「電気自動車」の版間の差分
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2020年6月16日 (火) 10:19時点における版
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電気自動車(でんきじどうしゃ、electric vehicle)とは、電気をエネルギー源とし、電動機(モーター)を動力源として走行する自動車[1]である。EVの略称が一般的に用いられる。内燃機関(ICE)を持たない事から、走行中にCO2やNOxの排出が無いゼロエミッション車である[2]。
概要
電気自動車は、地球温暖化問題に関する京都議定書のCO2排出削減目標を達成する手段の1つとして、あるいは産出国が局在する化石燃料に対する依存を減らす手段の1つとして国家レベルで実用化に力を入れられるようになった。また、2008年(平成20年)の夏にかけて、原油価格の急騰に伴ってガソリン価格が上昇したことを受けて、燃費の良い自動車の1つとして消費者の関心が高まった。
電気モーターを動力源とする電気自動車は、車載電池から電力を得る電池式電気自動車と、走行中に電力を外部から供給する架線式電気自動車とに大きく分けられる[注 1]。軽自動車や普通乗用車としては電池式電気自動車が注目されたが、大型車を電気自動車にするには大量のバッテリーを搭載しなくてはならず重量が課題となる。そのため、大型車ではハイブリッドカーや架線式電気自動車が注目された。
電池式電気自動車は、外部からの電力供給によって二次電池(蓄電池)に充電し、電池から電動機に供給する二次電池車が一般的である。車両自身に発電装置を搭載する例としては、太陽電池を備えたソーラーカー、燃料電池を搭載する燃料電池自動車がある。発電専用エンジン(レンジエクステンダー)を搭載する物については、内燃機関と二次電池を併用する事からプラグインハイブリッドカーに分類される。
電池を用いた方式は構造が単純であるため、自動車の黎明期から今日まで遊園地の遊具、フォークリフト、ゴルフカートなどに多く使用されてきた。日本では東京都中央卸売市場などで運搬に利用される、ターレットトラックでもその数を増やしている。しかし、従来の二次電池は、出力やエネルギーあたりの体積と質量が大きく、コストも高く、寿命も不十分であった。また、電池の寿命を低下させる急速な充電を避ける必要もあり、稼働時間に対し長い充電時間も短所であった。そのため、交通機関の主流たりえなかった。しかし、出力・エネルギー密度が高く、繰り返しの充放電でも劣化の少ないリチウムイオン二次電池の発展により、電気自動車が注目されるようになった。また、近年は、電気自動車の普及とともに各国で全固体電池の開発が活発化しており[3][4]、実用化のため自動車メーカーや電機メーカーが研究に投資している[5]。
架線式電気自動車としては、架線(架空電車線)に接触させて電源を得る方式はトロリーバスとして古くから用いられているほか、架線を地下に埋設して、誘導電流によって走行中に充電できるオンライン電気自動車などがある。
電気自動車は自動車産業への大きなインパクトが予期され[6][7]、大気汚染に対して有効であり、石油依存を減らし、ガソリン価格の上昇が予測されている[8][9][10]。世界の各政府は電気自動車とその構成部品の開発の資金供給に何十億ドルもの約束をしている。アメリカ合衆国は電気自動車とバッテリー向けの連邦補助金にUS$24億を約束した[11]。中国は電気自動車産業の開始にUS$150億を供給すると公表した[12]。かつて、カルロス・ゴーン(当時の日産CEO)は2020年までに世界中で10台の自動車のうち1台はバッテリー電力だけで走行すると予測していた[13]。加えてあるレポートは2020年までに電気自動車と他の「グリーン」自動車が世界の自動車販売総数の3分の1を占めると主張していた[14]。
ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関(ICE)による動力源と比較すると、適切に選ばれた電動モーターの起動トルクは大きく、高速回転領域まで電力の変換効率がそれほど変化しないので、電気自動車はほとんど変速機を必要としない。また、自身で始動できるため始動用の補助動力装置も不要である。電動モーターは内燃機関に比べると騒音が少ない。
二次電池式電気自動車 (BEV)
車体に電気プラグを繋いで充電可能な二次電池を源とし、その電気で電動機を回して走る自動車。自動車としては蒸気自動車やガソリンエンジン自動車(ガソリン車)と並んで最も古くからある形態の一つである。
二次電池式電気自動車の利点を活かしながら、内燃機関も持つプラグインハイブリッドカーなども存在する。
長所
電気自動車はCO2やNOx等の有害排出物が無く、地球温暖化や大気汚染の緩和策に有効である。また騒音源である内燃機関を搭載していないため、音が静かという特徴もある。
発電所からの全体を考慮した電気自動車のエネルギー効率については、発電効率・送電損失・充放電効率・動力変換効率などを含めても、内燃機関自動車(ICEV)に比べて数倍程度高いエネルギー効率が実現でき、燃料費が圧倒的に節約できる[15]。慶應義塾大学電気自動車研究室の試算では、電気自動車の電力をすべて火力発電でまかなったと仮定しても、ガソリン車よりも3 - 4倍、総合効率で優れるとされている(詳しくはエリーカを参照)。また、太陽光発電や電力会社との電気契約等により再生可能エネルギーを活用すれば、Well-to-Wheelの観点から見ても完全なゼロ・エミッションを容易に達成することが可能である。太陽電池を車両に搭載して電力の一部をまかなうことも可能(ソーラーカーの項も参照のこと)。
電気モーターは起動から最大トルクを得ることができ、摩擦損失の発生するトランスミッションなどを用いず直接車輪に動力を伝達でき、これを生かした技術としてインホイールモーター(またはハブインモーター)と言われる、モーター軸にホイールを取り付けて動力伝達ロスを最小限にする技術が存在する(実際には、インホイールモーター内に減速ギアを用いている例がある。ダイレクトドライブインホイールモーターと言われる、完全にトランスミッション機構を廃したインホイールモーターも一部で研究開発されている[16])。
日本においては、8000万台の電気自動車や比較的高性能なプラグインハイブリッドカーが普及した場合、出力調整の難しい発電所の深夜電力の有効利用にもつながり、またガソリン使用量の7割を削減できると試算されている[15]。ガソリン消費量の低減は余剰軽油の削減にもつながる。電力に占める再生可能エネルギーの利用割合が増えることで、さらに温室効果ガスの排出量削減が出来ると見込まれている[15]。
- 走行時に二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)などの大気汚染の原因となる有害物質を排出せず、騒音や振動も少ない。
- 内燃機関に比べエネルギー効率が数倍高く、エネルギー消費が大幅に抑えられる(1km走行で電気代は深夜電力利用で約1円、非課税なら石油走行の10-15%、1km走行でガソリン代は約15円:燃費が10km / Lの場合)。発電所から排出される分を考慮に入れても、従来の内燃機関自動車(ICEV)より有害物質の排出が少ない。
- 一般家庭の100Vまたは200V電源で充電が可能であるため、車両の航続可能距離以上の距離を移動しない日常の利用では、エコ・ステーションなどの専用の補充設備へ立ち寄らずに運用可能。
- 内燃機関、クラッチ、変速機、スターターなどが不要で、部品点数が内燃機関車に比べ大幅に少なく、ASSY交換も容易で故障の際の修理コストも抑えられる。電池の価格さえ下がれば、ガソリン車より安く作ることが可能。
- 発進時から最大トルクが発揮できるため、加速性能が高い。
- モーター、二次電池を持つため、運動エネルギーを再び電力に変換して蓄える、回生ブレーキが実現できる。
- 内燃機関特有のアイドリングが存在しないため、車両停止時も無駄なエネルギー消費がない。出発前に事前に空調をかけておくこと等も可能。
- 電動機は駆動力と制動力の双方を生み出すため、電子制御で高性能のトラクションコントロールとABSを実現することが容易。
- 電気自動車に蓄えられた電力は、電池容量24kWhで一般家庭約2日分に相当し、停電が発生した際の緊急用の電源として用いることが可能であり、近年注目されている[17]。
- 衝突時などに足元に侵入してくるエンジンがなく、また、衝撃を吸収するクランプルゾーンを広くとることが可能。
- バッテリーパックの位置により低重心を実現でき、横転リスクを少なくすることが可能。
- 爆発や炎上の原因になりやすいガソリンや軽油、LPGがない。
- 内燃機関は高度が高くなると大気圧の低下の影響を受け出力が低下するのに対し、高度の変動による影響を受けず一定の出力を保つことができる[18]。
- エンジンやラジエーター、エキゾーストシステム、ギアボックスをおさめるセンタートンネル等が不要なため、車上有効スペースが増加。
短所
ICEVと比較された際のBEVの短所は、主に航続距離と充電速度とされる。ただし販売されているBEVは、日常生活に必要とされる航続距離以上を達成している車両がほとんどであり、車を使わない時間に保管場所で充電をしておくことで、車両の航続距離以上の長距離走行時以外はスタンドで充電することを想定する必要はない。また、充電池は充電が進むと電力が入っていかなくなり、充電池も劣化するため、長距離走行時の出発前以外は満充電にすることを想定していない。
充電速度は、対応する最大電圧が車やバッテリーサイズにより異なり、使用する充電器にもよるため、一概に言うことは不可能である。そのため、何パーセント充電まで何分、といった表現によりBEV同士の充電速度を比較することは適切でない。
- 現在の二次電池は、体積や重量あたりのエネルギーが化石燃料に比べて小さいため、同一体積、同一重量あたりの、航続距離がICEVに比べて短い。
- エアコンの使用で航続距離はさらに短くなる。
- 急速充電器による充電時間はICEVの燃料の給油やFCVの水素の充填と比較すると長い。充電スポットが少ない場合は他車の充電完了を待つ時間も加算される。
- 急速な充電器でも、車両側が対応している充電速度以上には高速化できない。
- 電池の温度が低温や高温になると、充電速度が低下し、電池も劣化する。これらを防止するには十分な性能の電池の温度管理システムが必要。
- BEVの性能を十分に引き出すにはBEV専用の車台が望ましく、ICEVと共通の車台では十分なバッテリー容量などを実現するのは難しい。
- 衝突時などの事故処理、通常のメンテナンス時に内部の高電圧回路による感電事故や高電流による火傷などのリスクがある。
バッテリー
重金属・レアメタルや化学物質などを多量に消費する旧式のバッテリー(二次電池式)を大量に搭載する前提でライフサイクルアセスメント (LCA) の観点から問題を指摘する向きもあったが、急速な開発によって解決されつつある。電解質に用いられるリチウムの陸上資源は豊富にあり、海水中に無尽蔵に存在するリチウムを抽出する技術もあるため価格の高騰を防げ、安価に供給可能である。リチウムイオン二次電池に使われる希少元素は正極材料に使われてきたコバルトであり、現在コストの7割を占める。しかし、ニッケル、マンガン、リン酸鉄などを使った正極材料が開発されつつあり、全く希少元素を使わないリチウムイオン二次電池も可能である。ニッケルは希少元素だがコバルトよりは安い、マンガンはベースメタルでないだけでレアメタルと呼ばれているが厳密には希少元素ではなく安価である。リン、鉄は全くレアメタルではない[19][20][21]。少なくとも電気自動車用に採用しようとしているリチウムイオン二次電池はコバルトを使わないものである。
整備や修理などで電力系統に触れる場合には感電事故の危険性があり、キャパシタを用いた電力源では特に重大となる。内燃機関式の液体燃料を用いる車両の整備などでは、燃料漏れといった事態でも臭いで容易に判別できるが、蓄電池からの漏電はすぐには判らないので、自動車整備士には安全確保に対する教育と現場での注意が求められる。
リチウム
リチウムは軽量・大蓄電量のリチウムイオン二次電池に使用されている。リチウムは経済産業省の分類ではベースメタルでないというだけでレアメタルとされているが、希少元素ではない。 リチウムの陸上資源は全ての大陸に存在するが、豊富すぎる埋蔵量が単一鉱山にあるため、最も低コストで産出できる一握りの資源メジャーが飛び抜けた競争力を持ち、価格を自在にコントロールして、自分の収益を確保した上で、条件の悪い下位グループの鉱山の操業を出来ないようにしてしまう。これを一般には偏在すると呼んでいる。リチウムイオン二次電池におけるリチウムの使用量はわずかであり需給が逼迫する可能性は少ない。リチウムは海水中に無尽蔵に存在しており、現在の技術でも採取可能であるが、開発途上である。ただし海水からの採取技術を担保しておけば、陸上資源の価格も抑えられる。
コバルト
リチウムイオン二次電池におけるレアメタルとは主に正極材料に使われているコバルトである。2009年(平成21年)現在リチウムイオン二次電池のリサイクルで取り出されているのはコバルトのみであり、リチウムは分離技術も経済性もなく、全くリサイクルされていない。リチウムイオン二次電池のコストの7割はコバルト代だといわれている。現在、ニッケル、マンガン、リン酸鉄などの正極材料が開発中であり、コバルトを使わないリチウムイオン二次電池を実用化しつつある。
希土類
軽量、小型で大出力の電動機であるネオジム永久磁石同期電動機を作るには、希少元素であるネオジムやジスプロシウムといった希土類が使用され、価格の高騰などの影響を受けやすい。磁石メーカーはリサイクル技術の確立に力を入れている。電動機メーカーは希土類を用いない電動機の開発に力を入れていて、2008年(平成20年)に日立はジスプロシウムを使用しないモーターの開発に成功した[22]。
あるいは、誘導電動機を採用することで希少元素を使わずに済む。誘導電動機は、高速域と低負荷の効率が良いため、制御を高度化すれば、総合効率はネオジム永久磁石同期電動機に勝るとも劣らない。さらに、誘導電動機は、複数のモーターを設置しても単一コントローラで済む利点がある[23][24]。実際に、テスラ社の「ロードスター」や「モデルS」は誘導電動機を用いている[25]。特に初期の「モデルS」は後輪の間に誘導電動機とコントローラを設置し、その上には通常のトランクルームがあるだけでなく、そのすぐ後方には子供用の2座のジャンプシートも収納され7人乗りにできたうえに、フロントボンネット内にもトランクルームがある[26]。すなわちネオジム永久磁石同期電動機は、設置スペースの少ないハイブリッド車かインホイールモーターに必要なだけで、純電気自動車にはエンジンや変速機の代わりのスペースがあるため、車載型の誘導電動機で十分である。
あるいは、希土類磁石が不要な電動機としてスイッチトリラクタンスモータの開発も進行中である。通常の永久磁石式電動機が電磁石の吸引力と反発力の両方を使用して回転するのに対して、この電動機はステッピングモータのように回転子の吸引力のみで回転する。
既に永久磁石同期電動機とスイッチトリラクタンスモータのハイブリッド電動機は広くハイブリッド車の動力として利用中である。このハイブリッド電動機も永久磁石の使用量を減らす効果がある。
航続距離
2019年現在、日本や欧州等での自動車の航続距離の基準はWLTPが標準となっている。その他、アメリカのEPA、2018年以前に日本で使われていたJC08モードや、欧州で使われた新欧州ドライビングサイクル(NEDC) などの基準が存在し、基準により航続距離は大きく異なる。また、しばしばバッテリー容量の比較が行われるが、航続距離はモーターの効率や車体の抗力係数、重量などによっても左右される。2019年5月現在、最も航続距離の長い市販BEVはテスラ・モデルSで、WLTP基準で610km (EPA基準で370マイル) となっている[27]。
ガソリンの質量エネルギー密度(単位質量あたりのエネルギー量)は約42MJ/kgであるが、リチウムイオン電池では100 - 200Wh/kg (0.36M - 0.72MJ/kg) と、60 - 120倍もの差がある。しかし、ガソリン車の車両効率は20〜30%程度であるのに対し、電気自動車は80%以上の効率を持つ。仮に60倍の差があると仮定した場合、実質的に取り出せるエネルギー量の差は15倍にまで縮まる。(こうした考えを 車両効率:Tank to Whell Efficiency と呼ぶ)
また、上記に加え、車載エネルギ貯蓄源からタイヤ駆動エネルギを取り出すまでのシステム全体の質量についても考慮に入れる必要がある。二次電池式電気自動車では、二次電池は化学エネルギーを電気エネルギーに変換し、電動機が電気エネルギーを運動エネルギーに変換する。内燃機関自動車では燃焼により熱エネルギーを発生し運動エネルギーに変換する。この両者のシステム質量を比較する必要がある。具体的には内燃機関(燃料+タンク+エンジン+補機類(冷却系など)+変速機+駆動伝達装置)対 電気自動車(電池+インバータ・モーター等)で比較され、電気自動車電池以外のシステム質量は内燃機関車より軽量である。
燃料電池自動車との航続距離比較
1回のエネルギ補給で350km走行できる乗用車で電池式電気自動車と燃料電池自動車を比較すると、電気自動車のリチウムイオン電池が容積450L・重量450kg必要(前提 : 100Wh/kg、100Wh/L)となるのに対し、燃料電池自動車では高圧水素タンクが容積150L・重量80kg必要となる(前提 : 35Mpa高圧タンク)[28]。
ただし、燃料電池車は回生ブレーキやアシスト用に二次電池が必要な他に燃料電池本体や水素・空気供給の補機類など多数の部品が必要とされ、システム全体として、二次電池式電気自動車より重く、価格も高くなると考えられる。他にも、水素の供給方法、燃料電池の寿命、路上での冗長性等の長所短所が挙げられる。
静穏化に伴う問題
電気自動車は動力源と駆動系に由来する騒音が非常に少なく、爆発によって動力を得る内燃機関自動車よりも非常に静かである。静穏性は電気自動車のメリットでもあるが、その一方で電気自動車の不用意な接近により歩行者(および周囲の交通全般)が自動車の存在に気付かないまま危険に曝される状況が発生するようになる。
ハイブリッド車を含めた電気自動車の静穏性は、ロードノイズや風切音など走行騒音の少ない低速時に際立つため、重大事故にはつながりにくいものの、聴覚機能が減退した高齢者や聴覚障害者に加え、音により判断することの多い視覚障害者が危険に曝されやすい。また静穏性を悪用した犯罪の事例も既に存在し、プリウス、またはアクア等の各EVモードを悪用したひったくり事件が発生している。
対策として、接近を歩行者に音で知らせる「車両接近通報装置」の設置を、2018年3月の新型車から義務付けられている[29]。
充電インフラ
この節に雑多な内容が羅列されています。 |
電気自動車の充電インフラは、電力網の末端である家庭用電源を利用する家庭用充電設備と、市街地や路面下等に設けられ不特定多数の利用を前提とする公共用充電設備の2種類に大きく分類される。
家庭用/事業所用充電設備
家庭や一般事業所では100V/200V商用電源による緩速充電設備を備えることが予想される[注 2]。
- 長所
- 短所
- 充電に時間がかかり車両の利用に制約が生まれる
- 商用電源であっても充電機器の配線と設置に工事が必要
- 感電の危険性が多少なりとも存在する
- 月極などの貸駐車場や集合住宅の駐車場などでは設置と利用に障害がある場合がある
公共の充電設備・充電スタンド
充電スタンド、充電ステーション、充電スポットなどと呼ばれる充電設備は、公共駐車場や公共施設等に設置される急速充電設備、またはガソリンスタンドと同様に主要な道路に面した車両の出入りに便利な場所に有料で充電サービスを提供する施設である。
日本の都市部では賃貸駐車場の利用者が多く、駐車場に充電設備が無い現状では街中の充電設備が欠かせない。また、旅行などの際に数百キロの長距離を走る場合にも、目的地への走行経路途中に短時間の継ぎ足し充電が必要である。一定区域内を長距離走行するバスや配送用トラックといった業務用車両に適した方法でもある。国内のエコ・ステーションの定義に電気自動車用の充電所が含まれている。
車載電池を充電する方法の他に、電池交換所における電池交換や、走行中/停車中の道路の路面や頭上から間接的に給電を受ける方式も検討されている。
- 短所
- 急速充電では、電池の内部温度が上昇して劣化し電池の寿命を縮める
- 昼間に利用すれば夜間電力に比べて電気料金が高くなる
- 液体燃料の給油に比べて同時に対応可能な台数を増やす必要がある[注 5]。充電に時間がかかるため場所によっては充電待ちの渋滞が起きる。
- 充電設備に対して電気単価が安いため、充電スタンドでは利益が上げにくい
燃料電池自動車の水素供給インフラとの比較では、充電所の方がインフラ構築が行いやすい。水素スタンドは水素の生成方法にもよるが、安全性を確保する上で立地やタンクの設置方法、安全装置など多数の制約がある。水素スタンドの建設費用は現状でガソリンスタンドの約3倍のコストがかかり(ガソリンスタンドの建設費用は約1億円、水素スタンドは約3億円である)、タンク車による出張充填の場合も費用負担が発生する。それに比べると、電気自動車用の急速充電器は一番高価なものでも1基300万円程度であり、大きさも家庭用冷蔵庫程度の大きさで設置場所の制約が少なく、ガソリンスタンドや水素スタンドより設置しやすい。
ガソリンスタンドの事業スタイルがそのまま生かせるので、現存する給油事業者がそのまま事業形態を変更することで混乱が少ないとされるが、急速充電は電気料金単価が30円/kWhに満たないため利益が非常に低くなり、市街地におけるガソリンスタンドでの充電は採算面から事実上不可能である。20kWh程度のバッテリーの車だと一回のフル充電で多くても200円程度(9円/kWhで深夜充電した電気を19円/kWhで昼間売り10円/kWhの利益を出す場合)の利益しか見込めない。また、充電時間が15分に抑えられたとしても、ガソリンの給油時間を5分とすると回転効率は1/3であり、給油機器の3倍の充電機器と駐車スペースがないと充電待ちで時間を費やすばかりか渋滞の原因ともなる。
急速充電を行う設備は1台分で数十kW以上の供給容量が必要で、電柱に取り付けてある家庭向け変圧器1基で1 - 2台分しか供給することが出来ない。したがって急速充電用の契約は家庭用ではなく事業用の高圧供給となり、無駄な変圧器を通すことなく、安い電力料金になる。事業者用電力料金は家庭用の4割引、6割以下と非常に負担が軽くなる[30]。
日本やアメリカの観光地や一部地域のほか、パーク24などの駐車場会社やショッピングセンターなどは街角や駐車場に急速充電器や充電設備を設置して電気自動車の利用を促進しようという動きがある。
電池交換方式
電池交換所においてバッテリーを交換することで充電の手間を軽減し航続距離を確保する方法である。この方式では、電気そのものではなくバッテリー交換サービス自体を販売対象とするため利益が上げやすく、バッテリーのメンテナンスの手間が省けるなどのメリットがある。
米テスラモーターズは90秒でテスラ・モデルSのバッテリーを交換するシステムを開発している[31]。これは、給油や充填に約3分かかるガソリン車、燃料電池車よりも早い。また、ルノー・日産アライアンスは、充電スタンドの整備運営をする米国ベタープレイス社と組み、電池交換所整備に加えて政府や自治体による助成金や優遇税制の導入をセットにした電気自動車発売を計画している。ベタープレイスでは、電力の補給を、車両に搭載された電池への充電ではなく、カートリッジ式の電池を交換する方法を想定しており、充電時間の問題を解決できるとみている。また、過去に成功を収めた携帯電話のビジネスモデルに倣い、電気自動車の車両本体はユーザーに無料で提供し、電池の利用に応じた料金収入による経営とする方針を打ち出している。
京都市交通局で1970年代に導入された電気バスでは床下のバッテリーを交換する方式を採用、バス営業所にバッテリーの交換・充電・保管設備を設置していた。
道路給電方式
道路の路面下や路上の空中に設置したコイルや架線から、対応する受電装置を備えた車両に対して、停車中や走行中に間接的に電力を供給する方式である。常に受電できるとは限らないので小型の蓄電池を搭載する形式が想定されるが、給電装置の配置や間隔は具体的な給電技術と同様に構想段階である計画によって異なっており、地上設備側の規模と車載蓄電池の大小はおおむね逆比例すると考えられるが、未定や不明な点が多い。
- 長所
- 給電設備の備わった道路であれば、電池容量に制約されずにどこまでも走れる
- 自動的に給電できれば充電の手間や時間が掛からない
- 車載蓄電池の小型化
- 車両価格が安くできる/蓄電池の交換コストが安くできる
- 軽量化によって運動性能の向上と低消費電力化が期待できる
- 充電設備での渋滞が発生しない
- 短所
その他の電気自動車
水素燃料電池自動車 (FCV)
水素を燃料タンクに蓄え、水素燃料電池で発電して電動機を駆動する電気自動車。水素を直接燃焼させる内燃水素自動車とは異なる。
2014年12月にトヨタがMIRAIを日本で発売し、2015年秋からは北米とヨーロッパでも発売している。ホンダも新型車を2016年3月よりリース販売する予定。
長所
- 走行時は二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)などの大気汚染の原因となる有害物質を排出しない。
- 水素は、再生可能エネルギーによる水の電気分解で生産できる。
- 充填時間は約3分で、二次電池式電気自動車の急速充電よりも早く、内燃機関自動車(ICEV)と同等とされる。ただし、予圧や予冷が必要なため連続充填はできず、1時間あたり1台で充填できるのは車両2台から多くて6台である[32]。
- 内燃水素自動車よりはるかにエネルギー効率が良い。水素の原料となるCNG内燃機関と比べても1.5倍以上。
短所
- 水を電気分解し水素を生成する効率は、電気を二次電池に充電するより悪く、また、高圧水素タンクに気体水素を充填するだけで大きなエネルギーロスになる。燃料電池車はそこから電気を発電し走行する。効率の面では二次電池式電気自動車を走らせたほうが良い。
- 輸入天然ガス改質が最も効率が良いが、化石燃料から水素を生産するとガソリン自動車と大差ない環境負荷となる。
- 自宅等での充填は想定されておらず、水素ステーションなどの水素供給インフラの整備に莫大な費用と時間が掛かる。また、現時点ではまだ生産量が少ないこともあり、高価である。
- 充填時間は、二次電池式電気自動車のバッテリー交換方式よりは遅い。
- 水素脆化により車両全体に及ぶ金属劣化に対する対策が必要。
- 実用的な水素吸蔵物質がなく水素吸蔵合金は重量あたりの充填量が少なく非常に高価。
- システムが複雑なため車上有効スペースの減少と重量の増加。
現状で自動車に使える燃料電池は低温で機能する固体高分子形燃料電池 (PEFC) だけとされている。PEFCは他の方式の燃料電池より効率が15% - 35%低いが、効率の高い高温動作燃料電池は24時間連続運転用で、停止するのは1か月に1度だけ、頻繁に起動・停止すると、熱膨張と収縮のため壊れてしまうので自動車に使えない。
- PEFCは低温反応のために白金を用いた触媒を不可欠とする。
- PEFCは白金触媒の反応性のために、ほぼ純粋な水素を必要とし、改質における未改質ガスやCOを除去しなければならない。改質器は高価で複雑なものになり車載は困難となる。
- 電解質を通すためのイオン交換樹脂の劣化による性能低下があり、信頼性・耐久性に問題がある。
金属燃料電池(金属空気電池)自動車
新しい材料と構造の金属空気電池を使い電動機を駆動する自動車。エンドユーザーにとっては空気電池を一次電池のように電池パックごと交換して使い、バックエンドの再生場で金属燃料と正極電解液を交換して燃料電池として再利用する。金属空気電池は燃料密度が大きく、容量が非常に大きいので、1回の交換あたり1000km以上を走行できる。金属燃料として金属リチウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、亜鉛などが検討されている[33][34]。
長所
- 電池をストックでき、ある程度停電に強い。
- 車載用として最も適した燃料電池
- 金属空気電池を二次電池として使う可能性もある
- 燃料電池のフィールドでの燃料補給は困難だが、二次電池にして充電できる可能性はある
短所
- 電池本体の問題
- 車載型燃料電池にできそうな金属空気電池は新しすぎて実績が無い
- 燃料電池のフィールドでの燃料補給は困難で、電池交換と再生工場が必要
- 交換式金属電極の規格化が必要
- 放電したあとの金属電極を精錬して再び金属電極とするために多大なエネルギーが必要となる
- (金属を再生する必要エネルギーが大きくエネルギー収支上問題があるだけでなく、工業レベルで安価に再生する技術的な目処も立っていない状況である)
- 燃料電池としては最もコスト安だが、既存の二次電池より安くなるか不明
- 二次電池を併用する複雑性
- 総合効率の向上のため回生ブレーキ充電用の二次電池が必要とされる
- 寒冷地の起動用にも二次電池が必要とされる
アルコール燃料電池自動車
アルコールを燃料タンクに蓄え、燃料電池で発電して走る電気自動車。アルコールを直接燃料電池に供給するものと、アルコール改質器を用いてアルコールから水素を得て、水素燃料電池に供給するものがある。発電用の燃料としてアルコールを利用するため、アルコールを直接内燃機関で燃焼させるアルコール燃料自動車とは異なる。
長所
短所
アルコール改質型は最も複雑なシステムのため、許容できないほどの車上有効スペースの減少と重量の増加とコスト高になる
- 他の方式のアルコール自動車と同じ短所
- アルコール燃料電池自動車固有の短所
- 二次電池を併用するハイブリッド車となる複雑性
- 総合効率の向上のため回生ブレーキ充電用の二次電池が必要とされる
- 改質器のために更に大容量の寒冷地の起動用に二次電池が必須とされる
トロリーバス(架線集電式ハイブリッド車)
架線を設けた幹線では架空電車線から集電して電動機で走行しつつ二次電池に充電し、架線のない支線で電池式EVとしての走行が可能な2モード電気自動車が構想されている。
トロリーバスは都市部の交通機関として古くから実用化されていたが、架線のある所以外では走れないことなどから普及が限られている。しかし近年、ハイブリッドバスに集電装置を取り付け、架線のない所でも長距離を走れるトロリーバスが開発され、公共交通機関として見直されている。
長所
- 電池が少容量(小型)で済み、重量・コスト面で有利。
- 持続的に大出力を発揮可能であるため、CO2排出で大きな比率を占めるバス・トラック等の大型自動車輸送の電動化に適用可能
- 車両コストはハイブリッド式と大きく変わらず、数百万から数千万円ですむ
- 架線のある幹線走行時は、車両からCO2を排出しない
- 架線集電では航続距離の制限が無い
- 電池式電気自動車に比して電池が小さいため車両が軽くなり、エネルギー消費が低減できる
- 架線集電はトロリーバスで十分実績がある
- 走行エネルギーコストが非課税ベースで電力は石油の10-15%である
短所
- 停電に弱い。
- 架線の問題
- 道路上の架線を社会が受容する必要あり、美観への影響と安全性が問われる
- 架線敷設の為、低く見積もってもkmあたり2-3億円のイニシャルコストが必要
- 通常の架線で交通集中に見合う電気容量が確保できる保証が無い
- 架線保守要員が必要
- 溶断、破断による新たな危険
- 整備不良車による他車や設備へのリスクが大きい
- 架線なしの末端道路ではエンジンを動かすのでCO2やNOxが排出される。
現状
- 従来は架線建設費回避のため「電池式」電気自動車の開発に注力されてきた。しかし、電池取得費が「架線式」架線建設費より遥かに高額なため、豪州や米国や欧州の一部で公共バスを中心にトロリーバスが見直され、ハイブリッドバスと影響融合しながら拡大している
- 都市間道路に架線が無いというインフラの問題で(ハイブリッドトラック/乗用車が実用化されているにもかかわらず)集電式ハイブリッドバスによる大型自動車輸送電化は、2008年現在トラック/乗用車に応用されていない。しかし、既に架線されている鉄道を活用してデュアル・モード・ビークルの一種であるデュアル・モード・トレーラーで都市間自動車輸送を電化しようという試みはなされている。ただし、トラック事業者から言えば道路を自社の(架線ハイブリッド)車で運ぶ場合と違い、デュアル・モード・トレーラーの場合、全区間を自社で運ぶ事が出来ず、JRに運賃を払わねばならない、車検と鉄道車両検査を受けねばならななどの問題があり、石油価格の上昇にもかかわらず大型自動車貨物輸送の電化は進んでおらず、インフラ整備が待たれる状況である[要出典]。
- トロリーバス
- デュアルモードトレーラー
- ボストンのハイブリッドトロリーバス
間欠給電式電気自動車
この電気自動車は、まず搭載バッテリーの寿命を飛躍的に伸ばしたことにある。これを実現するため、80m走行分ほどの小さなキャパシタC1を搭載する。このキャパシタは、走行中に起こるブレーキ時の発電を充電し、つぎの発進時に放電する。この充・放電をバッテリーの代りに行う。これにより、バッテリーの充・放電回数を1 - 2/日に抑えられるため、10年以上の電池交換が不要になる。さらに、この動作により走行距離も増加する。以上は中型車以下の電気自動車またはハイブリッド車に有効である。
また、大型の電気自動車などでは、さらに搭載電池量を少なくするには、停留所などで間欠的に外部給電を利用する方法もある。まず、停留所歩道端上部に給電線または1 - 2本の給電ポール (Charger Pole) を、車両側面上部に受電板 (Contactor) を設ける。車両が接近した時、給電ポール (Charger Pole) 上部に取り付けてある給電ロッド (Contactor) が車道側に回転し受電板 (Contactor) に接触して、停車中および発進時に車両のキャパシタ2に充電する。走行時にはまず、ブレーキにより充電されたキャパシタ1からの放電で発進し、次にキャパシタ2よりの放電、最後に電池の放電で次の停留所まで走行する。以上のパターンで停留所間を次々と走行する。渋滞や交差点の一時停止・発進にはキャパシタ1を利用する。登り坂では給電ポール (Charger Pole) よりの給電を優先的に利用する。以上により、給電状況によっては、従来の電池自動車の電池の小容量化(1/10以下)及び長寿命化(15年以上)を可能にした電気自動車システム[36][37]である。
長所
- 重量面、コスト面、環境面(CO2、NOx、核ゴミ等)で有利である。
- 車道上に架線(突出物)を張らなくてよい、純電気自動車である。
- 市内バス、宅配便、巡回車など停留所間が800m前後の間欠的な場合、300停留所走行するのに要する電池量は1/10以下も可能となる。停車・発進時の受電板からの外部給電、キャパシタからの内部給電、走行中の受電板からの外部給電が得られるためである。
- 渋滞等による回生はキャパシタ1が担うので、他の方式に比べ電池の消費・劣化が少ない。
- バス停に設ける給電ポール (Charger Pole) は分散給電のため小容量で、比較的安価である。
- 登り坂に給電ポール (Charger Pole) を設ければ、登攀能力は倍増する(または電池消費が少なくなる)。
- トラックなどで、屋根のない車両にも適用可能である。
短所
- 長距離(ノンストップ)走行には効果が少ない(市街地など短距離・繰返し走行によい)。
- (バックアップ電池がない場合)停電に弱い。
- 給電ポール (Charger Pole)、給電ロッド・受電板 (Contactor) の実績は少ない。
- 全幹線道に給電ポール (Charger Pole) を取付けると、保守要員も少なからず必要となる。
- 近くに商用高圧線 (600 - 1200V) がない場合、送電線が必要となる。
非接触充電自動車
電磁誘導や共振現象を利用して、接触なしに道路下に埋設した地下架線から走行中に給電・充電できるオンライン電気自動車や、コイルから停車中のみ給電・充電できる電気自動車がある。
非接触充電自動車は道路下に埋め込まれた地下架線やコイルにより走行中や停車中に車載電池に充電することで電池容量(重量とコスト)を抑えつつ、長距離の電池走行を可能とする。内燃機関も積んだハイブリッド車は非接触式プラグインハイブリッド車として機能する。 市内走行向けの路線バスの電化に最初の適用が期待されている。地下給電線や充電コイルの市街地への設置が進めば、電気自動車の普及に貢献すると目されている。
次の出典元の実験では、路線バスなら非接触充電の電池バスでかまわないことが判ってきた[38][39]。日産の次世代電池乗用車にも非接触充電車が計画されている[40]。
軌道走行中に充電し、軌道外を電池式EVとして走行する自動車を2モード電気自動車と呼ぶ。
大韓民国では Online Electric Vehicle (OLEV) という地下給電線を用いたシステムがあり、ソウル大公園内の2.2キロの循環バス路線内の3か所に合計400mに渡り給電線が埋設されている。試験結果に問題がなければ路線バスへの導入が計画されている[41]。
ドイツの概念では軌道走行をEVモードと完全に分離したリニアモーターとする2モード自動車の構想がある。高速道路自体にリニアモーターを組み込み、自動車を一体的に駆動しながら非接触給電により二次電池に充電し、高速道を降りた市中では通常のEVとする構想である[42]。2モードの軌道走行中は大幅に走行自由度が制限されるため、完全にモードを分ける考え方である。
長所
- 電池が少容量(小型)で済み、重量・コスト面で有利
- 軽量化が図れるため大型電気自動車に有利
- 非接触給充電装置のある区間走行時は、車両からはCO2を排出しない
- 非接触給充電装置のある区間内では航続距離の制限がなくなる
- 充電に伴う渋滞を解消できる
- 架線が無いため景観・美観上優れる
短所
- 充電頻度が高いと電池寿命が短くなる
- 変電所の建設や給電線の埋設など、インフラ整備に時間と費用がかかる
- 災害等で破壊された場合復旧に時間と費用がかかる
- 給電システムの保守要員が必要
- 給電サービスへの課金システムが必要となる
- 昼間充電する場合安い夜間電力が使えない(給電システムへの政治判断次第だが、通常の電池式は夜間蓄電・昼間走行)
- 停車中のみのコイルと、走行時も使えるレール状給電線との使い分けが必要なため、通行車両を考慮し計画的に埋設しないと無駄が生じやすい。
- 埋設されているコイルや地下給電線により走行形態が制限を受ける。(例 : 長距離トラックがコイル充電のため頻繁に停車するなど)
- 常時誘導電流が流れている場合、誘導電流によって車両が加熱される可能性がある
- 誘導電流によってペースメーカー等の医療機器に悪影響を与える可能性がある
- 磁場の強度は距離の二乗に反比例する為、路面の凹凸等で地上の一次側と車上の二次側のコイルの間隔の変動により伝達効率が変動する
改造電気自動車
ガソリンエンジンやディーゼルエンジンの自動車からエンジンやマフラー、燃料タンクなどを取り除き、モーターや電池を取り付けた電気自動車。EVコンバート、EVコンバージョン、コンバージョンEV、コンバートEVとも呼ばれる。広義のエンジンスワップに該当するため、電気自動車として公道を走行する場合は書面審査と構造等変更検査を受けて検査に合格する必要がある[43]。
長所
- 旧車や絶版車を用いるため、使いまわしができ、メンテナンスが楽。
- 個人や小規模な事業所でも改造できる。
- MT車からクラッチやギアボックスを取り外してAT車にすることもできる。また、MT車のままでなおかつエアコン、パワーステアリング非搭載車の場合は改造も簡単にでき、費用も安価である。
短所
- ベース車が普通車、大型車、AT車、エアコン、パワステ搭載車の場合は構造が複雑であり、改造費用が高価となる。
- 航続距離が基本的にエンジンより短くなる。
- 改造を行える事業所が少ない。
駆動系の配置による分類
電気自動車は電動モーターを含む駆動系の配置によりいくつかに分類できる。通常のガソリンエンジン車に最も近く、比較的簡単な改造によってエンジン部分を積み替え、プロペラシャフトやデフなどをそのまま使用するものから、駆動タイヤ近くにモーターを配置し、場合によっては減速ギヤを介して駆動輪に接続するもの、そして、最も従来の自動車とは異なる駆動系の配置となるインハブ・モーターを持つものなどがある。図では簡単のために後輪のみの二輪駆動で示したが、前輪駆動やエリーカのような総輪駆動も可能[44]である。
歴史
黎明期 1800年代 - 1950年代
初の電気駆動車は1835年、トーマス・ダベンポート (en) が作ったもので、小さな鉄道線路の上を走る電気機関車だった。1838年、スコットランドのロバート・デービッドソン(en)は時速約6kmの速度で走行する電気機関車を作った。1840年、イングランドで鉄道線路を電気の供給に使う方式の特許が取得されており、1847年にはアメリカでも同様の特許が取得されている[45]。
1830年代(正確な時期は不明)、スコットランドの発明家ロバート・アンダーソンが充電不可能な一次電池を搭載した世界初の電気自動車を発明した[46]。
販売された初の電気自動車は、最初のガソリンエンジン車(1891年)の5年前に英国で登場した。1899年にガソリン車よりも早く初めて100km/hを突破するなど当初は有望視され、自動車の黎明期には蒸気機関・内燃機関と動力源の覇権を争っていた。ハブにモーターを搭載したインホイールモーターの原型とも言える4輪駆動車を当時ローナー社在籍のフェルディナント・ポルシェが、1900年のパリ万博に出展した。
アメリカでも発明王トーマス・エジソンが電気自動車の改良に努め、特に充電可能なバッテリーの開発に邁進していた。しかし、広大な国土を持つアメリカでは航続距離の短さが克服し難いネックとなり、やがて彼の元で内燃機関を研究していたヘンリー・フォードによるフォード・モデルTの成功により自動車市場は完全に内燃機関自動車に支配され、イギリスでのミルク配達用や屋内用のフォークリフト等、一部を除いて電気自動車は一旦市場から姿を消す[47]。
1930年代、ゼネラルモーターズ (GM)、ファイアストン、スタンダードオイルカリフォルニアの3社の協業で National City Lines (NCL) という会社が設立された。この会社は各地の電気機関車を使っていた路面電車の会社を買い取り、電車を廃止してGM製バスに切り替えるという事業を行った。3社はNCLへの車両や燃料などの供給を独占したことで有罪とされたが、NCLによる交通サービスの独占は問題にされなかった(アメリカ路面電車スキャンダル)。
日本でも戦後、ガソリンの入手が困難だった時期にたま電気自動車等、数社から電気自動車が販売されていたが、朝鮮戦争による鉛価格の上昇やガソリンの入手性が向上した事により姿を消した。
石油ショック 1970年代
再び脚光を浴びるのは先進国でモータリゼーションが進んだ1970年代である。
オイルショックによる石油資源依存のエネルギーセキュリティ懸念や、排気ガスによる局地的大気汚染(公害問題の深刻化)の解決策として電気自動車が提案された。日本においては通商産業省(当時)主導の電気自動車研究開発プロジェクト(通称 : 大プロ)が実施され、本田技研工業を除く国内全メーカーが電気自動車を開発した。しかし主に鉛蓄電池を用いた電気自動車は性能を確保できぬまま、石油確保の政治的解決やガソリン自動車の排気ガス浄化性能の向上に伴い、電気自動車は再び姿を消す。
ゼロエミッション規制 1980年代後半 - 1990年代
次に状況が変化するのは1980年代後半、CARB(カリフォルニア大気資源局)のゼロエミッション規制構想時である。これはカリフォルニアで販売する自動車メーカーは一定台数、有害物質を一切排出しない自動車を販売しなければならない、という規制の構想であった。これに対応できるのは電気自動車と考えられた。
1970年代に比べ、鉛蓄電池からニッケル水素電池と言った技術の進歩もあり、実際にトヨタのRAV4EV、ホンダのEV-PLUS、ゼネラルモーターズのEV1などの限定販売・リースが開始され、電気自動車の本格普及も近いと思われた。しかし鉛蓄電池に比べニッケル水素電池はエネルギー・出力密度に優れてはいたが、それでも電気自動車は充分な性能(航続距離・充電時間・耐久性・車両価格など)を確保できなかった。
1990年代により高性能なリチウムイオン電池を採用したのは日産のみであった。(1997年プレーリージョイEV、1998年ルネッサEV/北米向けアルトラEV、1999年ハイパーミニ[48])ハイパーミニはアルミスペースフレームによる超軽量ボディとリチウムイオン電池を採用する意欲作ではあったが、車両価格が362万円と高価で、かつインフラ整備も整わず、普及には至らなかった。
これ以降、自動車メーカーは、電気自動車の欠点であるエネルギー密度の問題を解決するため、燃料電池を搭載した燃料電池自動車の開発などにも注力し、2002年(平成14年)には燃料電池自動車ホンダ・FCXや、トヨタ・FCHVのリースが開始されたが、水素ステーションの未整備など、使い勝手や費用等に問題があり普及には至っていない。
2000年代
電気自動車のネックとなっていたバッテリー性能について、大きな進歩がみられる。
モバイル機器等で使用が当たり前になったリチウムイオン電池を採用することで、性能向上を果たした電気自動車が発表されるようになった。リチウムイオン電池は、ニッケル水素電池より高エネルギー・高出力密度であるとされ、電気自動車の性能改善が見込まれる。充電時間についてはメーカーや研究機関で30分以下で70%の充電を可能にする急速充電技術が開発されている。電池寿命についてはモバイル機器などに使用されているものとは異なり長寿命である。長寿命である要因は質量あたりのエネルギー密度がモバイル用よりも少なく、設計的に余裕があるためである。後述のテスラの電気自動車では16万kmの電池寿命と発表している。(日本の自家用車の場合20万キロに及ばないうちに廃車になることが多いが、30万km以上使うこともある商用車などの用途では途中で交換が必要と考えられる。)
充電時間の長い二次電池を使用せず、動力源に絶縁性能を改善したキャパシタを用いた試験では、重量1.5tクラスの車両であれば、100km/hの定速運転で700km以上の航続距離を達成することが既に可能であると報道された[49]。短時間の充放電が可能なキャパシタは回生ブレーキで発生した電力の有効な回収手段としても注目されており、日産ディーゼルが開発中である[50]。
また、従来のバッテリーよりもはるかに高性能のリチウム・空気電池の開発も進みつつある[51][52]。
バッテリー性能向上のほかにも、電気エネルギ効率を高められるインバータによる可変電圧可変周波数制御といった、パワーエレクトロニクスの発達もあり、電気自動車の性能は向上している。慶應義塾大学電気自動車研究室が開発したエリーカでは、既に370km/hの最高速度と4.1秒の0 - 100km/h加速が達成されており、内燃機関車両に比べ簡単な駆動系で高い動力性能が引き出せることを実証した。
米国では、テスラ (Tesla) により、0 - 60mph (0 - 96km/h) 加速約4秒、最高速度130mph (208km/h) 以上、航続距離250mile (400km) を達成したスポーツカータイプの、純粋の電気自動車「ロードスター」が発表された。電池寿命は10万マイル(16万km)は動力性能を出来るとしている[53]。さらに2009年3月には「モデルS」が発表された。これは大量生産車で、2009年4月ごろの段階ですでに1200台以上受注し、すでに数百台が路上を走っており、毎週25台のペースで生産しており、予約は同年秋までいっぱい[54]とされた。燃費が非常に良く、トヨタのプリウスのおよそ2倍で、370km走っても電気代が500円程度で済む[55]とされた。
日本では2009年6月4日[56]に三菱自動車により三菱・i-MiEVが生産開始され、続いて2010年12月20日[57]に日産自動車により日産・リーフが生産開始された。
従来の電気自動車は、パワー・航続距離が不足しているため、短距離を走るシティコミュータなどが使用法として考えられてきたが、上記のような高性能の自動車が開発され、問題は解決した。
米カリフォルニア州の2017年のZEV規制の規制強化[58]、フランスやイギリス等におけるガソリン車・ディーゼル車の将来的な新規販売禁止(2040~2050年までを目途)[59]など、自動車メーカーによる電気自動車等のゼロエミッション車の開発・販売が急がれている。
電気自動車で先行する日産自動車[60]は、鋭い加速などが特徴のスポーツ車へのEVモデルを[61]、トヨタは航続距離の長距離化に有利と主張する全固体電池の実用化[62]を、それぞれ東京モーターショーで発表した。
中国では、2015年に発表した産業中期戦略「中国製造2025」において電気自動車を中心とした新エネルギー車を国家産業競争力の核心的利益として育てていく方針を打ち出し、2025年までに新エネ自動車販売台数を100万台、国内市場占有率70%以上にすること掲げた。2017年における中国市場の電気自動車販売台数は約58万台となっており、世界で販売される電気自動車全体の4割以上を占める状況となっている[63]。
導入事例
電気自動車の国内における導入実例には、1970年(昭和45年)の大阪万博の会場内輸送を担う車両の生産をダイハツが担当した。それ以来ダイハツは3輪バイクのハローや、商用車のハイゼットEVなどの市販電気自動車のほか、自治体や特殊法人向けにラガーを改造したEVを少数納入している。
山梨県北杜市では、7月末から電気自動車のモデルゾーン実験を行った。実験ではトヨタ車体(旧アラコ)『コムス』、ゼロスポーツ『ゼロEVエレクシードRS』、オートイーブイジャパン『ジラソーレ』、昭和飛行機工業『e-VAN』等が採用された。
日本郵政グループの郵便事業会社(現・日本郵便)は、2008年12月初旬から環境対応車両の実証実験を行って、郵便事業会社の保有する集配用の自動車2万1000台を電気自動車に切り替える方針を発表している[64]。しかし2011年にゼロスポーツが破産したことで導入計画は頓挫、その後日産・e-NV200や後述する三菱・ミニキャブMiEVバンを導入している。
日産自動車は2010年に発表したリーフを世界展開する。三菱自動車は東京電力と共同で開発したi-MiEVの販売を開始、商用車でもミニキャブバンをベースにしたミニキャブMiEVを開発、2010年秋にプロトタイプ車をヤマト運輸に貸与して実証実験を行い、2011年から2017年まで販売され、2013年からはトラックも追加された。
そのほかでは、ホンダが栃木県のサーキット、ツインリンクもてぎ内で提供している会場内専用のレンタル車輌などがある。
自動車共用実験では超小型モビリティとしてシティコミュータータイプの電気自動車を使用するケースがあり、トヨタ・e-comや日産・ハイパーミニなどがある。
トラックでは積載量2-3トンクラスの小型トラックでの採用例が見られる。2010年に三菱ふそう・キャンターをベースにしたキャンターE-CELLをIAAに出展、NEXCO中日本他でのモニター使用を経て2017年にeCanterとして量産を開始した。日野自動車は2013年にデュトロをベースにした集配車を開発、ヤマト運輸と西濃運輸が東京都内で実証運行を行った[65][66]。またヤマト運輸では集配車として三菱・ミニキャブMiEVに続いて2019年からドイツのストリートスクーター製電動トラックの導入を開始した[67]。
他に特殊用途自動車としては、ターレットトラック・フォークリフト・ゴルフカートでは電動式のものが少なくない割合を占めている。動力つき車椅子や老齢者用カートは大半が電動式である。
日本国外ではスイスの観光地ツェルマットなど、内燃機関自動車の乗り入れを禁止し村内の自動車は原則としてすべて電気自動車とされている場所などもある。完全に定着した特殊用途自動車としてイギリスの牛乳配達用車両 (milk float) があげられる。これは「早朝にエンジン車はうるさい」との苦情から発生したもので、鉛蓄電池により駆動する。
市販の自動車の電気自動車への改造は希に行われている。改造電気自動車には近距離の荷物配達用バン(デリバリー・バン)や霊柩車などの実例がみられ、珍しいところでは九州電力玄海原子力発電所見学者用のバスや九州産交バスの路線バスを電気自動車に改造。趣味性の高い方向では、日本EVクラブがマツダ・ロードスターのEV改造キットを発表したり、同クラブ広島支部が2007年から2008年にかけて事故車のデロリアン・DMC-12をEV改造し、翌年3月にナンバー取得をしたケースがある。
モータースポーツ
モータースポーツの世界でも、2010年代に入り電気自動車を用いたレースが徐々に拡大しつつある。
古くから電気自動車が活躍するレースとしてはパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムがある。標高3000mを超える高地で行われる同レースでは、標高による出力低下の影響を受けない電気自動車の利点を活かす形で多くの電気自動車が参戦しており、参戦台数の増加に伴い2012年からは単独の「Electric Class」が設けられた。2015年には並み居るガソリン車勢を破り、リース・ミレンのドライブするeO PP03が電気自動車として初の総合優勝を遂げ、2018年にはロマン・デュマのドライブするフォルクスワーゲン・I.D. R Pikes Peakがコースレコードを樹立している。
日本では2010年より、日本電気自動車レース協会 (JEVRA) の主催で「全日本電気自動車グランプリ」(通称 : EV-GP)シリーズが開催されている[68]。
2014年には国際自動車連盟 (FIA) がフォーミュラカーによるレースシリーズとしてフォーミュラEを発足させた。当初は速度が遅く軽んじる者もいたが、フォルクスワーゲングループのディーゼルエンジンにおける排ガス不正後は一転、ディーゼル推進派であったイメージを払拭したいドイツ車メーカーたちを中心にEVシフトが叫ばれ、ハイブリッドカーのF1やLMP1(ル・マン24時間)に代わり、メーカーが大挙する一大カテゴリとなった。
アメリカでは2018年からGRC(グローバル・ラリークロス)でEVカーによるクラスが発足する他、欧州中心の世界ラリークロス選手権でも2020年にEVクラスを導入する計画を進めている[69]。
市販車
日本
日産(またはその前身)
- 日産・リーフ 2010年-
- 日産・e-NV200 2014年-
- 日産・シルフィev(中国市場のみ) 2017年-
- 日産・プレジデントEV 1991年
- 日産・セドリックEV 1991年
- 日産・アベニールEV 1994年
- 日産・プレーリージョイEV 1997年(リチウムイオンバッテリー搭載)
- 日産・ルネッサEV(北米ではアルトラEV)1998年(リチウムイオンバッテリー搭載)
- 日産・ハイパーミニ 2000年(リチウムイオンバッテリー搭載)
- たま電気自動車 1947年(東京電気自動車)
三菱自動車
ダイハツ
スバル
- スバル・サンバーEV
- スバル・プラグインステラ
- スバル・R1e (計画のみ)
光岡
ゼロスポーツ
マツダ
本田技研工業
- ホンダ・EV Plus
- ホンダ・フィットEV(北米向け、日本国内ではリース販売)
- ホンダ・クラリティ エレクトリック
トヨタ自動車
その他
-
エブリデーコムス デリバリー
(アラコ) -
コムス デリバリー
(トヨタ車体) -
eCanter(三菱ふそうトラック・バス)
-
eCOM-10(シンクトゥギャザー)
アメリカ合衆国
テスラ
ゼネラルモーターズ
その他
ヨーロッパ諸国
ドイツ
- ダイムラー
- メルセデス・ベンツ
- スマート
- フォルクスワーゲングループ
- フォルクスワーゲン
- アウディ
- ポルシェ
- BMW
- オペル
イタリア
フランス
- CLEANOVA II Plus
- ヴェンチュリー・フェティッシュ/エクレクティック
- シトロエン・Eメアリ
- シトロエン・C-ZERO(三菱・i MiEVベース)
- DSオートモビルズ・DS3クロスバック E-テンス
- プジョー ・e-208
- プジョー・iOn(三菱・i MiEVベース)
- ルノー・カングー Z.E.
- ルノー・フルエンス Z.E.
- ルノー・ゾエ
- ルノー・トゥイージー
スコットランド
イギリス
- ジャガー・I-PACE
- Modec
- ライトニング・GT
オランダ
- デトロイト・エレクトリック
アジア(日本以外)
韓国
- 現代自動車グループ
- CT&T・eZone - 日本ではマティスを輸入する株式会社オートレックスがインポーターとなり、NAFCA加盟店の事業者が販売する。
- ADモータース・チェンジ - 日本国内での販売もe-Zoneと同じ。
- ルノーサムスン・SM3 Z.E.
- スピラ
- シボレー・スパーク EV
中国
脚注
注釈
- ^ 日本の法令上、トロリーバスは無軌条電車と呼ばれる鉄道として扱われ、自動車として扱われないため、電気自動車には含まれない。
- ^ 100Vより200V給電の方が電力ロスが少ない。
- ^ 一般に蓄電池の容量上限近くは内部抵抗が高くなり温度上昇と充電効率も悪化して時間も掛かるため、満充電ではなく80%ほどで充電を終える方式が採られる。
- ^ 数分程度で充電が完了する急速充電器も開発されている。充電器側はキャパシタなどを内蔵することで短時間に大電流を供給できるが、このような急速充電による車載蓄電池側の発熱などが問題とならないか不明であり、一般には十数分程度の充電時間とされている。
- ^ 十数分程度の充電時間が短縮できないなら、店舗内に留まる車両台数が増えて顧客回転率が低下する。充電サービス事業の収益性の確保や自動車台数への対応を考えればより多くの停車空間と充電器の確保が求められる。
出典
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参考文献
- 800馬力のエコロジー ISBN 9784789709323
- 電気自動車ウォーズ ISBN 9784023304864
- 快走・電気自動車レーシング ISBN 9784274022791
- 電気自動車 夢・化学21 ISBN 9784621047095
- 電気自動車のすべて ISBN 9784526037962
- 電気自動車ハンドブック ISBN 9784621048405
- EV・電気自動車―色々な方向に走り出します ISBN 9784381087836
- 疾れ!電気自動車 ― 電気自動車vs燃料電池車 ISBN 9784806712909
- 近未来車EV戦略 ISBN 9784380932557
- 電気自動車が加速する!―日本の技術が拓くエコカー進化形 ISBN 9784774137926
- 電気自動車は日本を救う ISBN 9784863540354
- 電気自動車の実像 ― EV・HEV・FCVの最新技術とその将来展望 ISBN 9784946428418
- 日本充電3000キロ―男たちの“手作り電気自動車”珍道中 ISBN 9784907727024
- 電気自動車の時代 ISBN 9784643911312
- 新しいEV―高性能電気自動車 ISBN 9784274031861
- 電気自動車時代
- 電気自動車 ― その利点と可能性 ISBN 9784526012648
- Takeshi KAWASHIMA and Ichiro FUJIOKA, . New public Transportation System with Bus Charged Intermittently at Every Bus Stop Using Green Energy (Model Experiment Using Golf Cart), Journal of Environment and Engineering, Vol.3, No.2, pp.374-384, 2008.10, 日本機械学会.
- Yasuro HASEO and Takeshi KAWASHIMA, Basic Research on a Novel Zero-Emission Public Transportation System (Design of Charge-Boosting System for an Electric Bus System Charged at Every Bus Stop), Journal of Environment and Engineering, Vol.5, No.1, pp.168-182, 2010.3, 日本機械学会.
関連項目
関連技術・車両
- プラグインハイブリッドカー
- ソーラーカー
- 電気バス
- 電動スクーター
- オンライン電気自動車 (OLEV)
- 低公害車
- エンジンスワップ - 市販エンジン車を改造したコンバートEVの制作は法的には「(燃料の変更を伴う)エンジンスワップ」となる。
- 回生ブレーキ
- フォーミュラE
- 燃料電池自動車
- 全固体電池
関連企業・団体
その他
- 省エネルギー電気自動車レース『ワールド・エコノ・ムーブ』
- 映画『誰が電気自動車を殺したのか?』
外部リンク
- 電気自動車は環境に優しいのか? - GNV (Global News View)
- 電動車両普及センター - 補助金交付、広報などを行う
- Electric vehicles - 英語版ウィキペディアカテゴリー
- Former production electric vehicles - 英語版ウィキペディアカテゴリー
- SIM-Drive
- Better Place
- 電気自動車サイト|日産
- EVスポット|電気自動車充電スタンド
- あすへ走る車 日映科学映画製作所 1980年 (科学映像館)