技監
具体例
国土交通省
国土交通省の技監は、土木行政職技官の次官級ポストで、いわゆる省名審議官と同様に、国土交通省設置法で規定される「特別な職」である。省名を冠しない「技監」が正式な官名であるとともに職名であり、「国土交通省技監」や「国土交通技監」と表記するのは誤りである。なお、建設省時代の官名・職名は省名を冠した「建設技監」であった。慣例では、水管理・国土保全局長もしくは道路局長を歴任した者のみ技監に就任できるとされる。現任は森昌文前道路局長(2016年6月付)。
さらに、技監から事務次官に就任する場合もあり、建設省出身の事務官・運輸省出身の事務官との3者間で交互に就くと予測されている。(ここでの「事務」とは「政務」に対する事務であり、事務次官が技官であっても矛盾しない)。
職務
技監は、命を受けて、国土交通省の所掌事務に係る技術を統理する。(国土交通省設置法第5条第2項)
特許庁
特許庁の特許技監(Deputy Commissioner of Japan Patent Office)は、特許庁長官に次ぐ2番目のポストで、局長級のスタッフ職である。特許技監は特許庁の技官の就ける最高のポストである。
防衛装備庁
防衛装備庁の防衛技監は、上記の特許技監類似の、防衛装備庁長官(次官級ポスト)に次ぐ2番目のポストで、局長級のスタッフ職である。なお、初代の防衛装備庁長官には技官出身者(前防衛省技術研究本部長)が任命されたことから、上記の国土交通事務次官同様、今後も技官出身者が次官級である同庁トップのポストに就く可能性も高く、特許技監とは違い、防衛技監は必ずしも“防衛装備庁の技官の就ける最高のポスト”とはならない場合もある。
東京都
東京都の東京都技監は東京都総務局に置かれる、技術職が就くことのできる副知事に準ずるポストで、事務職も含め一般職における最高の地位であり、都の一般職の職員では唯一階級的な呼称を表す職層名を持たない。東京都技監は技術職の局長ポストである都市整備局長・建設局長のいずれかと兼務することを常例とする。現在は邊見隆士都市整備局長が兼任している。
また、都市整備局、福祉保健局、港湾局、水道局、下水道局にも局長に次ぐポストとして技監がある(水道局・下水道局の技監ポストは局長が事務の場合にのみ臨時で設けられる。)。
その他の自治体
県や市町村でも、部長級・次長級のスタッフ職として技監を置いているところがある。土木技師だけでなく建築、医師、農業、林業など分野は幅広い。または、技監とは呼ばず「技幹」と称する自治体もいくつかある。
民間企業
主に製造業の大企業を中心に、技監や技術監査役という名のポストをおいている企業がある。
一般的に技術者の上位職であり、技術コンサルタントやフェロー、製品・技術判定員、特許審査員、大きな成果に対する名誉職などといった位置づけがなされている。