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オールウェイズ・ラヴ・ユー

ドリー・パートンが1974年にリリースした楽曲

オールウェイズ・ラヴ・ユー」(: I Will Always Love You =いつまでもあなたを愛している)は、アメリカ合衆国シンガーソングライターであるドリー・パートンが作詞作曲しレコーディングしたカントリーの楽曲。この曲はドリーの27曲目のシングルである。

「オールウェイズ・ラヴ・ユー
I Will Always Love You」
ドリー・パートンシングル
初出アルバム『ジョリーン
B面 ロンリー・カミン・ダウン(1974年版)、Do I Ever Cross Your Mind (1982年版)
リリース
規格 7インチレコード
録音 1973年6月13日[2]
ジャンル カントリー
時間
レーベル RCAレコード
作詞・作曲 ドリー・パートン
プロデュース ボブ・ファーガソン
ドリー・パートン シングル 年表
ジョリーン
(1973年)
オールウェイズ・ラヴ・ユー
(1974年)
恋は蝶
(1974年)
1982年版 年表
ハートブレイク・エクスプレス
(1982年)
オールウェイズ・ラヴ・ユー
(1982年)
ハード・キャンディ・クリスマス
(1982年)
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概要

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元々は1973年にリリースされた13枚目のアルバム『ジョーリン』(Jolene)に収録されていたものであるが、後にアルバムからの2枚目のシングルとして1974年6月6日にリリースされた。曲自体はカントリーミュージックであるが、ゆったりとした曲調と、パートンの鼻にかかった独特の歌声で纏まっている。

当時仕事上での関係を解消したかつてのデュエット・パートナーでメンターのポーター・ワゴナー英語版のために1973年6月13日にレコーディングされた。この曲は批評家から好評なだけでなく商業的にも成功した。リリース後、『ビルボード』誌のカントリー・チャートで第1位を1974年6月の他に1982年10月の再録時の2回獲得した。これにより同じ曲で違う時期の2回カントリー・チャートで第1位を獲得した最初のアーティストとなった。1975年、この曲によりパートンはCMAアワードの女性ヴォーカリスト賞を受賞した。1982年の再録版は映画『テキサス1の赤いバラ英語版』のサウンドトラックとしてレコーディングされた。この曲は後に1995年ヴィンス・ギルとのデュエットとして再録され、発売されている。

1992年ホイットニー・ヒューストンがカヴァーし、映画『ボディガード』の主題歌として使用された。この曲は『ビルボード』誌Billboard Hot 100で14週第1位を獲得し、ベストセラーとなった[3]。2012年、ヒューストンが亡くなるとこの曲は再びチャート入りし、同じ曲で違う時期の2回Hot 100でトップ3にランクインしたのは1960年と1962年に『ザ・ツイスト』を歌ったチャビー・チェッカーに続いて2人目であった[4]

BMI調べによる「20世紀アメリカのテレビやラジオで最もオンエアされた100曲」のランキングでは13位にランクインされた[5]

ドリー・パートン版

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背景および曲の構成

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1973年、当時仕事上での関係を解消したかつてのデュエット・パートナーでメンターのポーター・ワゴナーのためにこの曲を作曲した[6][7]。6月13日、テネシー州ナッシュビルでレコーディングされた[2]。1982年、映画『テキサス1の赤いバラ』のサウンドトラックで使用されることになり、再びレコーディングを行なった[8]。作家カーティス・W・エリソンは「もうほとんど喧嘩をすることもなくなった男女の別離について語っているが、女性が主導権を握っているために相手に対してリスペクトをしている」と語った[1]。ハル・レナード社によるmusicnotes.comで出版された楽譜によると、このカントリーのラブソングは4分の4拍子でテンポ=66[BPM]である[9]。パートンのマネージャーであるダニー・ノゼルはインタビューにて「『アメリカン・アイドル』で判明したことは、多くの人々がこの曲を作曲したのはドリー・パートンであるということを知らないということ」と語った[10]

『テキサス1の赤いバラ』にサウンドトラックで使用された他、1974年のオリジナル版は同年のマーティン・スコセッシ監督の映画『アリスの恋』でも使用された。

評価

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1995年、エリソンの著書『Country Music Culture: From Hard Times to Heaven 』の中で、「微妙な男女の関係が互いの期待とずれていく様子は、1990年代初頭、パートンがポップ市場に挑戦した後の状態を表しているようだ」と記した[1]。 2008年の『The Midnight Show: Late Night Cable-TV "Guy-Flicks" of the '80s 』の著者ケン・ナイトは『オールウェイズ・ラヴ・ユー』を歌えて記憶に残るのはパートンのみと語った[11]。作家ポール・シンプソンはパートンとワゴナーの別離をソフトに書いただけと批判した[12]。1974年のオリジナル版リリース時、この曲はカナダで第4位、『ビルボード』誌のカントリー・チャートで第1位のヒットを記録し、この年のベストセラー・シングルの1つとなった[13]

カントリー・チャートで第1位に到達した頃、エルヴィス・プレスリーがこの曲をカバーしたいと申し出た。パートンはこれに興味を持ったが、プレスリーのマネージャーのトム・パーカー大佐が、プレスリーが録音した曲は出版権をプレスリー側に半分譲渡することが通例であると語ったため[14]、パートンはこれを拒否した。この決断が結果的にパートンにその後何年にもわたってこの曲の印税を何百万ドルももたらすことになった。1982年版リリース後、カントリー・チャートで再度第1位を獲得し、同じ曲で違う時期にカントリー・チャートで第1位を獲得した最初のアーティストとなった[1]。1995年、ヴィンス・ギルとのデュエット版がリリースされると、『ビルボード』誌に再度チャート入りし、最高第15位となった[15]

収録曲

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  • 17cmビニール盤レコード[2]
  1. 「オールウェイズ・ラヴ・ユー」 — 2:53
  2. 「ロンリー・カミン・ダウン」 — 3:09

チャート順位

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1974年版週間チャート 最高
順位
カナダの旗  カナダ RPM Country Tracks[16] 4
アメリカ合衆国の旗  アメリカ合衆国 Billboard Hot Country Songs[15] 1
1982年版週間チャート
オーストラリアの旗  オーストラリア Kent Music Report[17] 72
カナダの旗  カナダ RPM Top Singles[16] 8
カナダの旗  カナダ RPM Country Tracks[16] 1
カナダの旗  カナダ RPM Adult Contemporary Tracks[16] 2
アメリカ合衆国の旗  アメリカ合衆国 Billboard Hot 100[18] 53
アメリカ合衆国の旗  アメリカ合衆国 Billboard Hot Country Songs[15] 1
アメリカ合衆国の旗  アメリカ合衆国 Billboard Hot Adult Contemporary Tracks[19] 17
1995年版週間チャート
カナダの旗  カナダ RPM Country Tracks[16] 22
アメリカ合衆国の旗  アメリカ合衆国 Billboard Hot Country Songs[15] 15
先代
ロニー・ミルサップ『Pure Love
Billboard Hot Country Singles 1位獲得作品
1974年6月8日
次代
チャーリー・リッチ『I Don't See Me in Your Eyes Anymore
先代
マール・ハガード&ジョージ・ジョーンズYesterday's Wine
Billboard Hot Country Singles 1位獲得作品
1982年10月16日
次代
ロニー・ミルサップ『He Got You
先代
マイケル・マーティン・マーフィ『What's Forever For
RPM Country Tracks 1位獲得作品
1982年10月23日–30日
次代
ウィリー・ネルソンLet It Be Me

ホイットニー・ヒューストン版

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「オールウェイズ・ラヴ・ユー」
ホイットニー・ヒューストンシングル
初出アルバム『ボディーガード:オリジナル・サウンドトラック・アルバム
リリース
規格 CDシングルカセットシングル7インチシングル盤12インチシングル盤
録音 1992年春
ジャンル R&Bソウル
時間
レーベル アリスタ
作詞・作曲 ドリー・パートン
プロデュース デイヴィッド・フォスター
ホイットニー・ヒューストン シングル 年表
愛の思い出
(1992年)
オールウェイズ・ラヴ・ユー
(1992年)
アイム・エヴリ・ウーマン
(1993年)
テンプレートを表示

1991年、ホイットニー・ヒューストンは、自身が主演でケビン・コスナーと共演した映画『ボディガード』の主題歌としてこの曲を歌った。『ボディガード』のオリジナル・サウンドトラックの1曲としても収録されている。曲調はもとのカントリー・ミュージックからバラード調になっており、曲の性格も大幅に異なっている。再生時間も約倍近くになっているのも特徴である。実際にはケビン・コスナーが愛聴していたリンダ・ロンシュタットの1975年発表のカバーバージョンをベースに制作されている。間奏のテナー・サックス・ソロはカーク・ウェイラムによるもの。

映画内で警護対象のレイチェル・マロンとして出演しているホイットニーが歌うこの曲が効果的に使用されており、1992年11月のシングル・アルバム発売以降、ビルボード・ミュージック・アワードのTop Hot 100 Single of the Year をはじめ、グラミー賞アメリカン・ミュージック・アワードワールド・ミュージック・アワードMTVムービー・アワードなどの賞を総なめにし、1993年1月にはアメリカ国内売り上げが400万枚(プラチナディスク4回相当)、イギリス国内売り上げが130万枚(プラチナディスク2回相当)に達したり、日本でも180万枚を記録し、サウンドトラックが全世界で4200万枚を売り上げるなど、一大ヒットを記録した。また、全米シングルチャートで14週連続1位と言う記録も樹立している[20]。日本のオリコン洋楽シングルチャートでは1993年1月11日付から27週連続1位を獲得し、1993年の年間チャートで1位となった[21]フジテレビ系列で深夜に放送されていた音楽番組BEAT UK』でも、UKシングルチャートNo.1を獲得している。

収録曲

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CDシングル
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.「I Will Always Love You」  
2.「Jesus Loves Me」  
マキシシングル
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.「I Will Always Love You」  
2.「Jesus Loves Me」  
3.「Do You Hear What I Hear?」  
CDマキシシングル 1999年版
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.「I Will Always Love You (Hex Hector mix)」  
2.「I Will Always Love You (Hex Hector radio remix)」  
3.「I Will Always Love You" (Hex Hector 12)」  

備考

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  • この曲のミュージックビデオには、映画『ボディガード』のシーンが挿入されている。
  • ヒューストンのバージョンが大ヒットしたため、カヴァー曲であることを知らない者も多い。
  • イギリスの歌手コニー・タルボットが2009年にカバー曲をリリースしており、歌唱力の高さで話題となった。
  • 「And I」で始まるサビの部分はよく日本のバラエティ番組などで恋愛関係のシーン(特に、男女が結ばれる幸せなシーン)になると流れることが多く、「And I」の部分を音写した語句(「エンダァァ」「エンダーー」など)がカップル成立などを表すインターネットスラングとなっており、SNSなどで使用されている。だが、この曲の実際の内容は「愛しているけれど邪魔になるだろうからあなたの前から去るわ」と女性が語る別れの歌である。
  • オリジナルサウンドトラックの楽曲が、オリコンで6位以外の1位 - 20位の順位にランクされる珍記録を達成している。
  • 1983年にドリー・パートンとケニー・ロジャースが歌いBillboard Hot 100で1位を獲得した「アイランド・イン・ザ・ストリーム」のシングルB面にも「アイ・ウィル・オールウェイズ・ラブ・ユー」という楽曲が収録されているが、これは本項の楽曲とは同名異曲のバリー・ギブモーリス・ギブが作詞・作曲した、ロジャースの歌唱による楽曲である。

出典

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  1. ^ a b c d Ellison 1995, p. 195
  2. ^ a b c 『I Will Always Love You』(7 vinyl liner notes)Dolly Parton、RCA Records、1974年。GB 10505。 
  3. ^ Kaufman, Gil (2012年2月12日). “Whitney Houston's Musical Legacy, By The Numbers”. MTV (MTV Networks). http://www.mtv.com/news/articles/1679039/whitney-houston-musical-legacy.jhtml 2012年6月23日閲覧。 
  4. ^ Is 'I Will Always Love You' the Most Enduring Hit of the Rock Era?”. Billboard. 2014年3月31日閲覧。
  5. ^ BMI Announces Top 100 Songs of the Century、BMI.com、1999年12月13日。
  6. ^ Oldes 2007, p. 145
  7. ^ Cramer 2009, p. 1084
  8. ^ The Best Little Whorehouse in Texas”. Billboard. June 16, 2011閲覧。
  9. ^ Dolly Part I Will Always Love You – Digital Sheet Music”. Music Notes. Hal Leonard Corporation. February 6, 2010閲覧。
  10. ^ Cardwell 2011, p. 134
  11. ^ Knight 2008, p. 36
  12. ^ Simpson 2003, p. 241
  13. ^ Dean 2003, p. 477
  14. ^ [リンク切れ] "Dolly Parton Reflects on Her Greatest Moments". Country Music Television. July 7, 2006.
  15. ^ a b c d Overall Popularity Top. “Charts”. Billboard. 2014年3月31日閲覧。
  16. ^ a b c d e Introduction - RPM - Library and Archives Canada”. Collectionscanada.gc.ca. 2014年3月31日閲覧。
  17. ^ Kent, David (2006). Australian Chart Book: 1993–2005. Australian Chart Book. p. 282. ISBN 0-646-45889-2. https://books.google.co.jp/books?id=c1YMPQAACAAJ&dq=australian+chart+book&redir_esc=y&hl=ja 2009年7月2日閲覧。 
  18. ^ Overall Popularity Top. “Charts”. Billboard. 2014年3月31日閲覧。
  19. ^ Overall Popularity Top. “Charts”. Billboard. 2014年3月31日閲覧。
  20. ^ Whitney Houston”. Billboard. 2023年1月17日閲覧。
  21. ^ コンピレーション・アルバム『ナンバーワン90s ORICON ヒッツ』の裏ジャケットナンバーワン 70s 80s 90s オリコン・ヒッツ も参照。

外部リンク

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