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'''鴻海精密工業'''(ほんはいせいみつこうぎょう、ホンハイジンミゴンイェ、{{TSE|2317}})は、[[スマートフォン]]や[[薄型テレビ]]などの電子機器を受託生産する[[EMS (製造業)|EMS]] ({{lang-en|Electronics Manufacturing Service}}) 企業の世界最大手であり<ref name="nikkei20160205m1">日本経済新聞2016年2月5日朝刊第1面「シャープ、鴻海が買収へ」</ref>、[[群創光電]](InnoLux)や[[シャープ]](Sharp)などをグループ内に抱える'''[[フォックスコン|鴻海科技集団]]'''(フォックスコン・テクノロジー・グループ、Foxconn/富士康)の中核会社である。[[中華民国]]([[台湾]])に本社を置く。
 
'''鴻海精密工業'''(ほんはいホンハイせいみつこうぎょう、ホンハイジンミゴンイェ{{Lang-zh|鴻海精密工業股份有限公司}}、{{Lang-en|Hon Hai Precision Industry Co., Ltd.}}、{{TSE|2317}})は、[[スマートフォン]]や[[薄型テレビ]]などの電子機器を受託生産する[[EMS (製造業)|EMS]] ({{lang-|en|Electronics Manufacturing Service}}) 企業の世界最大手であり<ref name="nikkei20160205m1">日本経済新聞2016年2月5日朝刊第1面「シャープ、鴻海が買収へ」</ref>、[[群創光電]](InnoLux)や[[シャープ]](Sharp)(SHARP)などをグループ内に抱える'''[[フォックスコン|鴻海科技集団]]'''(フォックスコン・テクノロジー・グループ、Foxconn/富士康)の中核会社である。[[中華民国]]([[台湾]]に本社を置く。
==概説==
 
[[2001年]]に、収益額は[[TSMC]]を抜いて台湾の民間企業の中で最大となり、[[2005年]]には[[台湾中油]]を抜いて台湾一の企業となり<ref>[http://www.nownews.com/2010/05/04/91-2599188.htm 千大製造業排名/天下:鴻海5連霸 廣達擠下中油排名第2] - NOWnews 2010年5月4日</ref>、現在までその地位を保っている。2014年12月期の連結売上高は4兆2131億台湾ドル(約15兆1700億円)<ref name="nikkei20160205m1"/>。
== 概説 ==
[[2001年]]に、収益額は[[TSMC]]を抜いて台湾の民間企業の中で最大となり、[[2005年]]には[[台湾中油]]を抜いて台湾一の企業となり<ref>[https://web.archive.org/web/20100507090009/http://www.nownews.com/2010/05/04/91-2599188.htm 千大製造業排名/天下:鴻海5連霸 廣達擠下中油排名第2] - NOWnews 2010年5月4日</ref>、現在までその地位を保っている。2014年12月期の連結売上高は4兆2131億台湾ドル(約15兆1700億円)<ref name="nikkei20160205m1"/>。
 
鴻海が出資する[[堺市]]の[[堺ディスプレイプロダクト]]を黒字化した実績がある<ref name="asahi.com">[http://www.asahi.com/articles/ASHDV7J7VHDVULFA00F.html 鴻海トップ、シャープ買収に意欲「3年で利益出せる」2015年12月27日02時14分]</ref>。
 
== 歴史沿革 ==
* 1974年(民国63年) -「鴻海プラスチック工業」として設立。資本金30万台湾元。白黒テレビの「つまみ」の部分の製造を開始する。
* 1975年(民国64年) -「鴻海工業」に社名商号を変更。テレビの「つまみ」以外にも様々な家電製品のプラスチック部品も製造するようになる。
* 1981年(民国70年)- パソコンの基板のコネクタ部分の製造を開始する。
* 1982年(民国71年) -「鴻海精密工業」に社名商号を変更。パソコンの電線やケーブルなどの製造を開始する。
* 1985年(民国74年)- アメリカ支社を設立。「'''FOXCONN'''」ブランドで展開を行う。
* 1988年(民国77年)- 中国本土支社を設立。「'''富士康'''」ブランドで展開を行う。
* 1991年(民国80年)- 台湾証券取引所に上場。資本金8億300万台湾元。
* 1990年代にはパソコンブームによって企業会社の規模は急拡大。この頃より鴻海はコネクタ以外にも様々なパソコンの部品を製造するようになり、液晶パネルやマザーボードなどパソコンの主要なパーツの製造もおこなうようになる。
* 2000年代にはM&Aによって企業集団の規模はさらに拡大。EMS産業の拡大によって鴻海の利益もさらに拡大。
* 2002年(民国91年)- 中華徴信所の評価で、台湾の製造業トップとなる。
* 2004年(民国93年)- 売上高でEMS企業としては世界トップとなる。
* 2005年(民国94年)- 台湾の経済誌「天下雑誌」の評価で、台湾の全ての企業会社の中でトップとなる。
* 2007年(民国96年)- アメリカの経済誌「フォーチュン」の「[[フォーチュン・グローバル500]]」で、第154位の企業会社となる。
* 2011年(民国100年)- 「フォーチュン」の「フォーチュン・グローバル500」で第60位となる。
* 2016年(民国105年)- シャープを買収。
* 2018年(民国107年)- 「フォーチュン」の「フォーチュン・グローバル500」で第24位となる。
* 2019年 - 創業者の[[郭台銘]]が会長を退任、後任に劉揚偉が就任した<ref>{{Cite news|和書 |title=【電子版】鴻海、会長に劉氏選出 創業者の郭氏は総統選出馬で退任 |newspaper=[[日刊工業新聞]] 電子版 |date=2019-06-22 |url=https://www.nikkan.co.jp/articles/view/521318 |access-date=2024-08-12}}</ref>。
* 2022年10月- [[裕隆汽車]]と共同開発した[[電気自動車|EV]]を「[[ラクスジェン]] N<sup>7</sup>」の名で発表。生産は鴻海が行う。
* 2022年11月3日- サウジアラビアの政府系ファンド、パブリック・インベストメント・ファンドと合弁会社を設立し、サウジアラビアで電気自動車を生産する計画を発表した<ref>{{Cite news|title=サウジPIF、台湾・鴻海とEV合弁設立 初の国産ブランド|url=https://jp.reuters.com/article/saudi-arabia-pif-vehicles-hon-hai-idJPKBN2RU02P|work=Reuters|date=2022-11-04|access-date=2022-11-04|language=ja}}</ref>。 合弁会社は初の国産ブランドCeerを立ち上げる。[[BMW]]から技術提供も受ける予定。
* 2023年1月2日- 子会社の鴻騰精密科技がドイツの自動車部品製造、PRETTL SWHを買収<ref>{{Cite web|和書|title=鴻海傘下、ドイツの自動車部品メーカー買収 - NNA ASIA・台湾・車両 |url=https://www.nna.jp/news/2460207 |website=NNA.ASIA |access-date=2023-01-04}}</ref>。
 
== シャープの買収 ==
[[2016年]][[2月4日]]、経営再建中の[[シャープ]]を7000億円超の規模で支援する意向を示し、シャープは同日開いた取締役会で鴻海案を協議した<ref name="nikkei20160205m1"/>。シャープはもともと官民ファンドである[[産業革新機構]]からの出資を受け入れる方針だったが、対抗策として支援額を上積みした鴻海案の採用に判断が傾いたと報じられている<ref name="nikkei20160205m1"/>。翌2月5日には、シャープは鴻海との合意書を締結したと発表した<ref name="asahi20160206m1">朝日新聞2016年2月6日朝刊第1面「シャープ、鴻海と合意書 契約条件29日まで協議」</ref>。契約条件について協議を継続することや、鴻海が示した支援策の有効期限を同月末まで延長する内容である<ref name="asahi20160206m1"/>。
鴻海の今回のシャープ買収の理由については、ここ数年鴻海の成長の鈍化がある<ref name="nikkei20160205m3">[httphttps://www.nikkei.com/article/DGXZZO97729650W6A220C1000000/ シャープを傘下に 鴻海と郭台銘氏の素顔 2016年3月30日]</ref>。2015年12月期の連結売上高(速報値)は前の期比6パーセントである4兆4830億台湾ドルであり、目標の10パーセントに届かなかった<ref name="nikkei20160205m3"/>。鴻海を率いる郭台銘董事長は「今後は(現在の2倍超の)売上高10兆台湾ドルを目指す」としており、シャープをその成長エンジンにしたい考えという<ref name="nikkei20160205m3"/>。
 
過去には[[2012年]]に鴻海がシャープに10%出資する案で合意したものの、その後の株価変動などの理由により中止、翌[[2013年]]には高橋興三が社長に就任し銀行からの支援を受けたものの立て直しができなかった。シャープが再建に鴻海案に傾いた理由としては、産業革新機構案が成長性の期待できない[[液晶]]事業を分社化し、社長を含む3首脳を退陣させる方針であるのに対し、鴻海案が現経営陣の継続と液晶事業、雇用の維持を約束するものである上に、最大で3500億円の産業革新機構の支援に対し鴻海案が7000億円の支援であったことで、[[社外取締役]]の一部が革新機構案を選んだ場合に、[[株主]]に合理的な説明ができないことなどが指摘していたことが挙げられる<ref name="nikkeibp">[http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/matome/15/325410/021200175/?ST=business&P=1 鴻海7000億円支援に米アップルの影!?「シャープ買収」最終決戦の行方を探る 2016年2月15日]</ref>。
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== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{脚注ヘルプ}}朝元照雄『台湾の企業戦略』勁草書房、2014年の第3章「鴻海(ホンハイ)の企業戦略」に詳しい。{{Reflist}}
{{Reflist}}
 
== 参考文献 ==
{{No footnotes|section=1|date=2024年8月10日 (土) 08:55 (UTC)}}
* {{脚注ヘルプ}}Cite book |和書 |author=朝元照雄 |title=台湾の企業戦略 |date=2014-07 |publisher=勁草書房、2014年の |isbn=9784326503995 |chapter=第3章 鴻海(ホンハイ)の企業戦略」に詳しい。 |ref={{ReflistSfnRef|朝元|2014}}}}
 
== 関連項目 ==
* [[フォックスコン|フォックスコン・グループ]](鴻海科技集團)
 
== 外部リンク ==
* {{Kotobank}}
 
{{FTSE TWSE 台湾50}}
{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:こうかいせいみつこうきよう}}
[[Category:精密機器メーカー]]
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[[Category:新北市の企業]]
[[Category:土城区]]
[[Category:シャープの歴史]]