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AEC・ルートマスター

ロンドンバス

これはこのページの過去の版です。Lightslateblue (会話 | 投稿記録) による 2013年9月29日 (日) 09:59個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (D.TiT'98 (会話) による ID:49242595 の版を取り消し 1999年の1年ではない。http://www.jlgc.org.uk/jp/information/monthly/uk_july_01.pdf)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

AECルートマスター(Routemaster)は、イギリスのアソシエーテッド・エクイップメント社(AEC:en:Associated Equipment Company)が製造し、ロンドン市内の路線バスとして活躍していた二階建てバス2005年に引退したが、現在でもロンドン市内の観光路線で活躍する。

歴史

ロンドン市内の路面電車とトロリーバスの置き換えとしてダグラス・スコット(Douglas Scott)のグループにより1947年から開発に着手。1954年にプロトタイプ車が登場、4年間の評価期間を経て1959年に生産を開始、1968年までに2,876台が製造され、2,760台がロンドン市内で運行された。エンジンを前方に置き後輪を駆動するFRレイアウトを採用したため、後部に出入口を置くワンステップ構造を実現、パワーステアリングや前輪独立懸架アルミニウム合金製の車体など、当時としては先進的な装備が施されていた。

1970年代になると運行経費削減のためロンドンでもワンマンバスが増え、車掌を乗せなければならないルートマスターでは不経済になってしまった。一方でワンマン化したことで運転士が精算業務を行わなければならないため遅れが目立つようになり、その結果停留所に自動券売機が置かれるようになった。その点でルートマスターは精算業務は車掌が担当するため、ワンマンカーに比べて遅れは少なかったという。

1990年代のLondon Buses Limitedの分割・民営化では9社に引き継がれたが、2000年代に入ると老朽化に加えて

  • 排出ガス規制の強化
  • バリアフリー化施策の強化によるノンステップバスの登場
  • 輸送力向上の施策が二階建てバスから連節バスに転換されたこと
  • 出入口がオープンデッキのため安全性に問題があること(低速走行時の飛び乗り/飛び降り)

などの理由で、2005年12月に第一線を退いた。

しかしルートマスターに愛着を持つロンドン市民は多く、2005年11月からは下記の2系統の「遺産ルート」で日中に運行されている。

運賃は1乗車1.5ポンド(約350円、一日乗車券を使用すれば3.5ポンド:約815円、2006年12月現在。オイスターカードも使用可能)だった。

後継車はニュー・バス・フォー・ロンドンで、2012年に運行を開始した。

仕様

 
左前部
 
右後部
  • 全長:8.4m(27フィート6インチ) ※RMLは9.1m(30フィート)
  • 全高:4.4m(14フィート4 1/2インチ)
  • 全幅:2.4m(8フィート)
  • エンジン:AEC AV590型(9,600cc)またはレイランド0600型(9,800cc)ディーゼルエンジン(最高出力115馬力)
  • トランスミッション:AEC製4速セミオートマチックトランスミッション
  • 座席定員:64人(1階:28人、2階:36人)

バリエーション

  • RM:標準タイプ、2,123台製造
  • RML:標準タイプのロングボディ、524台製造
  • RMC:Green Line coach向け。郊外路線のためファイナルギアの減速比が高速向きになり、燃料タンクの容量もアップしている。69台製造。
  • RCL:RMCの高出力・ロングボディバージョン。排気量11,300ccの150馬力エンジンを搭載。43台製造。
  • RMF:1階の構造を変更し、出入口を前に、エンジンを後ろに設置。他社向けを含め51台製造。
  • RMA:ロンドン・ヒースロー空港リムジン向けに開発された高出力バージョン。65台製造。
  • FRM:1台製造

対日輸出

 
「グリーンウェーブ相模原'92」でシャトルバスとして使用されたルートマスター。側面上部に非常口を設置している
 
JR下関駅バスターミナル(ロンドンバスのりば)にて。ナンバープレートの「19-62」はこの車両が登録された年。
 
下関市内で運行していたルートマスターの二階席室内。扇風機を設置している。

イギリスの左側通行が幸いし、日本においてもとりあえず運行可能な条件を備えているため、イベント時のシャトルバスなどに使用するために数台が輸入されている。ただし高さは変更されていないため、走行に際してはその都度特認を受けることになり、走行ルートは歩道橋などの走行に支障をきたす建築物がないルートに限定される。また、非常口などは日本の基準に合わせて増設されている(右の画像も参照)。

主な事例

  • 1992年に行なわれた全国都市緑化フェア「グリーンウェーブ相模原'92」において、原当麻駅相模大野駅からフェア会場までのシャトルバスの一部にルートマスターが4台運行された。運行は神奈川中央交通相模原営業所が担当した。運賃箱は路線車と同じものを設置し、神奈中バスカードの利用も可能であった。
  • 1993年3月27日から5月30日にかけて行なわれた全国都市緑化フェア「グリーンフェア'93いばらき」においても、シャトルバスの一部にルートマスターが使用された。2台が使用され、運行は茨城交通が担当した[1]
  • 2008年4月5日から世界で6台だけ無償で貸与されたうちの1台が山口県下関市で路線バスとして運行を開始した。運行区間は、JR下関駅 - 城下町長府間で、サンデン交通が下関市より委託を受けて運行した。土日祝日のみ運行。ルートマスター定期運行は日本初。2013年3月24日をもって運行を終了した。

車体色

日本国内では都営バスの二階01・二階02系統(両系統共に現在は廃止)、および日の丸自動車興業スカイバス東京に導入されているネオプラン・スカイライナーの車体色にも赤が採用されているが、これはルートマスターの影響を受けているものと思われる。

JR九州バスの車体色にも赤が採用されているが、これは、「ルートマスターが赤1色であること」と、「JR九州のコーポレートカラーも赤であること」をかけて決められた。ただし、JR九州バスはルートマスターに比べ、やや明るい赤色で塗装されている。

脚注

外部リンク