「イタイイタイ病」の版間の差分
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*[[農用地の土壌の汚染防止等に関する法律]] |
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*[[土壌汚染対策法]] |
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[[汚染原因者負担の原則]] |
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*[http://www.env.go.jp/kijun/ 環境基準について(環境省)] |
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<!-- 参考外部リンク:http://www.d4.dion.ne.jp/~aoisora/sub82.htm --> |
<!-- 参考外部リンク:http://www.d4.dion.ne.jp/~aoisora/sub82.htm --> |
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2006年7月29日 (土) 02:33時点における版
イタイイタイ病(イタイイタイびょう)は四大公害病のひとつ。神通川下流域である富山県婦中町(現・富山市)において多発した。
骨が脆くなり、ほんの少しの身体の動きでも骨折し、患者が「痛い、痛い」と泣き叫んだ事から、地元の開業医である萩野昇博士により「イタイイタイ病」という名がつけられた。くしゃみや、医者が脈を測るために手を持っただけで骨折した事例もあり、波及的に死亡する事もある。
原因
岐阜県神岡町(現・飛騨市)の三井金属鉱業神岡鉱山が、亜鉛製錬において、鉱石である閃亜鉛鉱に含まれるカドミウムを除去せず、汚染された排水をそのまま高原川(富山・岐阜県境において宮川と合流し神通川となる)に放流していたことが、イタイイタイ病との間に相当の因果関係が存在するとされている。(富山県イタイイタイ病第1次訴訟)
症状の進行、経過については未だ解明の進んでいない事象も多いが、カドミウムの慢性中毒により腎臓障害を発症し、これに妊娠、授乳、内分泌などの変調、老化、及び、カルシウム等の栄養不足が誘引となり、骨軟化症をきたすことでイタイイタイ病に至ると考えられている。症状は、神通川流域の一部の地域にのみ限られており、また、患者は更年期を過ぎた妊娠回数の多い居住歴ほぼ30年以上の女性に集中している。
経過
神岡鉱山は、養老年間から鉛、次いで亜鉛の採掘を開始しており、大正時代から神通川流域においてイタイイタイ病が発症していたとも言われている。しかしながら、鉱山廃水による鉱害との認識は一般に認知されておらず、他の亜鉛鉱山・精錬所の下流域にも類似例がなかったことから、風土病とされた。
神岡鉱山は、三井組による組織的採掘、昭和・戦時下における大増産体制のもとで規模を拡大し、この規模拡大に伴った汚染物質の増大が、昭和における被害の拡大につながったと考えられている。また、戦時下の食糧物資の欠乏が、その症状悪化に拍車をかけた。
戦後、細菌説や栄養失調説など、原因について諸説が出されたが、昭和32年に地元の医師萩野昇博士によって重金属原因説が発表され、また、昭和36年に、萩野昇博士および経済学者吉岡金市がカドミウム原因説を唱えた。
一般的には、カドミウムによる尿細管障害が骨軟化症を引き起こすとするとされているが、現在では、カドミウム投与の動物実験が成功しておらず、尿細管障害と骨軟化症の因果関係が立証されていないことから、「カドミウム+α」が原因とされている。