岡野光夫
岡野 光夫(おかの てるお、1949年3月21日 - )は、日本の再生医療工学者、工学博士。 細胞シートを使った再生医療およびバイオマテリアルの研究を専門分野としている。
概要
編集東京女子医科大学の岡野光夫教授が「細胞シート」を開発。すなわち、培養した細胞をシート状の組織として取り出すことに成功した。これまで不可能とされていた技術で、この細胞シートの開発により再生医療がますます加速しつつある[1]。
略歴
編集1949年3月21日、東京都に生まれる[2]。1974年、早稲田大学理工学部応用化学科卒業[3]。1976年、同大学大学院高分子化学修士課程修了[3]。1979年、同大学院高分子化学博士課程修了[3]、工学博士[3]。
1979年、東京女子医科大学医用工学研究施設助手[3]、1987年、同施設助教授[3]、1994年、同施設教授[3]、1999年、同施設長[3]。2001年、同大学先端生命医科学研究所所長・教授[3]。2009年、日本再生医療学会理事長[3]。2014年、東京女子医科大学定年退職[3]、東京女子医科大学学長付特任教授[4]。
受賞歴
編集著作
編集- 博士論文『ミクロ相分離構造を有する親・疎水性ポリマーの合成とその医用材料への応用』早稲田大学 甲第378号 1979年
- 岡野光夫, 大和雅之 監修『再生医療技術の最前線』シーエムシー出版 2007年
- Biomedical applications of hydrogels handbook editor-in-chief, Raphael M. Ottenbrite ; editors, Kinam Park, Teruo Okano , New York , Springer , 2010
- 岡野光夫 著『「細胞シート」の奇跡 : 人はどこまで再生治療できるのか』祥伝社 2012年
- 日本再生医療学会 監修 岡野光夫, 大和雅之 編集『再生医療叢書 2』朝倉書店 2013年
- 岡野光夫, 大和雅之 監修『再生医療技術の最前線 = Recent progress in Regenerative Medicine Technologies』 シーエムシー出版 2013年 (バイオテクノロジーシリーズ) 普及版
- 日本再生医療学会 監修,岡野光夫, 浅島誠 編集統括『再生医療用語ハンドブック』メディカルトリビューン 2015年
- 岡野光夫 監修,田畑泰彦, 塙隆夫 編著『バイオマテリアル : その基礎と先端研究への展開』東京化学同人 2016年
テレビ出演
編集- 2004年12月7日 - 日経スペシャル ガイアの夜明け よみがえれ!命の鼓動 〜最先端・再生医療の可能性〜(テレビ東京)[1]。- 「細胞シート」を取材。
- 2006年6月27日 - 『カスペ!』(フジテレビ)
- 2009年5月3日 - 『生命の謎を探る旅スペシャル』(日本テレビ)
- 7月7日 - 『日経スペシャル ガイアの夜明け』(テレビ東京)
- 10月13日 - 『爆笑問題のニッポンの教養』(NHK総合テレビジョン)
- 2010年7月17日 - 『世界一受けたい授業』(日本テレビ)
- 2011年1月10日 - 『プロフェッショナル 仕事の流儀』「夢を語り、未来を切り開け」(NHK総合テレビジョン)
疑惑
編集セルシード社の役員並びに株大量保有者であり、セルシード社の商品である細胞シートに対する論文を数編発表している。自身がセルシード社に深く関係するにもかかわらず、論文投稿の際に「金銭的利益相反はない」と宣言していた[5]ため問題視されている。[要出典]
論文撤回
編集2011年6月30日付『ネイチャープロトコルズ』に掲載された、再生医療用細胞シートのマウスへの移植手法に関する大和雅之、小保方晴子、常田聡との共著論文を、元データが確認できないとして2016年1月13日に撤回した[6]。
参考資料
編集脚注
編集- ^ a b よみがえれ!命の鼓動 〜最先端・再生医療の可能性〜 - テレビ東京 2004年12月7日
- ^ インタビュー企画 『未来医療への挑戦者たち』シリーズ第1弾-東京女子医科大学先端生命医科学研究所・TWIns 所長・教授 岡野光夫 GCOEメールマガジン【RegMed-now】Vol.12(2011年3月2日配信)東京女子医科大学 グローバルCOE「再生医療本格化のための集学的教育研究拠点」
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “岡野光夫先生”. SUMCO. 2022年9月閲覧。
- ^ 先端生命医科学研究所の所長業務について 所長代行・教授 清水達也 東京女子医科大学先端生命医科学研究所
- ^ “小保方研究に関与する企業の株価が急上昇――STAP細胞騒動に株価操作疑惑”. 週刊金曜日 (2014年4月30日). 2017年2月12日閲覧。
- ^ “小保方氏の別の論文 グラフ酷似で撤回 英科学誌、STAP以前”. 産経新聞 (2016年2月27日). 2017年2月12日閲覧。