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カンマ 【,】 comma / コンマ

概要

カンマ(,)とは、欧文の文中で文字と並べて使用する記号(約物)の一つで、一文の中の区切りや長い数字の桁区切りなどに用いられるもの。日本語への音写では「カンマ」「コンマ」のいずれの表記も使用される。

欧米アルファベット圏で一般的に用いられる記号で、一文の中で句や節を区切る記号としてよく用いられる。日本語の読点(、)に近い。日本語の文書でも、公文書や法曹、理工学など分野によっては横書きの場合に慣用的に読点に代えてカンマを用いることがある。

欧米では長い桁の数字を表す際に3桁ごとに区切り文字を挟むが、英米など英語圏ではこの桁の区切りにカンマを、小数点にピリオドを用いる。欧州大陸各国(仏独伊西など)ではこれとは逆に桁区切りにピリオドを、小数点にカンマを用いるのが一般的である。

現代の日本では英米流にカンマを桁区切り、ピリオドを小数点とする表記法が普及しているが、「0.1」を「コンマイチ」と読むなど、今より大陸欧州の影響が強かった時代の名残りが見られる。世界的にもどちらを桁区切りとするかは分かれており、理工系分野では別の国で誤読されないよう桁区切りは空白文字(スペース)、小数点はどちらでも良いとするルールが用いられる。

IT分野では文字コード標準のASCIIで44番(16進数で2C)が「,」に割り当てられており、古くからデータ形式やプログラミング言語などで主に区切り記号として一般的に用いられてきた。改行とカンマでデータを区切る「カンマ区切り」(CSV:Comma-Separated Value)はデータベース表計算ソフトなどで互換性の高いデータ形式として広く普及している。

日本語の文字コードでは全角カンマ(,)が読点や半角カンマとは別に規定されており、日本語文章中で読点の代わりなどとして用いられてきた。Unicodeでもこれを引き継いでU+FF0Cに「FULLWIDTH COMMA」(全角カンマ)の名称で収録されている。言語によっては向きや位置が欧米のものとは異なる場合があり、これらに対応したバリエーションがUnicodeに多数収録されている。

(2021.10.19更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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