盛岡貨物ターミナル駅
盛岡貨物ターミナル駅(もりおかかもつターミナルえき)は、岩手県盛岡市永井にある日本貨物鉄道(JR貨物)東北本線の貨物駅である。
盛岡貨物ターミナル駅 | |
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駅社屋(2010年5月) | |
もりおかかもつターミナル Morioka Kamotsu Terminal | |
◄矢幅 (3.7 km) (0.8 km) 岩手飯岡► | |
所在地 | 岩手県盛岡市永井30-39 |
所属事業者 | 日本貨物鉄道(JR貨物) |
所属路線 | 東北本線 |
キロ程 | 528.8 km(東京起点) |
電報略号 | モカ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | なし |
開業年月日 | 1974年(昭和49年)7月20日[1] |
備考 | 貨物専用駅 |
歴史
編集- 1974年(昭和49年)
- 1978年(昭和53年)8月1日:小荷物の取扱を廃止。
- 1981年(昭和56年)10月1日:日本オイルターミナル盛岡営業所開業。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化によりJR貨物の駅となる。
- 1999年(平成11年)4月:盛岡貨物ターミナル駅と盛岡機関区の貨車検修部門等を統合し、盛岡総合鉄道部[2]を設置。
- 2001年(平成13年)12月1日:仙台港駅との間で石油輸送高速貨物列車の運行を開始。
- 2006年(平成18年)11月15日:「TOYOTA LONGPASS EXPRESS」運行開始。
- 2011年(平成23年)3月18日:東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)被災に伴い不通となった東北本線・常磐線の代替として、タキ38000により当駅を着地として往路基準で4月19日までの32日間、根岸発、新潟・青森経由の迂回燃料輸送を実施。
- 2024年(令和6年)3月:総合事務所の建て替えが完了[3]。
- JR貨物の駅事務所のほか、利用運送事業者5社の事務所も集約して入居することとし、コンテナと一般トラックの積替ステーションの建設用地を捻出[3]。
駅構造
編集地上駅。駅構内は南北に通る本線の西側に1キロメートルほど続いている。
構内の北側にはコンテナホーム(コンテナヤード)が2面4線設置され、留置線や仕分け線も敷設されている。ホームの西側には日本オイルターミナル盛岡営業所が設置され、その石油荷役設備へ続く側線も敷設されている。
構内の南側は、本線との分岐点や着発線がある。着発線は上下2本ずつあり、上下本線の内側に敷設されている。これらの着発線からホームなどへ向かう側線が分岐している。なお、側線と下り本線が平面交差しないように、交差部分の下り本線は高架線となっている。
駅舎はホームのさらに北側に置かれている。2024年(令和6年)3月には2階建ての新たな総合事務所[4]に建て替えられ、駅事務所のほか、利用運送事業者5社の事務所も集約されて入居した[3]。乗務員基地の青森総合鉄道部盛岡貨物ターミナル派出や、盛岡総合鉄道部の貨車検修部門、線路等の施設の維持保全を行う盛岡メンテナンスステーションも置かれている。全貨物列車が当駅で運転士交代を行っている。
入換用機関車として、愛知機関区に所属するDD200形ディーゼル機関車が常駐している。
取扱う貨物の種類
編集コンテナ貨物は、JR規格の12 ft・20 ft・30 ftのコンテナと、ISO規格の20 ft海上コンテナを取り扱っている。取扱品目で多いのは、発送貨物が米、積合わせ貨物(郵便物・宅配便など)、線材、合板で、到着貨物が清涼飲料水、紙、食料工業品、化学工業品である。また、産業廃棄物・特別管理産業廃棄物の取扱許可を得ており、これらが入ったコンテナの取り扱いが可能である。
車扱貨物は、駅構内の日本オイルターミナル盛岡営業所へ送られるガソリンなどの石油製品を取り扱う。石油製品は、仙台北港駅(ENEOS仙台製油所)から輸送される。
なお2010年3月ダイヤ改正時より、国土交通省関東地方整備局が推進するモデル事業の一環として、全国初となる「貨物駅内にある内陸の通関物流基地(インランド・デポ)」を当駅に新設(実施期間は翌2011年3月改正時まで、費用は最大約3億4500万円)。東北各地から輸出入貨物を当駅に集め、京浜港(東京貨物ターミナル駅)との間で鉄道輸送を行う。運用はJR貨物の子会社「JR貨物インターナショナル」が行い、当駅内に保税地域を設け、集配に加え新たに輸出入貨物の通関・保管も行う。
当事業には二酸化炭素排出量削減及びドライバーの長距離運転負担軽減の観点から、輸出入貨物もトラックから鉄道へシフトさせる「モーダルシフト」推進という狙いがある(2009年12月12日付、岩手日報朝刊1面及び2面記事にて報道)。
貨物列車
編集(2014年3月15日現在)[5]
- 高速貨物列車(コンテナ輸送列車)
- 下り列車は1日5本(うち当駅終着が3本)、上り列車は1日8本(うち当駅始発が2本)停車する。行き先は下りが八戸貨物駅・東青森駅、上りが仙台貨物ターミナル駅・隅田川駅・東京貨物ターミナル駅・名古屋貨物ターミナル駅・名古屋南貨物駅(列車名「TOYOTA LONGPASS EXPRESS」)などである。
- この他、当駅から安治川口駅まで福山通運専用貨物列車「福山レールエクスプレス号」が運行されている[6]。
- 高速貨物列車(石油輸送列車)
- 仙台北港駅との間に1日1往復運行されている。タキ1000形のみで編成されている。
- 専用貨物列車(石油輸送列車)
- 仙台北港駅との間に1日1往復運行されている。
上記のほか、臨時列車も設定されている。
利用状況
編集- 2005年度の発送貨物は110,182トン、到着貨物は597,526トンであった。
1985年時の常備貨車
編集「昭和60年版私有貨車番号表」『トワイライトゾーンMANUAL13』ネコ・パブリッシング、2004年
集配エリア
編集トラック集配エリアは二戸・久慈地域を除いた岩手県内全域である。主に盛岡市中央卸売市場、盛岡中央郵便局、トヨタ自動車東日本岩手工場、その他県内企業の配送センターや宅配便集配センターなどへコンテナ単位で集荷している。なお二戸・久慈地域は当該地域への郵便物を除き八戸貨物駅の担当である。
駅周辺
編集- 岩手飯岡駅
- 盛岡市中央卸売市場
- 盛岡南公園球技場
- 東北自動車道盛岡南インターチェンジ
隣の駅
編集脚注
編集- ^ a b 『週刊 JR全駅・全車両基地』 23号 盛岡駅・平泉駅・山寺駅ほか74駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2013年1月20日、10頁。
- ^ 『JR気動車客車編成表2020』 ジェー・アール・アール、2020年、p.230
- ^ a b c 2024年3月28日付岩手日報記事「JR盛岡貨物ターミナル駅、新事務所棟が完成 輸送力強化へ」
- ^ 株式会社アトリエノルド 施工事例アーカイブ 『 盛岡貨物ターミナル駅新総合事務所棟』(2024年8月2日閲覧)
- ^ 『貨物時刻表 平成26年3月ダイヤ改正』、鉄道貨物協会、2014年、119-128頁。
- ^ “福山通運株式会社専用ブロックトレイン 「福山レールエクスプレス号」の運転開始について”. 福山通運. 2023年10月20日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 盛岡貨物ターミナル駅 - ウェイバックマシン(2008年6月1日アーカイブ分) - JR貨物関東支社