MDF 【Main Distribution Frame】 主配線盤 / 主配電盤
概要
MDF(Main Distribution Frame)とは、電話局や集合住宅、ビルなどで、外部に通じる通信回線をすべて収容し、集中的に管理する集線装置。通常はアナログ電話回線の集配線装置を指す。マンションやオフィスビルなどのMDFは共用部に設置され、内外を繋ぐ電話回線や光ファイバー回線、CATVなどの加入者回線はすべてここを経由して各部屋、各フロアへ配線される。外から各部屋に個別に配線する場合に比べ、接続状態の変更などを一か所で集中的に管理することができる。
高層マンションや大規模な商業ビルなど大きな建物では、各階ごとなどの単位で「中間配線盤」(IDF:Intermediate Distribution Frame)と呼ばれる中継機器を設置し、MDFからこれを経由して各加入者宅へ配線する場合もある。
将来の通信需要を見越して、あらかじめ電話局からMDFまである程度まとまった数の回線を敷設しておくことがあり、入居者が契約する際に迅速に配線を済ませることができる。保安器などを設け、回線を落雷などからまとめて保護する仕組みになっていることもある。
電話局のMDFはNTT東日本やNTT西日本の局舎などに設置され、外部からの通信回線を交換機に繋ぐ前に集配線して整理する役割を果たす。NTT地域会社以外の通信事業者のサービスに加入する利用者の回線はMDFを経由して局内に設置された当該事業者の交換機などへ接続される。
光ファイバー回線では、MDFと似た役割を果たす建物全体の集配線設備を「PT盤」(Premise Termination cabinet)、IDFと同様に各階ごとに設置される集配線設備を「PD盤」(Premise Distribution cabinet)という。ADSL回線が主流の時代にMDFの呼称が広く定着したため、現在でも慣用的にPT盤を指してMDFと呼ぶこともある。
(2024.2.22更新)