...もやもやと胸の中に立ち迷うばかりで...
有島武郎 「或る女」
...「人間はいかなる場合に立到っても決して迷う事をしてはいけません...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...どの思想を選択してよいかに迷う...
豊島与志雄 「意欲の窒息」
...かえってそれに迷う...
中里介山 「大菩薩峠」
...大野ヶ原の雪に迷うて...
中里介山 「大菩薩峠」
...靨(えくぼ)に寄ろうか崩れようかと迷う姿で...
夏目漱石 「行人」
...免職になれば融通の利(き)かぬ主人の事だからきっと路頭に迷うに極(きま)ってる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...私は付け難い判別にさ迷うよりは...
西尾正 「陳情書」
...ああ、この分れ目まで来て、まだ迷うのか...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...森蔭の径や川のほとりをさ迷うとして...
牧野信一 「痩身記」
...二つの極端の間を行き迷うものである...
松永延造 「ラ氏の笛」
...恋に迷う心の憎、爽快に伴う胸悪さに委ねよう...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...人間の人間らしいところではあるだろうがね」たんば老人はタバコをすおうかすうまいかと迷うように...
山本周五郎 「季節のない街」
...「あれエ――ッ……」「きゃあア――あッ……」「……誰か来てエ――ッ……」と口々に悲鳴をあげながら逃げ迷うて...
夢野久作 「少女地獄」
...どこかへ突き刺さったままさ迷うような視線である...
横光利一 「夜の靴」
...そこを迷うのだ、右馬」すると、廊(ろう)ノ間(ま)のほのぐらい簾(す)の外に、人影がさした...
吉川英治 「私本太平記」
...「やはり……仏天のおさしずじゃった……道に迷うたのも...
吉川英治 「親鸞」
...銀五郎が両手をついてお願い申します」「……さて何としたものやら?」「なに迷うことがございましょう...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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