あと

• (東京式) あ​と [áꜜtò] (頭高型 – [1])
• IPA^(?): [a̠to̞]
• (京阪式) あと​

あと【跡・蹟・痕・址】

1. 人や動物が移動した際に残った歩行の痕跡。あしあと。
   • 跡をつける（「後をつける」とも）
2. 何かが行われた、又は、何かが存在した痕跡。
   1. 【跡、蹟】一般的な用字。
   2. 【痕】体についてのあと。
   3. 【址】建物等建造物のあと。

• 「足（あし）（の）所（と）」の意

• 英語:a mark、a trace

あと【後】

1. （空間:「跡」から）進行方向又は視線の方向と逆の方向。
   • やがて、彼等は、まだぬくもりが残っている豚を、丸太棒の真中に、あと脚を揃えて、くゝりつけ、それをかついで炊事場へ持ちかえった。逆さまに吊られた口からは、血のしずくが糸を引いて枯れ草の平原にポタ／＼と落ちた。（黒島傳治 『前哨』）
   • 類義語:うしろ:但し、「うしろ」が静的であるのに対して、「あと」は動的。
   • 対義語:さき　cf.「まえ」:「うしろ」の対義語
2. (時間) （進行するものの後方のものは遅れることから）時間的に遅れて発生すること。以後、将来、未来。
   • 対義語:前（さき）、先（さき）、さっき
   • 類義語:先（さき）
3. 残り、余り。

語義1

• 英語:back、rear

語義2

• 英語:future

語義3

• 英語:rest

あと【後】

1. （数量を表す述語を修飾して）あることが発生する、又は終結するなど変化するまで、時間や資源が残っている状況を示す。
   • 後１０分で開演する。
   • いや、それよりも差し当たり大問題なのは、あと四十九回の治療代をどうして捻出すべきかということだった。（海野十三 『幸運の黒子』）
   • 後３人でぼくの番だ。
   • 木代が、六十円ほどはいったが、年末節季の払いをすると、あと僅かしか残らなかった。（黒島伝治 『窃む女』）
2. (口語, 接続詞的に) それに加えて。
   • しかし、これでもまだ、故郷までの全旅程の三分の一くらいしか来ていないのである。読者も、うんざりするだろう。あとまたいろいろ悲惨な思いをしたのであるが、もう書かない。（太宰治 『十五年間』）

あと【跡】

1. 足元（あしもと）、足（あし）の方。
2. 足跡（あしあと）。
3. 痕跡、形跡。
4. 形見（かたみ）。
5. 筆跡。
6. 様式、形式、先例、手本。
7. 跡目（あとめ）、家督。

二拍名詞四類^(?)

• (平安時代)あと
• (南北朝時代)あと
• (室町時代)あと
• (江戸時代)あと

あと【後】

1. うしろ、背後。
2. (時間) 以後、将来、未来。
3. 死後。
4. 出家したあと。
5. (時間) 以前、過去。