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otomisanさんの映画レビュー・感想・評価

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砂絵呪縛(1960年製作の映画)

4.0

 この、素浪人十四郎が仕えるのはお天道様だけだぜ、という感じのまとめがいい。と、そうなるまでの数日の出来事がなんと、将軍家の御世継ぎにまつわる政争の裏舞台に巻き込まれて味わう大葛藤という事で、エラく遅>>続きを読む

フィツカラルド(1982年製作の映画)

4.1

 国際浪人フィッツが食い詰めるのも当然だ。
 まあ、アンデス横断鉄道の企画は山師っぽいが出来たらいいなという、誰かが言い出しそうな事ではある。だが、出資者を得て最初に仕入れるのはフルサイズの機関車とレ
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アルマゲドン・タイム ある日々の肖像(2022年製作の映画)

4.0

 誰でもいつかは別れなければならない。孫に生れれば爺ちゃんと死に別れ、公立学校に進めば黒人の札付きジョニーと出会い、ともに行き暮れて非行少年同士。
 お決まりのようになすすべなく色違いで引き離されてゆ
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美しき棘(2010年製作の映画)

4.0

 欧州の小咄によると、キリスト教徒の娘に手を出すと娘は「あゝ神様」とつぶやくばかり、しかし神様は決して救ってはくれない。ところが、相手がユダヤ人の娘なら、彼女が「おかあさん」と叫べばその母親が必ず駆け>>続きを読む

野獣(2018年製作の映画)

4.1

 子どもの世界はちっぽけだからヒーロー二人は暮らせない。だから張り合ってどっちがホンモノかはっきりさせなくちゃ。
 敵失で反撃開始、にらめっこでイーブン、機関車ではヤツのトリックに嵌って逆転されて、今
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.0

 この物語での一番の関心事はやはり、リディア・ターがベルリン・フィルでどんな公演をするかだろう。こののち何年か経て、この映画をAIに見せてリディア指揮マーラーの五番を構築させたらそれだけでこの物語の続>>続きを読む

警察日記 ブタ箱は満員(1961年製作の映画)

3.9

 そりゃあ満員だろう。もうすぐ外は白い冬、愛から見放されたやつ、食い詰めた奴等にどこ行く当てがあるべえか?
 と、こいつらはブタ箱の常連で物語のバックコーラス。舞台のセンターは吉永小百合16歳、明日は
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野獣死すべし(1980年製作の映画)

-

 伊達が何を目指したのか?一射一殺を込めた射撃の修練も戦場では何の役にも立てず、誰かの殺しの成果をお涙頂戴と本国に送り付けたならそりゃあクビにもなるだろう。

 どこの政府も殺しを躊躇わない。10年後
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素敵な歌と舟はゆく(1999年製作の映画)

4.0

 曰く言い難し。が、しかし恐竜の末裔が何語で何をしゃべるのかと思うとつい見入ってしまう。

 期待が萎むのに時間は要さない。すると、ひきこもりオヤジの女癖が悪いだの撃ちっ放し鉄砲百連発だの。どうせ金持
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ダムネーション 天罰(1988年製作の映画)

4.1

 カーロイの黒々とした言葉が絵を濃く染め上げ、雨続きの炭山を覆う。その難解詩が意味を成したのがいつだったか誰も覚えていまい。文壇から追われたのか、詩泉が枯れたのか、ならば今、1988年の雨の中、出炭索>>続きを読む

NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)

4.0

 毒だから止しな、と云われながらもあおる酒にはのんで捨てたい思い出があったりするが、クリスチーナ、フィリピンの下請け縫製工房で出した焼死人累々の思い出をどう振り捨てる?

 毒と承知でのめり込むビジネ
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猿の惑星(1968年製作の映画)

4.0

 「三十過ぎのヤツの云う事なんか信じるな」と告げる男は二千歳。キャリアのほとんどを宇宙で寝ていたわけだが、齢をとり過ぎてもう自分がいくつなのかも分からない。
 これだけでも笑っちゃうんだが、言った相手
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砦のガンベルト(1967年製作の映画)

4.1

 焼け落ちた騎兵隊砦の死屍累々たる中ににわか作りな十字の墓標が一基。
 誰を葬ったか、わけ知りらしき者は黙して言わず、さりとてキリスト教徒の眠るこのささやかな墓を疎かに検めもできず。さらに、墓のかたわ
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ゴジラ(1954年製作の映画)

4.0

 当のゴジラもさることながら、議会公聴会での小沢議員(菅井きん)の「バカ者」なる一喝が目を惹いた。
 これは、大山なる委員が発した、ゴジラ問題が惹起させる民心不安、ひいては国際問題までを懸念して、市民
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マーサ(2019年製作の映画)

4.1

 マーサはちゃらんぽらんでした。
 アンジーを巻き込んでしまってほんとにごめんなさい。おかあさんの最後の言葉を聞きそびれてしまいました。でもけんかになって終わらないでよかったかもしれません。もう会えそ
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119(1994年製作の映画)

4.0

 火事と喧嘩が江戸の華なら失恋は映画の華。何輪咲いたんだろう。

 キヨシローの声を借りて、大切な事なのに言えなくてゴメンと歌われるのだが、この御免、自分に向けて言ってるようで、それというのも相手はど
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LAST LOVE/愛人(2014年製作の映画)

4.0

 火野正平といえば昔から女が運命を背負ってくる感じ、よくもわるくもだったが。いくつになっても引き受けちまうんだなあ。

 真底、幻のギタリストになっても、正平のギターにしか正気を示さない女でも、ある晩
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イノセント(1975年製作の映画)

4.0

 愛人テレザの取り合いの末に決闘?
 いっぽう、D氏による原作刊行の5年後1897年、トリノ伯ヴィットリオ・エマヌエーレが侮辱の廉でフランスはシャルトル公のアンリ王子に決闘を申し込み破っているが、これ
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ミニミニ大作戦(1969年製作の映画)

4.0

 メディアに露出する犯罪王ブリッジャー。モリアーティ教授以来のこと。それもあろう事かトイレの中とあっておカンムリだろう。
 そうさせたチャーリーの馬鹿たれが持ちかける儲け話を冷静には受け取れないが、そ
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カウボーイ(1958年製作の映画)

3.8

 「ミスターロバーツ」のおっちょこちょいパルバーと「お熱いのがお好き」のダフネ嬢の間でジャック・レモンがカウボーイになっていた。全然不似合いなんだが本人はやる気満々。ただし、牧童になりたいというのでは>>続きを読む

大仏廻国(2019年製作の映画)

3.7

 歩くかどうかはともかく阿弥陀様は「南無阿弥陀仏」と唱えれば、お迎えに来てくれるもんだと思ってたのは遠いむかしの事で、いまどきは大仏なんてゴジラの兄貴分ぐらいのつもりで見てしまう輩さえいるらしい。
 
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お茶漬の味(1952年製作の映画)

4.0

 断層夫婦が接合を保つのは互いのプレッシャー故という誠に厄介な背景の話なんだが、お茶漬けの取り持つ縁とかで揺るがぬこと巌のごとくなりにけり。なんて、ちょっと調子が良すぎはしないか?

 それにしても佐
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街の上で(2019年製作の映画)

3.9

 死ぬまで三十路が巡って来ませんように、という感じ。ギター一本で飯が食えりゃあよかったんだが、すっかり薹の立った青少年、青のどやしつけても始まらないしな、若いまんまで終わってる感じの日々。
 ところが
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男はつらいよ(1969年製作の映画)

4.1

 20年の不沙汰で。「生きてたか」というくらいなのに。柴又に戻ってみれば迷惑と不快の数々でみなを揺さぶる昔と変わらぬガラッパチ振り。
 陽気な渡世人の悪気の無さはその通りなんだが、堅気の者に交わると渡
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喜劇役者たち 九八とゲイブル(1978年製作の映画)

4.1

 タモリがタモリ(芸振)を演じるというわけで、タモリ以上にタモリらしくて一層オモクロくないといけない。
 そこで、タモリに常人を越えた状況を与えようというので78年当時のタモリのお家芸で好事家御用達、
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ル・バル(1983年製作の映画)

4.0

 はじめて会ったあの時のように . . .

 ときが人を切り苛んで半世紀過ぎても想いはそのまま、あなたと踊りたいもう一度。なんて夢物語、たとえば町娘が大人の仲間入りするようなささやかなわたしの「舞踏
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日本ゲリラ時代(1968年製作の映画)

3.5

 令和のいま徴兵令状が届いたら、きっと但し書きに「免除には一千万円を要しますが徴兵期間を過ぎたら返金されます。」なんて書かれるだろう。しかし、還付金では引っ掛かってもさすがに徴兵詐欺ばかりは引っ掛かる>>続きを読む

肉体の門(1964年製作の映画)

4.2

 「飢えて妹は今ごろどこに」と歌われて、わたしはここでパン助で。
 そのときマヤがポツリと思った相手はボルネオで戦死した兄さんで、形見となった日の丸の寄せ書きをお守りのようにして里を出たもののなんの助
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浮雲(1955年製作の映画)

4.1

 高峰(ゆき子)の面白いことなんか何もありゃしない、という風でいても身体は正直に反応してしまう感じが、森の農林技官・富岡と似た者同士という。見た目には、嫌味な富岡とはケンカの種は数知れずと思わせるが、>>続きを読む

激突!(1971年製作の映画)

4.3

 最後まで名乗らないままでいやらしい。ただ、いやらしいのはあれがヒトではないかのような描き方に徹した監督の方で、トラック・ドライバー(TD)は名乗るいとまがなかっただけの事である。
 ついでにいうと、
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愛と死の谷間(1954年製作の映画)

3.9

 ヒロイン?津島恵子は愁い顔というより仏頂面というべきで、これにぶつけるのが何とも憂鬱顔な芥川でマイナス掛けるマイナスがもっとマイナスという感じだが、女医津島の顔を見れば病気も憂えて逃げ出すメリットは>>続きを読む

バティモン5 望まれざる者(2023年製作の映画)

4.1

 ナチスも一部の市民に強制退去を迫ったが「移転先」の確保はした。ドイツ人にできてフランス人にできないのは行政であり「配慮」である。
 更にナチスは彼ら退去民に与える決着を見据えており、それを目的として
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GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)

3.9

 文句を言っても始まらないが、少佐がいとも簡単に人形遣いと融合してしまうのが気に食わない。もう少し電圧の違いだか性格の不一致があってもいいんじゃないか?
 人形遣いの方はもとより電子回路上で「自然発生
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夢見る人々(1953年製作の映画)

3.9

 ざっと8年の無沙汰の末の再会であろうに、熱海の停車場で伴と澄子のずいぶんと明朗で淡やかな様子があとあと気になった。
 南方へ軍属として派遣された伴が人生の四分の一、8年どこに留め置かれたか、その事情
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甘い汗(1964年製作の映画)

4.1

 昭和39年のあぶら照りを大汗かいて乗り切った人々に京マチ子の「甘い汗」はどんな妄想を促したろう。
 マチ子の滴らせる甘い汗に感応した政商権藤が溺れる肉欲地獄。情炎に焼かれてつい本当の事を漏らし13年
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(1963年製作の映画)

4.0

 母ふたりの目前で息子二人が死んでゆく。相次ぐ二人の死で母ふたりは何を生きて来たのか分からなくなりはしないか?それでもそのままここで生きてゆくという。

 ここは昭和38年の広島。新築なった広島飛行場
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