「弾き語り」という言葉の意味を初めてちゃんと想像した気がする。弾きながら語る。想いを指先に宿し、物語を音に乗せて目の前の誰かに届ける。その為に人は楽器を持った語りべになるのだなと思った。
最近猫に毎>>続きを読む
有村架純大優勝案件ではないですか。こんな架純が見たかったような気がする。「ババア死ねよ」とか言っててもまろやか。でもただ柔らかいだけでなく、その奥に透明な憂いを秘めている。彼女の中には静かで深い湖があ>>続きを読む
軟水のようにするする見れた。この世に蔓延る女同士を対立させようとする風潮というか《面倒は全部女に押し付けとけ構造》マジでムカつく。しかも女性も無意識にそれに加担して自らの首を絞めている場合もあり根が深>>続きを読む
こんな「恋」という名前がつく前の、淡いけど確固たる気持ちを描いた物語だったのですね。アフンとアワンはもう名前からして双子みたいで、お互いが隣にいることに、それがこの先もずっと続くことに何の疑問も抱いて>>続きを読む
叩き割ったスイカみたいな破滅的な瑞々しさ。何もかもが匂い立つほど生々しいのに、長い白昼夢を見ているようでもある。行き場のないエネルギーが画面に漲り蛇のように畝っていた。白く流れる血、谷間の墓場、取り出>>続きを読む
結末はわかりきってるのに終始面白くは見れた。怒涛の編集で見せる乱痴気騒ぎと対比させた静かな終わり方も良い。雪が全ての傷を覆い隠し肌の温もりと溶け合って涙になったような、美しく切実な光景だった。でもなん>>続きを読む
ただ老いて死ぬことすら難しくなった。もはや呼吸すること以外は贅沢品になったと言っても過言ではない。私も老後屋根のある場所で眠れているのか今から不安で震えているので、主人公が預金残高を支出で割ってXデー>>続きを読む
「主は私に黒縁眼鏡の安藤政信をお与えになり、そしてお奪いになった。。。」ところで一旦思考が停止したので、シティハンターってこんな話だったのかぁとほぼ上の空で見てしまった。令和に「もっこり」を連発しても>>続きを読む
90年代の映画ってこんな感じだったよね〜という感慨に耽り続けた。あてもなく彷徨っている日々を切り取ったら、あら不思議映画になっちゃった、みたいなやつ。期待値が高かったので正直さら〜っと流れていってしま>>続きを読む
人間の愚かさにもほとほと見飽きて来たので特に新鮮味はなかったけど、自分達をこれほど露悪的に突き放して描けるのが良くも悪くもアメリカなのかなと思った。日本ならまず彗星の発見者が政府窓口に繋がるまでに1ヶ>>続きを読む
おじいちゃん二人が喋ってるだけなのに、可愛いし癒されるし精神的デトックス効果まである極上の会話劇。性格も思想も趣味も正反対の二人が対話によって歩み寄っていく姿が丁寧に描かれていて、ほんの短い時間なのに>>続きを読む
中村倫也のブランケットボイスが心地良い。「もしかして君も猫だった?」は言われたい台詞第一位。北海道の牛舎で暮らす大家族と、ミャンマーで水上生活する核家族が交互に映される。毎度ながら岩合さんにしか撮れな>>続きを読む
絶対理解できないだろうと確信しつつも謎の使命感により鑑賞。予想は見事に当たった。同じ時代を生きているのにここまでわからないなんて凄い。高確率で寝落ちできるので不眠症の方にお勧めしたい。今回はほぼ実写だ>>続きを読む
【追悼】死者の生前をしのび、その死を悲しむこと。
この言葉に貫かれた8分間。100万回名前を書いて祈ろうとも、どんな言葉でどんな行為でどんな表現で弔おうとも、その思いは報われる事はない。だからただ此>>続きを読む
同時上映の『オオカミの家』の衝撃で生首散歩の記憶しかない。プリミティブな不気味さが却ってチャーミングさを産む、という不思議な現象が起きていた。
JKシモンズがいつスパルタパパになって鞭を振るい出すのかと無駄にヒヤヒヤしてしまったので、こんな先入観を植え付けたチャゼル監督にちょっと謝って欲しくなった。(※めちゃくちゃ良いパパなのでご安心ください>>続きを読む
《羊の赤ちゃんに哺乳瓶でミルクをあげる男性(の慈悲深い眼差し)》に胸を撃ち抜かれた事をここに告白します。それを抜きにしても、ゲオルゲちょっと素敵過ぎない?そりゃあんな殺伐とした日常にゲオルゲみたいな包>>続きを読む
子供の頃にお母さんと一緒に作ったアップルパイみたいな、素朴で軽やかで甘酸っぱくて、でも思い出すと少し寂しくなるような優しい映画だった。蝶々みたいに掴みきれないけれど、ふわふわと刹那に艶めいて「ここでは>>続きを読む
韓国の近代史映画からは得てして権力に立ち向かう勇気をもらえますね。当然フィクションの部分も多いのだろうけど、朝鮮語を守るために命をかけた人達が居たことは事実だろうし、劇中何度か出てきた「1人の10歩よ>>続きを読む
サクッと見られて面白かったんだけど、こういった日本のお仕事映画を見る度に「連ドラにして欲しいな」と思ってしまう。短すぎて思い入れを持つ前に終わってしまうので勿体無い。吉岡里帆ちゃんは髪ボサボサのクタク>>続きを読む
とても成熟した贅沢な映画だと思った。これほど自分の死にじっくり向き合う思考力と、最期の演出を計画する時間と金銭的余裕と相談できる交友関係がある上で、実行を阻害するしがらみは(少なくとも本人の中には)な>>続きを読む
コン・リーの真正面カットから始まる。「お義母さん、もうその話はやめて。言われた通りに嫁ぐから。」みたいな台詞の後に静かに涙を流す。その表情は怒りと悲しみを押し殺している。この1シーンで彼女の置かれた境>>続きを読む
総合芸術の玉手箱。原作映画はうろ覚えだったけど、エドワードの子供時代が追加されてるくらい?でそこまで大きな改変はされてないように思う。結構後半までエドワードとキムの想いが通じ合わないのでヤキモキしつつ>>続きを読む
私も老後は貯金をはたいてLOVOTをお迎えしようかなぁと夢想しているので全然他人事ではないし、気の利いた演出と飽きさせない展開でとても良くできた作品だと思うんだけど、想像よりずっと多く悲しみを受け取っ>>続きを読む
私がモンスター(怪物)と言われて想像するのは《得体の知れない異形の存在》なので、木の怪物がばっちり人型(しかもマッチョな男性像)で出て来た時ちょっとがっかりした。とにかく木が暴れて襲って来たら夢だろう>>続きを読む
フェルディナントホドラーみたいな風景と素朴で可愛い街並みの中で、孤独なお爺さんと可愛い子供のほっこりした交流が描かれてるのは良かったけど、そのためならテーマはブラじゃなくていいでしょ。このお爺さんに多>>続きを読む
こんなの泣かずに観れる訳ないでしょ。何度も「オポ〜〜〜」って叫びながら観た。NASAのスタッフ達がオポチュニティのことを娘同然に愛し、寄り添い、心配し、希望を託し、労わり、励まし、無事を祈る姿に劇的に>>続きを読む
世にも切ない喋るフクロウ映画。誰がなんと言おうと揺るぎなく好きだと思える作品に出会えると、その自分だけの喜びを宝箱に入れたくなる。これもそんな映画だった。終始絵はとても可愛らしいのに、ずっと水の中で息>>続きを読む
テンポが良く音楽の使い方も上手くキャラクターも(主にホットなゼンデイヤが)魅力的で、終始面白く見れたので何も文句はないのだけど、清々しいまでに《私には必要のない物語》だったので具体的な感想が全く思い浮>>続きを読む
「数学者」はこの世で最も「魔法使い」に近い存在だと思っているので、私にとってジャンルはほぼファンタジー。主人公の男子高校生が(所謂アイドル的ではない)普通のちょっと冴えない子って感じなのが良い。その子>>続きを読む
こんな《はじめての子育て奮闘記〜ほっこり編〜》と《自意識拗らせ夫の後悔日記〜ズタボロ編〜》が1つの作品で両立してるなんて!?凄い合わせ技をぶっ込んでくるな〜と感心したし、モッくんがちょっとくどいくらい>>続きを読む
邦題がダサい上に大味過ぎて全く印象に残ってなかったけど、ギンズバーグさんのお話だったのですね。国は違えど『虎に翼』と重なる部分も多くて(虎翼亡霊)、道なき道を切り開く過酷さとその一歩の偉大さを改めて感>>続きを読む
あの水泡が音符になって氷の下で揺蕩ってるようなぽわんぽわんした音楽、着信音にしたいからiPhoneに登録して欲しい。ちょっと若人のノリについて行けないとこもあったけど(本屋とかバイク逆走とか)、20歳>>続きを読む
私の中の《クドカンを楽しめる季節》は過ぎ去ろうとしているのだな。。と思って寂しくなった。懐かしさ加点で何とか見れたけど、本作に限らずLGBTQ+とかMetooとか性教育とかハラスメントとか多様性とか、>>続きを読む
終始漂っている「嫌な予感」がラストに最大級の威力で襲ってくる。所謂ネタバレ厳禁案件なんだろうけど、ただ「映画を楽しむため」という理由で伏せていい情報だと私は思えない。軽い気持ちで見ると後悔するし、人に>>続きを読む
想定外の事しか起こらなくて訳がわからないのにはちゃめちゃに面白い。何度もびっくりして「ふえ!?」みたいな変な声出た。例え手足を拘束されようとも、頭の中まで縛ることはできないのだ。その藻がいて苦しんでボ>>続きを読む