Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

tsuraさんの映画レビュー・感想・評価

tsura

tsura

映画(350)
ドラマ(0)
アニメ(0)

ウィキッド ふたりの魔女(2024年製作の映画)

4.3

ふたり一緒なら なんだって出来る

このフレーズに込められた強さを思い返す度に涙が出そうだ

シンシア・エリヴォ × アリアナ・グランデ
エルファバ × グリンダ

大きな困難にも挫けず向き合う...
>>続きを読む

名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN(2024年製作の映画)

3.7

#名もなき者 A COMPLETE UNKOWN

ティモシー・シャラメ × ボブ・ディラン
カリスマ同士が奏でる孤独と闘いのエレジー

現代音楽史に燦然と輝く稀代のアーティストの心の揺れ。天才、異端
>>続きを読む

ザ・ルーム・ネクスト・ドア(2024年製作の映画)

4.3

芸術と死は過去より宗教画など数多の形を用いて語られてきたが本作も歴代アルモドバル作品に通ずる美が主人公達を囲み形成する
その流れを汲みつつその極彩の芸術の中で死、それも現代でも未だ議論或いはタブー視さ
>>続きを読む

トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦(2024年製作の映画)

4.2

動乱の香港

約4万人、300棟にも上る超密集のマンション群"九龍城砦"を舞台に繰り広げられる乾坤一擲の大抗争はレトロスペクティヴな人情噺と血が沸る様なアクションとの対比に興奮禁じ得ない!

昨年末の
>>続きを読む

エマニュエル(2024年製作の映画)

4.0

自己の欲望との対峙或いは絶頂と不感の考察。

皆、"私"という外殻を破るのは怖い。
過去、主体性を欠いて語られてきた女性のセクシュアリティについてをオードレイ・ディヴァン監督と主演のノエミ・メルランが
>>続きを読む

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

3.4

盲目の天才鍼医ギョンスが宮廷に渦巻く闇を"目撃"
その悪事を暴く為、奔走する姿を史実を基に描くサスペンススリラー

映画の後半から手に汗握る緊張感を持たせながら夫々の思惑見え隠れする展開は面白かったが
>>続きを読む

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

4.0

孔子曰く、「人間は逆境において人間の真価を試される」と説いた。

人は逆境に陥ると視野狭窄となり悲観的或いは自虐的になり余裕が無くなると。

しかしそこにこそ人生のチャンスは、光り輝く好機が隠れている
>>続きを読む

ドライブアウェイ・ドールズ(2023年製作の映画)

3.8

車の配送を兼ねた女子旅の筈が一転、トランクの荷物を巡りギャングとの追跡劇へ。

90年代末の空気感に対して強烈な下ネタを連打しながら現代的な文脈で我が道を突き進む2人(いや、殆ど片側だけだが)

そし
>>続きを読む

ぼくのお日さま(2024年製作の映画)

3.5


私はさくらの動揺から端を発したこの3人のすれ違いを青春の淡さへと変容させたこの結末を許し難い。
時代設定?田舎?それも分かるし受け入れるけど無垢な少年少女が招いたこの顛末にして、瑣末としては到底受け
>>続きを読む

ロボット・ドリームズ(2023年製作の映画)

4.1

Ba dee ya…
say do you remember
dancing in September
never was a cloudy day

ドッグとロボットとのビタースイートだけど深いリレ
>>続きを読む

動物界(2023年製作の映画)

4.0

未だ蔓延る人種差別、コロナ禍等の分断を経験した私達に再度翳される共生の意味。

安直なパニックムービーで語り過ぎる事を避け、謎の奇病に罹患した家族に焦点を当てる事で(フランソワとエミールの父子のドラマ
>>続きを読む

グラディエーターII 英雄を呼ぶ声(2024年製作の映画)

4.0

いやぁ...満腹とはまさにこのこと

暴虐と簒奪の歴史の旨味を凝縮した2時間半ものジェットコースター的史劇アクション超大作。
まさにこのアトラクションに乗ったら最後 、映画館で観る価値有りの怒涛の興奮
>>続きを読む

プリシラ(2023年製作の映画)

3.5

稀代のスーパースター エルヴィスと恋に落ちた14歳プリシラ、二人の蜜月の始まりから終わりまで。
目を引くアイテムの数々や撮り方に至るまでまさに細部に神が宿るが如くセンスは際立っているけどそのどれもがプ
>>続きを読む

ツイスターズ(2024年製作の映画)

3.9

最近の映画が楽しくなかった訳では無い。だけど連日の猛暑を吹き飛ばすにはハリウッドの王道が必要だった。そしてまさにこの作品はEF5級のエネルギーで観客を怒涛の迫力の渦渦中へと巻き込んでゆくスーパー・ディ>>続きを読む

ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ(2023年製作の映画)

3.8

サンローランの映画製作参入を讃える為に生まれたかの様な作品ではあるが、その実はオペラの序曲でも聴いたかの様な贅沢に酔い耽る30分。

私の愛するペドロは本作でも魅力爆発。
西部劇としても往年の名作と比
>>続きを読む

エターナルメモリー(2023年製作の映画)

3.6

失っていく日々。
そして鮮明に浮かぶ深い愛と夫婦の軌跡そして記憶の物語

愛おしい2人の生活に忍び寄る病。
アルツハイマーを患った元ジャーナリストのゴンゴラとチリの国民的女優でもあるパウリナ。パートナ
>>続きを読む

憐れみの3章(2024年製作の映画)

3.8


パンチが効きすぎる…164分 体感時間麻痺させる連続する悪夢。

極めて不愉快な物語なのに突き抜ける痛快さ。

私達が生きる現実とはこんなものだろと揶揄される感覚……

3章夫々で躍動するエマ・スト
>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.5

優しさを何処かに置いてきた私達に届いた現代の牧歌。

夜空を照らす何億もの星の事も、隣に居る人の事も実のところよく知らない。
だからこそ人は分からないから私達は時に傷付け、時には涙しながらも他者も愛す
>>続きを読む

至福のレストラン/三つ星トロワグロ(2023年製作の映画)

4.6

巨匠フレデリック・ワイズマン監督がフランスの老舗三つ星レストランを紐解く。

テロワールへの敬意、自然の恵み、そこから紡がれる食への探求。徹底されたディテールの数々に料理芸術と称される所以がこの240
>>続きを読む

夏の終わりに願うこと(2023年製作の映画)

4.0

これは凄まじい。
まさに諸行無常。
ソルの祈りの深さを感じる度に胸が張り裂けそうだった

「一粒の砂に世界を見、一輪の野の花に天国を見る。手のひらに無限をつかみ、一瞬のうちに永遠をとらえる」かのウィリ
>>続きを読む

インサイド・ヘッド2(2024年製作の映画)

3.9

思春期を迎え、いよいよセンチメンタルな感情と体の変化が一挙に迎えるこの時期。

ライリーもいよいよ高校進学への期待と不安が入り交じる瞬間を描出したのが本作。

サマーキャンプの一幕を通して多感な思春期
>>続きを読む

墓泥棒と失われた女神(2023年製作の映画)

4.4

生にも死にも意味がある。そして繋がっている。

ローマ帝国以前のエトルリア文明の文化(墓)を引用する事で忘れ去られし時代、人に想いを馳せる。しかしその実体は現世には無いChimera

それを盗掘して
>>続きを読む

チャレンジャーズ(2023年製作の映画)

4.5

この映画は恰もフェデラーとナダルのウィンブルドンでの名勝負を見てたあのユーフォリアのよう。

ブロマンス漂う関係にポリアモリーな空気を漂わせ肉々しい駆け引きのスイッチを入れ手玉に取るタシのカリスマ性。
>>続きを読む

時々、私は考える(2023年製作の映画)

3.8

朝。

港町。

まだ暗闇とも見分けのつかない時間、ドミナントカラーに支配された世界に少しずつ光が射し込む。

途端にエレガントなハープの音色が劇場を包み込む。

あまりの優しさと甘美な雰囲気は宛ら午
>>続きを読む

L'ete dernier(原題)(2023年製作の映画)

3.8

昨年のカンヌでも話題だったカトリーヌ・ブレイヤ監督が手掛けたデンマーク映画「罪と女王」をリメイクした本作。

継母と継子の肉体関係を通して見えてくる快楽の溺れる人間の心理面、社会に横たわる男女の立ち位
>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.3

鑑賞から幾分の時間が経過して感じることなのだが、この作品の原爆の描写に最適解は無いと言うこと。

もしかしたら、原爆の被害を直截的に見せた事でよりオッペンハイマーという人間の象りを感じれるのかもしれな
>>続きを読む

FLY!/フライ!(2023年製作の映画)

3.8

渡る事を捨てた渡り鳥のカモが一大決心を決めて家族と未曾有の大冒険へ!🦆

冒険心を擽り、家族愛と勇気を持つ大切さを感じさせるシンプルなメッセージ性。
それでいて鑑賞後の爽快感!

心に秘めたダイナミズ
>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.0

淡々と且つ抽象的な表現のまま、年月の揺らぎや変化を追い続けて帰納法的に帰結に結び付けるところまではアジア映画らしい佇まいがそこにはあった。
その中でこれまた欧米には少しイメージし辛い?"縁"や"前世"
>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.5

★★★★★
歴史的大傑作

映像化不可能と言われてきた「デューン」の飽くなき挑戦、そしてそれを実現させた一級のアーティスト達の本気を見た。
芸術も突き詰めれば万人に刺さる最高水準のエンタメになる事が見
>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.3

男性のクリシェには聴き飽きた。
女性が女性である所以。

大胆、辛辣、魅惑的だけど挑発的。
なのに狂おしい程に愛おしく切ない。
まさに骨の髄まで、物語の奥底まで堪能、心酔。
本当に楽しかった、大満足の
>>続きを読む

ゴジラ-1.0/C(2023年製作の映画)

4.2

遂に観ました。
いや、もう大興奮、大号泣でした。

私の映画館デビューは
「ゴジラvsキングギドラ」
初めて観た時の事を身体は覚えてくれていた。だって伊福部昭のゴジラのテーマ曲の音楽が流れた途端、大粒
>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.3

年末ラスト見に行ってきた。

カウリスマキ作品との出会いは「過去のない男」で、あの作品を見た当時その表現方法の可能性についてハリウッドに傾倒していた我が身にはかなりの衝撃を喰らった事は鮮明に覚えている
>>続きを読む

ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

4.1

食べること。それは生きること。

映画の大半を調理と食事で紡ぎながら、その料理によって強い絆で結ばれたドダンとウージェニーを通して食の美、人生の旨味と苦味。エスプリを堪能。

至高の一作であった。
>>続きを読む

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.2

なんて素敵な作品だろう

映画の中では極寒の観てるだけで肌を刺す感覚を覚える猛吹雪と、ときめく事すら忘れさせる寝台列車が舞台なのに、寒い日の一筋の陽光が仄かな温もりで心身を包み込んでくれる様に遣り切れ
>>続きを読む

シチリア・サマー(2022年製作の映画)

3.7

シチリアを舞台に若きニーノとジャンニのひとときの逢瀬。

夜を彩る筈の花火が、この映画の中では何処までも物悲しく切ない。
あまりに生きづらく本当の自分を隠さないと生きていけない私達のこの辛さ。
色モノ
>>続きを読む

マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

マエストロ:その音楽と愛と

レナードバーンスタインとフェリシア・モンテアレグレの生涯を通じての愛の変遷を描いたブラッドリー・クーパー入魂の一作

興味深い2人の関係。

前半部で、ニューヨーク・フィ
>>続きを読む