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ニューナンブM66短機関銃

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ニューナンブM66短機関銃とは、新中央工業(現ミネベア社大森製作所)において試作された短機関銃である。

ニューナンブM66短機関銃
ニューナンブM66短機関銃
種類 短機関銃
製造国 日本の旗 日本
設計・製造 新中央工業(現ミネベア社)
仕様
種別 短機関銃
口径 9mm
銃身長 154mm(M65)
140mm(M66)
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 30発(箱形弾倉)
作動方式 シンプルブローバック方式
オープン・ボルト撃発
セミ/フルオート切替式
全長 763m/501mm(M65)
756mm/504mm(M66)
重量 4.08kg(M65)
3.96kg(M66)
発射速度 550発/分(M65)
465発/分(M66)
歴史 
設計年 1965年
製造期間 試作のみ
バリエーション M65, M66
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新中央工業は、日本陸軍の造兵将校であり企業家だった南部麒次郎の設立した南部銃製造所を前身とするため、同社で開発された製品には『ニューナンブ』(ニューナンブM60回転式拳銃など)と冠される通例があり、本銃もその例に倣っている。

また、警察予備隊でサブマシンガンの訳語として作られた『短機関銃』の名称を持つ、唯一の日本製銃器でもある。

開発の背景

1960年代自衛隊が主に使用していたM1短機関銃及びM3短機関銃は、警察予備隊時代から米軍の供与を受けて使用されていたものだったが、製造から20年を経た事もあり更新が図られていた。

当時既に国産の62式7.62mm機関銃64式7.62mm小銃が制式化されており、M3短機関銃の老朽化に伴う新型短機関銃の試作は、旧軍において使用された一〇〇式機関短銃の開発・製造経験を持つ新中央工業に委託された。

米軍供与のM1・M3短機関銃はともに.45ACP弾(11.4mm口径)を使用し、自衛隊の制式拳銃も同弾を用いるM1911だったが、各国で9mmパラベラム弾を用いる自動拳銃短機関銃が主流となりつつあった。新中央工業では1957年から、M1911をベースとした9mmパラベラム弾使用の自動拳銃であるニューナンブM57Aを試作し、自衛隊で採用テストが行われた経緯があり、試作短機関銃もMP40Star Model Z-45カールグスタフm/45S&W M76など9mmパラベラム弾を用いる各国の製品を参考に開発が進められた。

特徴

1965年に完成したニューナンブM65短機関銃はM3短機関銃と同様に、オープンボルトシンプルブローバック方式を採用した。同時期に製造されたS&W M76などと同様にセミ/フルオートの切替射撃が可能だった。

試作品には数種のバリエーションがあり、MP40に似た形状の折り畳みストックが付き、弾倉挿入口にはマドセン M-50と同様のグリップセフティが設けられ、両手で正しく保持しなければ発射できない構造となっていた。

排莢口にはM3短機関銃と同様のセフティを兼ねたダストカバーが付けられ、これを閉じる事でボルトがロックされ、グリップセフティを握り込むとダストカバーが開いてボルトが動作できるようになる。

M65は防衛庁の実射試験を受けた後、全長/銃身長を若干短縮し細部を改良されたM66に発展し、組込式のサプレッサーを持つタイプも製作された。

しかし、M1911拳銃に代わる9mmパラベラム弾用の更新用拳銃が1980年代まで採用されなかった事もあって、自衛隊ではM3短機関銃が継続して使用され続け、ニューナンブ短機関銃が採用される事はなかった。

その後

ニューナンブM65が完成した1965年には、アメリカ陸軍アメリカ空軍の一部で先立って使用されていたM16小銃を採用、翌年にはM16の短縮型であり短機関銃と同程度のサイズのCAR15-SMGが開発された。

同時期に欧州各国ではAR-18の影響を受けたアサルトライフルが普及しはじめ、日本においても豊和工業がAR-18をライセンス生産し、その後89式小銃が開発された。短機関銃は1970年を境に軍用としては一線を離れ、小銃騎銃短機関銃アサルトライフルに統合する動きが主流となった。

自衛隊と同時期に米軍からM3短機関銃の供与を受け、自衛隊と同様に更新用火器を求めていた韓国軍では、CAR15-SMGと同じくアサルトライフルを短縮したK1機關短銃が採用された。また、自衛隊においては89式小銃の折り畳み銃床タイプがM3短機関銃の後継用途を担いつつある。

自衛隊では1999年に9mm機関けん銃が採用されたが、その用途は9mm自動拳銃の後継としてのものであり、ニューナンブ短機関銃が開発された当時とは用途も異なるものとなっている。

この間に自衛隊以外の都道府県警察海上保安庁などの組織では、輸入されたH&K MP5の導入が進む一方、単純で頑丈な構造を持つM3短機関銃は、製造から60年以上を経た今日でも継続して自衛隊内で使用されている。

関連項目

外部リンク