Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

インテリジェンス・コミュニティー

ウィキメディアの曖昧さ回避ページ

インテリジェンス・コミュニティーIntelligence Community)とは、各国の政府が設置している情報機関によって組織されている機関。「情報活動コミュニティ」[1]または「情報コミュニティー」とも呼ばれる。特にアメリカ合衆国イギリスのものが有名である。

概要

編集

各国の政府は様々な情報機関を設置している場合が多い。特にアメリカ合衆国は、CIA(中央情報局)、NSA(国家安全保障局)、DIA(国防情報局)、NRO(国家偵察局)、FBI(連邦捜査局)など多数の情報機関が存在している。このように多数の情報機関が存在する場合、各機関ごとに提供される情報に違いなどが発生する。例えば、CIAは「国内でテロが起きる可能性がある」という情報を、NSAやDIA、FBIは「国内でテロが起きる可能性は少ない」という情報をそれぞれ大統領や国家安全保障会議へ報告した場合、この情報を元に政策や戦略の作成を行う大統領国家安全保障会議が混乱しかねない。そこで各情報機関の活動を調整し、情報の一元化をする目的でインテリジェンス・コミュニティーを設置している。

日本のインテリジェンス・コミュニティー

編集

日本のインテリジェンス・コミュニティーは内閣情報会議とその下に設置されている合同情報会議を頂点とする合議制である。内閣情報会議は年2回、合同情報会議は隔週で開催される。内閣情報会議は国内外の内閣の重要政策に関する情報を総合的に把握するため、また、合同情報会議では内閣官房外務省防衛省警察庁公安調査庁などが、諜報活動に関わる機関の調整などを行う。

メンバー

編集

2008年より拡大情報コミュニティとして、財務省金融庁経済産業省海上保安庁も加えられている[2]

米国のインテリジェンス・コミュニティー

編集

米国のインテリジェンス・コミュニティは国家情報長官室(ODNI)が統括しており[3]、ODNIは16の諜報機関と連携している[3]

ODNI自身を含めた17の機関は下記の通りである[3][4]

所属省名 機関名 諜報担当部門 設立年 標章
独立機関 国家情報長官室(ODNI) 2005
 
国防総省 陸軍 G-2英語版 1977
 
海軍 海軍情報局(ONI) 1882
 
空軍 空軍情報・監視・偵察局(25 AF) 1948
 
海兵隊 情報本部英語版(MCIA) 1978
 
国防情報局(DIA) 1961
 
国家地球空間情報局(NGA) 1996
 
国家安全保障局(NSA) 中央保安部(CSS)英語版 1952
 
国家偵察局(NRO) 1961
 
国土安全保障省(DHS) インテリジェンス分析局英語版(I&A) 2007
 
アメリカ沿岸警備隊 情報部英語版(CGI) 1915
 
エネルギー省 情報部英語版(OICI) 1977
 
国務省 情報研究局英語版(INR) 1945
 
財務省 金融情報局(TFI)英語版 情報分析部英語版 2004
 
司法省 麻薬取締局(DEA) Office of National Security Intelligence(ONSI) 2006
 
連邦捜査局(FBI) 国家保安部(NSB)

Terrorist Screening Center

2005
 
独立機関 中央情報局(CIA) 1947
 

また出典[3][4]には載っていないものの、他にも下記の諜報機関がある:

イギリスのインテリジェンス・コミュニティー

編集

イギリスのインテリジェンス・コミュニティーは内閣に直属する合同情報委員会を頂点とした合議制の体制である。

メンバー

編集

イスラエルのインテリジェンス・コミュニティー

編集

イスラエル情報コミュニティーハガナー情報局の分割解体とともに成立。

メンバー

編集

脚注

編集
  1. ^ 宮田智之 (海外立法情報課非常勤調査員) (2006). 米国におけるテロリズム対策 ――情報活動改革を中心に―― (PDF). 外国の立法 (Report). 228号. 国立国会図書館. 2017年12月18日閲覧
  2. ^ 情報と情報保全 平成22年5月 内閣官房
  3. ^ a b c d The United States Intelligence Community Intelligence Careers”. 2019年1月30日閲覧。
  4. ^ a b MEMBERS OF THE IC”. ODNI. 2019年1月31日閲覧。

参考文献

編集

外部リンク

編集