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{{redirect3list|ファウンダー|創業者|2016年公開の映画|ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ|その他|wikt:founder}}
{{出典の明記|date=2011年11月}}
'''役員'''(やくいん)とは、[[会社]]の[[執行役|業務執行]]や[[監督]]を行う[[幹部]]職員のことをいう。いわゆる[[経営者]]・上位[[管理職]]。
 
{{TOC limit|4}}
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*以下、条名のみ記す場合、[[会社法]](平成17年7月26日法第86号)の条文を指す。
=== 法律上の定義 ===
'''日本の[[会社法]]における「役員」は、[[取締役]]・[[会計参与]]・[[監査役]]を指す'''([[b:会社法第329条|329条]])。<br />会社法施行規則では、役員に加えて、[[執行役]]・[[理事]]・[[監事]]などを含めている。一般的には、それよりも広く[[#執行役員|執行役員]]までを含めて解釈されることが多いが、これらは'''会社法の役員ではない'''。<br />なお、会社法で「'''役員ではない'''」いう場合は、取締役・会計参与・監査役留意すべき加えて、執行役・[[会計監査人]]を含む([[b:会社法第423条|423条]])。またこれらの役員等は会社法において会社の機関であることに留意されたい<br />
なお、会社法で「'''役員等'''」(「等」が付く)という場合は、取締役・会計参与・監査役に加えて、執行役・[[会計監査人]]を含む([[b:会社法第423条|423条]])。
 
また役員は、経営者であり従業員ではない。従い、って従業員から役員に昇格する際には、一旦、会社を退職する。退職金のある会社では、退職金を受け取ることになる。即ち、従業員としての身分は一切失われる。例えば、会長や副社長、専務や常務、執行役や執行役員であっても、れらことを十分役職理解せずあってもただ漫然と従業「取締役」「会計参与」「監査役」でなければ、それは役の延長上だと考えてではなると、誤解を招いてしまう
 
'''日本の[[私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律|独占禁止法]]における役員'''とは、[[理事]]、取締役、執行役、[[持分会社#管理|業務を執行する社員]]、[[監事]]若しくは監査役若しくはこれらに準ずる者、[[支配人]]又は[[本店]]若しくは[[支店]]の事業の主任者をいう(独占禁止法第2条第3項)。
誤解を招く根本は、役職や呼称である。例えば、会長や副社長、専務や常務、執行役や執行役員である。これらの役職にあっても、「取締役」「会計参与」「監査役」でなければ、それは役員ではなく、従業員その他である。役員か否かを見分けるには、取締役会に出席し、議決権を持つか否かである。議決権は一人1票である。
[[トラスト (企業形態)|企業結合]]審査に関する独占禁止法の運用指針では、独占禁止法の「本店若しくは支店の事業の主任者」とは、会社法で支配人と同じ権限を有するとみなされる会社の[[商業使用人|使用人]](例えば、本店総支配人、支店長、営業本部長)等をいう。また、「これらに準ずる者」とは、取締役、監査役等に当たらないが、[[#相談役・顧問|相談役、顧問]]、参与等の名称で、事実上役員会に出席するなど会社の経営に実際に参画している者をいう。なお、[[部長]]、[[課長]]、[[係長]]、[[主任]]等の名称'''のみ'''を有する者は、従業員であって役員ではとしている
 
以下の説明では、「役員」という言葉が使用される場面を説明しているに過ぎない。「経営者」か「従業員」かで判断するなら、会社法からの解釈が、過去の様々な判例からみても妥当であろう。
 
日本の[[私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律|独占禁止法]]における役員とは、[[理事]]、取締役、執行役、[[持分会社#管理|業務を執行する社員]]、[[監事]]若しくは監査役若しくはこれらに準ずる者、[[支配人]]又は[[本店]]若しくは[[支店]]の事業の主任者をいう(独占禁止法第2条第3項)。
[[トラスト (企業形態)|企業結合]]審査に関する独占禁止法の運用指針では、独占禁止法の「本店若しくは支店の事業の主任者」とは、会社法で支配人と同じ権限を有するとみなされる会社の[[商業使用人|使用人]](例えば、本店総支配人、支店長、営業本部長)等をいう。また、「これらに準ずる者」とは、取締役、監査役等に当たらないが、[[#相談役・顧問|相談役、顧問]]、参与等の名称で、事実上役員会に出席するなど会社の経営に実際に参画している者をいう。なお、[[部長]]、[[課長]]、[[係長]]、[[主任]]等の名称'''のみ'''を有する者は、従業員であって役員ではないとしている。
 
====役員等=機関====
しばしば間違って理解されているが、'''会社法上のこれら役員等は会社の「機関」であって役職ではない。'''つまり、本来は「[[株主総会]]」や「[[取締役会]]」と同様の位置付けであり、会長・社長・専務といった「職位」とは異なる。したがって、取締役の中に「専務取締役」「常務取締役」といった序列を設けることは、法の定義からは誤った用い方であると言える。
 
混乱を招く説明とはなるが、例えば[[取締役会設置会社]]において、取締役会という機関は「会社の業務執行の決定」「取締役の職務執行の監督」という重要な役割を担っているが、この取締役会の決議は出席取締役の過半数(もしくは定款で定めた割合)の賛成で行われ、各取締役の議決権に優劣はなく代表取締役といえども議決権の上では同列である。しかし、多くの企業では取締役間に厳然とした序列が存在するため上位職者の意に反した意思表明を行うことは実質的に困難であり、このことからも取締役の中に序列を設けることは会社の重要な意思決定や監督機能に少なからず悪影響を及ぼすことが分かる。
 
これが、日本において「経営と執行の分離が為されていない」と言われる所以であり、この問題の解消を目的として「[[執行役員]]」制度を導入した企業も少なくないが、執行役員の前に「取締役」と冠されない限り、単に取締役クラスと部長クラスの間に新たな階層が増えただけである。'''日本においては、前近代の"ゲマインデ"(村落共同体。いわゆる「ムラ社会」)の構図がそのまま企業に踏襲された'''ため─それは日本企業の強さの源泉でもあるが─、欧米型のガバナンス(企業統治)制度の本質的な理解が一部欠落したまま現在に至っている。このため、機能集団たる欧米の企業とは組織の在り様が根本から異なっており、そもそも多くの日本企業では「経営と執行の分離」がそれほど重要だとは考えられていない。
 
=== 法律上の社員との関係 ===
役員は、会社の実質的所有者である[[社員]]([[株主]])とは必ずしも一致しない。法律上の「社員」とは、株主を指し従業員を指さない。会社法では、株式会社の所有者である株主と、会社の経営者が異なる事を原則としており、これを「[[所有と経営の分離]]」という。これは、広く[[資本]]を集めるために、株主には出資額での有限責任のみを求め、経営は経営能力のある人に[[委任]]できるようにするためである。この意味からは、役員とは取締役・会計参与・監査役の3つのみを指す
 
特に[[株式]]が自由に譲渡できる[[公開会社]]である株式会社においては、[[取締役]]の資格を[[定款]]で株主に限定することができない([[b:会社法第331条|331条]]2項)。ただし、[[株式]]が自由に譲渡できない[[公開会社でない株式会社|非公開会社]]の場合や、公開会社であっても所有者と経営者が結果的に一致することまで妨げるものではなく、現状としてほとんどの株式会社では所有者と経営者が同一の場合が大多数である。
 
'''法律上の「社員」とは、株主を指す。従業員を指さない'''ことに注意したい。
 
=== 会社との法律関係 ===
会社との[[契約]]関係は、従業員が会社とは[[雇用]]契約を締結するのに対して、役員は会社とは[[委任]]・[[委任|準委任]]契約としての性質を持つ任用契約を締結する。
 
役員は、一般的には、[[労働基準法]]上の[[労働者]]には該当しない。同法第9条の「使用される」とは、会社や上司の指揮監督の下での労働のことをいうのに対して(出典<ref>{{PDFlink|[httphttps://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000xgbw-att/2r9852000000xgi8.pdf 労働基準法研究会第1部会報告(労働契約関係)「労働基準法の「労働者」の判断基準について」(昭和60年12月19日)]}} 厚生労働省</ref>、以下に挙げるように、役員の業務は、いずれも上司の指揮監督の下の労働にはあたらないためである。
* [[取締役]]は、業務を執行する(会社法第348条、第363条)
* [[取締役会設置会社]]の取締役は、[[取締役会]]の構成員として取締役の職務の執行を監督する(会社法第362条)
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ただし、取締役であっても、業務執行権や代表権を持たない者が、工場長、部長等の地位を兼ねて、(社長等の)指揮命令の下に労働に従事し、労働の対価として賃金の支払を受ける場合、その限りにおいては、労働基準法上の労働者となる(昭23.3.17基発第461号)。このような場合、工場長、部長等の地位においては、労災保険の適用を受ける。
 
また、使用者たる地位における賃金の額が役員たる地位における報酬の額を上回り、就業規則等の適用が一般の労働者と同様に適用されている者については、雇用保険の被保険者となる(出典<ref>[http://www.e-roudou.go.jp/annai/choshu/20301/2030104/index.htm 法人の役員の適用一覧表] 愛媛労働局</ref>
 
[[法人税法]]においては、法人税法上の役員(みなし役員を含む。使用人兼務役員になれない役員は兼務役員から外される)の場合は、定められた固定給等(定期同額給与、事前確定届出給与、業績連動給与、退職給与、兼務役員の使用人分給与)以外の役員報酬は損金不算入という規定がある(法人税法34条)。<ref>[https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5211.htm 国税庁|役員に対する給与]2018年4月1日現在。</ref>
 
=== 法律にない役職との関係 ===
会社法では、役員は[[#取締役|取締役]]、[[#監査役|監査役]]、[[#会計参与|会計参与]]の3つに限られる。良く誤解される[[#執行役|執行役]]は、役員等(「等」が付く)として規定され役員とは区別される。
 
一方で、一般に使われる社長、専務及び常務などの役職は法律上規定されているものではなく、法律上は定義がない([[#会社法に規定のない内部的職制]]を参照)。しかし、社長・専務等の呼び方は、世間一般的に常勤役員であることを指すものである。社長と呼称する者は[[代表]]権があるものと推定させたり(表見代理)、専務や常務等の呼び方は序列を意識させたりするものであるため、代表権の無いものを社長と称したり、専務と常務の序列を入れ替えて称したりすることは、会社の統制上は避けるべき行為といえる。なお、中小企業において、会長とは、一線を退いた創業者や前社長を指す場合が多く、代表権が無い場合があるため注意すべきである。
 
:''「[[#会社法に規定のない内部的職制]]」節も参照。''
 
なお、会社法に規定のある役員・役員等の名称と会社法に規定のない内部的職制の名称を並べて役職を表現することがある。例えば代表取締役であって社長である者は「代表取締役社長」などと表現される。
 
*役員に関する規定
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=== 会社法に規定のない内部的職制 ===
法律に規定のない名称は会社が自由に付けられるので、必ずしも一義的な定義があるわけではない。会社によって使われ方がまちまちである。以下では、比較的多い使われ方の説明をする。下記の役職のほか、最近は欧米企業で用いられている[[#欧米のチーフ・オフィサー制度|チーフ・オフィサー(最高責任者)の名称]]を使用している企業も多く見られる。
 
==== 会長 ====
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大企業の場合は、たとえ第一線から退いた場合であっても大きな影響力を持ち敬意をもって遇されることも少なくないが、一方で街の中小企業でも用いられることの多い肩書である。(オーナー企業における引退した前社長等)
 
なお、「会長」が[[取締役会]]の会長である旨の記述も散見されるが、これは誤りである。取締役会には「議長」を設ける事出来ても「会長」は存在しない。取締役会の決議はあくまでも出席取締役の過半数(もしくは定款で定めた割合)で決まるものであり、議決権という意味では各取締役は同列であり法的に地位の優越はない。
 
[[トヨタ自動車]]のように、会社によっては会長の下に「副会長」というポストが置かれ、副会長も代表取締役であるケースもある<ref>[https://global.toyota/jp/company/profile/executives/ 役員](トヨタ自動車)</ref>。
 
====議長====
[[取締役会]]の[[議長]]は社長あるいは会長が行うことが一般的だが{{refnest|group="注"|東証上場企業の82.7%が社長を、14.7%が会長を取締役会の議長としている<ref>{{PDFlink|[https://www.jpx.co.jp/equities/listing/cg/tvdivq0000008jb0-att/tvdivq000000uu99.pdf 東証上場会社 コーポレート・ガバナンス白書2021]}}([[東京証券取引所]])P84-85</ref>。}}、[[コニカミノルタ]]のように社長・会長とは別に「取締役会議長」を置いて監督と執行の分離を図ったり<ref>{{PDFlink|[https://www2.deloitte.com/content/dam/Deloitte/jp/Documents/risk/srr/jp-srr-enterprise-risk-55-konicaminolta.pdf 議長として取締役会を どうやって機能させるか]}}([[有限責任監査法人トーマツ]])</ref>、[[日立製作所]]や[[東芝]]などのように、[[社外取締役]]を「取締役会議長」として取締役会の議事進行権を与え、取締役会の改革を図っているケースもある<ref>[https://www.sankeibiz.jp/business/news/180713/bsg1807130500001-n1.htm 企業の取締役会議長、社外登用が増加 金融庁が後押し、外部の視点を取り入れ統治改革]([[産経デジタル]] 2018年7月13日 2021年4月10日閲覧)</ref>。
 
==== 社長 ====
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==== 執行役員 ====
この役職や呼称があっても、「取締役」でない者は、会社法の役員ではない。会社の業務執行を行う'''重要な[[商業使用人|使用人]]'''の役職。会社法の'''執行役とは異なる'''ので注意。取締役である者にも付けること(例・代表取締役兼執行役員社長)もある。取締役でない執行役員(専務執行役員、常務執行役員なども含む)は会社法上の役員にはあたらない。制度開始当時に多く見られた、近年では、準役員的な上級管理職としての執行役員だけでなく、専務執行役員、常務執行役員など、一部取締役の上位に立つような例も増えている
 
取締役会設置会社の業務執行を取締役でも執行役でもない執行役員に[[委任]]する場合、会社の重要な[[商業使用人|使用人]]([[b:会社法第362条|第362条]])として、取締役会が執行役員の選任及び解任を行う。ただし、委員会設置会社の取締役会は、その決議によって、選任及び解任を執行役に委任することができる([[b:会社法第416条|第416条]])。
 
近年は、取締役会の意思決定を迅速化するためと取締役の過大な責任を避けるため、取締役の数を絞る傾向がある。そのため、取締役ではない役員待遇の幹部従業員にこのような地位を与える。日本では[[ソニー]]が初めて執行役員制度を導入した。取締役への就任は[[株主総会]]の承認が必要だが、執行役員の任用は株主総会の承認は必要ない。ソニーの動きに追従して、多くの企業が執行役員制度を導入したが、本質的な改革になっていないという声がある<ref>{{Cite web|和書|url = http://www.makino-law.jp/research/index.php?itemid=229|title = 会社法(補講2)執行役員|author = 牧野二郎|publisher = 牧野総合法律事務所弁護士法人 (Internet Archive)|date = 2006-08-21|accessdate = 2014-02-15|archiveurl = https://web.archive.org/web/20100622091854/http://www.makino-law.jp/research/index.php?itemid=229|archivedate = 2010年6月-06-22}}</ref>。また、[[パナソニック]]などでは、取締役とは別に「役員」という呼称を使用、専務役員、常務役員などの上級職も設けられており他社の執行役員に相当する。これも会社法上の役員にはあたらない。
 
[[2005年]][[2月]]に、執行役員として勤務していて[[過労死]]した男性について、[[東京地方裁判所|東京地裁]]は[[2011年]][[5月]]に、「実質的に[[労働者]]にあたる」として、[[労働災害|労災]]の不認定を取り消す決定をした<ref>[https://web.archive.org/web/20110527145851/http://www.yomiuri.co.jp/job/news/20110520-OYT8T00214.htm 執行役員は労働者、労災不認定処分を取り消し] 読売新聞 2011年5月20日{{リンク切れ|date=2017年10月}}</ref>。
 
==== 相談役・顧問 ====
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顧問は、社外の専門家に顧問を委嘱し顧問契約を締結するケースの他に、外部から招聘されて近々取締役に選任される予定の者が、次期[[株主総会]]までの間の短期間だけ就く一時的・便宜的な役職の場合もあれば、大企業同士の合併などによって新企業では経営の実務から閉め出されてしまった旧企業の元専務取締役などを、新企業の取締役を兼ねた「常任顧問」として処遇するための半恒久的な役職の場合もある。いずれの場合も、顧問はその者本人の専門知識や社内経験にもとづいた実務的で日常的助言が求められることが多い。
 
また創業者や企業の発展に多大な功績のあった特別な社長や会長などは、経営の第一線を退いた後もしばらくの間は取締役を兼ねた「最高顧問」として処遇される場合がある。しかしいかに「最高」でも「顧問」であることに変わりはなく、最高顧問が新経営陣の企業経営に容喙したり掣肘を加え積極的に介入すようなことは稀である。最高顧問の設置は多くの場合、伝説的な旧経営者を引き継いだ比較的無名の新経営者が、[[株主]]や取引先に要らぬ不安を与えないように当面の間だけ担いでおく[[御輿]]的な側面が強い。任期を満了した最高顧問が今度は相談役に横滑りという例がよく見られるのはこのためである。
 
なお、顧問と取締役は法的な責任および権限が異なるため、顧問は取締役ではないことが一般的であるが、取締役に顧問の役職名を付与するケースや「代表取締役顧問」も中にはある。取締役でない場合、顧問は会社経営に関して法的な責任と権限は無いが、顧問が取締役である場合は、取締役としての法的な義務および責任が課せられる。
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本来のルールからは意思決定に関与しないはずのOB・大御所からの指示により、企業の方向性に影響を与える場合があるからである。
 
[[東芝]]は[[2015年]]に発覚した長年にわたる[[粉飾決算]]などの不正会計問題の指摘を受けて、相談役制度を廃止することを検討。これにより同社元社長・会長でもある[[西室泰三]]も[[2016年]]内に退任することになった。東芝は当時2人の相談役のほかに、2人の特別顧問、2人の常任顧問、14人の顧問を抱えており、会計[[不祥事]]に関連して経営体制に対して社会的な批判を浴びた<ref>[httphttps://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ17I0V_X11C15A2TI1000/ 東芝、相談役の廃止検討 西室氏は年内にも退任]</ref>。
 
2017年、上場企業の[[株主総会]]で顧問・相談役の廃止を求める株主提案が見られたほか、自発的にポストの廃止に向けて検討を始める企業も現れた。また、日本政府は2018年初頭を目途に、相談役や顧問が就任する際には業務内容などを開示するよう義務付けることを検討している<ref>[http://www.jiji.com/jc/article?k=2017070800430&g=eco 銀行も相談役・顧問見直し=「院政」懸念を払拭] 時事ドットコムニュース(2017年7月8日)2017年7月8日閲覧{{リンク切れ|date=2020年3月}}</ref>。
 
==== みなし役員 ====
みなし役員は、会社法における役員として登記されていないものの、[[法人税法]]においては役員として扱われる者をいう<ref>[https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5200.htm 国税庁|No.5200 役員の範囲]</ref>。みなし役員に該当すると、[[役員報酬]]や[[賞与]]などにおいて税制上の縛りを受ける。
 
== 中華系企業での役員 ==
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=== 董事長 ===
董事長(とうじちょう、{{zhLang-tszh|t=董事長|s=董事长}})。[[法人]]の[[#董事|{{lang|zh|董事}}]]から選定されて、法人の業務を執行し、法人を[[代表]]する責任者である。法人の[[理事|代表理事]]又は理事長に相当し、法人が[[会社]]({{lang|zh|公司}})の場合は[[#代表取締役|代表取締役]]に相当する。または、法人の[[理事会]](法人が会社の場合は[[取締役会]])にあたる{{lang|zh-TW|董事會}}又は{{lang|zh-CN|董事会}}を設置する法人では、一般に{{lang|zh-TW|董事會}}又は{{lang|zh-CN|董事会}}の[[#会長|会長]]としてこれを主宰する。
なお、会社({{lang|zh|公司}})以外の法人では、法文上の{{lang|zh|董事}}の実務上の肩書きとして{{lang|zh|理事長}}を使うことがある。
[[香港]]の会社では、[[#董事局主席|董事局主席]](英語:{{lang|en-HK|chairman of the board of directors}}、中国語:{{lang|zh-HK|董事局主席}})に相当する。
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=== 副董事長 ===
副董事長(ふくとうじちょう、{{zhLang-tszh|t=副董事長|s=副董事长}})。一般に[[法人]]の[[#董事|{{lang|zh|董事}}]]から選定され、[[#董事長|{{lang|zh|董事長}}]]が不在又は事故により職権を行使できない時に{{lang|zh|董事長}}を[[代理]]する。法人の[[理事|副理事長]]に相当し、法人が[[会社]]({{lang|zh|公司}})の場合は取締役副[[#会長|会長]]に相当する。
なお、会社({{lang|zh|公司}})以外の法人では、法文上の{{lang|zh|董事}}の実務上の肩書きとして{{lang|zh|副理事長}}を使うことがある。
 
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=== 常務董事 ===
常務董事(じょうむとうじ、{{zhLang-tszh|t=常務董事|s=常务董事}})。一般に[[法人]]の[[#董事|{{lang|zh|董事}}]]から選定され、法人の日常の業務を執行する。
なお、会社({{lang|zh|公司}})以外の法人では、法文上の{{lang|zh|董事}}の実務上の肩書きとして{{lang|zh|常務理事}}を使うことがある。
 
222 ⟶ 218行目:
 
=== 執行董事 ===
執行董事(しっこうとうじ、{{zhLang-tszh|t=執行董事|s=执行董事}})。[[会社]]({{lang|zh|公司}})の業務を執行する[[#董事|{{lang|zh|董事}}]]である。業務を執行する[[#取締役|取締役]]に相当する。
 
[[中華人民共和国]]おいては、小規模の有限責任会社では[[取締役会]]({{lang|zh-CN|董事会}})を置かず、1人の執行董事({{lang|zh-CN|执行董事}})を置き、[[定款]]({{lang|zh-CN|章程}})の定めにより、執行董事({{lang|zh-CN|执行董事}})が単独で取締役会({{lang|zh-CN|董事会}})の職務を行うことができる。執行董事({{lang|zh-CN|执行董事}})は[[#経理|支配人({{lang|zh-CN|经理}})]]を兼任することが出来る。また、定款の定めにより法定[[代表]]者になることが出来る。
 
=== 非執行董事 ===
非執行董事(ひしっこうとうじ、{{zhLang-tszh|t=非執行董事|s=非执行董事}})。[[会社]]({{lang|zh|公司}})の業務を執行しない[[#董事|{{lang|zh|董事}}]]である。[[業務執行取締役]]以外の[[#取締役|取締役]]に相当する。
 
=== 備任董事 ===
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=== 経理 ===
経理(けいり、{{zhLang-tszh|t=經理|s=经理}})。[[会社]]({{lang|zh|公司}})において、[[取締役会]]({{lang|zh-CN|董事会}}または{{lang|zh-HK|董事局}})の直接の権限の下で、管理者の職務を行う者である。[[イギリス|英国]]の会社法({{lang|en-UK|Companies Act}})における会社の[[#マネージャー|支配人 {{lang|en-GB|(manager)}}]]に相当する。
 
==== 中華人民共和国の会社の経理 ====
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=== 秘書 ===
秘書(ひしょ、{{zhLang-tszh|t=秘書|s=秘书}})。一般に、[[法人]]の[[書記]]の職務を行う役員である。いわゆる[[秘書]]の意味もあるが、[[会社]]({{lang|zh|公司}})において、[[社員]][[総会]]/[[株主総会]]および[[取締役会]]({{lang|zh-CN|董事会}}または{{lang|zh-HK|董事局}})の手続きを議事録に記録する責任を負い、[[法令]]等で会社に保管が義務付けられている[[文書]]や書類その他の記録の作成、維持管理および[[認証]]を行う責任者で、[[イギリス|英国]]や[[アメリカ合衆国|米国]]における会社の[[#セクレタリ|書記役 {{lang|en|(secretary)}}]]や[[#最高総務責任者(CAO)|最高総務責任者(CAO)]]に相当する。
 
==== 中華人民共和国の上場会社の董事会秘書 ====
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=== 董事総経理 ===
董事総経理(とうじそうけいり、{{zhLang-tszh|t=董事總經理|s=董事总经理}})。[[取締役会]]({{lang|zh-TW|董事會}}、{{lang|zh-CN|董事会}}又は{{lang|zh-HK|董事局}})の決議等による[[会社]]({{lang|zh|公司}})の決定にしたがって、会社の事務を統轄管理する[[#董事|取締役({{lang|zh|董事}})]]である。
 
==== 香港の会社の董事総経理 ====
302 ⟶ 298行目:
 
=== 総経理 ===
総経理(そうけいり、{{zhLang-tszh|t=總經理|s=总经理}})。[[取締役会]]({{lang|zh-TW|董事會}}、{{lang|zh-CN|董事会}}又は{{lang|zh-HK|董事局}})の決議等による[[会社]]({{lang|zh|公司}})の決定と監督の下で、会社の事務を統轄管理する責任者である。フランスの[[#ディレクトゥー・ジェネラル|ディレクトゥー・ジェネラル]] {{lang|fr|(Directeur général (DG))}} に相当する。[[#執行役|執行役]]や[[ゼネラルマネージャー|総支配人]]に相当する。
 
==== 香港の会社の総経理 ====
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=== 副総経理 ===
副総経理(ふくそうけいり、{{zhLang-tszh|t=副總經理|s=副总经理}})。[[取締役会]]({{lang|zh-TW|董事會}}、{{lang|zh-CN|董事会}}又は{{lang|zh-HK|董事局}})の決議等による[[会社]]({{lang|zh|公司}})の決定と監督の下で、[[#総経理|総経理]]({{lang|zh|總經理}})を補佐して[[委任]]された会社の事務を管理する。[[#バイス・プレジデント|バイス・プレジデント]]や[[#執行役員|執行役員]]に相当する。
 
==== 香港の会社の副総経理 ====
315 ⟶ 311行目:
== 英米の会社法に規定のある役員 ==
=== オフィサー ===
{{Main|執行役#米国企業のオフィサー}}
オフィサー({{lang-en|officer}})。[[日本語|和訳]]は役員。
 
322 ⟶ 319行目:
米国法人の伝統的な役員 {{lang|en-US|(officer)}} には、[[#プレジデント|会長/社長 {{lang|en|(president)}}]]、[[#バイス・プレジデント|副会長/副社長 {{lang|en|(vice-president)}}]]、[[#セクレタリ|書記役 {{lang|en|(secretary)}}]]、[[#トレジャラ|会計役 {{lang|en|(treasurer)}}]]等が含まれる。
英国法上の会社の役員 {{lang|en-GB|(officer)}} のうち支配人 {{lang|en-GB|(manager)}} 又は書記役 {{lang|en-GB|(secretary)}} が、米国の株式会社の役員 {{lang|en-US|(officer)}} にあたる。
 
{{Main|執行役#米国企業のオフィサー}}
 
=== ディレクター ===
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=== バイス・プレジデント ===
[[バイス・プレジデント]]({{lang-en|vice-president}}、略語:VP)。一般に[[政府]]や[[コーポレーション|法人 (corporation)]] その他の団体において、代表者たる[[プレジデント]]を補佐又は[[代理]]する[[役職]]を指し、具体的には政府の[[副大統領]]や[[国際機関]]の副[[総裁]]、[[非営利団体]]等の副[[会長]]や副[[理事|理事長]]、[[会社]]の[[役員 (会社)#副社長|副社長]]などであるが、一部の団体や会社では副会長や副理事長、副社長などと[[日本語|和訳]]するほど高位ではない職位の名称として用いられており、そのような場合には日本語では「副会長」、「副理事長」、「副社長」などと訳さずに「バイスプレジデント」と表現することが多い。
バイス・プレジデント({{lang-en|vice-president}}、略語:VP)。一般に、[[法人]]を[[代表]]する[[#プレジデント|プレジデント {{lang|en|(president)}}]]を補佐又は[[代理]]する役員である。
 
{{Main|ヴァイスプレジデント}}
 
=== セクレタリ ===
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== その他の英米の会社の内部的職制 ==
=== マネージング・ディレクター ===
マネージング・ディレクター({{lang-en|managing director}}、略語:MD)。直訳は業務執行取締役。[[イギリス連邦|英連邦]]諸国の[[会社]]では[[取締役会]]で[[#ディレクター|取締役 {{lang|en|(director)}}]]から選定される会社の業務執行を統括する責任者とされる。日本の[[#取締役|取締役]][[#社長|社長]]や[[アメリカ合衆国|米国]]会社の[[#最高経営責任者(CEO)|最高経営責任者 (CEO)]] 又は[[#プレジデント|社長 {{lang|en|(president)}}]]に相当する。[[イギリス|英国]]の会社では、執行と監督を分離するために、[[#チェアマン|取締役会長 {{lang|en|(chairman of the board of directors)}}]]を兼任することが規制されている。米国会社においてはあまり使われない。[[香港]]では[[#董事総経理|董事総経理]]([[英|英語]]:{{lang|en-HK|managing director}}、[[中国語]]:{{lang|zh-HK|董事總經理}})の英語表記である。日本の会社においては、[[#常務取締役、常務執行役、常務執行役員|常務]]の[[英語|英訳]]として使用される場合が多いが、[[世界銀行]]や[[国際通貨基金]]などの[[国際機関]]の場合は[[理事|専務理事]]と[[日本語|和訳]]される。[[フランス語|仏訳]]は[[#ディレクトゥー・ジェネラル|ディレクトゥー・ジェネラル]] {{lang|fr|(Directeur général (DG))}} であることが多い。
 
=== デピュティ・マネージング・ディレクター ===
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=== ファウンダー ===
ファウンダー({{lang-en|founder}})。[[創業者]]([[創業]]した[[人物]])の意味。創業者に付ける名誉的な肩書き。日本の会社でもこの肩書きが使われることがあり、かつて、[[ソニー]]の[[井深大]]と[[盛田昭夫]]、[[ダイエー]]の[[中内]]がその職名を用いていた。現在は[[ホリプロ]]の[[堀威夫]]、[[UUUM]]の[[HIKAKIN]]らがその職名を用いている。
 
== 大陸ヨーロッパにおける会社の役員制度 ==
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====== 監査役会と執行役会を設置する会社 ======
[[1966年]]のフランス商法改正により導入されたドイツ式の[[取締役会#フランスの監査役会と執行役会|二層型取締役会]]を設置する会社の場合、会社の経営を監督する機関として[[取締役会#フランスの監査役会|監査役会 {{lang|fr|(Conseil de surveillance)}}]]、会社を経営する機関として[[取締役会#フランスの執行役会|執行役会 {{lang|fr|(Directoire)}}]]を置く。また会計監査および業務監査を実施する機関として、[[#コミッセール・オ・コント|会計監査役 (CAC)]] を置く。[[監査役#フランスの監査役会構成員|監査役会構成員 {{lang|fr|(Membre du Conseil de surveillance)}}]]と[[取締役会#フランスの執行役会構成員|執行役会構成員 {{lang|fr|(Membre du Directoire)}}]]を兼任することはできない。なお、監査役会構成員と会計監査役 (CAC) は別の役員である。
 
監査役会は監査役会構成員から構成され、[[株主総会]]により選任・解任される。
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== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Reflist}}
{{Reflist|group="注"}}
=== 出典 ===
{{Reflist|2}}
 
== 関連項目 ==
* [[役職]]
* [[取締役]]
* [[取締役会]]
* [[株式会社]]
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== 外部リンク ==
*[https://elawslaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0100/ e-Gov法令検索]
*[https://www.jftc.go.jp/dk/kiketsu/guideline/index.html 公正取引委員会:ホーム > 企業結合 > 法令・ガイドライン等]
*[https://www.legislation.gov.uk/ 英国司法省 国立公文書館({{lang|en-UK|The National Archives}})]