たがやす

• (東京式) たがや​す [tàgáyáꜜsù] (中高型 – [3])
• IPA^(?): [ta̠ɡa̠ja̠sɨᵝ]
• (京阪式) たがやす

たがやす【耕す, 佃す】

1. (農業) 土を掘り返し、田畑を作る。
   • 家のまはりの荒地は耕されて、菜園となつてゐたが、庭のあとの池はまだそのまま残つてゐた。（原民喜『氷花』1947年。）
2. (農業) （田畑の）土を掘り返して柔らかくする。
   • 鍬をその土中につきさして耕すと、青い蚯蚓などが匐い出して来た。（豊島与志雄『秋の幻』）
3. （比喩的）開拓する。整備する。掘り下げる。作る。
   • 新しい世界を開くのは、いつだって志を持った頑固な書き手だろう。だが開かれた世界を深く耕すには、出版社は不可欠だ。（富田倫生『青空のリスタート』）
   • 時々、思うのである。ぼくのやっているこの長い仕事と、この子の伸びてゆく背丈と、どっちが確実な成長をとげているのだろうと。すると、どうもかなわない気がしてならない。けれど、いい目標ではあると思って、香屋子の育ちに負けないように、おりおり、自分を励ましては、稿を耕すということばのもつ勤勉をふるい起こす対象としている。（吉川英治『随筆 新平家』）