四銃士 (映画)
『四銃士』(よんじゅうし、The Four Musketeers)は、1974年のイギリス・アメリカ合衆国の剣戟映画。監督はリチャード・レスター、出演はマイケル・ヨーク、オリヴァー・リード、フランク・フィンレー、リチャード・チェンバレンなど。 前年の映画『三銃士』の続編で、アレクサンドル・デュマ・ペールによる原作小説『三銃士』の後半部分に当たる。
四銃士 | |
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The Four Musketeers | |
監督 | リチャード・レスター |
脚本 | ジョージ・マクドナルド・フレイザー |
原作 |
アレクサンドル・デュマ・ペール 『三銃士』 |
製作 |
マイケル・サルキンド アレクサンダー・サルキンド イリヤ・サルキンド |
製作総指揮 | イリヤ・サルキンド |
出演者 |
マイケル・ヨーク オリヴァー・リード フランク・フィンレー リチャード・チェンバレン ラクエル・ウェルチ |
音楽 | ラロ・シフリン |
撮影 | デヴィッド・ワトキン |
編集 | ジョン・ヴィクター・スミス |
製作会社 | アレクサンダー=マイケル=イリヤ・サルキンド・プロダクションズ |
配給 |
Cinerama Filmgesellschaft MBH Fox-Rank 20世紀フォックス |
公開 |
1974年10月31日 1975年2月26日 1975年3月25日 1976年1月7日 |
上映時間 | 107分 |
製作国 |
イギリス アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
前作 | 三銃士 |
次作 | 新・三銃士/華麗なる勇者の冒険 |
『三銃士』と『四銃士』は、当初は一つの作品として仕上げる予定だったのを、2分割したものであった。そのため、出演者がこれを契約違反であるとして、以後俳優との契約には、作品の本数を明記した「サルキンド条項(Salkind clause)」が適用されるようになった。これは、製作スタッフのアレクサンダー・サルキンドの名を冠したものである[1]。
ストーリー
編集国王軍とラ・ロシェルの反乱軍との戦いのさなか、リシュリュー枢機卿は、銃殺刑にされかけたものの、脱出に成功したロシュフォール伯爵(英語版)に、ボナシュウの妻コンスタンスを誘拐するように命じる。また、ダルタニャンへの復讐の炎を燃やすミレディーは、彼を誘惑して暗殺を企てるが失敗する。ダルタニャンは、かつてミレディーがアトスと恋愛関係にあり、犯罪歴があるのを知られて、アトスに殺されかけたことを知る。
アトス、ポルトス、そしてアラミスは、サンクルーに囚われていたコンスタンスを助け出し、アルマンティエールの修道院にかくまう。方やミレディーは、ダルタニャンに、毒入りのぶどう酒と、三銃士が禁足処分を食ったと言う嘘の手紙を送りつける。ダルタニャンが3人を保釈しに行こうとしたところに、ロシュフォールと手下が襲いかかり、そこへ三銃士も加わって乱闘となり、捕まった手下の一人が、リシュリュー枢機卿がドーブ・コット・インに行く予定だとばらした後、その毒入りぶどう酒を飲んで息絶える。アトスはリシュリューの偵察に行き、枢機卿が、イングランドが噛んでいるらしい、ラ・ロシェルへの援軍を、バッキンガム公爵が寄越さないように、アンヌ王妃との関係を盾にゆさぶること、もし応じない時は暗殺することを命じる。ミレディーは見返りとして、自分の行為を正当化する証明書を枢機卿に書かせる。
しかしながら、その後アトスがミレディーから書類を奪い取り、ダルタニャンに、枢機卿の陰謀を伝えたため、ダルタニャンは従卒のプランシェをイングランドに派遣して、バッキンガム公爵に注意を促そうとする。一方イングランドでは、援軍中止を拒否されたミレディーが、暗殺を謀ろうとするも捕えられ、ロンドン塔に監禁されるが、ミレディーはここでも公爵の部下フェルトンを誘惑し、公爵を殺すようそそのかす。フェルトンは彼女を逃がした後、プランシェが到着する前に、バッキンガム公爵を殺害する。ラ・ロシェルが陥落したのはそれから間もなくだった。
ロシュフォールとミレディーは、アルメンティエールの修道院に乗り込み、そこに到着した四銃士と激しく闘う。ロシュフォールと配下の者が、銃士たちを追い詰めている間、ミレディーはコンスタンスを絞め殺すものの、ついにアトスにつかまり、ダルタニャンはロシュフォールとの死闘のすえ、相手を斃す。ミレディーは四銃士から首切りの判決を言い渡され、刑がとりおこなわれた直後、彼らは枢機卿の護衛隊に逮捕される。
リシュリューは、大事な配下の者を2人失ったことで、ダルタニャンを告発するが、ダルタニャンは枢機卿の署名入りの証明書を見せ、自分の行為が法的に正しいものであると主張する。枢機卿は自らの完敗を悟り、またダルタニャンの行為に感心して、彼と、彼の3人の友人の中から1人を将校に任じることにする。アトス、ポルトス、アラミスがそれぞれ辞退したため、ダルタニャンが銃士隊の隊長補佐に昇任する[2]。
キャスト
編集役名 | 俳優 | 日本語吹替 |
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テレビ朝日版 | ||
ダルタニアン | マイケル・ヨーク | 松橋登 |
コンスタンス | ラクエル・ウェルチ | 中村晃子 |
アトス | オリヴァー・リード | 内海賢二 |
ポルトス | フランク・フィンレー | 大塚周夫 |
アラミス | リチャード・チェンバレン | 金内吉男 |
ルイ13世 | ジャン=ピエール・カッセル | 仲木隆司 |
アンヌ王妃 | ジェラルディン・チャップリン | 平淑恵 |
バッキンガム公爵 | サイモン・ウォード | 仲村秀生 |
プランシェ | ロイ・キニア | 神山卓三 |
キティ | ニコール・カルファン | 土井美加 |
ジュサック | アンヘル・デル・ポゾ | 北村弘一 |
フェルトン | マイケル・ゴサード | 下村彰人 |
ベアトリス | ギティ・ジャマル | 朝井良江 |
トレヴィル | エドゥアルド・ファヤルド | 上田敏也 |
ロシュフォール伯爵 | クリストファー・リー | 西沢利明 |
ミレディー | フェイ・ダナウェイ | 平井道子 |
リシュリュー枢機卿 | チャールトン・ヘストン | 納谷悟朗 |
不明 その他 |
平井隆博 西野純司 安田隆 上恭ノ介 西村知道 藤城裕士 吉村傭 岡田直子 安田あきえ | |
演出 | 高桑慎一郎 | |
翻訳 | 篠原慎 | |
効果 | 大野義信 | |
調整 | 遠西勝三 | |
制作 | 千代田プロダクション | |
解説 | 淀川長治 | |
初回放送 | 1982年2月14日 『日曜洋画劇場』 |
※KADOKAWAから発売のBDに吹替収録
スタッフ
編集- 監督 - リチャード・レスター
- 製作総指揮 - イリヤ・サルキンド
- 製作 - アレクサンダー・サルキンド
- 脚本 - ジョージ・マクドナルド・フレイザー
- 原作 - アレクサンドル・デュマ・ペール
- 撮影 - デヴィッド・ワトキン
- 音楽 - ラロ・シフリン
- 編集 - ジョン・ヴィクター・スミス
- 衣装デザイン - イヴォンヌ・ブレイク
- 字幕監修 - 清水俊二
日本版DVD
編集複数回発売されている[3]。
- 【DVD】四銃士 〈初回限定生産〉 2011年3月2日発売
- 【DVD】四銃士 〈初回限定生産〉 2009年5月9日発売
- 【DVD】四銃士 〈初回限定生産〉 2008年7月10日発売
- 【DVD】四銃士 〈初回限定生産〉 2006年8月25日発売
- 【DVD】三銃士/四銃士 2001年5月25日発売
作品の評価
編集映画批評家によるレビュー
編集Rotten Tomatoesによれば、21件の評論のうち高評価は76%にあたる16件で、平均点は10点満点中7.1点となっている[4]。
受賞歴
編集イヴォンヌ・ブレイクとロン・タルスキーは、第48回アカデミー賞衣裳デザイン賞にノミネートされた[5]。
出典
編集- ^ Salmans, Sandra (1983年7月17日). “FILM VIEW - FILM VIEW - THE SALKIND HEROES WEAR RED AND FLY HIGH” (英語). The New York Times 2022年10月15日閲覧。
- ^ “Watch The Four Musketeers Online” (英語). Yidio. 2022年10月15日閲覧。
- ^ “四銃士”. allcinema. 株式会社スティングレイ. 2022年10月15日閲覧。
- ^ "The Four Musketeers". Rotten Tomatoes (英語). 2022年10月15日閲覧。
- ^ “1975年 第48回 アカデミー賞”. allcinema. 2022年10月15日閲覧。
関連項目
編集- 新・三銃士/華麗なる勇者の冒険 - 同監督による続編。一部キャストも同一。