Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

コンテンツにスキップ

シリング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

シリング英語: shilling / ドイツ語: Schilling / スワヒリ語: shilingi)は、いくつかの国の通貨

ウガンダケニアソマリアソマリランドタンザニアの現行通貨。イギリス(補助通貨)とオーストリアにもあったが、現在は共に廃止されている。

由来

[編集]

1489年ごろ、イングランドヘンリー7世がシリング貨を鋳造したのが始まりといわれているが、当時は硬貨そのものの名で、額面はTestoon(12ペンス)だった。シリングコインが正式に登場するのは1547年、エドワード6世の時代である。

語源は不明だが、一説にshill(鋭い音)と関係があるという。

各国のシリング

[編集]

イギリス

[編集]
1シリング硬貨(1956年イングランド

記号はs.。英語の「shilling」の頭文字ではなく、ラテン語の「solidus」(ソリドゥス)の頭文字である。

1ポンド = 20シリング = 240ペンス(1シリング = 12ペンス)。

1920年まではスターリングシルバー、1921年から1946年までは.500の銀貨、1947年から1970年までは白銅貨として製造された。なお、ジョージ6世エリザベス2世のシリング貨はイングランド仕様とスコットランド仕様のものが発行された。1971年2月15日の10進法移行で廃止されたが、しばらくは従来と同等の価値の5新ペンス(1ポンド = 100新ペンス)として使えた。

オーストリア

[編集]
1シリング硬貨(1926年オーストリア)

オーストリア・シリング。記号はÖSまたはATS

1シリング = 100グロッシェン

1925年から2001年末まで基本通貨として使用された。2002年1月1日にオーストリア・シリングは廃止となり、ユーロに完全移行した。その際の交換レートは、1ユーロ = 13.7603シリングの固定レートであった。

東アフリカ

[編集]
20シリング紙幣(ケニア)

東アフリカのイギリス植民地では、1920年から東アフリカ・シリングが使われ、以下の国(地域)で現行通貨となっている。

記号はShが主だが、sが使われたり、国を表す文字が付け加えられたりもする。

1シリング = 100セント(上の5ヵ国全てで現行)。

これらの国の間で通貨統合し、東アフリカ・シリングを統一通貨として復活させる構想がある。

旧ポンド圏

[編集]

かつては、アイルランドオーストラリアガーナガンジー島ガンビアザンビアナイジェリアニューギニアニュージーランドフィジーマラウィ南アフリカでも、1ポンド = 20シリングとするシリングが使われていたが、すべて廃止されている。なお、現在までにほとんどの国が、(必ずしもシリング廃止と同時ではないが)ポンド自体を廃している。

その他

[編集]

シリング記号

[編集]

イギリスでは、シリングとペンスの間を「/」で区切り、たとえば「2/6」と書いて「two shillings and six pence(2シリングと6ペンス)」、あるいは単に「two and six」と読んだ。この「/」は歴史的にはシリングにあたるラテン語「solidus」の頭文字の「ſ(長いs)」が変形したものであり、記号の名称もソリドゥス(solidus)またはシリング記号 (shilling mark) と呼ぶ。

Unicodeで「/ (U+002F)」の文字名称が SOLIDUS になっているのはこのことに由来する。