PCケースのトレンドは、1年かけて形成された感がある。2023年1月にフロントと左側面の間に支柱を置かないピラーレス仕様の「H9」シリーズがNZXTから登場し、ヒットしたのが皮切りだ。ピラーレスを実現したケースはHYTEから2022年4月に登場した「Y60」などがあったが、1年を通して複数のショップで売れ筋に挙げられるほどの売れ方をしたのは「H9」が初めてだった。
その後、8月にはフロントから背面にかけてコの字で曲げた強化パネルが覆うmicroATXケース「TK-1 White」がJONSBO SHENZHEN TECHNOLOGYから登場し、9月にはピラーレス構造も選べるLian-Liのミドルタワー「O11D EVO XL」が売り場に加わるなど、選択肢が広がっていく。
11月以降は、その動きが加速した。NZXTの「H6 Flow」やPC Coolerの「C3T500-ARGB」、DeepCoolのE-ATXケース「CH780」、フロントと左側面の間にタッチパネル液晶を加えたHYTEの「Y70 Touch」、天面を含む3面ピラーレスを実現したLian-Liの「O11 Vision」、フロントと左側面を曲面ガラスでつないだMONTECHの「KING 95 PRO」が立て続けに登場し、PCケース売り場の景色を大きく変えていった。
年末に複数のピラーレスケースが選べる状況の中で、TSUKUMO eX.は「今でも一番人気はH9シリーズですが、他にもたくさん選べる状況になっていて、工夫次第で面白くできそうですよね。自作欲を高めてくれたらと思います」と話していた。
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