2学期制
学校の一年の課程を2期に分けて行う制度
2学期制(にがっきせい)は、学校の1年間の課程を2つの学期に分けて行う制度。セメスター制ともいう。
大学などの高等教育では、ほとんどの学校が2学期制であるが、中等教育以下では、3学期制が多い。初等中等教育に関しては、仙台市が先駆的な取り組みを行った。
2学期制実施の意図
初等教育、中等教育における2学期制の実施には、次のような意図がある。
- 2002年度から段階的に実施された学習指導要領では、5,6時間授業が増えて、児童会・生徒会活動や放課後活動にゆとりがなくなったが、各学期が100日ほどの長い授業日数となる2学期制によって、年間を通したゆとりを生み出すことができる。
- 以前の学習指導要領及び学校6日制時代に実施していた学校行事が、ほぼ同様に計画・実施されていて窮屈なことから、その見直しや検討を図る。
- 通知票(あゆみ)の評価を1学期と2学期の2回にすることにより、学習(評価)期間が100日ほどになって絶対評価の意義が生かされる。
- 40日ほどに減った3学期では、絶対評価の意義が薄い。教科によっては、少ない授業時数であるにもかかわらず無理に評価しなければならない弊害が生じている。
- 1つの学期がなくなることで、始業式と終業式が減ったり、当日の時数カットがなくなることや、評価週間が1回減ることで、年間授業時数を増やすことができる。
- 評価業務のなくなった7月と12月がこれまで以上にゆったりでき、行事の時期や持ち方及び内容を見直せる。また、夏季休業及び冬季休業前に児童・生徒への個別指導週間を設定して、学習や生活の在り方をふりかえり、有意義な休みの過ごし方に向けた指導・支援ができる。
- 夏季休業及び冬季休業期間中に、4月から7月と10月から12月の間における学習結果について評価業務ができ、1学期末(9月)及び2学期末(3月)の評価業務にゆとりをもたらすことができる。
- 新しい総合的な学力(学ぶ意欲、思考力、判断力、表現力、知識・技能)の育成には、学習期間の長い2学期制がふさわしい。
2学期制のしくみ
- 2002年度 (年間授業日数205日) 土曜日が完全に休みになり授業日が約40日減った。
3学期制 |
1学期 (75日) |
夏 休 み |
2学期 (86日) |
冬 休 み |
3学期 (44日) |
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25日 |
25日 |
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- 2003年度 (年間授業日数208日) 6日間の秋休みを設定した。10月8日は開校記念日,9-10日は夏休みから2日を移行した。11(土),12(日),13日は体育の日
1学期
|
2学期 |
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2学期制 |
4/7 (112日) 7/26 |
夏 休 み |
10/7 8/17 |
秋 休 み |
10/14 (96日) 12/27 |
冬 休 み |
3/24 |
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23日 |
6日 |
25日 |
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利点と欠点
児童・生徒側と教員側にそれぞれ次のような利点と欠点がある。
学習者から見た利点
教員から見た利点
- 各学期がそれぞれ100日程の長い授業日になることで,年間を見通した学校行事や児童会活動・生徒会活動を計画することが可能になる。
- 長期休業前の時期も落ち着いた学習活動に取り組ませることができる。
- 長期休業に向けた児童・生徒への指導を通して,それまでの学習や生活の在り方を振り返らせ有意義な休みの過ごし方に向けた指導・支援体制をとることができる。
- 通知票の評価を3回から2回にすることにより,学習期間が100日程になり絶対評価の意義が生かされる。
- 始業式・終業式・評価業務が各1回ずつ減り,年間授業総時数が増え従来より時数に余裕を生ませることが出来る。
- 学校教育全体を見直すきっかけとなる。
学習者から見た欠点
教員から見た欠点
- 2学期制を生かした新教育課程の趣旨を実現することに時間がかかる。
- 以前の学習指導要領及び学校6日制時代から引き続き実施されているの学校行事の見直しや検討をしなければならない。そこには発想の転換が必要であり児童・生徒、保護者、地域、職員等からの理解を得るのが難しい。
- 夏・冬休み前に学期の区切りをつけ通知票を発行するという,従来からのリズムが変化することに対する保護者の不安感が大きく,その解消を図ること,その方策には時間と手間がかかる。
2学期制実施地域・学校
強い強調(太字)==2学期制の課題==
- 2学期制を生かした新教育課程の趣旨を実現する教育活動の創造をすること。
- 以前の学習指導要領及び学校6日制時代から引き続き実施されている学校行事の見直しや検討をすること。(発想の転換)
- 児童会・生徒会活動の見直しや検討をすること。
- なおいっそう,地域や保護者への2学期制の理解を深めること。
- 夏・冬休み前に学期の区切りをつけあゆみ(通知票)を発行するという,従来からのリズムが変化することに対する保護者の不安感の解消を図ること。
強い強調(太字)==2学期制の課題==
- 2学期制を生かした新教育課程の趣旨を実現する教育活動の創造をすること。
- 以前の学習指導要領及び学校6日制時代から引き続き実施されている学校行事の見直しや検討をすること。(発想の転換)
- 児童会・生徒会活動の見直しや検討をすること。
- なおいっそう,地域や保護者への2学期制の理解を深めること。
- 夏・冬休み前に学期の区切りをつけあゆみ(通知票)を発行するという,従来からのリズムが変化することに対する保護者の不安感の解消を図ること。