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爆音列島

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爆音列島』(ばくおんれっとう)は高橋ツトム漫画である。2001年冬より月刊アフタヌーンに連載されている。2008年12月現在、コミックスは13巻出ている。

内容

1980年代の東京品川区を舞台に、中野区から転校してきた主人公・加勢高志が暴走族「東狂同盟・ZEROS(ゼロス)」に入り、世間や時代に逆らいながら自分を見つけていく様を、当時の時代風俗とともに描いている。

暴走族を理想化せず、社会との軋轢や抗争の中の倦怠感、暴力団との関係などをリアルに描写しているのが特徴。作者の高橋ツトムは青年時代に暴走族に所属していたことがあり、インタビュー記事では「自伝的作品」として扱われている[1]。同インタビューによれば1980年代初頭の時代背景のほか、主人公の高校中退や二人の友人の事故死などもすべて作者自身の体験に基づいて描かれている。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


登場人物

ZEROS

1970年代から1980年代に実際にあった暴走族チーム「ZERO」と「スペクター」がモデル。最盛期の1977年時点では1300人いたが、タカシの代には1000人切っていた。

同期のメンバー

加勢 高志(タカシ)
この物語の主人公。ZEROS幹部。笠原二中出身。はじめは黒髪で中学校3年の後半頃に金髪のリーゼントかオールバック。愛車はCB400Four
小学生の時は野球をしていたが中学進学後に野球を辞めてしまい、中学2年の時、校内で喫煙していた所を教員にばれてしまい停学処分とされてしまう。この出来事がきっかけで、中学3年となった1980年の春に中野からマニヨン、ミッツらのいる品川の笠原二中へ転入してきたところから物語は始まる。
元々「ちょっとした不良」であり、ZEROSに入る時も「族、やるの?」とミッツに聞いたくらい、暴走族に積極的ではなかったが、参加しているうちに暴走に魅せられ暴走族に傾倒するようになる。特にマニヨンを失った時期から「保険をきかせて暴走族をやってどうする?」「死んでいったマニヨンたちに顔向けできない」と思うようになり、高校も退学してZEROSと暴走に執着するようになった。
免許試験代を後輩にたかるなど金欠であるが働かず、シンジの母親いわく「甘えん坊の目をしている」。
後藤昭司(マニヨン)
準主人公。タカシの親友でZEROSのメンバー。笠原二中出身。坊主にゴリラのような顔つき。愛車もゴリラ。渾名の由来はクロマニヨン人から。
タカシが転入した笠原二中でミッツと共に最初にタカシに話しかけ、タカシがZEROSに入るきっかけを作った。ZEROSに入る時も最も積極的に参加しようとしており、暴走で描写される機会も多かった。極楽との抗争では小宮シンヤとともに重傷を負い、また彼女の大山しのぶと原付で遊んでいて怪我させるなどする度に親からは暴走族をやめるように言われていたようだが、彼もまた暴走に魅せられており結局死ぬまでやめることはなかった。死の直前まで単車を運転して暴走に参加していていなかったようで、初めて友人の単車を借りて暴走に参加した翌朝の1981年9月24日の朝、単車を返しに行く途中に大型車に跳ねられ死亡。享年16。
綾瀬
タカシの代のZEROS総長。浜中出身。パンチで眉なしのコワモテ。
当初から中学2年の時にはZEROSに参加していたことを示唆するなど、タカシらの中でリーダー的な存在であった。後に1000人を仕切る総長を受け継ぎ、以後、極楽・紅皇帝との抗争、連盟合同の大集会など様々な修羅場にあって一貫して指導的立場を演じ続け、ZEROSの頭に相応しい人物に成長していく。タカシのことは当初、「居たって戦力にならねぇ」、「パシリは消えろ」などと見下していたが、交通機動隊への出頭後にタカシを見直し、自分と共に成長著しいタカシを次第に強力な相棒として認めるようになる。貫禄が出た後も武闘的性格は変わったわけではなく、ZEROSのカンバンを守る為ならば抗争も辞さない。ただし、本人の喧嘩のシーンは少ない。また、基本的に自分でバイクは運転せず、集会のときは木刀を持って誰かのケツに乗っている。高校を三日で中退し、現在はZEROSの総長をやりながら父親の経営する綾瀬商会(運送屋)で働くが、1982年頃に暴力団に入組したために集会に顔出さなくなった。また、入組後は体全体に刺青を入れている。
小宮光彦(ミッツ)
タカシの親友でZEROSのメンバー。笠原二中出身。愛車はゲラコから譲り受けたHawkⅡ。小宮シンヤは兄。
タカシが転入した笠原二中でマニヨンと共に最初にタカシに話しかけ、タカシがZEROSに入るきっかけを作った。ZEROSに入った直後は同じ中学出身のタカシ、マニヨンと行動を共にしていた。ZEROSに入る時も暴走には重きをおいておらず、「みんながやるなら一人だけやらないとつまらない」と言うなど、兄や友人などの周囲に流されてZEROSに入った節があった。そうして入った暴走族で却って親友だったマニヨンを失い、シンナーに走ってしまった結果、タカシに愛想を尽かされることになった。
明川和也(カズヤ)
ZEROSのケツ持ち。鈴中出身。金髪の長髪で男前。愛車はカワサキ・500SSマッハlII。明川冴子は姉。
性格はいたってクールで一匹狼。当初は単車を整備している描写が多く、また「一発試験で免許を取得した」「レースに行く」「同期でケツ持ちしているのは明川だけ」など、単車が好きで運転の上手い描写が多い。また、極楽との抗争の際には「族のカンバンの命なんか張れない」と言うなど、暴走には参加しているが、他のメンバーとは違い、抗争のような時には一線を引いている。もっとも、写真撮影の時にはカメラマンの暴走族には関わりたくないと内心思いつつ理解を示していることに腹を立てて蹴り飛ばしたり、抗争の時には火炎瓶を投げつけ「狂ってる」と言われるなど、狂気も共存している。
マコ
ZEROSのメンバー。鈴中出身。特徴は顔の大きさと同じくらいのアフロヘアー
初期からのメンバーで、当初は暴走前にマコの家に綾瀬も含めたメンバーで集まるなど、タカシたちの代の中心の一人としての描写も多かったが、途中からは暴走に参加するだけの存在になった。
新美康一
ZEROSのメンバー。平塚中出身。顔は眠たそうなひょっとこのような感じ。
マニヨンの同じ高校の友達で、その縁でZEROSに参加した。当初はカズヤに「カッコイイ」と言ったり、マニヨンに「あいつやばい」と言われるなど、同性愛者のような描写があったが詳細は不明。1981年9月24日の朝、マニヨンと共にバイク運転中に大型車にはねられマニヨンよりやや先に死亡、享年16。
宮本シンジ(シンジ)
ZEROS横浜支部の男。金髪を逆立てている。
人当たりが良く走りもそこそこ。マニヨンを失い、ミッツとの関係も希薄化していく中で、ボンドとともにタカシの相棒としての描写が多くなっていった。ヤクザの事務所に拉致されても仲間を売らない根性を持つ。バンド活動に熱中している。

年下のメンバー

大木健悟(ボンド)
タカシの舎弟的存在でZEROSのメンバー。
1981年の夏(中学3年)、ZEROSの肩書の欲しさに押し入り加入した一つ年下のメンバー。柔道(小学校の時に茶帯を所得)とボクシング(登場する以前に乱闘事件を起こしジムから破門)をやっていた経歴から、年下ながら喧嘩の強さは登場メンバーでは綾瀬と1・2を争う。タカシに憎まれたり、マニヨンには生意気・変人呼ばわりされた。登場時は何をしでかすか分からない危うげな性格であり、ZEROSと抗争中だったICBLに無差別攻撃を仕掛けたため、筋が違うと綾瀬の逆鱗に触れたりもした。しかし、タカシの取り成しでZEROSに参加することが出来、その後の仲間たちとの出会いを通じて人付き合いや仲間意識といったものを学び、次第に喧嘩だけではない人としての厚みを帯びてくる。しかし、仲間以外に対する自己中心的、暴力的な性格は健在である。マニヨンの死と入れ替わり準主人公のポジションに立つ。中学校内のエピソードが卒業式の1回しか述べておらず、初登場では数人の連れがモブキャラクターとして登場したが、その後は1度も登場していない。
大木(ジャイアン)
ボンドのいとこで同い年。
1981年の暮れ頃、非行を体験したいためにZEROSに入隊する。195cmの長身とジャイアント馬場に似ているため「ジャイアン」と名付けられた。気弱でどんくさい所があるが、いざとなれば仲間のために必死な所があったが、ジョーカーの抗争の際に敵が振り向けた材木に頭部殴打され、重傷をおおってしまい宣戦離脱してしまう。

年上メンバー

小宮シンヤ(シンヤ)
ZEROSの上の代のメンバー。ミッツの兄。
ZEROSの後継者を求め、後輩であるタカシらにZEROSに来いと誘い、参加する直接のきっかけを作った。極楽との抗争で重傷を負い、以後引退したタカシにも覇気がなくなったと言われている。後に引退したが、何をしているかは不明。
笑子(ゲラコ)
ZEROSの上の代のメンバー。シンヤの友人。
紅皇帝に襲われたタカシを見捨てたり、冴子が襲われるとわかっていて極楽を連れてくるなど、「最低」と言われるような行動をとることが多い。前記でタカシが紅皇帝に襲われた時に警察に逮捕され少年院に送られてしまい、引退となった。
桑原
ZEROSの上の代の総長。彼女はカズヤの姉冴子。
当初はZEROSの総長として描かれており、綾瀬をタカシらの代の総長に指名した。肩に刺青が彫っておる。後にヤクザになっている描写がある。
櫻井
タカシらの代のZEROSの幹部。大きな目が特徴的な整った顔立ち。
大井方面のリーダー的存在。ZEROSの中ではかなり気合の入ったメンバーの一人。
磯貝
タカシらの代のZEROSの幹部。ボサボサ頭の荒くれ者風。
櫻井とともに太井方面の取りまとめを担当している。性格は好戦的でガサツ。
高木
タカシらの代のZEROSの幹部。
綾瀬のサポート役。裏方的存在。
長崎
タカシらの代のZEROSの幹部。
綾瀬のサポート役兼ジョーカーとの連絡役としてZEROSの運営を支える重要な人物。

タカシの近隣

紅皇帝 (レットエンペラー)

石黒
紅皇帝のメンバー。やや太目の体格にスキンヘッド。
タカシが初めて参加した暴走で警察に追われて公園に潜んでいたタカシをリンチした。後に紅皇帝との抗争の際、引退後に焼き鳥屋に勤務している所をタカシ達に発見され同じ公園でリンチされた。一人じゃ何もできない気弱な所を見せた。

極楽

ジョーカーズ

出典

  1. ^ 「MHz」vol.3、マガジンファイブ、2006年(インタビュー記事)