欧州連合(EU)加盟国が、防衛強化のため新設される1500億ユーロ(約24兆2000億円)の融資枠を米国製の兵器購入には使用できない見通しとなった。EUの執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン欧州委員長が明らかにした。欧州委は欧州大陸の安全保障体制を急速に強化しつつ、EU域内の防衛産業を発展させることを目指している。
24兆円の融資枠、米国製は対象外
欧州委はEU加盟国が武器の購入資金に充...
欧州委員長、防衛産業に「支出拡大」 増産・再編支援も
欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は「世界が殺伐さを増している」と述べ、欧州委は域内の防衛産業を支援して生産増強を図ると同時に、業界再編を促すべきだとの認識を示した。 フォンデアライエン氏によると、欧州委は新型コロナウイルスワクチンの生産拡大や天然ガスの共同購入に税金を活用した経験を踏まえて、防衛産業戦略を策定中だという。 フォンデアライエン氏は15日、フィナンシャル・タイムズ(FT
セルビアがフランス製戦闘機購入へ、ロシア頼みを転換
セルビアがフランスと歴史的な規模となる大型武器購入契約を結ぶ見込みだ。ロシアの緊密な同盟国とされるセルビアだが、ウクライナ戦争が引き金となった武器調達先の多様化の動きが見てとれる。 セルビアは仏航空機大手ダッソー・アビアシオンに30億ユーロ(約4900億円)でラファール戦闘機を12機発注する予定だ。セルビアは何十年もの間、ロシア製戦闘機に頼ってきたが、ここにきて西側諸国と長期的に深い関係を築く意
EU加盟国、欧州委の防衛「権限拡大」を警戒
欧州連合(EU)で財政的に保守的な加盟国は、欧州委員会が公表した防衛のための共同資金の拠出を増やす計画に反発している。域内の防衛産業を急ピッチで強化する動きは先行きが不透明になっている。 大半の加盟国は欧州の防衛強化と米国への依存軽減を望んでいるが、防衛に特化した新たな共同基金の監督を欧州委に任せるかどうかについては意見が割れている。 これは財政が逼迫するなかで欧州の軍事力を強化する難しさと、防