尾形克彦
尾形 克彦(おがた かつひこ、1925年1月6日 - )は、おもにアメリカ合衆国で活動した日本の工学者[1]。制御工学を専門とし、長くミネソタ大学機械工学部で教鞭を執った。英語で刊行した制御工学の教科書は版を重ね[1]、日本語をはじめ多くの言語に翻訳されたものもあり[1]、また日本語で書き下ろされた著書もあった。
経歴
編集1947年9月、東京大学第二工学部機械工学科を卒業し[2]、科学研究所で大山義年研究室所属[3]の助手を務めた後、技師として日本鋼管に勤務する[2]。
1951年7月に渡米し、1952年6月にイリノイ大学でMSを取得し[2]、さらにカリフォルニア大学バークレー校で1956年6月にPh.D.を取得した[2]。なお、渡米後も日本鋼管川崎製鉄所に籍を置いていた[4]。
1956年9月にはミネソタ大学機械工学部助教授となり、準教授を経て、1961年9月に教授となった[2]。この間、1960年から1968年にかけて、横浜国立大学工学部電気工学科教授を兼任した[2]。
おもな著書
編集- State Space Analysis of Control Systems, Prentice Hall, 1967
- Modern Control Engineering, Prentice Hall, 1970
- ダイナミックプログラミング、培風館、1973年
- System Dynamics, Prentice Hall, 1978
- Discrete-Time Control Systems, Prentice Hall, 1986
- 最新の現代制御理論の実際、新技術開発センター、1986年
- Solving Control Engineering Problems With Matlab, Prentice Hall, 1993
- 現代制御工学、新技術開発センター、1994年
- MATLAB for Control Engineers, Prentice Hall, 2008
- (石川潤 訳)制御のためのMATLAB、東京電機大学出版局、2010年
編著書
編集- MATLABによる制御工学問題の解法、新技術開発センター、1997年
- MATLABによる線形制御システムの設計、新技術開発センター、1997年
脚注
編集- ^ a b c d “Katsuhiko Ogata”. Goodreads, Inc.. 2020年3月24日閲覧。
- ^ a b c d e f “プロフィール 尾形克彦氏 ミネソタ大学教授”. 新技術開発センター. 2020年3月24日閲覧。
- ^ 大山義年、桑井源禎、尾形克彦、岡田實「燃燒への酸素利用:酸素加増空氣による粗惡炭の燃燒」『化学機械』第13巻第3号、化学工学会、1949年、84-85頁。 NAID 130003929587
- ^ 1958年の日本語の論文では、所属が「日本鋼管川崎製鉄所(ミネソタ大学留学)」と記されている。:尾形克彦「飽和特性をもつ制御系の応答としての非線形振動」『自動制御』第5巻第1号、計測自動制御学会、1958年、11-15頁。 NAID 130003935748 - CiNii のページでは、所属が「日本鋼管用崎製鉄所」と誤記されている。
- ^ “Emeritus Faculty”. University of Minnesota. 2020年3月24日閲覧。