セクタ 【sector】 セクター
概要
セクタ(sector)とは、扇形、部門、部分、区域などの意味をも英単語。対象全体を分類・分割したうちの個々の部分、組織内の部門、物理的に扇形の形状になっているものなどを指す。ディスクセクタ
磁気ディスクや光学ディスクなど、コンピュータの記憶装置に用いられる円盤(ディスク)状の記憶媒体(記録メディア)における最小の記録単位を「ディスクセクタ」(disk sector)あるいは略してセクタという。
ディスク型の媒体はまず、木の年輪のように一定間隔の同心円で分割されたドーナツ状の「トラック」(track)に分割される。トラックの内部は一定の角度ごとに半径によって区切られ、小さな扇子型の領域に分割される。これを「トラックセクタ」(track sector)あるいは略してセクタという。
媒体の種類やフォーマットにもよるが、一つのセクタあたりの記憶容量(セクタサイズ)は概ね512バイトから2048バイト(2KB)程度とすることが多い。実用上は連続するセクタをいくつか束ねたクラスタ(cluster)を一単位として管理する場合が多い。
かつては内周側も外周側も同じセクタ数に分割するのが一般的だったが、外周の方が一周が長いため、外周側では記録密度が低くなる問題があった。現在では回転数の制御が高度になり、外周側をより多くのセクタに分割することで記録密度を高める方式が一般的になっている。
部門・区分などを表すセクター
一般の外来語としては、組織の内部を事業や業務の性質などで分類した「部門」(必ずしも組織に対応しない)のことや、社会における事業体の分類(公共セクター/民間セクター第三セクターなど)、産業や企業の分類(産業セクター)などの意味で用いられる。
なお、歴史的な経緯から、IT分野では3音以上の外来語で “-er” および “-or” 音や “-y” 音などで終わる場合の末尾の長音記号(伸ばし棒)を省く慣習があり、「セクタ」と末尾を伸ばさない表記が好まれる傾向にあるが、一般の外来語としては「セクター」と長音記号を付けるのが一般的である。