いのちぼうにふろう
『いのちぼうにふろう』(映画のクレジットは『いのち・ぼうにふろう』)は、1971年9月11日に公開された日本映画。原作は山本周五郎の短編小説「深川安楽亭」[1]。
いのちぼうにふろう | |
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監督 | 小林正樹 |
脚本 | 隆巴 |
原作 | 山本周五郎「深川安楽亭」 |
製作 |
佐藤正之 岸本吟一 椎野英之 |
出演者 |
仲代達矢 栗原小巻 |
音楽 | 武満徹 |
撮影 | 岡崎宏三 |
編集 | 相良久 |
製作会社 |
東宝 俳優座映画放送 |
配給 | 東宝 |
公開 | 1971年9月11日 |
上映時間 | 121分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
19世紀の江戸。公権力から目をつけられた密輸業者の男たち。自らに課した掟にしか従わない彼等が、縁もない他人の為に身体を賭け消えていく姿を描く。
モノクロ・シネマスコープ作品[2]。キネマ旬報ベスト・テン第5位[3]。併映は中平プロ作品『闇の中の魑魅魍魎』(原作:榎本滋民、監督:中平康、主演:麿赤児)。
1982年に同じ原作が『地獄の掟』のタイトルでテレビドラマ化[4][5]。主演は映画版と同じく仲代達矢だが、役柄は定七役ではなく幾造役[4][5]。
あらすじ
編集大名の下屋敷を周る濠と沼に囲まれた「島」。深川の湿地帯を埋めたその中に安楽亭がある。親父の幾造と娘のおみつが営む居酒屋だが、密輸のための集荷基地があり、知らない人間が入れば生きて出られないという場所である。危険な橋を渡る無頼漢たちは刹那的、享楽的にその日を過ごしている。
八丁堀の金子と岡島は島をつなぐ一本しかない橋のたもとから一人ごちる。「いまに一網打尽にしてやる」と。夜、与兵衛がやくざ者に袋叩きにされ意識の無い若者を連れ帰った。一緒に帰ってきた定七は短刀の遣い手だが、前回に仲間が捕まり自らも傷を負っていた。