沢崎
概要
編集原のデビュー作『そして夜は甦る』に初登場した。西新宿の旧開発地区の三階建モルタル塗り雑居ビルの2階奥にある「渡辺探偵事務所」を構える私立探偵である。下の名前は明かされない(作者は彼の名を「知っている」ものの、発表するつもりはないそうである)。レイモンド・チャンドラーを意識して執筆されているため、フィリップ・マーロウとの類似や共通点が指摘されるが、一連の作品群は綿密な筋立て構成され、独自の光彩を放つ。初登場の「そして夜は甦る」では1985年時点で40歳と記述があり、その11年前に、初めて渡辺探偵事務所を訪れパートナーとなる渡辺と出会い探偵となる。それから6年後に渡辺は失踪し、一人で事務所を維持している。1メートル75センチ前後の背格好。両切り"ピース"を手放さない愛煙家。まだ走るというだけの理由で乗っている車は、本人曰く喘息が持病のブルーバード。美術、映画、ジャズ、囲碁を好む。野球は特定球団に興味はなく、二つ以上の球団を渡り歩いたロートル選手の活躍を喜ぶ。
関連人物
編集登場作品
編集すべて早川書房刊。
長篇
編集- そして夜は甦る(単行本:1988年、文庫版:1995年、山本周五郎賞候補作)
- 巻末付録「マーロウという男」
- 私が殺した少女(単行本:1989年、文庫版:1996年、直木賞・ファルコン賞受賞作)
- 巻末付録「ある男の身許調査」
- さらば長き眠り(単行本:1995年、文庫版:2000年)
- 巻末付録「世紀末犯罪事情」
- 愚か者死すべし(単行本:2004年、文庫版:2007年)
- 巻末付録「帰ってきた男」
- それまでの明日(単行本:2018年 [1]、文庫版:2020年[2])
- 巻末付録「」
短編集
編集脚註
編集- ^ “原尞、14年ぶりの新刊『それまでの明日』、2018年3月1日発売決定!” (2018年3月1日). 2018年3月13日閲覧。
- ^ ISBN 978-4150314460