ファクトリー・レコード
ファクトリー・レコード(Factory Records)は、イギリスのマンチェスターで1978年に創立されたインディーズ・レコード・レーベルである。マンチェスターの音楽シーンの中心として、マッドチェスター等の様々なムーブメントを巻きおこした。
概要
編集マンチェスターのテレビ局「グラナダTV」で音楽番組を持っていたトニー・ウィルソンらによって設立。初期には、マーティン・ハネットがプロデューサーを務め、ピーター・サヴィルがグラフィック・デザインを担当することにより、レーベルとして統一された音とビジュアルを保つことに成功していた。また、音楽のリリースだけでなく、アートワークやその他にもカタログ番号を付すことにより、斬新なイメージを与えていた(例えば、FAC 1はクラブでのイベントのポスターに与えられている)。
1980年には、レーベルの主要アーティストであったジョイ・ディヴィジョンのイアン・カーティスの自殺という衝撃的な事件が起きた。その一方で、ベルギーでクレプスキュール(Les Disques du Crepuscule)と共同でファクトリー・ベネルクス(Factory Benelux)を立ち上げるとともに、アメリカでの配給のためにファクトリーUS(Factory US)が設立された。
1982年5月にはマンチェスターの中心近くにハシエンダ(Hacienda)というナイトクラブをオープンした。このナイトクラブにはカタログ番号FAC 51が与えられた(1997年に閉鎖)。
1983年にはニュー・オーダーのブルー・マンデーが世界的なヒットとなった。ファクトリーはその後も、マッドチェスターのシーンの中心であり続けたが、1992年に破産した。
2002年、映画監督マイケル・ウィンターボトムの手によって、ウィルソンを中心にファクトリーの盛衰を描いた映画『24アワー・パーティー・ピープル』が制作されている(この映画のタイトルはハッピー・マンデーズの同名の楽曲に由来している)。ウィンターボトムはインタビューでトニー・ウィルソンについて、「音楽業界っていうのは普通、レーベルがミュージシャンから搾取するのが当たり前だが、彼の場合全く逆でミュージシャンの要求なら何でも聞き入れ、叶えてやった。その結果、ファクトリーを倒産させ、業界関係者からはマヌケ呼ばわりされているが、逆にミュージシャンからは尊敬されている。彼の魅力ってそういうところなんだ」と語っている。
2007年、立役者のウィルソンが死去。彼の棺にはカタログ番号FAC 501が付された。
主な所属アーティスト
編集- ジョイ・ディヴィジョン (Joy Division)
- ニュー・オーダー (New Order)
- ザ・ドゥルッティ・コラム (The Durutti Column)
- ハッピー・マンデーズ (Happy Mondays)
- オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダーク (Orchestral Manoeuvres in the Dark)
- ア・サーティン・レシオ (A Certain Ratio)
音楽作品以外に付せられたカタログ番号の例
編集概要に記載のものは除く。
関連項目
編集外部リンク
編集- CerysmaticFactory extensive site - 非公式サイト(英語)
- A Factory Discography - 非公式ディスコグラフィー(英語)