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ガリレオ (競走馬)

競走馬

ガリレオ (英語: Galileo) は、アイルランド産まれの競走馬種牡馬 [1]である。2001年ダービーアイリッシュダービーと2か国ダービー制覇を成し遂げ、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスアイリッシュチャンピオンステークスではファンタスティックライトと名勝負を繰り広げた。

ガリレオ
スーザン・マグナーの勝負服
欧字表記 Galileo[1]
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 1998年3月30日
死没 2021年7月10日(23歳没)
Sadler's Wells
Urban Sea
母の父 Miswaki
生国 アイルランドの旗 アイルランド
生産者 D. Tsui and Orpendale
馬主

Mrs John Magnier until 8th June 2001
→Mrs John Magnier
& Michael Tabor until 25th June 2001
→Mrs John Magnier until 24th July 2001
→Mrs John Magnier
& Michael Tabor until 3rd September 2001
→Mrs John Magnier until 16th October 2001

→Mrs John Magnier
& Michael Tabor [1]
調教師 Aidan Patrick O'Brien
競走成績
タイトル カルティエ賞最優秀3歳牡馬(2001年)
生涯成績 8戦6勝
獲得賞金 162万1110ポンド
勝ち鞍
G1 ダービーステークス 2001年
G1 アイリッシュダービー 2001年
G1 KGVI&QES 2001年
G3 アイリッシュダービートライアルS 2001年
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現役時代

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父は大種牡馬サドラーズウェルズ、母は凱旋門賞馬アーバンシーという超良血馬でデビュー前からその血統で注目を集めていた。いかなる良血馬でも額面通りの競走能力が保証される事は無いが、ガリレオはアイルランドの名伯楽エイダン・オブライエンをして「彼は水の上でも走る事が出来る」と言わしめ、その素質を観衆の前で存分に発揮した稀有な例といえる。

2歳は一戦だけだったものの、3歳になりバリサックスステークス、アイリッシュダービートライアルと連勝してダービーに臨む。ダービーでは2000ギニーの優勝馬ゴーランを寄せ付けず快勝する。続いて向かったアイリッシュダービーも快勝、次に向かったのはヨーロッパの上半期最強馬決定戦、キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスであった。

キングジョージでは前年ワールドシリーズ・レーシング・チャンピオンシップを制したファンタスティックライトとの対戦となった。ガリレオはゴール前ファンタスティックライトとの叩き合いを制し優勝する。この勝利により欧州最強馬の名誉を手に入れた。

次にガリレオが向かったのは、アイリッシュチャンピオンステークスであった。ここでファンタスティックライトと二度目の対戦を繰り広げた。キングジョージと同じように直線2頭の壮絶な叩き合いとなったが、ゴール前ファンタスティックライトがガリレオをアタマ差下していた。ここでガリレオは初の敗北を喫する。

その後ガリレオはマイル路線の競走、クイーンエリザベス2世ステークスへ向かう予定だったが回避し、アメリカのダート最強馬決定戦ブリーダーズカップ・クラシックへ挑戦するも6着に敗れ引退。通算8戦6勝。

競走成績

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出走日 競馬場 競走名 距離 着順 騎手 着差 1着(2着)馬
2000.10.28 レパーズタウン 未勝利S 芝8f 1着 M.キネーン 14身 (Taraza)
2001.04.01 レパーズタウン バリサックスS L 芝10f 1着 M.キネーン 3 1/2馬身 (Milan)
0000.05.13 レパーズタウン 愛ダービートライアルS G3 芝10f 1着 J.ヘファーナン 1 1/2馬身 (Exaltation)
0000.06.09 エプソム ダービー G1 芝12f10y 1着 M.キネーン 3 1/2馬身 (Golan)
0000.07.01 カラ 愛ダービー G1 芝12f 1着 M.キネーン 4馬身 (Morshdi)
0000.07.28 アスコット KGVI&QES G1 芝12f 1着 M.キネーン 2 1/2馬身 Fantastic Light
0000.09.09 レパーズタウン 愛チャンピオンS G1 芝10f 2着 M.キネーン アタマ Fantastic Light
0000.10.27 ベルモントパーク BCクラシック G1 ダート10f 6着 M.キネーン 6 3/4馬身 Tiznow

種牡馬時代

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2002年からアイルランドのクールモアスタッドで種牡馬生活をスタートさせる。同年から2006年まではシャトル種牡馬としてオーストラリアでも種付けしている。2005年に初年度産駒がデビューするや、たちまち4頭のG1勝ち馬を輩出。その後も毎年G1戦線で活躍する産駒が続出し、初年度産駒から16世代連続でG1勝ち馬を送り出している。2008年にはニューアプローチの活躍などで自身初の英愛リーディングサイアーを獲得。産駒の活躍にともない、種付け料もプライベートではあるが、同年には22万5000ユーロ(2008年春頃の為替レートで約3600万円)と報告されるまでになった。以後も14戦無敗で歴代最高レーティングの140を獲得したフランケルを筆頭に数々の活躍馬を輩出。2010年から11年連続で英愛リーディングサイアーを獲得しており[2]、更に2016年には2位のドバウィに700万ポンドほどの差をつけて圧倒的な1位になっている[3]

2020年6月にピースフル(Peaceful)が愛1000ギニーを勝利したことで、G1勝利産駒数が85頭となりデインヒルの84頭を上回る世界最多記録となった[4]。また、同年7月にはサーペンタイン(Serpentine)がダービーステークスを勝ち、ニューアプローチ(2008年)・ルーラーオブザワールド(2013年)・オーストラリア(2014年)・アンソニーヴァンダイク(2019年)とあわせて、史上単独最多となる5頭のダービーステークス勝ち馬の父となった[5]

産駒はマイルから長距離まで幅広くこなすが、スプリンターは少ない。ミオスタチン遺伝子型はTTの長距離タイプとされている[6]

後継種牡馬も数多く輩出しており、テオフィロ、ニューアプローチ、フランケル、ナサニエルというG1勝ち馬を送り出しており、サドラーズウェルズ後継種牡馬の最有力候補となっている。ニューアプローチは2018年のダービーを制したマサーを輩出、ダービーステークス3代制覇を達成した。同様にナサニエルは2017年、2019年のキングジョージを勝利したエネイブルを輩出し、キングジョージ3代制覇も達成した。

2021年7月10日、左前脚に慢性的な損傷があり、衰弱により反応もしなくなったため、安楽死の処置が取られた[7]。2021年の種付け料は60万ユーロ前後であったとされる[8]

2024年8月22日にコンテントがヨークシャーオークスを制したことにより、100頭のG1勝ち馬輩出を達成した[9]

英愛年度別成績

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全てBloodstockによる。

出走 勝利 順位 総合収得賞金(ポンド 主な活躍馬(主な勝ち鞍)
頭数 回数 頭数 回数
2006年 110 371 39 61 4 2,180,149 Teofiloデューハーストステークス他)
2007年 149 418 58 80 2 2,938,661 Soldier Of Fortuneアイリッシュダービー他)
2008年 187 568 61 86 1 3,974,492 New Approachダービーステークス他)
2009年 183 553 64 89 5 2,853,417 Rip Van Winkleクイーンエリザベス2世ステークス他)
2010年 236 694 66 89 1 4,943,102 Rip Van Winkle (インターナショナルステークス
2011年 282 780 90 121 1 5,283,068 Frankel (クインエリザベス2世ステークス他)
2012年 303 837 108 154 1 5,774,558 Frankel (チャンピオンステークス他)
2013年 289 871 115 162 1 4,733,222 Ruler of the World (ダービーステークス)
2014年 274 848 109 146 1 7,193,916 Australia (英愛ダービー他)
2015年 271 785 91 120 1 5,735,195 Order Of ST Georgeアイリッシュセントレジャー
2016年 273 848 104 143 1 10,489,764 The Gurkha (サセックスステークス

主な産駒

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北半球

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南半球

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母父としての産駒

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血統表

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ガリレオ血統サドラーズウェルズ系 / Native Dancer4×5=9.38%) (血統表の出典)

Sadler's Wells
1981 鹿毛
父の父
Northern Dancer
1961 鹿毛
Nearctic Nearco
Lady Angela
Natalma Native Dancer
Almahmoud
父の母
Fairy Bridge
1975 鹿毛
Bold Reason Hail to Reason
Lalun
Special Forli
Thong

Urban Sea
1989 栗毛
Miswaki
1978 栗毛
Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
Hopespringseternal Buckpasser
Rose Bower
母の母
Allegretta
1978 栗毛
Lombard Agio
Promised Lady
Anatevka Espresso
Almyra F-No.9-h

全弟にはジョッキークラブ大賞タタソールズゴールドカップとG1を2勝したBlack Sam Bellamy、半弟には2000ギニーダービーエクリプスステークスインターナショナルステークスアイリッシュチャンピオンステークス凱旋門賞の勝ち馬Sea The Stars(父Cape Cross)等がいる。母Urban Seaは凱旋門賞を勝った名競走馬であるが、繁殖牝馬としても優秀であり、その産駒には重賞勝ち馬が多数揃っている。牝系も広がっており、3代でのダービー制覇を達成した本馬の孫MasarはUrban Seaを4代母に持つ。

外部リンク

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脚注

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  1. ^ a b c Galileo”. Racing post. 2024年10月4日閲覧。
  2. ^ 【2020年欧州リーディング】ガリレオが11年連続トップ! | サラブレッドマーケット”. thoroughbred-market.com. 2021年4月28日閲覧。
  3. ^ 2016年ランキング【英・愛サイアーランキング】”. 競馬ブック. 2024年8月26日閲覧。
  4. ^ Galileo Breaks World Record in G1 Irish Thousand Guineas”. breednet (2020年6月13日). 2020年9月5日閲覧。
  5. ^ 【英ダービー2020結果】サーペンタインが逃げ切り勝ち! 父ガリレオは5勝目 | サラブレッドマーケット”. thoroughbred-market.com. 2024年8月26日閲覧。
  6. ^ Dawn Approach defeat could still benefit Bolger”. racingpost.com (2013年5月27日). 2013年11月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月10日閲覧。
  7. ^ GALILEO 1998 - 2021” (英語). Coolmore. 2021年7月10日閲覧。
  8. ^ The world’s top 12 most expensive sires for 2021”. Thoroughbred Racing Commentary. 2023年12月28日閲覧。
  9. ^ ガリレオが新たな金字塔、100頭目のG1勝ち馬を輩出 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2024年8月26日閲覧。