理想の映画。いい映画というのは単純で、人間が変わる過程を描く。しかし人間が変わるのがどれほど難しいか。1人の人間が変わるためには社会と正面から闘わなければいけない。これまでの自分を全部捨てて新しい自分>>続きを読む
素晴らしい。こんな芝居を撮ってみたい。カメラに映る感情に夢中になってるうちにいつの間にかストーリーが進んでいるような感覚。
(でもこういう芝居を撮れる監督って大体ハラスメントで訴えられてるんだよな、>>続きを読む
めちゃくちゃ映画的だし思ったより正統派なメロドラマだった。常に画面と音に動きをつけているのが古典的な映画という感じ。中盤の旅館のシーンとか成瀬の映画を思い出した。
あとやっぱり「死んでもいい」という感>>続きを読む
黒沢清的な変なビジュアル(おしぼり工場、留置所、何の仕事か分からないオフィス、廃品修理工場、ゲバラ軍団…)に特別興味を持てないので、単純に物語が面白いなと思って見れちゃったけど、その物語の面白さを変な>>続きを読む
初めて見たときより全然好きだった。適当に作ってるように見えて、話も撮影もよく出来てる。手持ちカメラ最高。トニーレオンが魅力的すぎる。めちゃくちゃ村上春樹。
レストア版、エンドクレジットがダサくなってて>>続きを読む
面白かった。世界の嫌な部分を捉えながらギリギリ「楽しい映画」として見せるバランス感覚がすごい。フキが大学生の家に行く場面すごい。
イタリア映画には珍しく無口でムスッとした男女のラブストーリーな時点でかなり好きだった。画面も1963年の映画とは思えないほどクール。そして何よりも映画でしか表現できないドラマ、映画マジックだった。
プロの登山家が具体的にどう山にアタックしていくのか分かって面白かったし、凄いところにカメラが入っていて凄かったけど、やっぱり170人いる現地の協力者たち(クーリーとポーター)の生活の方が興味あるし面白>>続きを読む
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感動した。
役所広司の「俺の子だ」の一言で全ての問題を乗り越える。この上なくドラマ的で映画的な瞬間。ラストのお弁当、「待ってていいんですか?」で泣きそうになった
凄い。アンゲロプロスもタルコフスキーもこの映画から生まれたように見える。
セリフ噛みまくってるし、明らかに芝居が下手な人がいるけど、キャラクターがみんな強い思想と意見を持っていて闘争し続けるから、少し>>続きを読む
めちゃくちゃ笑ったし心揺さぶられた。キャスティング、ロケーション、カット割り、物語、どれを取っても欠点が見つからない。作り手の頭の中で作られた要素が限りなく少なくて、外の世界との関係で映画を作っている>>続きを読む
脚本が圧倒的に面白い。演出によっては映画のための映画になっちゃいそうだけど、ギリギリのところで現実との地続きさを保ってる。
世間一般では「暴力」だとか「気持ち悪い」と言われるものを、「愛」だとか「美しい」と信じる人を真正面から描き、観客を宙吊りにする。
素晴らしすぎる。胸が張り裂けそうだった。
人生の大きな問題にぶつかって、捨てちゃいけないものまで全部捨ててしまった人間が、本当に必要なものをもう一度一つずつ拾い上げていくような映画だった。
軽い関係がどんどん重い関係になり、2人がついに愛し合えたと思ったときにはもう社会の袋小路に追い込まれている。
フォレストの話す内容が本当か嘘か分からないのが面白い。全部嘘の可能性すらあるのがすごい。今見せられてる映像が本当か嘘か分からないのが、ちょっとだけキアロスタミみたいだった。
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経済的に恵まれて自分の人格を省みる機会さえないイヴァンと、その超御曹司に見初められるほどの魅力に恵まれたアノーラの、恵まれた者同士のラブストーリー(愛はないけど)なので、上映中ずっと何とも思わなかった>>続きを読む
「天国は過大評価されてる」というセリフに癒された。生きるとか死ぬとかにこだわっているのが馬鹿らしくなる。死んだはずの人間が現世に蘇ってくることを当然のように受け入れるブンミおじさんがたまらなく美しく見>>続きを読む
「音の在り処を探す」というコンセプトを通して、宇宙、輪廻、人類といったテーマにまで話が及んでゆく、とてつもなく豊かなハイコンセプト映画。
政治的な意味でも映画的な意味でもものすごい力を持った映画だと思う。これほどまでに撮られる必要のある映画が近年あっただろうかと思うほど、撮られなければならない映画だった。そしてやはり撮られなければならな>>続きを読む
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個人的な心の病みをホロコーストという集団的な負の記憶と結び付けてるのが本当に素晴らしい。自分が『サウルの息子』を見て(不謹慎に思いながら)親近感を抱いたのと同じように、ジェシー・アイゼンバーグもホロコ>>続きを読む
冒頭に主人公の子供時代の印象的な思い出が断片的に提示されて、それがその後の3種類の運命の中で回収されるのがシンプルだけどすごくいい。
ただ当時のポーランドの政治的状況がよく分からないので難しいところが>>続きを読む
「すべての瞬間に意味がある」ということを言いたい映画だから面白いに決まっている。久しぶりに体感時間が半分くらいに感じる映画に出会った。
ここまで正直な映画は中々ない。これくらい正直なのは小説家だと結構いるけど、映画監督ではほとんどいない気がする。
トウキョウソナタを見たときの感覚に近い。人生より映画の方が大事な人が作った映画だ。
映画って普通こう撮るよねというイメージから一歩も出ない映画に比べたら何倍も面白い。少なくとも、このシーンはどう撮ればいいんだろうと深く考えた結果撮られたカットの連続でできているので、作り手の意志がちゃ>>続きを読む
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最高に面白い。序盤の説明シーンのワクワク感が半端ない。体内に入る前の縮小作業が3段階に分かれてるのもリアルでゾクゾクする。肺呼吸を利用して酸素補充するのも、耳の近くを通る時はみんな静かにするのも、抗体>>続きを読む
タイトルに賛成するので見た。感情剥き出しの芝居を手持ちカメラが至近距離から長回しで追っていくので、これが生のドラマかと興奮しながら見てたら、中盤でロミーシュナイダーの夫が演出家に「これがあなたの言う『>>続きを読む
こんな人間たちを撮れてしまったのは凄すぎるけど、やっぱり自分はしっかりしたストーリー(3幕の)がない映画はあまり好きじゃないし、この映画の中に自分の居場所がなさすぎで悲しかった。
ミランクンデラが言っ>>続きを読む
適応障害の話だった。「こんなこと言っちゃダメって分かってるけど、ミネソタに帰りたい…」のシーンで、人生でこんなに泣いたことないってくらい泣いた。
「なぜ僕は醜いの?」
「あなたは醜くないわ」
「ママだからそう言うんだ」
「だってママだもの、ママだからあなたを1番知ってる。あなたをよく知れば、醜くないって分かるわ」
「でも誰も話しかけない。この顔>>続きを読む
全てが映画的な具体に落とし込まれてしまっていて、上手いんだけど嘘にしか見えなかった。赤い帽子、ハイライトメンソール、”Beyond the Sea”、大きすぎるスプーンなどといった説話上の具体から、ケ>>続きを読む