...彼女が何かの用でお客の傍(わき)を向くたびごとに忽然としてその顔面から消え失せるのだったが...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...」猫は片耳を傾けただけで、振り向くことも、手入れを休むこともなかった...
R.W. チェンバース R.W. Chambers The Creative CAT 訳 「四風の街」
...それをそのまま舌に移し次に爪に移して貼り付けるとちょうど赤い表が本のページで上に向くのである...
寺田寅彦 「柿の種」
...××大将は戦地へ出向く連中から...
徳田秋声 「躯」
...「はい、こちらをお向きになって」とく子は着物を直し、医者の方を向く...
外村繁 「澪標」
...「あなた!」ふり向くと...
豊島与志雄 「子を奪う」
...矢杉の好奇心の向く方へ動いていった...
豊島与志雄 「在学理由」
...七瀬が振向くと、駕の中の人の眼が光って「七瀬殿、何を愚図愚図」と、叫んだ...
直木三十五 「南国太平記」
...振向くと十疊の座敷は新しい疊の表ばかりが妙に廣々として白く光つて...
永井荷風 「新歸朝者日記 拾遺」
...話がとかくそちらへ向くのは...
夏目漱石 「行人」
...私は病人に向く小説というものを考えてみたし...
原民喜 「忘れがたみ」
...蘆田周平はサンルームのつづきの日向くさい絨氈の上に寝ころがり...
久生十蘭 「春の山」
...ルオーがもう手離した絵だのに時々気が向くと来ては...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...咲ちゃ?(と肩越しに振向くお妙の顔を...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...庭に向くと思うた...
室生犀星 「庭をつくる人」
...向くる矢もはや尽きた...
吉川英治 「篝火の女」
...そして後ろを振向くと...
吉川英治 「新・水滸伝」
...自分が遊山にでも出向くように...
吉川英治 「宮本武蔵」
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