フロッタージュ
フロッタージュ(frottage)は、 シュルレアリスムで用いられる技法の1つ。フランス語の 「frotter(こする)」に由来する。
木の板、石、硬貨など、表面がでこぼこした物の上に紙を置き、鉛筆などでこすると、表面のでこぼこが模様となって、紙に写し取られる。このような技法や、その技法により制作された作品を「フロッタージュ」と呼ぶ。一般的には鉛筆や木炭を使用するが、他に丸めたインクやチョーク、ワックスほかの素材を使用する場合もある[1][2]。
フロッタージュの作品は、デカルコマニーの作品と同様に、制作者のコントロールが部分的には効かず、また、見る者により、何に見えるかが、異なるという可能性がある。
1925年、マックス・エルンストが始めたといわれ、その後も特に好んで用いた。エルンストによるフロッタージュの作品集としては1926年にパリで刊行された『博物誌』(Histoire Naturelle (natural history))が存在する。エルンストは、フロッタージュを油彩画にも応用し、作品を残している(例えば、1927年の「Forest and Dove」(テイト・ギャラリー所蔵))。
脚注
編集- ^ MoMA Frottage 5 September 2023閲覧 The Museum of Moder Art
- ^ Lukowsky, D., Failure Analysis of Wood and Wood-Based Products, McGraw-Hill Education; 1st edition (2015) ISBN 978-0-07-183937-2.
関連項目
編集外部リンク
編集- テイト・ギャラリーによる解説:エルンストの作品図版もあり
- ニューヨーク近代美術館による「博物誌」の解説:表紙図版あり
- ENCYCLOPEDIA OF IRISH AND WORLD ART:Ernstの項目。フロッタージュの説明あり
- フロッタージュ:現代美術用語辞典 - artscape