「茶草場農法」の版間の差分
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[http://www.niaes.affrc.go.jp/楠本良延 農業が育むもう一つの自然「茶草場の生物多様性」 (独)農業環境技術研究所研究成果発表会資料 2010年11月17日] |
[http://www.niaes.affrc.go.jp/ 楠本良延 農業が育むもう一つの自然「茶草場の生物多様性」 (独)農業環境技術研究所研究成果発表会資料 2010年11月17日] |
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2013年6月11日 (火) 16:56時点における版
茶草場農法(ちゃぐさばのうほう 英語:Traditional tea-grass integrated system )とは、秋から冬にかけて茶園周辺の「茶草場」(採草地)で刈り取った草などを木の根元に敷く伝統農法のこと。2013年5月30日、国連食糧農業機関(FAO)は、世界的に重要な地域として「静岡の伝統的な茶草場農法」を世界重要農業遺産システム(通称 世界農業遺産)に認定した。採草地では多様な動物・植物の永続的な生存が期待される。
また、同日、阿蘇草原の持続的農業(Managing Aso Grasslands for Sustainable Agriculture )と 国東半島・宇佐の農林水産循環システム(Kunisaki Peninsula Usa Integrated Forestry, Agriculture and Fisheries System )も同様に世界重要農業遺産システムに認定された。
概要
ここでは、掛川、菊川、島田、牧之原各市と川根本町の4市1町の代表的な茶草場農法について記述する。
4市1町の茶草場面積は計297ヘクタールと推計され、茶生産により維持される茶草場は、絶滅危惧種などが多く生育する貴重な半自然草地であることが明らかになりつつある。
東海地方の茶産地では、良質茶の栽培を目的として茶園にススキの敷草を施す農法が伝統的に行われており、茶草場における在来植物の多様性には、土地改変や管理履歴等の歴史性が強く影響を及ぼしていることが分かっている[1]。茶園の敷草としては、ススキの他、ネザサ等が使われ、これらを定期的に刈り取ることにより、キキョウやノウルシなどの絶滅危惧種や希少種が、「茶草場」としての採草地で多様な動物・植物と共に生存可能であると考えられている。
確認されている絶滅危惧種および希少種
レッドデータブック (Red Data Book、RDB)
植物種
- フジタイゲキ:絶滅危惧ⅠA類(CR)
- キキョウ:絶滅危惧II類(VU)
- キンラン:絶滅危惧II類(VU)
- フジバカマ:絶滅危惧II類(VU)
- ノジトラノオ:絶滅危惧II類(VU)
- ノウルシ:準絶滅危惧種(NT)
地域指定希少動植物種
植物種
- フジタイゲキ:静岡県絶滅危惧ⅠA類(CR)、掛川市指定希少野生動植物種
- キンラン:静岡県準絶滅危惧種(NT)
動物種
- カケガワフキバッタ:静岡県準絶滅危惧種(NT)、掛川市指定希少野生動植物種
対象地域とその面積
合計 297ha
日本国内でのこの農法への取り組み
- ほぼ全域で実施している:静岡茶(静岡県)、 鹿児島茶(鹿児島県)
- 1980~90年代まで実施していた:伊勢茶(三重県)、宇治茶(京都府)
- 1980~90年代半ば迄実施していた:八女茶(福岡県)
- 一部の農家で現在も実施している:神奈川県、徳島県、沖縄県
脚注
参考文献
楠本良延 農業が育むもう一つの自然「茶草場の生物多様性」 (独)農業環境技術研究所研究成果発表会資料 2010年11月17日
関連項目
- 国連食糧農業機関(FAO)
- 世界重要農業遺産システム(GIAHS、ジアス)
- 生物の多様性に関する条約
- 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律