LoRa
概要
LoRaとは、IoT(Internet of Things)向けの省電力広域無線通信(LPWA:Low Power Wide Area)の技術規格の一つ。米セムテック(SEMTECH)社が開発し、同社を中心とする業界団体LoRaアライアンス(LoRa Alliance)が推進している。「LoRa」の名称は “Long Range” (長距離)に由来しており、チャープスペクトラム拡散(chirp spread spectrum)と呼ばれる独自の変調方式を採用することで、低消費電力ながら見通しが良ければ10km以上(都市部などでは5km程度)の長い距離を通信できる。
1GHz(ギガヘルツ)よりも低いサブギガヘルツ帯(Sub-GHz)の電波を利用し、日本の920MHz帯など各国に設けられた免許不要の周波数帯域を活用することができる。伝送速度は250bps(ビット毎秒)程度とされる。
LoRaWAN (LoRa Wide Area Network)
LoRaは物理層における電波の変調方式を規定しているが、LoRaを利用して広域ネットワークを構築するためのリンク層(厳密にはMAC層:Media Access Control)のプロトコル(通信規約)を「LoRaWAN」という。
端末と基地局(ゲートウェイ)の間でデータを送受信する手順を規定しており、通信事業者などがLoRaを応用した通信サービスを提供する場合には、実際にはLoRaを包含するLoRaWANによるサービスとなる。若干紛らわしいが、LoRaWANでは変調方式としてLoRa以外にFSK(Frequency Shift Keying)方式を利用する仕様を規定しており、短距離を高速(最高250kbps)に通信したい場合に選択される。
(2021.7.27更新)