント「EW-9R10」は、付属の装着リングでコリコランを取り付けて使用する
腰アタッチメントで使用する付属の装着リングは、ストラップや肌着などに取り付けて装着する装着方法の際にも使用。コリコラン本体と装着リングで衣服をはさみ込んで装着することができる。
コリコラン本体と同じ数の装着リングが付属
シャツの外側にコリコラン本体を当て、内側から装着リングで固定した状態。最初は装着に手こずったが、慣れれば1分もかからず装着できるようになった。粘着テープははがれる心配があるので、汗をかきやすい人や夏場は装着リングを使ったほうが安心かも
装着リングを使えば、ストラップにも取り付けられる
コリコランが首に当たる装着となるが、ストラップに取り付けたこのパターンが安定感と使いやすさはもっとも高い印象
ちなみに、高周波は刺激が感じられないほか、運転音が出ないので、きちんと動いているかを目視や聴音で確認することはむずかしい。つまり、高周波が出ていない状態で装着していても気付かないということだ。そんな事態にならないように、使用する前には充電器に搭載されている高周波チェッカーで確認するようにしよう。充電器にAC電源を接続、もしくは乾電池をセットしてから充電器上部にある高周波検知部にコリコラン本体を近づけ、ブザー音とともに高周波チェッカーランプが点滅すれば、問題なく高周波が出ている。
充電器上部にある「CHECKER」と記された部分が高周波検知部。衣服の上からコリコランを装着しても、きちんと高周波は患部に届くので安心してほしい(下の動画参照)
コリコランは低周波治療器のように刺激を感じることもないため、使った実感としては、ただ長時間装着しているだけでしかない。マッサージ器のように使ってその場で得られる“効いている感”もないので、効果の有無は表現しづらいのだが、今回1週間使ってみて、仕事後にたびたび感じていた肩や腰のハリ、頭痛、起床時の気だるさが軽減されたような気がした。これがコリコランのおかげかは断言できないが、わざわざケアするための時間をとる手間がなく、“付けておけばいいだけ”なのは手軽で使いやすい。充電の作業は必要だが、1回の充電で長時間持つのでそれほどわずらわしさはないだろう。瞬時に効果を体感できるものではないが、マッサージ器でほぐしてもなかなか肩や腰のコリが解消されないなら、身体組織まで深く浸透し、コリの患部まで到達してコリを改善するコリコランを導入してみるのもよさそうだ。
肩や腰に使えるとまとめられているが、コリコランを貼る位置によって「(1)天柱」「(2)肩中兪」「(3)肩井」「(4)肩外兪」「(5)三焦兪」「(6)腎兪」「(7)志室」「(8)大腸兪」など、直接アプローチする患部が調整できる
※本記事は、筆者の個人的な感想に基づくものです